血液のタイプを示す「血液型」は病気やケガなどで輸血をするときに必須な情報の一つです。小さな子どもや赤ちゃんが輸血をする機会は多くありませんが、お子さんに関する書類で血液型の記載を求められるケースがあるため、お子さんの血液型を知りたいという親御様も多いのではないでしょうか。しかし、健康な乳幼児が血液型を調べる機会はあまりないでしょう。そこで今回は、子どもの血液型を調べるのに適した時期について詳しく解説します。

血液型とは?

血液型

血液型は双方の親からの遺伝によって決まる血液の「タイプ」です。そのため、A型・B型・AB型・O型のどれになるかは生まれる前からある程度決まっています。まずは、血液型の特徴について詳しく見てみましょう。



そもそも血液型って何を基準に決めるの?


一般的にA型・B型・AB型・O型に分類される「ABO血液型」は、血液細胞の一つである「赤血球」と血液の液体成分である「血清」を用いて判定が行われます。


赤血球には、A抗原とB抗原と呼ばれるタンパク質が存在します。そして、血清にはA抗原とB抗原に結合して赤血球を固める作用を持つ、抗A抗体と抗B抗体が存在します。


この抗原や抗体は人によって存在するタイプが異なり、これがABO血液型の違いとなるのです。具体的には、赤血球にA抗原があり血清中に抗B抗体がある方は「A型」。B抗原と抗A抗体を持つ方は「B型」。A抗原もB抗原も持たず抗A抗体と抗B抗体を両方持つ方は「O型」。A抗原とB抗原を両方持ち、抗A抗体と抗B抗体を持たない方は「AB型」とされます。


なお、日本人の血液型は、A型40%、B型20%、O型30%、AB型10%とされています。



血液型はどうやって判定する?


血液型は赤血球の検査「おもて検査」と血清の検査「うら検査」を行って判定します。


「おもて検査」は、採取した血液に抗A抗体・抗B抗体を加えて赤血球が固まるか否か調べる検査です。「うら検査」では採取した血清にA抗原・B抗原を加えて赤血球の反応を調べます。


血液型は「おもて検査」と「うら検査」の結果が一致すると決定されます。また、判定に間違いがないように採血を二回行い、それぞれの検体を用いて検査を二回行うのが一般的です。



血液型は成長すると変化する?


血液型は遺伝によって決まるため、成長と共に変わることはありません。しかし、乳幼児期に検査を受けても正確に判定できないことも多いとされています。お子さんの血液型判定に適した時期について詳しく見てみましょう。



赤ちゃんの血液型は不正確


赤ちゃん

上述したように、血液型は赤血球の抗原と血清中の抗体の種類によって決まります。


赤ちゃんは抗体を作る能力が未熟な上に、新生児ではお腹の中でお母さんからもらった抗体もあるため「うら検査」は通常行いません。一方で、赤ちゃんは赤血球のA抗原やB抗原の量も少ないケースが多く、「おもて検査」も正確に判定できないケースがあります。


そのため、成長して抗原と抗体の量がしっかりしてから再度検査を行うと、赤ちゃんのときに判定された血液型と異なる…ということも少なくないのです。そのため、現在では手術や輸血などが必要な赤ちゃん以外、生まれてすぐに血液型の検査をすることはほとんどありません。



子どもの血液型検査をするのに適した時期は?


赤ちゃんは生後半年を過ぎた頃から自分で抗体を作ることができるようになります。そして、3歳頃になると赤血球の抗原の量が成人と同じ程度になるとされています。


お子さんの血液型を調べる時期は医療機関によって異なりますが、多くは1歳以降とされ、場合によっては小学生頃になってから勧められることもあります。


緊急の場合を除き、お子さんの血液型が分からなくて困ることは日常生活ではありません。また、緊急で輸血が必要になった場合なども医療機関で迅速な検査が行われますので、問題となることもないのが現状です。血液型を知りたい場合は、焦らず適切な時期に検査を行うようにしましょう。



血液型を調べるための費用は?

手術や輸血のために緊急で血液型を調べる必要がある場合を除き、通常は血液型を調べる検査は健康保険の適用にはなりません。調べるための費用は医療機関によって異なりますが、数百円〜数千円程度です。
血液型はアレルギー検査などで採血をした際に「ついで」に調べてもらうこともできます。しかし、ある程度の費用がかかりますので、検査の必要性や料金などを事前に確認しておくことをおすすめします。


子どもの血液型判定は1歳以降!早すぎると正確に判定できない


身体が未熟な赤ちゃんは、抗原や抗体の量が少ないため正確に血液型を判定できないことがあります。正確に判定できるようになるのは1歳以降です。手術や輸血が必要な場合を除き、血液型が分からなければ困るということはありません。血液型判定を希望する場合は、焦らず適した時期に受けるようにしましょう。




■監修ライター:成田亜希子
2011年医師免許取得。一般内科医として幅広い疾患の患者様の診療を行う。行政機関に勤務経験もあり母子保健分野も担当。育児に悩むママたちに医師という立場から様々なアドバイスを助言。プライベートでは二児の母。自身の悩みからも育児の情報発信している。


▼あわせて読みたい
【医師監修】小児科の待ち時間が長いのには理由あり。その対処法とは?
赤ちゃんのお座りはいつから?練習はした方が良い?【医師監修】
【医師監修】赤ちゃんの頭はどうして柔らかいの?「大泉門」ってなに?


▼記事一覧に戻る
KIDSLINE編集記事一覧



ベビーシッターに相談する