夏になると多くの赤ちゃんに現れる「あせも」。赤いぶつぶつを見つけると「これって大丈夫?」「どうケアすればいいの?」と心配になりますよね。
そこで本記事では、赤ちゃんのあせもの原因やできやすい部位、正しいケア方法、病院受診の目安などを、わかりやすく解説します。「うちの子のあせも、どうすればいいの?」と不安な方も、読み終える頃にはきっと安心できるはずです。

*この記事のポイント*

⚫︎赤ちゃんはあせもができやすい
⚫︎首・背中・おむつまわり・耳のうしろなど
⚫︎基本のスキンケアで予防・改善可能
⚫︎ベビーパウダーや大人用ローションはNG
⚫︎改善しない場合、病院を受診するのが安心


赤ちゃんにあせもができやすい理由とは?


赤ちゃん あせも
赤ちゃんのやわらかい肌に赤くぶつぶつとした「あせも」ができると、見ているだけで痛々しく、不安になるものです。とくに初めての夏を迎える赤ちゃんは、汗をかく量も多く、保護者が戸惑うことも多いでしょう。ここでは、そもそも「あせも」とは何なのか、そして赤ちゃんが特にできやすい理由について、ご紹介します。

あせもとは?種類と仕組みを解説

あせもとは、正式には「汗疹(かんしん)」といい、汗をかいた後に汗腺(汗の通り道)がつまることで起こる皮膚のトラブルです。 皮膚の中に汗がたまり、炎症を起こすことで、赤いぶつぶつやかゆみが生じます。 なお、あせもには以下のようにいくつか種類があります。

【1】水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)
小さな水ぶくれのようなあせもで、かゆみや痛みはほとんどありません。

【2】紅色汗疹(こうしょくかんしん)
赤くぶつぶつとしたあせもで、かゆみやヒリヒリ感があることも。赤ちゃんによく見られるタイプです。

【3】深在性汗疹(しんざいせいかんしん)
あまり見られませんが、より深い部分で起こるあせもで、白っぽい湿疹が特徴です。

赤ちゃんが特にあせもになりやすいワケ

赤ちゃんの体は、体温調整が未熟なうえ、体の面積の割に汗腺の数が多いため、大人よりも汗をかきやすい構造です。また、肌がとても薄くデリケートなため、 ちょっとしたムレやこすれでも炎症が起きやすく、あせもにつながりやすい のです。
加えて、赤ちゃんは自分で「暑い」「汗かいた」と訴えることができないため、気づかないうちに大量の汗をかいていたり、肌着がムレていたりすることもあります。

赤ちゃんのあせもができやすい部位とその特徴


汗をかく赤ちゃん

首まわり・背中・おでこ|通気性が悪い場所に注意

首まわりや背中、おでこは、よだれや汗がたまりやすく、衣類との摩擦も多い部位です。首のしわの間に汗がたまり、そこに汚れやよだれが加わることで、あせもが悪化しやすくなります。特に後頭部から背中にかけては、寝ている時間が長い赤ちゃんにとって、蒸れやすいポイント。こまめに汗を拭いたり、肌着を交換したりすることが大切です。

おむつまわり・股・おしり|ムレとこすれのWトラブル

おむつで常に覆われているおしりや股のあたりは、特にあせもができやすい場所。尿や便による刺激のほか、おむつの素材による摩擦、通気性の悪さなどが重なって、肌が赤くなったり、ぶつぶつができたりします。おむつをこまめに替えることに加えて、おむつ替えの際にしっかりとおしりを乾かすことが重要です。

新生児のあせも|よだれ・吐き戻し・授乳でできやすい意外な箇所

新生児期の赤ちゃんには、首のしわの間や、耳のうしろ、胸元などにあせもができることがあります。これは、よだれや吐き戻し、母乳やミルクが肌に触れてしまい、拭ききれずに湿った状態が続くことで起こります。清潔なガーゼで優しく拭く、授乳後は首まわりまできちんと確認するなど、日常のちょっとした気づかいが、あせも予防につながります。

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赤ちゃんのあせもの正しいケア方法


赤ちゃん スキンケア
「赤ちゃんのあせもってどうケアすればいいの?」と迷う方も多いでしょう。実は、毎日のスキンケアの積み重ねがとても大切です。ここでは、基本のケア方法からNG行動、薬の使い方までご紹介します。

基本のスキンケア|清潔・保湿・通気性がカギ

まずは、1日1回の入浴でしっかり汗や汚れを落とすことが基本 です。ぬるめのお湯(38〜40℃)で、赤ちゃん専用の低刺激な石けんをよく泡立てて使いましょう。ゴシゴシこすらず、手のひらや柔らかいガーゼで優しく洗ってください。

