子どもに近づいただけで「パパいや」「パパ嫌い」と言われて、ショックを受けた経験はありませんか。在宅勤務で家にいる時間は増えたのに、なぜか子どもは懐いてくれない。むしろ以前より拒否されるようになった気がする——そんな悩みを抱える在宅勤務のパパが増えています。


コロナ禍から数年が経ち、フル出社勤務やハイブリッド勤務に戻る家庭も増えてきました。それでも、家で過ごす時間や、在宅の時期に感じた「子どもとの距離感」の悩みは、今も多くの家庭で続いています。

「家にいるのだから子どもと過ごせているはず」と思われがちですが、実際には「物理的には同じ空間にいても、心理的には遠い」状態になっているケースが少なくありません。この記事では、在宅勤務特有の「パパいや」が生まれる構造と、家族全体で乗り越えるための現実的な方法を紹介します。

※「パパ嫌い」の基本的な理由や年齢別の心理については、こちらの記事で詳しく解説しています

在宅勤務で増える「パパいや」の実態


泣く子ども

在宅勤務が普及したことで、パパが家にいる時間は確実に増えました。しかし「家にいること」と「子どもと過ごすこと」は別物です。むしろ在宅勤務になってから「パパいや」が増えたという声も少なくありません。なぜこんなことが起きるのでしょうか。

家にいる時間は増えたのに、懐かない

在宅勤務になって物理的に家にいる時間は確実に増えました。通勤時間がなくなり、朝夕も家にいる。それなのに子どもが「パパいや」と言う頻度は減るどころか、むしろ増えたと感じるパパもいます。
なぜこんなことが起きるのでしょうか。答えは「家にいること」と「子どもと過ごすこと」がイコールではないからです。

子どもから見れば、パパはずっとPCに向かっている人、イヤホンをつけて画面越しに誰かと話している人、「静かにして」と言ってくる人。物理的には同じ空間にいても、子どもにとって「パパは忙しい人」「話しかけづらい人」という認識が強まってしまいます。

出社していた頃より「パパいや」が増える矛盾

出社していた頃は、パパが帰宅すると子どもが駆け寄ってきた。週末だけの触れ合いでも、子どもは喜んでくれた。ところが在宅勤務になってから、子どもの反応が冷たくなった——こんな逆説的な状況に戸惑うパパは多いものです。

これは、「パパとの時間」の質が変化したことが原因です。週末だけ会うパパは「特別な存在」として子どもに映ります。一方、毎日家にいるけれど仕事中のパパは「いつもいるけど関わってくれない人」「叱るときだけ現れる人」になりやすいのです。

ママのワンオペは変わらず、家庭に緊張感が漂う

在宅勤務は「家にいるだけで育児に参加している」と誤解されがちですが、実際には日中の育児や家事の大半をママが担っている家庭が多いもの。パパが仕事をしている間、ママは子どもの相手をしながら家事をこなし、さらに「パパの仕事を邪魔しないよう」子どもを静かにさせようと神経を使います。

在宅勤務のパパがいることで、ママの負担はむしろ増えているケースもあります。子どもは「パパがいるのに遊んでくれない」と不満を募らせ、ママは「パパが家にいるのに何も手伝ってくれない」とストレスを感じる。この緊張感を子どもは敏感に察知し、家庭全体がピリピリした空気になってしまいます。

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在宅パパが陥りやすい3つの距離の取り方


パパと子ども

在宅勤務というワークスタイルには、出社勤務とは異なる落とし穴があります。良かれと思ってやっていることが、実は子どもとの距離を広げているかもしれません。在宅パパが無意識にやってしまいがちな3つのパターンを見ていきましょう。

【パターン1】仕事モードのまま子どもに接してしまう

在宅勤務では、オンとオフの切り替えが難しく、仕事で使う口調のまま子どもに話しかけてしまいがちです。
「早く」「静かにして」「待って」「後で」——こうした短く強い調子の言葉は、仕事中のパパには自然でも、子どもには「命令されている」「怒られている」と受け取られます。普段からママの柔らかい声かけに慣れている子どもほど、パパの一言を強く感じやすい傾向があります。
さらに、仕事中に子どもが話しかけてきたとき、PC画面を見たまま生返事をする、イヤホンをつけたまま「うん、うん」と返すといった対応も、子どもには「見てもらえていない」「自分に興味がない」というメッセージとして伝わります。
結果、子どもは「パパに話しかけても無駄」「パパは怖い人」という印象を持ち、距離を置くようになります。

