子どもは2人以上ほしいけれど、家庭の事情や育児に対する不安から悩んでしまう「2人目の壁」。2人目の壁はなぜ感じてしまうのか、今回はその理由を辿りながら、2人目の壁を乗り越える方法をご紹介します!

「2人目の壁」とは

日本において1人の女性が産む子どもの数(合計特殊出生率)は、2019年時点で「1.36人(※)」といわれています。実はこの数字、年々低下傾向にあります。
では、多くの女性が「子どもは1人以上ほしくない」と考えているのかというと、そうでもありません。子どもがほしいか、ほしくないかという選択肢以外に、「子どもがほしいけど悩んでいる」という選択肢が存在するのです。


それが「2人目の壁」です。「子どもは2人以上ほしい」そう考えてはいても、あらゆる不安から一歩踏み出せない方も多いようです。では、2人目の壁を感じてしまう不安点とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。


※) [厚生労働省|令和2年版 厚生労働白書]調べ

2人目の壁を感じてしまう子育て不安



2人目の壁を感じる理由は、家庭によってそれぞれです。なかでも多い悩みが「経済的な不安」・「育児をする不安」・「保活の不安」。そこで、この3つのそれぞれの不安点について、詳しくみていきましょう。


【教育費・養育費】家計が心配!「経済的」な不安
子どもを育てるためには、様々な費用がかかります。


・子どもの成長に伴う「教育費」
・日々の生活にかかる「養育費」


子ども1人が成人するまでを考えると、教育費だけでも約150万円~450万円程度かかると言われています。子どもが2人になれば教育費は2倍です。この経済的負担は、かなり大きいものなので不安になるのも無理はありません。


1人だけでも大変なのに、2人も「育児」をする不安
たとえ子どもが1人でも、育児は大変。毎日の子育てはもちろん、進学や進級、習い事など考えるべきことや手続きも多くあります。さらに家事や仕事、介護など、家庭の日常的な忙しさが加わることで両立することに不安を感じてしまうのは当然です。


【待機児童問題】2人目も繰り返す「保活」の不安
日本では長年「待機児童問題」が取り上げられています。最近では、その数も減少傾向にあるようですが、まだまだ保育園に入るのは大変。「1人目でも待機児童問題に悩まされたのに、また2人目も……」と考えると、不安に感じる気持ちも理解できますね。


さらに子どもが2人となると、1人目の子どもの保育園と、2人目の子どもの保育園が別々になってしまうケースも少なくないようです。そうなってしまうと、送迎や保育園行事も2倍になるため、大変さも増すことでしょう。

2人目の壁を乗り越えるために考えたいライフ設計やお金事情

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不安要素もある2人目育児ではありますが、事前に準備をすることでその不安を緩和することは可能です。子ども2人の育児に余裕が持てるよう、ライフ設計やお金事情について、事前にしっかりと考えておきましょう。例えば、次のようなことを考えておくと、2人目の壁を乗り越えやすくなります。


家計を救うお得な情報【子育て支援の確認】
2人目の壁を感じる理由として、多くの方は「経済面」を不安とされています。特に成人までの教育費を考えると、その負担を重く感じることもあるでしょう。しかし、長年、少子化問題に向き合っている日本では、子育てを支援する取り組みも多く行われています。


例えば、2019年10月から始まった【幼保無償化】。これは3歳~5歳の幼児が通う幼稚園や保育園の保育料が無料になるという制度です。一般的には、私立幼稚園の場合、3~5歳の3年間通うと50万円前後の費用がかかるとされています。家計にとって、これだけの費用が無料になるというのは、かなり嬉しいことですよね。


詳しくは以下の記事でもご紹介しています。
【子育て支援制度と手当】3人育児の助けになる「お金」のハナシ


他にも、自治体によっては、様々な経済的子育て支援の取り組みが行われています。


・子どもの医療費助成
・子育てサービス費用助成
・義務教育費用助成


お住まいの自治体では、どういった取り組みをしているのか事前に調べることで、2人の子どもの育児に対する経済的な不安を緩和することができます。


将来のリスクを考えた【ライフ設計の見直し】
子育てをする上でしっかり考えるべきなのが「万が一」の対策。病気や事故で家族が働けなくなったり、子育てに参加できなくなったり、最悪の場合は亡くなってしまう可能性もゼロではありません。そんな時、経済面はもちろん、子育ての面でも「子ども2人を抱えて、そのピンチを乗り越えられるのか」と不安に感じることでしょう。だからこそ、将来訪れる可能性があるリスクにはしっかり向き合った上で、ライフ設計をすることが重要です。


例えば、保険の見直し。もしも家計から1人分の収入が減ってしまった場合、保険からどの程度賄うことができれば生活をしていけるのか、しっかりと見直しをして計画しておきましょう。また「万が一」を予防するという意味でも、定期的な健康診断はとても重要です。会社の義務に限らず、家族全員の健康状態を確認することも、2人の子どもを育てる上で大きな安心と余裕につながることでしょう。


出産・育児で踏み出す【キャリアの第2ステージ】
2人目の出産・育児において「保育園」の問題を2人目の壁と感じている場合、個人として立ち向かうのは「仕事復帰への壁」でしょう。家計のためだけではなく、自分のために子どもが産まれても仕事を続けたいという方も多いのではないでしょうか。


しかし、1人目の出産でも保育園になかなか入れず、仕事復帰が大変だった人にとって、2人目も同じことを繰り返すことをためらってしまうのも無理はありません。さらに1人目で産休・育休をとったのに、また職場に言い出すのが気まずいという方もいらっしゃるかもしれませんね。


