保育士の給料は上がるの?副業で収入アップできる方法【FP監修】


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保育士として働いている人の中には、収入を増やしたいと思っている人もいるでしょう。収入を増やすには副業が近道ですが、保育士資格を生かして出来る副業にはどんなものがあるのでしょうか。
保育士として働くなかで、「自分の給料は同世代の他の仕事と比べて低いのでは?」と気になったことがある方は多いのではないでしょうか。保育士の給料は世間的に安いというイメージを持たれがちです。では、実際の年収や月収はいくら程度なのでしょうか。
令和2年の「賃金構造基本統計調査」(※1)によれば、保育士へ毎月「決まって支給する現金給与額」(男女計)は249,800円です。ちなみに「決まって支給する現金給与額」とは手取り額ではなく、所得税や社会保険料などを控除する前の金額のことです。よって税金などを引くと、保育士の毎月の手取り額は20万円前後と考えられます。
「決まって支給する現金給与額」の他に、「年間賞与、その他特別給与額」も調査で明らかになっています。保育士の「年間賞与、その他特別給与額」は、747,400円。これらを足し合わせて、保育士の平均年収は約374万円となっています。
年間賞与以外の「その他特別給与額」とは、いったい何を指すのでしょうか?
実は保育士には国から「処遇改善手当」というお金が支給されています。この手当は正規職員だけでなく、パートなど非常勤を含む全ての保育士が対象です。
「処遇改善手当」とは、保育士の業務量の多さや労働時間の長さなどが給料に見合っておらず、離職率が高いことから、保育士の収入をアップさせようと設けられたものです。
ここ数年は少子化にも関わらず保育のニーズは増え続けており、保育士は常に不足しています。保育士不足の要因の一つとして、保育士の給料が低いこと、そのために保育士資格保有者が保育以外の仕事に就いていることがあります。
そのため政府は保育士の確保に向けて、2015年に「処遇改善等加算」をスタートさせました。
処遇改善手当の制度は年々進化しており、2017年からは更なる処遇改善のための「技能・経験に応じた保育士等の処遇改善」という新制度が始まりました(※2)。処遇改善手当には、2種類あります。
保育士不足や待機児童の解消は社会的な課題のため、保育士の待遇は今後もさらに改善されると思われます。
ただし、処遇改善等加算Ⅰ、処遇改善等加算Ⅱどちらもある程度の勤続年数が必要です。また、処遇改善等加算Ⅱに関してはキャリアアップ研修などの受講を修了し、副主任保育士や専門リーダー等の役職を取得する努力も必要となります。
そのため「今すぐ手取りを増やしたい!」と思っていても、実を結ぶまで時間が必要かもしれません。
感染症拡大の影響を受け、保育士を取り巻く環境はいっそう厳しいものとなっています。そのことをふまえて国は、新たに2022年2月から保育士の収入を3%(月額にすると約9,000円)増やすための措置を実施することになりました。これが「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」(※3)です。この事業は一時的な賃上げではなく、賃上げ効果が継続できるように取り組むとしているため、今後も継続していくと思われます。
保育士の平均給料は平成30年度は3,579,300円でしたが、令和2年度は3,745,000円と、実際に年々上がっています。ただし、実際には勤務している保育園が公立か私立か、また保育園以外かによって給料の上昇幅には差があります。そして正規職員かパートタイムかなど雇用形態によっても違いがあるようです。
では、勤続年数や経験によって保育士の給料にはどのくらいの差があるのでしょうか?
令和2年の「賃金構造基本統計調査」(※1)によれば、保育士の年収はほぼすべての年代で300万円〜400万円台となっています。収入は20歳〜30歳くらいまでは緩やかに上昇しますが、それ以降の収入増はあまり見込めないことがわかります。
国は保育士の給料をあげるためにさまざまな施策を行っていますが、「頑張って長く勤めれば収入が増える」という希望が持てるほどには、まだ及ばないのが実状のようです。
大幅な収入アップがすぐには難しいとなると、考えたいのは副業です。そもそも保育士は副業をしても良いのでしょうか?
保育士で以下に該当する場合は、副業NGとなります。
上記以外の状況であれば、副業を考えてもよいでしょう。ただし、副業を始める際は必ず事前に勤め先の就業規則を確認しましょう。また、確定申告の義務があるにも関わらず、申告をしなかった場合は罰則の対象となります。申告は必ず行うようにしましょう。
副業をするなら、保育士のスキルを生かした仕事を目指すのがスムーズです。これまで保育士として働いたことがあるのであれば、その経験を生かさない手はありません。実際に保育士のスキルを生かして働くことができる副業には、どのようなものがあるのでしょうか?いくつかピックアップしてご紹介します。
ベビーシッターは日にちや曜日、時間を決めて仕事ができるので、本業の休日に活動できます。保育資格があるベビーシッターの時給は1800円前後が目安。マッチング型なら、自分で時給を設定できるのもメリットです。
また、ベビーシッターは1対1の個別保育が多いので、集団保育の保育園とはまた違う学びがあるでしょう。副業は収入だけでなく、スキルや知識、人脈など様々な面で新しい経験をすることが出来ます。自身の成長にもつながるベビーシッターは、保育士資格を持つ方にお勧めの副業です。
国は保育士の収入アップに尽力していますが、生活に余裕ができるほどの収入アップはすぐには難しいのが現実です。「もう少し収入を上げたい」「集団保育とは違うスキルを身につけたい」なら、保育士資格を最大限活かせるベビーシッターに登録してみてはいかがでしょうか?
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