【パターン2】「ながら育児」で子どもの不信感を増幅させる

在宅勤務では、つい「何かをしながら」子どもの相手をしてしまいがちです。

・スマホを見ながら「うんうん」と相づちを打つ
・PCの画面をちらちら確認しながら絵本を読む
・Slackの通知に反応しながらブロック遊びをする

こうした「ながら育児」は、子どもにとって「パパは自分を見ていない」という体験になります。たとえ30分一緒にいても、子どもの満足度はゼロに近いのです。
子どもは大人が思う以上に「自分だけを見てくれているか」を敏感に感じ取ります。視線が合わない、返事が上の空、手が別の作業をしている——こうした小さなサインから「パパは自分に興味がない」と判断し、心の距離を取るようになります。

【パターン3】「叱る係」になってしまう

在宅勤務中、子どもが騒いだり、Zoom会議中に乱入したりすると、つい「静かにして!」「出て行って!」と叱ってしまいます。仕事に集中しているときほど、子どもの行動が「邪魔」に見えてしまうのは自然なことです。
しかし、子どもから見れば「パパは叱るためだけに現れる人」になってしまいます。普段は関わらないのに、注意するときだけ声をかけられる。遊んでくれることは少ないのに、怒られることは多い。
こうなると、子どもは「パパ=怖い人」「パパ=楽しくない人」という認識を持ち、自然と避けるようになります。「パパいや」は、子どもなりの自衛手段なのです。

「5分集中×3回 > 30分ながら育児」


絵本を読むパパ

「時間がない」という在宅パパに知ってほしいのが、育児の質は時間の長さではなく濃さで決まるということです。30分ダラダラと関わるより、5分間だけでも完全に子どもに集中する時間を1日に数回つくる方が、子どもの満足度は格段に高くなります。

短時間でも「100%子どもに向き合う時間」をつくる

在宅勤務で忙しいパパに必要なのは、長時間の育児参加ではなく、短くても濃密な関わりです。30分ながら育児をするより、5分間だけでも完全に子どもに集中する時間を1日に数回つくる方が、子どもの満足度は格段に高くなります。

5分集中の具体例:

・朝、PCを開く前に5分だけ一緒に朝ごはんを食べる
・昼休みに5分だけ子どもの話を聞く(スマホは触らない)
・夕方、仕事が一区切りついたら5分だけ抱っこする
・寝る前に5分だけ絵本を読む(PCは閉じる)


大切なのは「この5分間は完全に子どものもの」と決めることです。スマホもPCも触らず、目を見て、体を向けて、子どもの言葉に反応する。たったこれだけで、子どもは「パパが自分を見てくれた」と実感できます。

仕事の区切りを明確にして、気持ちを切り替える

在宅勤務では、仕事と育児の境界が曖昧になりやすいため、意識的に「ここまでは仕事、ここからは家族の時間」と区切りをつけることが重要です。

切り替えの工夫:

・PCを閉じる(スリープではなく完全にシャットダウン)
・仕事部屋から出る
・仕事用の服から部屋着に着替える
・深呼吸して「仕事モード終了」と心の中で唱える


物理的な行動を伴うことで、脳も「仕事は終わった」と認識しやすくなります。子どもも、パパの変化を感じ取って安心します。

「パパタイム」を習慣化する

毎日決まった時間に「パパと過ごす5分」を習慣にすると、子どもはその時間を楽しみに待つようになります。

たとえば:

・朝7時30分:一緒に朝ごはん
・昼12時30分:一緒におやつ
・夕方5時:5分間の遊び時間
・夜8時:寝る前の絵本タイム


「いつパパと遊べるか分からない」状態より、「この時間はパパの時間」と分かっている方が、子どもは安心します。たとえ5分でも、毎日繰り返すことで「パパと一緒にいると楽しい」という記憶が積み重なっていきます。

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パパだけで解決できない構造的な問題


ママパパの疲れた表情

ここまで在宅パパができる工夫を紹介してきましたが、正直に言えば、パパ個人の努力だけでは解決できない問題もあります。「もっと頑張れば」と自分を追い込む前に、家庭全体の構造に目を向けることも大切です。

パパが5分集中しても、残りの時間はママがワンオペ

パパが短い時間でも子どもと向き合おうとする姿勢は、とても大切です。しかし現実問題として、1日5分×3回=15分パパが関わっても、残りの時間をママが一人で担っていれば、家庭全体の育児負担はママに偏ったままです。
子どもにとって「いつもそばにいるママ」は安心できる存在。そのため、自然とママを優先しやすく、パパがどれだけ一生懸命関わっても、すぐに反応が変わらないことがあります。これはパパの努力不足ではなく、日頃の関わりの時間が圧倒的に異なることによる、ごく自然な現象です。
さらに言えば、ママ自身も疲弊しています。日中ずっと子どもの相手をして、パパの仕事を邪魔しないよう気を遣い、家事もこなす。夕方になってパパが「5分だけ遊ぶね」と現れても、ママからすれば「それだけ?」という気持ちになるのも無理はありません。