このような場合、2人目の出産・育児をきっかけに次のような新しいキャリアに向かう方もいらっしゃるようです。


・会社でさらに求められるよう、仕事で需要の高い資格を取る
・仕事と育児の両立がしやすいよう、時間に自由が利くフリーランスになる


2人目の子どもがいながらも働きやすく、キャリアも失わない選択肢も視野に入れて対策することで、仕事復帰や保活問題への不安も軽減できるのではないでしょうか。

2人目の壁を乗り越えるために知りたい「兄弟育児」のメリット**

不安が解消できても、それを上回る「希望」が見えなければ、2人目の壁を乗り越えることが難しいことも考えられます。そこで次に、兄弟育児をした場合、家族にはどのような希望、つまりメリットがあるのかをご紹介します。


【兄弟育児】ママパパにとってのメリット
兄弟がいることで感じるメリットは、子ども同士が仲良くしてくれることです。子ども1人でもお世話や遊び相手は体力がいるもので、大変さを痛感している方も少なくはありません。しかし、子どもが2人以上いる兄弟育児の場合、上の子どもが下の子どもの面倒を見てくれるというシーンがあります。


さらに下の子どもは上の子どもを真似してできることも増えるため、教育の面でもママやパパの負担が軽くなる場合もあります。


【兄弟育児】子どもにとってのメリット
家庭の中に子どもが1人しかいない場合、おもちゃやテレビの奪い合いという兄弟げんかは起こりません。しかし、実はこの兄弟げんか、人とのコミュニケーションを学ぶ大事なきっかけになるのです。けんかをすれば、仲直りするための話し合い方法や許す心を身に付けることができますし、譲り合いや我慢をすることも、兄弟と過ごす日々の中で学んでいくこともできます。


こういった経験は、社会で円滑なコミュニケーションを築く上で、とても役立つことでしょう。

2人目の壁を乗り越えるために準備しておくこと

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2人目の子どもを迎えるためには、物理的な準備も大切です。出産時、育休中、日々の子育てと、考えるべきことやするべきことは多くあります。そこで次は、2人目の壁を乗り越えるために準備しておいた方が良いことをご紹介します。


【2人目の出産前】の準備
2人目の出産は2回目になります。出産に伴う用品の準備は難しくないかもしれません。しかし、2回目の出産ではありますが1人目の子どもとママが数日間離れて生活することは初めてのことになるでしょう。普段ママがメインで子育てをしているご家庭では、「出産入院中、誰が上の子どものお世話をするのか」ということが問題になります。パパが仕事をしながら保育する場合は、仕事と子育ての両立が難しくないかを検討し、祖父母に預ける場合には先方の都合も早めに確認しましょう。


ただし、お世話する人が確保できても、万全な準備とはいえません。なぜなら、普段一緒にいるママの姿がないということは、子どもにとって寂しく不安なことだからです。また、子どもの安全のためにも普段の様子や必要事項は事前にしっかりと共有しておきましょう。


【2人目出産の準備】
出産入院中に上の子どものお世話をしてくれる人とは、次のような情報を共有しておくと安心です。


・生活で良く使う物の場所
・普段から好んで愛用しているおもちゃや安心できるもの
・子どもの食べ物の好き嫌い
・子どもが体調を崩した時の対応(かかりつけの病院や薬など)


また出産入院時に、いきなりお世話を任せるよりも事前に練習しておくと安心です。ママと離れ、お世話をしてくれる人と一緒に過ごす時間を短時間でも作ることで、親子共に安心して当日を迎えられるのではないでしょうか。


【2人目の育休】の準備
2人目の育休中、地域や園の方針によっては、保育園を一時退園となるケースもあります。そうなると育休から復帰するためには、2人分の保活をしなければならず、2人分の心配をしなくてはなりません。そういったケースも十分に考えながら、職場と育休復帰に関する調整をする必要があります。さらには、無事保育園に入園できた時のことも考えて、育休明けの時短勤務や対応についても話し合う必要はありますよね。


また育休中の育児休業給付金についても、要注意。1人目の子どもと2人目の子どもの産休・育休の期間が短い場合、育児休業給付金が支給されないこともあります。給付金を受け取りたい場合は、育児休業給付金の受給条件をクリアしていることを確認して、2人目の妊活に励んだ方が良いでしょう。


【2人目の子育て】の準備
子ども2人の子育てを乗り越える上で重要となるのが「頼れる人」の存在です。送迎や保育などを代わってくれる人はもちろん、子育てや家事の大変さから気持ちに余裕がなくなった時に相談できたり、手を差し伸べてくれたりする存在を見つけておくと安心です。


例えば、1人目の子どもの学校行事に下の子どもを連れていけない場合や、下の子どもの看病で上の子どものお世話ができない時などです。このような場合に備えて、保育園などの施設以外にも子どもの預け先を確保しておくと安心です。また、上の子どもの習い事と下の子どもの送迎時間が重なってしまう、といったケースも良くある話です。


子育てが大変な時、祖父母が遠方に住んでいたり、仕事をしていたりして、すぐに頼れない場合もあるでしょう。その場合、一時預かり保育施設やベビーシッターなど、万が一の時に備えて身近に子育てをサポートしてくれるところがないか、確認しておくことも安心につながることでしょう。


さらに地域によっては、 ベビーシッター 家事代行のような子育て支援サービスの費用を助成してくれる制度を設けていることもあります。この点も十分に確認しておくと、負担を減らして2人の育児ができそうですね。

まとめ

「子ども1人でも大変なのに、2人も!」と子育てへの不安はもちろん、経済面やキャリアに関する不安など、2人目を授かるという喜び以上に「壁」を感じている方も少なくはないことでしょう。そんな2人目の壁を乗り越えるためには、あらゆる方面から2人育児に役立つ情報の確認を事前にすることが大切です。またそれに基づいた準備を進めることも重要となることでしょう。




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