お風呂上がりにはしっかり水分をふき取り、肌が乾ききる前に保湿ケアを。保湿剤は、無香料・無着色・アルコールフリーのものがおすすめです。

あせもができた時のNG行動と対処法

あせもができたときに避けたいのが、ゴシゴシとこすること。また、 以前はあせも対策として使われることもあったベビーパウダーですが、現在は医療の専門家のあいだで使用はすすめられていません。 汗で固まり毛穴をふさいでしまい、かえって悪化するおそれがあるためです。

また、冷やしすぎたり、清涼感のある大人用ローションを使うのもNG。赤ちゃんの肌には刺激が強すぎるため、赤ちゃん用のアイテムを使ってください。

薬はどう使う?市販薬・病院処方の使い分け

あせもが軽い場合には、赤ちゃん用の市販薬でも改善することがあります。ただし、赤みやかゆみが強い場合には、病院で処方される薬が必要になることも。病院では、必要に応じてステロイド入りの薬が処方されることがあります。

ステロイドと聞くと「怖い」「使いたくない」と感じる方もいますが、医師の指導のもとで適切に使えば安全 です。自己判断で薬を使い続けたり、強さの異なる薬を使い分けるのは避けましょう。

赤ちゃんのあせも予防のコツ


赤ちゃん お風呂
あせもはできてからのケアも大切ですが、そもそもできにくい環境を整えることがもっとも大事です。毎日の生活の中でできる予防のポイントを押さえておきましょう。

服選びと室温管理でムレを防ぐ

夏場は特に、服の素材選びが重要です。吸湿性と通気性にすぐれた綿100%の肌着を選びましょう。重ね着はなるべく避け、通気性のよい薄手の服を選んであげると◎。

室温は25〜28℃、湿度は50〜60%を目安に。冷房や扇風機を使って快適な環境を保つことが、あせもの予防につながります。ただし、冷やしすぎには注意してください。

日中の汗・ムレ対策

赤ちゃんが汗をかいたときは、こまめに着替えさせたり、濡れタオルやガーゼで優しく拭き取るようにしましょう。その後、必要に応じて保湿剤を使うのがおすすめです。

また、外出時には冷感タオルや保冷剤をうまく活用し、汗をかく量を減らす工夫も◎。背中にガーゼを入れておいて、汗を吸わせてこまめに取り替えるのも効果的です。

おむつかぶれとの見分け方

おむつまわりのぶつぶつが「あせも」なのか「おむつかぶれ」なのか、判断に迷うこともあります。

あせもは、おむつのあたる部分の中でも特にシワの少ない部分(おしりの上部など)に多く、さらっとした汗の刺激で起こります。 一方、おむつかぶれは、尿や便に長時間ふれた部分や、シワの奥などにできる傾向があります。

赤みやただれが強い、痛がる様子があるなどの場合は、おむつかぶれの可能性が高いため、ケア方法も変わってきます。

病院に行くべきあせもの症状とは?


悩む母親
ほとんどのあせもは、自宅でのケアで改善しますが、中には医療機関を受診した方がよいケースもあります。以下のような症状がある場合は、小児科や皮膚科に相談しましょう。

あせもと湿疹の違いを見極める

見た目が似ているものに「とびひ(伝染性膿痂疹)」や「アトピー性皮膚炎」「アレルギー性湿疹」などがあります。かゆみが強く、掻きこわしてじゅくじゅくしてきた場合や、黄色いかさぶたのようなものができたときは、あせもではなく別の皮膚疾患の可能性があります。自己判断せず、小児科や皮膚科を受診して、適切な診断と治療を受けましょう。

どんな場合は小児科や皮膚科にかかった方がいい?

次のような症状がある場合は、早めに受診をおすすめします。

・あせもが広範囲にある

・かゆがって眠れない、機嫌が悪い

・じゅくじゅくしてきた、膿が出ている

・発熱や全身症状がある

・自宅ケアで数日経っても改善が見られない


判断に迷う場合は、小児科や皮膚科で相談してみるのが安心です。

助産師が答える!赤ちゃんのあせもQ&A


赤ちゃん スキンケア
ここからは、赤ちゃんのあせもに関するよくある疑問に、助産師の立場からお答えします。保護者の方が不安にならないよう、わかりやすく寄り添った回答を心がけました。

Q:あせもがあるときお風呂に入れてもいい?

A: はい、むしろ毎日お風呂に入れて、清潔を保つことが大切です。ただし、長風呂は避け、ぬるめのお湯で優しく洗ってあげましょう。

Q:保湿は必要?逆に悪化しない?

