お知らせ2023年04月27日(木)

0〜2歳児の親が望む「理想の保育形態」は個別訪問保育が多数【936⼈に調査】

プレスリリース

報道関係者各位

全国でベビーシッターサービスを展開する株式会社キッズライン(代表取締役社⻑:経沢⾹保⼦)は、2023年4⽉6〜11⽇に、0〜2歳の低年齢児を育てる親936⼈にアンケート調査を実施いたしました。先⽉3⽉31⽇に、政府より発表された『こども・⼦育て政策の強化について(試案)』(通称:少⼦化対策のたたき台)では、⽀援が⼿薄とされる0〜2歳児について、⽀援の強化を⾏うことが表明されています。そこで、0〜2歳児の親が望んでいる「本当に必要な保育」を調査した結果をご報告いたします。


■調査結果まとめ

こども家庭庁では、『こども・⼦育て政策の強化について(試案)』(通称:少⼦化対策のたたき台)※を基に0〜2歳児への⽀援強化が検討されています。そこでキッズラインが0〜2歳児の親936⼈に保育についての調査を⾏ったところ、以下の結果が判明しました。

●「理想の保育形態」として、1歳未満では「個別訪問保育(ベビーシッター)」を望む親が多い
●個別訪問保育は需要が⾼いが、⾦銭⾯で利⽤を控えている⼈が多数
●保育園児の親の96%、無園児の親の95.8%が「第三者のサポートが必要」と回答
●第三者のサポート形態は「個別訪問保育」を希望する親が最多


その上で、現在国が⾏っている個別訪問保育の⽀援制度である「企業主導型ベビーシッター利⽤者⽀援事業」の課題としては、以下の点が挙げられます。

・両親の就労を理由にした制度のため、リフレッシュやリスキリング、不妊治療など就業以外では利⽤できない
・⾃宅以外での保育や⾃宅と保育施設以外への送迎などは就労中であっても補助の適⽤にならず、運⽤が厳格
・導⼊が企業に⼀任されているため、導⼊していない企業に勤める労働者は制度を利⽤できない
・厚⽣年⾦の加⼊者のみが利⽤可能な制度であるために、公務員やフリーランスは対象外
・産休育休中や無園児の個別訪問型の公的補助がない


これらを踏まえ、キッズラインでは、⼦育てをする親の働き⽅の多様化、今⼦育てをしている親のニーズに合わせて、親のリフレッシュや体調不良時など利⽤⽬的を問わない個別訪問保育の助成拡⼤を政府に要望します。

※参考資料「こども・⼦育て政策の強化について(試案)」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_seisaku_kyouka/pdf/kyouka_siryou1.pdf


【1】0〜2歳児の親が望む「理想の保育」形態

『こども・⼦育て政策の強化について(試案)』では、⽐較的⽀援が⼿薄になっている0〜2歳児について、⽀援の強化を⾏うことが表明されています。そこで、キッズラインでは0〜2歳児を育児中の親936⼈に、⾃⾝の⼦に受けさせたい「理想の保育」についてアンケートを実施いたしました。

【1-1】1歳未満では「個別訪問保育」を望む親が多い

以下は、「⼦どもに何歳何ヶ⽉から、どのような保育を受けさせたいか?」という質問に対して、「保護者が理想とする保育開始⽉齢」と「保護者が理想とする⽉齢別の保育形態」を回答してもらった結果です。

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N数=936
※「保育」とは、家族以外の保育を専⾨とする第三者(保育⼠、ベビーシッターなど)が、⼦どもの⾯倒を⾒ることを想定。
※保育は必ずしも毎⽇受けるとは限らず、週に数時間、数回といったものも含む。
※質問では、保育への⾦銭的な負担はどの場合も同じだと仮定し「理想はどうか?」という視点で回答。


結果からは、0〜8ヶ⽉の⼦の理想の保育形態として「個別訪問保育(いわゆるベビーシッター)がよい」と考えている親が最も多いことがわかります。そして、0ヶ⽉であっても「保育は不要」(37.6%)という意⾒は多数派ではありませんでした。
また、9ヶ⽉〜1歳5ヶ⽉までは「個別訪問保育と集団保育の両⽅がよい」という親が最も多くなっています。
1歳6ヶ⽉以降は、「集団保育がよい」という親が増えますが、「個別訪問保育と集団保育の両⽅」を望む親も依然として多く、2歳11ヶ⽉までは3割以上の親が「個別訪問保育」の併⽤を希望していることが判明しました。