仕事と育児の両立で、両親ともに疲弊している

在宅勤務は移動の負担がない、子どもの体調不良や通院に対応しやすいといったメリットがある一方、生活の場で仕事を行うため気持ちの切り替えが難しくなります。
出社していた頃は、オフィスという物理的な境界があり、「家に帰ったら仕事は終わり」という切り替えができました。しかし在宅では、仕事が終わってもPCは目の前にあり、Slackの通知は鳴り続け、「あと少しだけ」と仕事を続けてしまいがちです。
結果、パパもママも常に「何かに追われている」感覚を持ち、心の余裕がなくなります。こうした緊張感は家庭全体に漂い、子どももその空気を敏感に感じ取ります。子どもが「パパ嫌い」と言うのは、家族全体の負荷バランスが崩れているサインかもしれません。

「もっと頑張る」以外の選択肢を考える

「もっと頑張ればうまくいく」と考えてしまいがちですが、実際にはパパもママもすでに精一杯であることが多いものです。育児は、一人の努力だけで乗り越えられるほど単純ではありません。パパがどれだけ一生懸命関わっても、家庭全体が落ち着いていなければ、子どもはどうしても不安を抱えやすくなります。
大切なのは、ママとパパが無理なく協力し合える体制をつくり、家族全員がほっとできる時間や気持ちの余裕を確保することです。必要であれば、家事代行やベビーシッターなど外部のサポートを取り入れることも、決して「逃げ」や「甘え」ではなく、家族を守るための現実的な選択肢です。

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ベビーシッター活用で家庭全体に余裕を


ベビーシッター

パパもママも頑張っているのに、家庭に余裕がない。そんなときは、外部のサポートを取り入れることも選択肢の一つです。ベビーシッターは「育児を放棄する」ためのサービスではなく、「家族全体を守る」ためのツールです。

ベビーシッターは「家庭の余白」をつくるツール

外部のサポートを取り入れることで、家庭の負担が軽くなり、ママとパパの気持ちにゆとりが生まれます。こうした小さな余白が積み重なることで、家庭全体の雰囲気が安定していきます。
ベビーシッターは「子どもを預けるだけ」のサービスではありません。その接し方や遊び方をそばで見ることで、パパが育児のアイデアや声かけのヒントを得られることもあります。「どう接したらいいかわからない」「遊んでもすぐ離れてしまう」と悩むパパにとって、新しい気づきの場にもなります。
さらに、2025年10月に改正された「育児・介護休業法」では、育児期間中の多様な働き方や外部サービス活用が明文化され、ベビーシッター利用もその一つに挙げられています。制度面の後押しもあり、依頼をためらう必要はなくなっています。

参考:【2025年4月・10月改正】育児・介護休業法をやさしく解説!パパ・ママの働き方と支援制度を徹底ガイド

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在宅勤務中の「ちょい預け」で仕事に集中、終業後に余裕


在宅勤務では、仕事と育児の境目が曖昧になりやすく、気持ちの切り替えが難しくなるものです。そんなときに便利なのが、1〜2時間だけ子どもを預ける「ちょい預け」です。
短時間でも子どもを安全な環境に預けられると、パパは仕事にしっかり集中でき、早めに区切りをつけやすくなります。その結果、仕事が終わった後に気持ちに余裕が生まれ、子どもと落ち着いて向き合う時間を確保しやすくなります。

こんな使い方ができます:

・重要な会議がある日の1〜2時間だけ
・週に1回、集中して仕事を片付けたい日
・ママが通院や用事で外出する日
・夫婦で少しだけ休息したい日


キッズラインなら、必要なときに必要なだけサポート

キッズラインは、スマホで簡単にベビーシッターに依頼できるサービスです。

キッズラインの5つの特徴:

・保育資格保有者または特定研修修了者のみが登録
・お子様の年齢やニーズに合わせてベビーシッターを選べる
・依頼から決済まで、スマホで完結できて手軽
・入会金・年会費・登録料が無料
・様々な特技やスキルを持ったシッターが登録


「毎日ではないけど、週に1〜2回だけサポートがほしい」「在宅勤務中、集中したい時間だけ見守ってほしい」——こうした柔軟なニーズに応えられるのが、ベビーシッターの大きな強みです。

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