今や社会問題になり、対策も行われつつある「保活」ですが、状況はいまだに「やりにくさ」を残したままです。保活のおかしさを訴えるツイートやニュースは年々増えて、ネット上をにぎわせています。改善されない困りごとや、ルールの見直しを求める保活ママ、パパたちの声をまとめた「ここがヘンだよ! 保活5つのルール」をお届けします!

ここがヘンだよ! 保活5つのルール

1:ネット予約はできません。保活は「超アナログ至上主義」
2:早生まれは保活しにくい?「4月入園がキホン」の謎
3:ポイント稼ぎの通過点。「認可外」に通うのがもはやマスト?
4:ニワトリと卵…「就活ママ」は子どもを預けられない!
5:フリーランスは減点?「フルタイム以外は不利」の辛さ



昨年に続き今年も実施したアンケートで、これから保活をする人・保活を体験したママやパパを対象に「保活」にまつわる“おかしい”、“ヘンだ”と思うルールについて、教えてもらいました。

1:ネット予約はできません。保活は「超アナログ至上主義」

もはや“定番”といっても過言ではないほど必ず話題にのぼる、「ネットがほぼ使えない」問題。一体、どんな対応を余儀なくされるのでしょうか?
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市役所のホームページが見にくすぎる(30代・東京都・待機児童)

見学予約や申込、入園選考の連絡などに、もっとWEBを活用して欲しい。保育園によっては、電話対応や紙の連絡などアナログ過ぎて対応が遅くなっていると思う(20代・東京都・現在保育園に通い中)

保育園見学のために1園1園電話予約しなければならない。ネット予約とかにしてほしい(30代・東京都・現在保育園に通い中)

電話でしか見学受付してないのになかなか繋がらないし、日中子どもの世話で電話できるタイミングもなかなかない(30代・千葉県・現在保育園に通い中)

これらの声をまとめると、ヘンというよりは、「困った」というほうが、先輩ママたちの感覚に近いかもしれません。実際に、認可保育園の入園申し込みは、区役所の窓口へ提出するルールの自治体がほとんどです。また、2月に発表される入園可否のおしらせも、メールではなく封書が郵送されてきます。

そして、園によって申し込み方法はちがいますが、認証保育園や無認可保育園もアナログ至上主義、と言えるほどWEB対応されていません。
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たとえば、見学の申し込み。多くの園では電話対応のみです。にもかかわらず、入園申し込みに見学が必須というケースがほとんど。
保活ママたちは、産後のカラダにムチ打って、つながるまでひたすら電話をかけ続ける、というアナログ作業におちいることに…。

2:早生まれは保活しにくい?「4月入園がキホン」の謎

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次に、保活ママが苦労する最大のポイントでもある「4月入園」について、多くの声があがっています。

妊娠中で無事生まれるか分からないのに活動しなければならないこと(30代・東京都・現在保育園に通い中)

子供が年度後半の生まれだと生後すぐ0歳児で入れることに抵抗があるうえ、母体も回復していない。年度後半の子供の親は回復しきらないうちに預けるか、激戦の一歳児をねらうことになり、年度前半の生まれの子供より一般的に不利(30代・千葉県・これから保活)

4月入園だと、2月になるまで結果が分からず、復帰できるのか直前まで分からないところ。育休中のほとんどが保活についやされる(30代・東京都・現在保育園に通い中)

そのため、「認可保育園の4月入園枠を確保するために、ポイントを狙って認可外を探す」もしくは「認可外でもいいから預け先を確保する」など、保活の早期化が進んでいます。出産月が年度の後半に近づく人や0歳児枠でも激戦エリアに住む人は、「妊娠中から保活」なんてことになるのです。

また、「4月入園」がキホンになると、「早生まれは保活に不利」という現象がおきます。保育園に預けることができる最低月齢は、生後57日以上からと決まっています。労働基準法で産後8週間は、ママが復職できないためです。(本人の申し出と医師の診断によっては短縮も可能)。
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一般的に早生まれの子は、「1月1日から4月1日までに生まれた子」をさします。4月1日時点で生後57日未満にあたる2月生まれ以降の子は、0歳児クラスに申し込めないので、保活ができません。翌年の1歳枠でやっと認可保育園に応募できても定員数が少ないため落選しやすく、いわゆる「早生まれの子は不利」という構造になってしまうわけです。

最近では、0歳4月入園すらも激戦なので、年度途中で入園できるのはもはや奇跡! 
待機児童ゼロのエリアや新規園の開設、空きが出るなどその年の状況次第なので“運まかせ”に近い状態なのです。

3:ポイント稼ぎの通過点。「認可外」に通うのがもはやマスト?