【1-2】親がそれぞれの保育形態を望む理由

それぞれの保育形態を望む理由については、以下のようなコメントが寄せられています。

〈それぞれの保育形態を望む理由〉

●産後は孤独との戦いだが、⺟親⾃⾝の体⼒回復もままならず、保育所まで通うのも難しい。しかし1⼈で育てるのはとても⼤変なのでシッター利⽤が気軽に出来るとうれしい。(広島県/26〜30歳⼥性/産休・育休中)
●⽣後半年を過ぎるまでは、親⼀⼈では到底双⼦を連れて出かけられなかったから。(福岡県/36〜40歳⼥性/経営者)
●⽣後3ヶ⽉頃からなら少し落ち着いて⼈に預ける余裕も出て来るし、⾃分もリフレッシュしたい。1歳頃までは保育園に⼊れる必要はないが、時々⾃宅でみてもらえるとリフレッシュになる。1歳頃からは他の⼦供と触れ合う機会もほしいので保育園も経験させたい。(海外/36〜40歳⼥性/専業主婦)
●1歳までは病気にかかったら即⼊院もあるため、⼦どもに免疫がつく年齢までは個別で、それ以降は集団と個別保育を選べるようにしてほしい。(広島県/26〜30代⼥性/時短勤務)
●⼀歳までは⾃宅で⻑い時間⼀緒にいたいが、寝不⾜などもあるので、個別保育を利⽤したい。⼀歳以降は集団⽣活をさせてあげたいのと、仕事に復帰したいため集団保育。⼣⽅や休⽇など、⼤変な時に個別保育を利⽤したい。(静岡県/31〜35歳⼥性/時短勤務)
●1歳くらいからはお友達を⾒て学ぶことができるので集団がよい。可能であればその前から徐々に集団に慣れさせたい。(神奈川県/36〜40歳男性/フルタイム)

【1-3】個別訪問保育を利⽤する理由は「親のリフレッシュ」が最多

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N数=565
ベビーシッターを利⽤した理由の上位項⽬は、「親のリフレッシュ」が39.5%、「⼤⼈だけで出かける⽤事があった」が28.8%、次に「⽇中の親の仕事(25%)」と続きます。「⼦どもの世話の補助(23.5%)」「リモートワーク(18.8%)」など、親が在宅している状態で保育補助としてベビーシッターを利⽤するパターンも⾒受けられました。

【1-4】個別訪問保育を利⽤していない理由は「料⾦が⾼過ぎる」から

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N数=371
ベビーシッターを利⽤したことがない理由は、「利⽤料⾦が⾼すぎる」が52.6%と最も⾼く、「どんな⼈が来るか分からず不安」(37.2%)が続きます。「利⽤したいが、スケジュールが合う⼈がいない」も31.5%となり、3割以上の⽅が「使いたいが使えていない」状態であることがわかりました。利⽤を阻害する要因として最も⾼かった利⽤料⾦については、「⾦銭的な負担が⼤きく減った場合はベビーシッターを利⽤したり、利⽤の回数が増える」という回答が87.1%(N数=936)となりました。


これらのことを踏まえると、0〜2歳までの親は多くが⼦どもに個別訪問保育を受けさせたいと希望しているものの、⾦銭的な負担などが要因となり、本来必要なサービスを利⽤できていない状況にあると考えられます。

【2】保育園に通う⼦の親に聞いた「本当に必要な保育」

『こども・⼦育て政策の強化について(試案)』では、「親の就業形態に関わらず、どのような家庭状況であっても分け隔てなく、ライフステージに沿って切れ⽬なく⽀援を⾏い、多様な⽀援ニーズにはよりきめ細かい対応をしていくこと」が必要であると明記されています。
そこで、キッズラインでは保育園児、無園児それぞれに調査を⾏いました。以下は、【保育園に通う⼦を持つ親】に聞いた結果です。

【2-1】保育園の開園⽇や保育時間は38.3%が「⾜りていない」

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N数=608
保育園児の親に「⼦育てをするにあたって保育園の開園⽇や開園時間は⼗分に⾜りているか」を質問したところ、約6割は「⼗分に⾜りている」と回答した⼀⽅、38.3%が「⼗分には⾜りていない」と回答しました。

【2-2】保育園に通う⼦の親の96%が「第三者のサポートが必要」

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N数=608
次に、「⼦育てにおいて家族以外の第三者のサポートが必要だと思ったことがあるか」という質問では、「何度も思ったことがある」が68.9%、「時々思うことがある」が27.1%となり、合計で96%の親が「第三者のサポートが必要」と感じていることが分かりました。

【2-3】保育園児の親が第三者のサポートを受けたい場⾯

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N数=608
具体的にどんな場⾯でサポートを受けたいかを聞いたところ、最も多かったのは「体調が悪いとき」(78.4%)でした。「家事や⽣活が後回しになっているとき」についても65.1%がサポートを必要としています。

