母乳やミルクだけで栄養を摂っていた赤ちゃんも、成長と共に口から「食べ物」を摂る練習を始める必要があります。しかし、赤ちゃんはいきなり大人と同じものを口にすることはできません。すり潰したお粥や野菜などから少しずつ食材の幅を拡げて、固形のものを食べる訓練をしていきます。どのように進めていけばよいか悩むご家庭も多いでしょう。そこで今回は、医師が離乳食のはじめどきと注意点について詳しく解説します。

離乳食はどんなタイミングで始めればいいの?



一般的に離乳食のはじめ時は、生後5~6か月が適しているとされています。しかし、赤ちゃんの発達スピードには個人差がありますので、必ずしもこの時期が赤ちゃんにとって最適だとは限りません。まずは、離乳食を始めるタイミングについて詳しくみていきましょう。


●哺乳反射がないかチェックしよう
赤ちゃんはさまざまな「原始反射」を身に付けた状態で生まれてきます。原始反射とは、お母さんのお腹の中から外に出たときに、生きていくための機能と考えられています。しかし、原始反射は成長とともに消えていくものです。


赤ちゃんが唇に触れたものをくわえたり、吸おうとしたりするのは「哺乳反射」と呼ばれる原始反射の一種です。哺乳反射は、その名の通り口元の乳首などを口に含んで吸い、母乳やミルクを飲むために生じる反射とされています。


哺乳反射があると口の中に入ったものを舌で押し出す動きも生じるため、口の中にいれた食べ物をうまく食べることができません。一般的に、哺乳反射は生後4~5か月頃に徐々になくなり、その後はうまく食べ物を口にすることができるようになります。


哺乳反射が残っているか確認するには、赤ちゃんの唇を軽く刺激して唇を突き出す様子が見られるかどうかをチェックしましょう。反射が起こらなくなったら赤ちゃんの身体は、離乳食を始める準備が整っていると考えて下さい。


●食べ物に興味を持っている?
赤ちゃんが食べ物や大人の食事に興味を持っているかどうか、ということも離乳食を始める上で大切な条件になります。食べ物に興味がないまま離乳食を始めてしまうと、しっかり食べてくれないばかりか食事に対して苦手意識が芽生え、進みが悪くなってしまいます。


大人が食事をする様子をじっと見ている、食べ物に手を伸ばそうとするなどの「食」への興味を示す行動が見られたら、離乳食のはじめどきと考えて良いでしょう。


●身体の発育
離乳食を口にするには、首がしっかり座っていること、支えがあれば一人で座れることが必要です。また、食事をするためには十分な唾液も必要。離乳食を始める頃には唾液の分泌量も増えていきますので、よだれが多くなることも離乳食のはじめどきのサインです。

離乳食を始めるときの注意点とは?

心身の発達が順調に進み、赤ちゃんが離乳食を受け入れる準備が整ったら実際に離乳食を開始することになります。離乳食を始めるときにはどのようなことに注意すれば良いでしょうか?ここからはそのポイントをご紹介します!


●始めのうちは栄養を気にしない!
離乳食を始めたばかりのころはたくさんの量をしっかり食べることはできませんので、母乳やミルクと併用していきます。そのため、栄養は母乳やミルクで十分に補うことができますので、離乳食の栄養量については特に気にする必要はありません。


また、少しずつ食べられる量が増えていくと母乳やミルクの量は減っていきますので、水分不足に要注意です。特に離乳食が固形化していくと便秘になる赤ちゃんも多いので、水分をしっかり摂るようにしましょう。


●一気に色々な食材を始めない
離乳食を進めていく上で注意しなければならないのは赤ちゃんの食物アレルギーです。赤ちゃんの食物アレルギーは卵、牛乳、小麦が原因となることが多いですが、どのような食材でもアレルギーは起こり得ます。初めて試す食材は少量(小さじ1程度)から始め、食後は体調に変化がないかしっかり確認するようにしましょう。また、一度に何種類も新しい食材を試すと、万が一アレルギーが起きたときに原因食材が分かりにくくなります。初めての食材は一度食事で1つまでにしましょう。

離乳食がなかなか進まない…どうすればいい?
離乳食は少しずつ量を増やし、固形化させながら進めていきます。しかし、順調に進む子どもはそれほど多くありません。「5分粥に進んだら突然食べなくなってしまった」「特定の野菜ペーストしか食べない」などさまざまな問題が生じるものです。



離乳食が思うように進まないと心配なるママパパは多いですが、離乳食は赤ちゃんのペースに合わせて進めていくことが一番大切です。「一段階進めたら食べなくなった」ということは、赤ちゃんにはまだ早かったということ。前の段階に戻し、慣らしていくことも考えましょう。食材も赤ちゃんによって好き嫌いがありますので、赤ちゃんが嫌がるものは出汁などで味を工夫してみましょう。

育児相談はベビーシッターや家事代行サポーターへ!



赤ちゃんと二人きりの生活になると、我が子のことばかりに目が行ってしまい「成長は順調だろうか?」などと心配になる方もいるでしょう。そんな時は一人で悩まず子育て経験が豊富なベビーシッターに相談してみてはいかがでしょうか?実際に自宅で保育をしてもらうことで、遊び方や寝かしつけなど、スムーズな方法をアドバイスしてもらうこともできます。赤ちゃんと二人きりの時間が多いママにとって、大人と話す時間はリフレッシュにつながることでしょう。また、管理栄養士や栄養士の資格を持つ家事サポーターに離乳食の作り方を相談したり、実際に作ってもらうことをお願いするのもオススメです!

まとめ

離乳食は食事を摂って生きていくために必要な訓練です。一般的には生後5~6か月頃に始めることが多いですが、赤ちゃんの発育には個人差があります。哺乳反射がなくなること、食べ物に興味を持つこと、食事の体勢をキープできることなど離乳食を開始するにはさまざまな条件が整っていることが大切です。焦らず赤ちゃんのペースに合わせて開始時期を見極めていきましょう。




■監修ライター:成田亜希子
2011年医師免許取得。一般内科医として幅広い疾患の患者様の診療を行う。行政機関に勤務経験もあり母子保健分野も担当。育児に悩むママたちに医師という立場から様々なアドバイスを助言。プライベートでは二児の母。自身の悩みからも育児の情報発信している。


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