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一般的な「保活」というのは、最初に認可保育園に申し込み、落選したら認可外保育園に預ける、という順番で行われます。
認可外に入園して卒園まで通いきるケースもありますが、壮絶な保活が毎年くり広げられることもあって、最近では認可保育園へ入園するためのポイント稼ぎの“通過点”として通う人が増えています。

入りたい園に入りたい!(30代・東京都・現在保育園に通い中)

認可園に入れないのがあたりまえ、という区役所のスタンス(30代・大阪府・待機児童)

来年度に認可園に入れる加点対策として、まず一定期間認可外の園に預けないといけないことを役所の職員からも勧められました。そもそも認可外の保育料を払えないから認可に入れたいから、この現象に本末転倒と感じました(20代・東京都・待機児童)

ポイントを稼ぐために無理をして高額の無認可保育園に入れなければならなかったこと(30代・東京都・現在保育園に通い中)

保活の早期化、認可外保育園をつかってポイント稼ぎ…。共働き・フルタイム・第1子という、いわゆる“ふつうのワーママ”では入園選考の点数に差がつかないため、認可園へのキップを手に入れようと「認可外はあたりまえ」という風潮になっているのです。

ここまで苦労して、認可保育園に入れたいのはどうしてでしょう?
国の基準をクリアして運営している、など理由はいろいろありますが、認可を重視する人が多いのは、保育料の負担額が認可外よりダンゼン安いことがあげられます。

認可保育園の保育料は、世帯所得をもとに算出された住民税の一部を階層区分に照らして決定します。
算出方法は自治体で統一されていますが(保育料は自治体ごとに異なります)、低所得世帯は高所得世帯に比べて、安くなるしくみになっています。(※保育料算定の詳細は、各自治体や認可外保育施設へお問い合わせください)
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しかし、認可外保育園は、世帯所得とは関係なく各施設ごとに決められた保育料と入園料を支払う必要があります。
一概にはいえませんが、高所得世帯であっても、0歳、1歳といった保育料が高くなりやすい低年齢の場合は、認可保育園の方が安い場合が多いため、まずは認可保育園から応募、という流れになりやすいです。

救済措置として、認可外保育園に預けた場合は、自治体から補助金で差額保育料を受け取れる場合もあります。
しかし、階層区分によっては補助金が出ても負担額が認可に比べて増えるケースも出てきますので、園庭もあって、保育士の数も充分配置されて万全の保育環境なのに安い“認可びいき(とくに公立)”になるのは、だれの目にもあきらかです。

4:ニワトリと卵…「就活ママ」は子どもを預けられない!

一般的に、「保活」で有利なのは、育児休業中のフルタイムママです。
エリアによりますが、待機児童数が多い地域だと、専業主婦や就活中のママは、認可園に入園させることはむずかしいです。
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就職するには保育園が必要で、保育園にはいるには就職していないといけないこと(30代・東京都・待機児童)

私は育休取得だったが、一度退職した知人は保活と就活の両立に苦しんでいた(保育園が見つからないと採用してもらいにくい、内定受けないと点数上がらない)(30代・東京都・現在保育園に通い中)

妻が育休でなければ絶対に入れないこと。つわりや切迫などで退職していたら、たとえ仕事を探して見つけても満点にならないので入れない(30代・東京都・現在保育園に通い中)

はっきり言って、「ニワトリとタマゴ状態」! 
本来であれば保育園の内定が先に決まって、就活をするのが理想のストーリーなのですが、すでに復職先がある人の方が優先されてしまうため、制度上では認可園へのチャンスが遠ざかってしまうのです。

5:フリーランスは減点?「フルタイム以外は不利」の辛さ

そもそも、保育園は厚生労働省が管轄している児童福祉施設です。
区役所のホームページを見ると「保育園とは、保護者が就労や病気などのため、家庭で乳幼児の保育をできないときに、保護者に代わって保育する児童福祉施設です」と書かれています。

つまり、フルタイム勤務の点数が高く設定されているのは、家を空ける時間が長くて「保育できる時間が少ない」と判断されているからです。
しかし、近年では、クラウドワーカーなどのネットで仕事を受託するフリーランスの人が増えています。ある調査によれば、フリーランスの人は、500〜1000万人に達するという結果もあります。
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自宅で仕事をしていたら保育ができないのは、企業つとめと同じです。
この数年で、多様な働き方の人々を受け入れるために、自営業の人や、パートタイマー、在宅勤務するフリーランス、通学者、求職者も認可園を使えるように緩和されましたが、現状はというと…?

働けというのに保活という言葉があること(30代・神奈川県・一時保育利用予定)

私の住んでいる区では、共働きが最低条件。フリーランスで自宅で仕事ができる場合は、減点されるため不利になるのはおかしい(30代・東京都・これから保活)

育休を取った人に調整点数が与えられるのは絶対におかしい。育休を取らずにがんばって働いている人、育休が無い個人事業主や会社役員は自動的に調整点数が少なくなり待機児童確定なので非常に悲しかったです(30代・東京都・待機児童)

私は自営業なのですが、住んでいる渋谷区では育休中の人の方が高ポイントになるようでした。育休なら手当が出ますが自営は休んでいると全く収入がないのでなんだかなぁと思いました(30代・東京都・現在保育園に通い中)

入園選考の点数表は、いわゆる正社員・フルタイム勤務が有利なままという実態は変わりません。今、保活をしている世代の働き方にマッチしきれないため、こうした不具合が生じているのです。

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いかがでしたでしょうか?「ここがヘンだよ!」という部分の多くは、時代にそぐわないルールのまま運用されていることから生じている印象でした。
人生100年時代に突入し、シングルマザーやワーママ、フリーランサーや自営業…。生き方や働き方、価値観そのものが多様化している時代です。

今を生きるママやパパが、少しでも活用しやすいルールに変わるよう議論を盛り上げる。まずは、そうした声をあげることがカイゼンの第一歩かもしれませんね。

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筆者:まよっこ
Twitter:@mayomura0911