赤ちゃんは妊娠5ヶ月頃から聴覚機能ができあがり、お腹の中でママパパの声を聞いて成長します。生まれてからは、お腹で聞いていた声を聞き分け、ママパパの声によく反応するようになります。赤ちゃんは聞こえる音から次第に単語を聞き分けるようになり、意味を推測し覚えていく能力を持っています。この発達を助けるのが「マザリーズ」です。今回は「マザリーズ」に関して助産師がお話します。

マザリーズとは?どんな言葉のことを言う?


赤ちゃんへの声掛け
子どもが生まれたばかりのママパパは、「マザリーズ」や「ペアレンティーズ」という言葉を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか? マザリーズとは、具体的にどんなものなのでしょうか。

マザリーズって何?


マザリーズとは、赤ちゃんをあやすときの優しくゆっくりとした声かけのトーンのことを言います。
マザリーズは、
●高いトーンで
●抑揚をつけて
●ゆっくりと優しく

というように、あかちゃんに聞こえやすいよう話します。

赤ちゃんを見た時に、つい「かわいいでちゅね〜」「〇〇ちゃん、いないいないばぁ!」と声のトーンをあげて話しかけてしまいますよね。それがマザリーズです。
驚くのは、マザリーズは日本だけでなく全世界でみられる話し方で、母親は赤ちゃんをみると、どんな人もゆっくりと赤ちゃんに伝わりやすい言葉で話すという習慣があります。
老若男女を問わずマザリーズを使うことから、この習慣はヒト共通のメカニズムがあると考えられています。

ペアレンティーズって何?


マザリーズは母親が赤ちゃんをみるとつい赤ちゃん言葉でお話をすることを言いますが、ペアレンティーズは、同じく「親」(父母を問わず)が赤ちゃんをあやすときの優しくゆっくりとした声かけのトーンのことを言います。

マザリーズの驚くべき効果と意外なメリット


それでは、マザリーズは子どもにどう影響するのでしょうか?そこには特別なメリットがあります。そのメリットについてお話します。

赤ちゃんの言語の発達に良い?


赤ちゃんに話しかけるときには、高い声で抑揚をつけて話すマザリーズ以外にも、「ねんね」「ないない」などといった育児語(幼児語)を使ってコミュニケーションをとることが多いのではないでしょうか。
マザリーズや育児語を使うと、赤ちゃんはその音によく耳を傾けるようになり、言葉の発達やコミュニケーション能力の向上に良い影響をもたらすといわれています。

赤ちゃんの関心をひき、マネしやすい


マザリーズの高いトーンの話しかけは、赤ちゃんの関心を引き、言葉に注意を向けられることが様々な研究でわかっています。言葉に注意を向けることで、言葉を真似しやすくなり、言葉を吸収し意味を推測しやすい環境を作ることができます。それが言語の発達を促し、子どもの言語レベルを引き上げるのです。

産後うつに効果があるという説も


実は産後うつにかかったママはマザリーズを話さず、平坦な口調になることがわかっています。またマザリーズを話さない状態が続くと、乳幼児へ悪影響を及ぼすとも言われています。
赤ちゃんにマザリーズを聞いたときの脳活動を調べると、言語野が刺激されてママ自身の脳にも良い影響を与えるということがわかっています。マザリーズは、赤ちゃんにだけでなくママにも良いものなのですね。

<参考文献>
子どもの言語発達に合わせて親もマザリーズ(母親語)の脳内処理を変化 | 理化学研究所

月齢別マザリーズの変化


マザリーズ
マザリーズには月齢別に効果が異なることがわかっています。ここでは月齢別にマザリーズの変化をお話します。

<参考文献>
0歳児におけるマザリーズの効果に関する一考察

●新生児期(生後すぐ〜1ヶ月頃)


新生児時期のマザリーズは、声のトーンを上げてゆっくり話すことで、赤ちゃんの聴覚を刺激し、関心を惹いて注意を持続させる効果があります。
音程が上がると赤ちゃんの目は大きく開かれ、音程が下がると目を閉じさせることもわかっています。単調な音だけよりも抑揚をつけることで、より興味を惹きつけることができるため、マザリーズを行うことで親子の共感力を高め、信頼関係を築くことができるのです。

●生後2~3ヶ月


赤ちゃんが少し大きくなってきた生後2〜3ヶ月頃は、マザリーズがより赤ちゃんの感情の成長を促すようになってきます。ママパパは、赤ちゃんの機嫌が悪い時や機嫌が良い時で自然とマザリーズを使い分け、よりその子に合ったトーンで話しかけるようになります。
この時期の赤ちゃんは、快・不快・怒り・恐怖・不安の感情がみられるようになりますが、マザリーズでゆっくりとした抑揚のある声かけをすると、赤ちゃんに快楽と安らぎを与えることができます。
またこの頃にマザリーズで語りかけることで、大人の言っていることを推測したり、思考したりする力を伸ばすことができるとも言われています。

●生後3~6ヶ月


この時期にマザリーズを使うと、赤ちゃんの覚醒を促すだけでなく、ママパパの気分や意図を察することができるようになります。
特に抑揚を音楽のようにつけることで、ママパパの発するメロディーとリズムの助けによって、赤ちゃんはママパパの気分や意図を察しやすくなることがわかっています。
言葉の違いではなく、赤ちゃんは音楽的要素に反応し、感情表現を広げることができるため、マザリーズはヒトが生まれながらにして備えている能力であると言えるでしょう。