A: 必要です。あせもがあるときも、肌が乾燥するとバリア機能が低下し、さらに炎症が悪化しやすくなります。ベタつかないタイプの保湿剤を選んで、薄く塗りましょう。

Q:いつまでに治る?再発は防げる?

A: 軽度のあせもなら、適切なケアで数日〜1週間ほどで改善することが多いです。汗をかきやすい時期は再発しやすいため、予防ケアを継続しましょう。

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あせもケアに悩んだら、相談やサポートを頼ってみよう


ベビーシッター
赤ちゃんのあせもに悩んだとき、「どうすればいいかわからない」「自分のケアが間違っているかも」「私がちゃんとしていなかったから…」と不安になったり、ご自身を責める方も少なくありません。しかし赤ちゃんの肌は敏感なので、保護者がどんなに気をつけてケアをしていても、あせもができることがあります。

そんなときは、一人で抱え込まず、地域の支援や民間サービスを上手に活用するのもひとつの手です。

地域の相談窓口や産後ケア事業を活用しよう

多くの自治体では、子育て支援センターや保健センターで、赤ちゃんの肌トラブルについて相談できる機会があります。また、産後ケア事業の一環で、助産師や看護師が訪問・相談を行ってくれる地域もあります。自分ひとりで判断できないときは、こうした制度を頼ってみましょう。

民間の育児支援サービスも選択肢に

最近では、オンラインや訪問で育児相談を受けられる民間サービスも増えています。助産師が登録しているサービスでは、肌の状態を見ながらのアドバイスが受けられることも。自宅でケアに行き詰まったら、こうしたサービスも選択肢に加えてみましょう。

ベビーシッターの依頼もおすすめ。ママパパのちょっとした息抜きにも

赤ちゃんのあせもは、毎日のスキンケアや環境づくりで予防・改善が可能 です。とはいえ、暑さが厳しい夏の育児は、ママやパパにとっても負担が大きく、「ちゃんとケアしてあげたいのに、手が回らない」という日もあるでしょう。

そんなときは、ベビーシッターに頼ってみるという選択肢もあります。数時間でも誰かに見守ってもらえ、ケアや育児をサポートしてもらえるだけで、気持ちや体に余裕が生まれ、また笑顔で赤ちゃんに向き合えるようになるはずです。

キッズラインならスマホからシッターを探せる

ベビーシッターマッチングプラットフォームであるキッズラインは全国47都道府県にベビーシッターがおり、スマホから24時間いつでも検索・依頼をすることができます。ベビーシッターは、保育士資格など8つの資格または研修修了者のみが登録可能で、保育のプロが揃っています。

キッズラインには助産師の資格を持つベビーシッターも登録しており、赤ちゃんの肌トラブルが気になる時期も、優しく寄り添ってケアをサポート※してくれます。

「少しだけ休みたい」「安心して見守ってくれる人に頼りたい」そんなときは、スマホから簡単に依頼できるキッズラインを活用してみてはいかがでしょうか。

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※ただし、保湿剤やお薬の使用にはルールがあります。保湿目的であっても「医薬品」や「医薬部外品」に分類される市販薬の塗布は、サポーターが行うことはできません。使用をご希望の場合は、保護者ご自身で行っていただくか、内容に応じて与薬依頼書の提出が必要になる場合があります。また、医師が処方した薬をサポーターが投与する場合は、与薬依頼書と1回分に小分けした薬の準備が必要です。詳しくはキッズラインの与薬に関するガイドラインをご確認ください。


【参照】
日本小児皮膚科学会『子どもを診る医師・メディカルスタッフのための やさしい小児の皮膚科 知っておきたい診かた・考えかた・皮膚の疾患』診断と治療社
「汗疹 (かんしん、あせも)」(社会福祉法人恩賜財団済生会)
上手なセルフメディケーション(日本OTC医薬品協会)
Q&A あせもの予防はどうする?(浜松市子育て情報サイトぴっぴ)
~赤ちゃんの皮膚を守ろう~(新潟県村上市すくすくコラム)
「あせも」対策にベビーパウダーは有効?皮膚科専門医が解説(Lumedia)

■監修者・河井恵美(助産師・看護師・保育士・公認心理師)
産婦人科や小児科、救急外来などで30年以上勤務。現在は世界に住む妊婦さんや産後の女性に向け、オンライン中心の助産院を運営。また他にも、性教育・育児相談・地域の乳幼児健診・小学校や中学校のスクールカウンセラーとして、子どもたちの心に寄り添う活動を行っている。


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