生後2ヶ月を過ぎたころから始まる怒涛の予防接種。1歳のお誕生日を迎えるまでに16回も予防接種を打つ必要があります。打ち忘れがないようスケジュール管理を行うことが大切です。また、予防接種は体調が悪いと打つことができませんので、体調管理にも注意する必要があります。そこで今回は、0歳に必要な予防接種について医師が詳しく解説します。

0歳の定期接種とは?



まずは、0歳でどのような予防接種が必要なのか詳しくみていきましょう。


●ヒブ(インフルエンザ菌b型)、肺炎球菌
ヒブと肺炎球菌は乳幼児の細菌性髄膜炎の原因の約8割を占めるとされています。予防接種には発症を防ぐだけでなく、万が一発症したとしても重症化を防いで後遺症が残るリスクを減らす効果が期待できます。実際、ヒブと肺炎球菌のワクチンが定期接種になったのは2013年からですが、乳幼児の細菌性髄膜炎の発症率は大幅に減少しています。


●B型肝炎
B型肝炎ウイルスへの感染を予防するためのワクチンです。B型肝炎に感染すると肝臓に慢性的な炎症が生じ、肝硬変や肝臓がんになるリスクがあります。


●ロタウイルス
2020年10月から定期接種となったワクチンです。ロタウイルスは乳幼児に重度な胃腸炎を引き起こすことがあるウイルスで、乳幼児の胃腸炎による入院の多くはロタウイルスによるものと考えられています。ワクチンを接種することで、感染や重症化を予防する効果が期待できます。なお、他のワクチンはどれも注射で接種しますが、ロタウイルスワクチンは飲むタイプのワクチンです。


●4種混合
ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオに対する4種類のワクチンが含まれた予防接種です。いずれも現代ではあまり聞かない病気かも知れませんが、後遺症を残し、重症な場合には死に至ることもある感染症です。


●BCG
結核を予防するためのワクチンです。結核も現代では発症者は少なくなっていますが、日本は他の先進国と比べると発症率は高いです。乳幼児が感染すると髄膜炎などを引き起こして後遺症を残すこともあります。また、結核菌は空気感染をするため、一般的な感染対策では効果が期待できないので予防接種でしっかり免疫を付けておくことが大切です。

どのようなスケジュールで進めていけばいい?

0歳時には上述した6種類のワクチンが定期接種とされています。しかし、BCGを除く5つのワクチンは1歳までに3回(ロタワクチンのタイプによっては2回)接種する必要があるため全部で16回になります。さらに、予防接種は次回接種までに一定の期間を開ける必要があるためスケジュール管理をしっかり行うことが大切です。


日本小児科学会が推奨する予防接種のスケジュールをご紹介します。


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●生後2ヶ月
生後2ヶ月を迎えたら、できるだけ早くヒブ・肺炎球菌・B型肝炎・ロタウイルスの4種を同時接種しましょう。特にロタウイルスは生ワクチンのため、次回の予防接種は4週間以上の間隔を開けなければなりません。ずれ込んでしまうと後々のスケジュールが狂ってしまうので、早めに予防接種デビューをしましょう。


●生後3ヶ月
初回の4種同時接種から4週間が経過したら、ヒブ・肺炎球菌・B型肝炎・ロタウイルス2回目と4種混合1回目の5種類を同時接種しましょう。一度に5種類ものワクチンを接種することに不安に感じる方も多いと思いますが、現在では打ち忘れを防ぐために同時接種がスタンダードな方法であり、リスクも単体で接種するケースと変わりないため、過度な心配は必要ありません。


●生後4ヶ月
2回目の5種同時接種から4週間が経過したら、ヒブ・肺炎球菌・ロタウイルス3回目(ロタウイルスはタイプによって2回のみ)、4種混合2回目の4種類を同時接種しましょう。
この4種類同時接種が完了すれば、怒涛の予防接種ラッシュも一段落です。


●生後5ヶ月以降
生後5~11か月までに4種混合3回目、生後5~7ヶ月までにBCG、生後7~8ヶ月までにB型肝炎3回目を接種しましょう。なお、BCGは生ワクチンのため、次の接種までに4週間以上の間隔をあける必要があります。注意しておきましょう。


日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールの変更点

体調が悪いと予防接種を受けられない?
予防接種は病原体に対する免疫を作る目的で行われますが、体調が悪い時に接種をすると、発熱などの副反応を起こしやすくなります。そのため、接種前の医師の診察で微熱がある時や鼻水・咳、下痢などの症状がある時は、接種を見合わせることになります。


せっかくスケジュール管理をしていても、体調が悪い状態が続いた場合には、改めてスケジュールを組み直さなければなりません。
予防接種を予定している前は、赤ちゃんへ負担になるお出かけは控えましょう。また、風邪のような症状がある時は、事前にかかりつけ医に相談して必要があれば治療を受けましょう。


病児・病後児の保育も依頼可能

感染症に関わらず、子どもの急な発熱などで仕事を休まなくてはならない。そんな時に限って大事な会議やキャンセルできない用事がある場合に、病児や病後児の預け先としてベビーシッターという選択肢があります。

キッズラインでは小児病棟で働いた経験がある看護士の方など、看護師資格を保有しているサポーターも在籍しております。病児または病後児、感染症の保育を対応しているかどうかはサポータープロフィールからご覧になれます。

また急な預け先として必要になった場合に、スムーズに依頼できるよう、依頼したいサポーターを数名候補にあげておく、事前面談を済ませておくことをオススメします。

まとめ

生後2ヶ月を迎えると、1歳のお誕生日までに6種類のワクチンを計15回以上接種する必要があります。特に2~4ヶ月までは一度に4~5種類の接種が推奨されており、スケジュールをしっかり把握しておくことが重要です。
予防接種は赤ちゃんを感染症から守る大切なもの。過度な心配をせずに打ち忘れがないように注意しましょう。




■監修ライター:成田亜希子
2011年医師免許取得。一般内科医として幅広い疾患の患者様の診療を行う。行政機関に勤務経験もあり母子保健分野も担当。育児に悩むママたちに医師という立場から様々なアドバイスを助言。プライベートでは二児の母。自身の悩みからも育児の情報発信している。