※この記事は有料note2016年6月~8月に掲載されたものです。
ある経営者の話シリーズです。
彼が部屋に入ってきた瞬間、ちょっと驚いた。
ちょっと久しぶりにあった彼は、以前と全然違った彼のように感じた。ほんのしばらくの間なのに、、思わず目を惹かれてしまうものがあった。
もともとカッコ良くて、ちょっとセクシーな男性だったけど、それに増して、輝かしいオーラーと言うか、逞しさというか、新しい輝きをまとっているように感じたから。
なので、思わず、私は帰りのタクシーで
「ねえ、なんか、カッコ良くなったね!」というと、
彼は「そうだな、地獄を見たからかも」とサラリと言ってのけた。
そういえば、彼は彼の人生を揺るがすような、一つの大きな大きな大きな山を越えた直後だった。当初は周囲の猛反対だったが、結果がでて(というか、彼自身の努力で結果をもぎ取って)その瞬間から、すべてがひっくりかえった。「よくやった」「すごい」「さすが」「それが良いと思ってた」と。まさにバッシングが、賞賛の嵐と、風向きが一気に変わった。
昔から努力家で、決めたことは、最優先一つ一つ現実にしていった人だった。誰もが「そんなの、ムリでしょ」っていうことに対しても、多くの人が反対することでも、一度決めたら強かった。
考えつくし、調べ尽くして、独自の戦略を立てたら脇目もふらないでまっすぐに進んでた。
そして、何よりもすごいと思うのは、
うまくやろう、ではない。絶対やる。決めたからやる。そのときの一番大切なものだけに集中できる姿勢。
そして、社会はいつも同じだなと思うのは、誰かが人と違った決断をするとき、周囲は猛反対する。
それは、多くの人が「失うものばかり計算するから」。
もういいじゃん、十分幸せでしょ、リスクをとってまで、これ以上何が欲しいの?そう問いかけて、心に隙間があれば、入り込み、ゆるがしたり、隙をついては、すべてを先延ばしにさせる。
でも、逆境のときにこそ、人は伸びる。
挑戦して、自らの力でもぎ取った新しい未来で得れるのはあらゆる可能性だ。新しい人生だ。新しい自分は新しい形で周囲を幸せにできる。
でも、現状を変化させるリスクの大きさや、失うものばかりリアルに感じ、反対するひとに、嫌われたくなく、なだめることも出来ず、プレッシャーにおしつぶされてしまう人が圧倒的に多いのだろう。
本来であれば、誰かの人生の決断に誰かが影響を与えるなんておかしい。周囲が反対すれば突き進めないようなものは決断じゃない。
宣言した本人が、心を揺るがさなければ、周囲の人はそっちに同意せざるを得ない。そこから、「じゃあどうすれば、みんなが幸せになるか」そういう発想や、流れや、ムードになる。隙があるから心が揺らぐんだ。隙があるから周囲も押しとどめようとするのだ。誰かが腹をくくらなければ始まらないのだ。
彼は自分の人生の主導権をしっかり握ってた。
いつも、言っていた。
人生は一度きり。経験がすべての財産。
そもそも決断に円満はない。結果を出してみんなを満たす。
周囲を気にして決断できない人よりも、どんなに反対されても、そこに向かって集中し、最速で進んでいき、プロセスの凄まじさで周囲と圧倒させたりしながら、結局周囲を巻き込んでしまうスタイル。
彼がみた地獄とは、周囲に反対されてバッシングされた地獄であり、なかなか人がたどりつけない境地にたどりつくまでのプロセスの地獄、その二つだったんだろう。その二つの地獄をくぐり抜け、生き伸び、結果を出した彼は、ある意味達観したんだと思う。そんな彼だから、新しい目に見えない強さをまとい、一回りもふた周りも成長したんだと思った。
決意の強さ、脇目も振らない行動力、そして、新しいスタート地点にたち、未来に対して、意欲溢れる彼は逞しく輝いてみえた。
私も、自分の信じる未来に向かって、強く逞しく突き進み、結果で人々を癒せるような人間になりたい、
そう改めて決意した夜の出来事でした。