「離乳食を始める前にどんなものを準備をしたら良い?」「初めはどのように進めれば良い?」「離乳食を食べさせる時はどんなことに気を付けたら良い?」など、初めて離乳食をスタートする際は何かと不安に感じてしまう方も多いことでしょう。そこで今回は、保育園での勤務経験があり離乳食調理も担当していた管理栄養士が解説します!

離乳食開始にあたり困っているママやパパは多数



厚生労働省の『乳幼児栄養調査』(平成27年度)では「離乳食についてなにかしらの困りごとがある」と回答した人は約7割という結果が報告されています。悩みについては「離乳食を作るのが大変」「(赤ちゃんの)もぐもぐ、かみかみが少ない」「食べる量が少ない」「食べるものの種類が偏っている」という意見が出ています。この結果から、ママパパの悩みを解消しながら、赤ちゃんの様子に最大限に寄り添って離乳食を進めることがオススです。


同調査では離乳食を学ぶ機会について「保健センターなど公的機関」が多くを占めています。このことから、公的機関で行われる離乳食教室以外から、離乳食について学ぶことはあまりできていないという側面も伺えます。(※1)


※1) 授乳・離乳の支援ガイド 

離乳食初期はいつ頃からいつまで?目安は?

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まず離乳食期は4つの時期に分類されます。今回のテーマである離乳食初期とは別名「ごっくん期」とも言います。離乳食初期のごっくん期では「食べ物に慣れること」「ごっくんと飲み込むことを覚えること」を目標に進めていきます。時期でいうと生後5〜6ヶ月前後でしょう。


●離乳食開始のサインとは?
離乳食を開始するにあたり、発達の目安としては首がしっかりすわり、大人が支える、もしくはひとりで座れること、大人が食べるところを見ると食べたがるような表情をすること、スプーンなどを試しに口の中に入れても舌で押し出すことが少なくなること(スプーンを嫌がらない)などが開始のサインです。


離乳食初期は生後5〜6ヶ月が一般的なスタート時期と言われますが、ミルクや母乳をよく飲んでいて、成長曲線を大きく下回ることがなければこの通りに進めなくても大丈夫です。焦らずに前述の発達状況なども考慮して、赤ちゃんのペースで無理なく始めましょう(※2)。 以前は離乳食開始前に果汁を与える事例もありましたが、果汁によって満腹感が出てしまい、かえって離乳食を食べる妨げになること、離乳食開始前に果汁を与えることで乳児期以降の果汁の過剰摂取の一因となることなどの懸念点があげられています。そのため、近年は離乳食開始前に果汁を与える必要はないと言われています。


※2) 厚生労働省 ざっくり離乳食スケジュール


離乳食初期の進め方とは?

離乳食初期では1日1回を目安に与えます。このとき与えるタイミングは午前中に1回とします。そして、離乳食以外にはミルクや母乳を赤ちゃんが欲しがるままに与えます。この時期は栄養補給源をミルクや母乳に多く依存しながらも、離乳食に慣れることを大切にしていきたい時期です。(※3)


※3) 厚生労働省 離乳の支援ポイント


離乳食初期にあると便利なアイテムとは?

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初めての離乳食を開始するにあたり、どのようなアイテムを準備しておくと便利でしょうか?赤ちゃん用品のメーカーからいろいろなアイテムが販売されているので、使いやすさや保管時のスペースなども考えて選ぶと良いでしょう。


●こし網
食材をなめらかにつぶすときに使います。主に離乳食の初期によく使います。


●ヘラ
こし網とセットで使うことが多く、食材をなめらかにつぶすときに使います。こちらも主に離乳食初期によく使います。 


●裏ごし用の容器
こちらの容器は特に指定はありませんので普段使う食器でも良いですが、こし網やヘラとセットで販売されているものが多いです。選ぶ際は、レンジでの温めなどにも対応している容器だと、温め直して使うことができるので便利です。


●すり鉢&すりこぎ
ブレンダーがある場合はこちらは不要になりますが、すり鉢とすりこぎはサイズが小さいものもあるので保管場所を取らなくて便利です。


●ブレンダー
ブレンダーは一台あると大変便利です。離乳食作りはもちろんのこと、幼児期などで野菜をつぶして料理に混ぜ込んだり、野菜やフルーツのジュースを作るなどにも大活躍します。ただし赤ちゃんの手が届かない場所に保管し、ママやパパも洗浄する際などにブレンダーの刃で怪我をしないように十分に注意しながら取り扱いましょう。


●粥ポット(炊飯器に一緒に入れられるもの)
ステンレス製などで熱に強く炊飯器の中に入れて、大人のご飯を炊く時に一緒にお粥が作れる優れものです。お粥だけを毎回作るのは億劫..といった方にはその手間が不要なので、大人の食事の支度中に並行して一緒に赤ちゃんのお粥を作ることができます。


●粥ポット(電子レンジ対応のもの)
お米やご飯に水を足し、電子レンジで加熱するだけでお粥ができるポットは、お粥だけ作りたい時にはとても便利です。また、残ってしまった大人用のご飯を使っても作れるので、食材を無駄なく使い切れて環境にも優しいです。