【2-4】保育園児の親が受けたいサポート形態は「個別訪問保育」が70.2%

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N数=608
第三者によるサポートを受けられる場合に希望するサービス形態は「ベビーシッターなどによる個別訪問保育」となり、70.2%に及んでいます。その次には「家事代⾏サービス」が51.5%と、半数を超えました。これらの結果から0〜2歳児を育てる親は⼦どもが保育園に通っていても、9割以上が第三者のサポートを必要としていることが分かりました。そして、もっとも必要とするサポートの形態は「ベビーシッターなどによる個別訪問保育」であるということも判明しました。


⼦どもが保育園に通うことによって、親は就労などを⾏う時間を確保できますが、保育園の保育だけでは⼗分でなく、より⼿厚い第三者のサポートが必要な家庭が多数に上っていると⾔えます。

【3】保育園に通っていない⼦(=無園児)の親に聞いた「本当に必要な保育」

次に、【保育園に通っていない⼦=無園児の親】に聞いた調査結果をお伝えします。

【3-1】⽇中に⼦どもを⾒ているのは97.6%が⺟親

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N数=328
保育園に通っていない場合、⽇中に⼦どもの⾯倒を⾒ているのは97.6%が⺟親でした。無園児は、⺟親が定期的な仕事についていないために保育園に通っていないケースの他に、⺟親が産休や育休中である場合も含まれています。いずれにしても、⽇中に⼦の⾯倒を⺟親が⾒ているケースが⼤半であり、⺟親に育児負担が偏っていることがわかります。

【3-2】無園児の親の95.8%が「第三者のサポートが必要」と回答

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N数=328
「家族以外の第三者のサポートが必要だ」と「何度も思ったことがある」が72%、「時々思うことがある」が23.8%で、合計で95.8%の親がサポートを必要としていました。「何度も思ったことがある」という項⽬については、保育園児の親が68.9%であったのに対し、無園児の親は72%と、3.1ポイントほど無園児の親の⽅が上回っています。保育園という集団に属さないことにより「孤⽴した育児」に直⾯している傾向があると⾔えます。

【3-3】無園児の親が第三者のサポートを受けたい場⾯

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N数=328
具体的に第三者のサポートを必要としている場⾯は「美容院や通院などの⽤事を済ませたいとき」が⼀位でした。「体調が悪いとき」「家事や⽣活が後回しになっているとき」も70%を超えています。⽇中に⺟親⼀⼈で⼦どもを⾒ているいわば「ワンオペ育児」状態に置かれているがゆえに、短時間の⽤事であっても⼦どもを置いていけない、体調が悪くても育児を変わってもらえない状況が数字から⾒えてきます。

【3-4】無園児の親が受けたいサポート形態は「個別訪問保育」が67.2%

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N数=328
無園児の親が望む第三者のサポート形態は、保育園児の親と同じく「ベビーシッターなどによる個別訪問保育」が67.2%と⼀位になりました。次に多かったのは「保育園による⼀時預かり保育」(49.4%)でした。


今回発表された『こども・⼦育て政策の強化について(試案)』では、希望者全員が保育園に⼊れる「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設が記載されていますが、この結果からは0〜2歳の無園児の親が最も必要としているのは「ベビーシッターなどによる個別訪問保育」であることがわかります。

【3-5】無園児の親が⼦どもを預けたいのは「週3以上」が47.1%

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N数=328
無園児の親が⼦どもを預けたい⽇数は、「週3⽇」が23.9%で最多となりました。「週5⽇以上」(14%)、「週4⽇」(9.2%)と合わせると、47.1%が「週3⽇以上預けたい」と考えていることがわかります。⼀⽅で「今は預けたくない」という回答は、わずか2名(0.6%)でした。このことから、0〜2歳の育児において、現在定期的な保育を受けていない⼦の親のほとんどが「⼦どもを預ける環境がほしい」と考えていることがわかります。

【3-6】無園児の親が⼦どもを預けたい時間は1⽇4〜6時間が53.7%

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N数=328
無園児を育てる親が⼦どもを預けたい時間は、「4〜6時間」が53.7%と半数を超えました。次に多いのは「7〜9時間」で24.2%です。⼀⽅、「3時間以下」でよい⼈は19.8%でした。「今は預けたくない」という⼈は1%(3⼈)に留まっています。このことから、0〜2歳児の親が⼦どもを預ける場合は「半⽇以上預かってほしい」という需要が⼤きいことがわかります。


『こども・⼦育て政策の強化について(試案)』では、今後「こども誰でも通園制度(仮称)」を創設するとされています。⼦どもを預けたい親の需要を満たす運⽤を期待したいところです。