●生後6~12ヶ月


この頃の赤ちゃんは、言葉の意味を少しずつ理解し始めるようになります。そうするとマザリーズも少し変化し、繰り返し同じ言葉を言うことで赤ちゃんに伝わりやすくなります。
1歳頃までは注意を惹きつけるためにマザリーズが必要ですが、1歳を過ぎると注意を惹きつけるだけでなく言葉の理解を促す効果があることが脳科学的にもわかってきました。この時期は、赤ちゃんに繰り返し何度も語りかけるようにし言語発達を促していきましょう。

助産師がオススメするマザリーズの使い方


ここからはどんな状況で声かけをするとよいか、具体的な声かけのポイントをご紹介します。ママだけでなく、パパも参考にしてみてくださいね。

赤ちゃんへの声かけのポイント


マザリーズやペアレンティーズで話しかけると赤ちゃんの心拍数は上昇し、より多くの反応をみせるようになります。ただ単に話すのではなく、赤ちゃんと目を合わせながら、表情もオーバー気味に語りかけると赤ちゃんの五感をより刺激することができるでしょう。

*赤ちゃんへの声かけのポイント*

①ゆっくりと優しく
②抑揚をつける
③声のトーンは高めに
④目を見ながら、表情はオーバー気味に
⑤短い言葉をなんども繰り返すように話す


赤ちゃんはこの話しかけが大好きで、安心します。是非試してみてくださいね。

声かけが苦手なママパパが増えてきている!?


核家族化が進み、昔に比べて近所の人などを巻き込んで育児する家庭が減ったせいか、ママパパから子どもへどう接したらよいのかわからないという声も聞きます。
子育てに正解はありませんが、できるだけ多くのコミュニケーションを取ることが子どもの成長・発達に欠かせないことは間違いありません。まずはマザリーズを取り入れていき、目を合わせながら子どもとコミュニケーションを取ってみましょう。

*助産師からの一言コメント*
日本人は外国の人々に比べるとオーバーリアクションが苦手な印象があります。中には赤ちゃん言葉で話しかけることに、苦手意識を感じる人もいるかもしれません。
赤ちゃんにとって一番大切なのは、ママパパから愛情をもらっていると感じることです。
無理のない範囲でよいので、「〇〇ちゃん、すごいね」「〇〇ちゃん、よしよし」と名前を優しくゆっくり繰り返し呼んであげてください。
そうすることで赤ちゃんは自分の名前を認識し、言語の発達にもよい影響を与えることができますよ。


赤ちゃんのお世話は24時間。時には休息も必要


赤ちゃんは可愛い反面、24時間365日いろいろなことに注意を払い、お世話をしなくてはなりません。ママパパも少しずつ疲れやストレスが溜まることもあります。

ママパパのリラックスする時間も作ろう


マザリーズを話す年頃の子どもは、24時間安全を確保してお世話をする必要があるので、ママパパは常に緊張感を持って接していると思います。
赤ちゃんに話しかけるのがちょっとしんどいなと思うことがあれば、それは休息のサインです。パートナーやベビーシッターに子どもを見てもらい、自分だけの時間を確保してリフレッシュをしましょう。倒れてしまう前に早めに休息をとることは、とても大切なことです。ママパパの幸せが赤ちゃんの幸せであることを忘れないでください。

今すぐベビーシッターを依頼してみる

子育てにマザリーズを上手に取り入れよう


ベビーシッター
マザリーズを使うことは、親子共にメリットが多くあります。現在赤ちゃんを育てている方は、意識して実践するとよいでしょう。
また子育てに疲れた時は休息をとることも忘れてはいけません。「ちょっとしんどいな」と思ったら一人で抱え込まずに、早めに周りの人に頼るようにしてくださいね。
周囲に頼る人がいない、なかなか助けてほしいと言えない人は、ベビーシッターサービスを利用することもオススメです。今はスマホからベビーシッターを頼める時代なので、親だけで頑張ろうとせずに、無理をせずに子育てをしていきましょう。

キッズラインには、保育のプロが在籍


ベビーシッター・家事代行サービスのマッチングプラットフォームであるキッズラインでは、ベビーシッターとして、保育士や看護師など保育の専門資格や研修を完了した家庭保育のプロフェッショナルが多数在籍しています。
初めてのシッターに保育を依頼する際には、顔合わせまたは事前面談が必要なので、まずはよさそうな人に連絡を取ってみましょう。
「赤ちゃんへの声かけの仕方が分からない」「どんな風に接すると成長を促せるのか知りたい」といった子育ての疑問も、保育のプロに聞いてみるとスッキリすることも。子育ての伴奏者として、お気に入りのベビーシッターを探しておくと、これからの育児を楽しむことができるはずです。

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■フリーランス助産師 上原沙希
東京女子医科大学病院 産婦人科 MFICU に勤務後、より多くの方の力になりたいという思いを抱き、英語力習得のためヨーロッパ留学とギリシャ難民ボランティアへ。その後フリーランス助産師として独立し産婦人科クリニックにてお産介助や妊婦指導などを行う傍ら精神疾患患者や障害をお持ちの患者さんのケアも行う。現在は子持ちフリーランス助産師として産婦人科業務以外にも妊産婦向け商品開発やライター、思春期相談、マタニティヨガ指導、性教育など幅広く活動中。


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