●離乳食小分けトレー
たくさん一度に作っておいて、ストックして置く時に小分けのトレーがあると便利です。製氷機のようなものからシリコン製で小分けになっている仕様や、そのまま解凍して食器代わりにも使えるものまでいろいろな種類があります。

離乳食初期のレシピで心がけたいこと



① 離乳食初期に使える食材
基本的にアレルギーがなければ離乳食初期からいろいろな食材が使えます。主食ではお米はもちろんのこと、食パン、うどんなども使えます。ただしパンの中でもバターやマーガリンをたっぷり使用したロールパンや菓子パンは消化がしづらいので避けましょう。


たんぱく質の食材は白身魚、豆腐、卵が使用できます。ただし卵は固茹でした黄身から最初はスタートし、様子を見ながら食べさせましょう。肉類はパサついたり、硬さがあるため離乳食初期には向きません。野菜類はねぎやにらなどの刺激の強い食材は避け、にんじん・じゃがいも・ほうれん草・トマト・大根など柔らかく煮てつぶしやすい食材が向いています。


② 離乳食初期の調理ポイント
離乳食初期の食材のやわらかさの目安は、ポタージュスープのイメージです。とろとろでぽたぽたと垂れるものを赤ちゃんに与えましょう。


③ 食材を与える順番や注意事項は?
まずはつぶしたお粥から開始し、次に潰したゆで野菜を与えます。ここで大切なのは「たくさん食べるかどうか」ではなく「赤ちゃんが口に入れた離乳食をきちんと唇を閉じてごっくんと飲み込むことができるかどうか」です。


新しい食材を初めて食べさせる時は、まず一口ずつ与えてみていただくと安心です。赤ちゃんが食べることに慣れてきたら、さらに潰した豆腐や魚、卵の黄身などのたんぱく質をあげましょう。この時、食物アレルギーがないかを必ずチェックすることも忘れずに。ポイントは、初めて与える食材がある時は、できるだけかかりつけの小児科が開いている日時にしましょう。もしも口の周りが赤くなるなどのトラブルが見られたら、すぐにかかりつけの小児科に受診できるようにしておくと安心です。

④ はちみつや黒糖などは1歳未満には使わない
離乳食初期は出汁や食材そのものを与える時期なので調味料は基本的に使わなくても良いです。特にはちみつや黒糖などは1歳未満の赤ちゃんには決して与えないでください。1歳未満の赤ちゃんは腸内環境が整っておらず乳児ボツリヌス症の原因になるためです。はちみつや黒糖以外に、コーンシロップ、井戸の水なども控えましょう。


※参照) 厚生労働省 乳児ボツリヌス症


離乳食初期の便利なストック&レシピ【なめらか野菜と豆】

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お粥、野菜のペーストなどは毎回少しずつ作るのが大変な場合は、一度にたくさん作っておいてストックできる容器に入れて凍らせて、その後凍ったら容器から外してジップロックに入れて保存しておくと使いやすくて便利です。


【調理上のポイント】
豆腐は大人だとそのまま加熱なしで食べられるのですが、赤ちゃんの場合は必ず加熱してから与えます。


【材料】(1食分)
・豆腐 25g
・にんじん 5g
・じゃがいも 5g
・ほうれん草 5g
・出汁 50ccほど


【作り方】
 にんじんとじゃがいもはよく煮てやわらかくしておきます。ほうれん草は葉の部分だけ茹でておきます。
 にんじんとじゃがいも、ほうれん草の葉がやわらかくなったら潰します。
 ②の野菜に出汁を混ぜながら裏ごしします。
 豆腐を茹でます。出汁を混ぜながらつぶします。
 野菜と豆腐を混ぜて完成です。


【栄養学上のポイント】
離乳食初期で赤ちゃんがお粥に慣れてきてから作っていただきたいレシピです。また豆腐は大豆製品でアレルギー源にもなりうるため、初めて食べさせるときは一口から様子を見ていただくと安心です。離乳食初期に必須のたんぱく質アイテム 豆腐をメインにして、にんじんのビタミンA•ほうれん草の鉄•じゃがいものビタミンCなどとビタミンやミネラルなどもしっかり摂れるレシピにしました。じゃがいものでんぷんがあるため、片栗粉などは使用していません。

まとめ

初めての出産、初めての育児で「離乳食の進め方や作り方がよくわからない!」そんな時は管理栄養士や栄養士の資格を持つ家事サポーターに相談したり、サポーターさんに実際にママの目の前で離乳食を作ってもらうのもオススメです。キッズラインの家事サポーターは子育て経験のある方や管理栄養士、栄養士の資格を持つ方も多数在籍しています。先輩ママや専門家に気軽に相談するつもりで、家事サポートサービスを利用するのも1つの方法ですね!




■管理栄養士・高岡 由貴
2011年管理栄養士免許取得。大学卒業後、保育園•病院•食品メーカーに勤務し、献立作成•栄養管理•食育講師などを担当。現在はフリーランスとしてコラム執筆•食事相談•レシピ開発などをしている。プライベートでは一児の母。




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