【4】0〜2歳児を育てる親が抱えている不安

『こども・⼦育て政策の強化について(試案)』では、「どのような状況でもこどもが健やかに育つという安⼼感が持てる」ことを将来像として掲げています。そこで、現在0〜2歳児の親が抱えている不安についても調査しました。以下がその結果です。

【4-1】育児に関して不安を抱えている親は84.4%

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N数=936
「幼い⼦を育てている中で、不安を感じることはあるか?」という質問をしたところ、84.4%が「不安を感じている」と回答しました。現状では⼦育て世帯の多くで、「不安を抱えている状態」であることが判明しました。

【4-2】親が抱えている具体的な不安

幼い⼦を育てる親は、具体的にどのような不安を抱えているのでしょうか?寄せられたコメントをいくつか紹介します。

〈育児中の親が抱える不安〉

●教育費の⾼さや2歳児までの保育料の⾼さ。それ以降の無料化といいつつ結局⾊々とお⾦がかかってしまうところ(⼤阪府/31〜35歳⼥性/産休・育休中)
●働きたいが、なかなか⼦供を預けられないので就活をすること⾃体難しい。(神奈川県/31〜35歳⼥性/専業主婦)
●物価もあがり、経済的に不安しかない。もう1⼈⼦供を…とも思うが、今後のことを考えると難しい。(岡⼭県/31〜35歳⼥性/産休・育休中)
●夫の仕事は基本深夜帰宅。夜⼦どもの体調が崩れたとき、もう1⼈も連れて医療機関に受診しなくてはいけないと思うと不安。どうか、朝までは元気でいて…と毎晩祈る気持ち。(東京都/41〜45歳⼥性/時短勤務)
●保育園に⼊園出来なかったら失職してしまうのでそれが⼀番の不安です。(茨城県/31〜35歳⼥性/産休・育休中)
●経済的余裕が無い中で将来の教育費、⾃分達の⽼後の資⾦を⼯⾯できるのか不安。また⾃分の職場環境がテレワーク対応していないので、⼦が⼩学⽣に上がる頃に仕事を辞めざるをえないかもしれない。(東京都/36〜40歳⼥性/産休・育休中)
●1⼈で育てていて、ストレスをどう解消したらいいのかわからない。将来の⾦銭⾯に頭を抱えています。(埼⽟県/21〜25歳⼥性/フルタイム)
●体調を崩したらどうしよう。私が体調を崩してしまったら、家庭がまわらないので⼼配です。(⼤阪府/31〜35歳⼥性/その他)

不安の中⾝は「⾦銭的な不安(教育費、⽼後など)」だけでなく、「サポート⾯での不安(保育園⼊園の可否、ワンオペ育児など)」についての記述も多く⾒受けられました。

【5】利⽤⽬的を問わない個別訪問保育の助成拡⼤を

0〜2歳の⼦を持つ親へ調査した結果、
●「これまで⼿薄だった0〜2歳への⽀援強化」として、親が求めているのは「個別訪問保育」
●個別訪問保育(ベビーシッター)は需要が⾼いものの、⾦銭⾯で利⽤を控えている⼈が多数

という実態が明らかになりました。

『こども・⼦育て政策の強化について(試案)』では、「妊娠出産時から0〜2歳児の⽀援を強化」すると記述されています。
現在政府が⾏っている個別訪問保育の⽀援としては、「企業主導型ベビーシッター利⽤者⽀援事業」がありますが、前述のように利用できる範囲は広くありません。

「企業主導型ベビーシッター利⽤者⽀援事業」に該当しない無園児の親(専業主婦・主夫、フリーランス、産休育休中、未導⼊企業の労働者)にも、「個別訪問保育」の補助が拡⼤されることが望まれます。⼦育てする親の働き⽅の多様化、今⼦育てをしている親のニーズに合わせて、親のリフレッシュや体調不良時など利⽤⽬的を問わない個別訪問保育の助成拡⼤を政府に要望します。

■本プレスリリースのお問い合わせ先

株式会社キッズライン 広報担当
取材依頼フォーム:https://kidsline.me/corp/coverage/

■調査概要

・調査主体:株式会社キッズライン
・調査期間:2023年4⽉6⽇(⽊)〜4⽉11⽇(⽕)
・調査対象:0〜2歳の⼦を持つ親936名(男性69名、⼥性859名、無回答8名)
・調査⽅法:インターネット調査(キッズライン会員への調査依頼およびSNSでの協⼒依頼)

■会社概要

株式会社キッズライン
代表者:経沢 ⾹保⼦
事業内容:インターネットを使った⼥性⽀援事業、育児⽀援事業
所在地:東京都港区六本⽊5-2-3 マガジンハウス六本⽊ビル7F
URL: https://kidsline.me/

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