2016年のオリンピックでも注目されたブラジル。
ブラジルといえば、人口約2億784万人で多種多様な民族が共存している国です。ブラジルには200以上の日本の企業が進出しており、その中でもサンパウロは「リベルダージ」と言われる東洋人街や日本人学校があり、とても日本と縁の深い場所であると言われています。

今回は日本の子育て事情とブラジルの子育て事情を両方知っている、ブラジル・サンパウロ在住の日本人ママに調査をしました。

インタビュー : ブラジル在住の日本人ママ

こちらは、現在ブラジル・サンパウロにお住まいの千尋さんと順子さんです。ブラジルの子育てについてインタビューをさせていただきました。

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(左:千尋さん 右:順子さん)

ー自己紹介をお願いします。

千尋さん :ニューヨークに2年程住んだ後にブラジルに引っ越して来て1年8ヶ月ほど経ちました。ブラジルで出産した息子は、1歳7ヶ月になります。

順子さん :私はブラジルに来て1年半経ちました。1歳の娘がいます。

ーブラジルに引越しが決まった時の心境はどうでしたか?

千尋さん :私は先進国ではない国に住んでみたかったので、ブラジルに住むことはとても楽しみにしていたのです。

順子さん :ブラジルは日本から遠すぎるし治安も心配でした。育児が出来る環境なのかも、とても不安でした。

満員電車でも周囲が子どもをあやしてくれる、温かさに感動

ー実際に住んでみて、ブラジルでの子育てはどうですか?

千尋さん :もちろん治安面で遊ぶ場所が限られたりと、不便なこともあります。でもブラジルだと、子どもにモラルやマナーを余り求めないんですよね。だから、スーパーやレストランに行く時に「今日は何とか静かにしてくれたら、いいな」っていう無駄なドキドキ感や心配が無いのです。「子連れが子連れである事を申し訳なく思う文化」がブラジルには全く無いので楽ですね。のびのび子育て出来ます。
日本だと、周囲に育児の大変さや孤独感を理解してもらえない人も多かったり、年配の人たちが「自分もそれをやってきたのだから当然でしょ」という考えの方も居ますよね。それに萎縮してしまいママ達が頑張りすぎたり、表には出さない様に更に頑張るママが多いのかなと思いました。なので、もっと「育児はこんなに大変で助けが必要なんだ!」ということを日本でも堂々と言えたら良いですよね。

順子さん :食育に関しては、日本の方がしっかりしていますね。ブラジル人は、小さな子どもにもチョコレートや炭酸飲料などを平気であげる事があることに驚きました。ただ、ブラジルの方が良いところも沢山あります。例えば、満員電車に乗った時でも、代わるがわる周囲の人が子どもをあやしてくれるのには感動しました。その感覚に慣れてしまい、久しぶりに日本に一時帰国した時に、同じ様に子連れで満員電車に乗ってしまった時には、周りの冷たい視線に肩身が狭くて辛かったことを覚えています。
他にもブラジルの特徴的なことは、レストランで子どもを預けられる無料スペースEspaço de brincarがあるお店が多くあることです。TioとTiaと呼ばれるお世話をしてくれる大人が子どもの面倒をみてくれるので、安全面も確保出来て大人はゆっくり食事をすることが出来るのでとても良いです。
そしてスーパーマーケットのレジでは、お年寄り・子連れ・妊婦さん用の専用レーンがあるのも、そういった方を大切にするブラジル社会の表れかと思います。日本でもあったら助かりますよね。

ブラジルではベビーシッター文化が浸透している

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(ブラジルの公園の風景。上下白い服を着ているのは皆ベビシッター)

ーシッターさんは、どのくらいの頻度でお願いしているのでしょうか?

千尋さん :産後は週3日シッターさんに来ていただきました。子どものお世話の他に洗濯と料理もしてもらいました。その後は週2回、一回4時間で頼んでいます。

順子さん :私も産後は集中的に週5日来てもらっていました。少し落ち着いてからは週に1日6時間位お願いしています。  ブラジルに住んでいる周りの日本人ママも、週1日〜週3日で6時間〜8時間位シッターさんにお願いしている人が多いですね。二人目が産まれたばかりのお友達は、やはりその時だけ集中的に週5日で来てもらっている人もいます。上の子のお世話の他に洗濯・掃除など全てやってもらっていましたよ。

ーシッター料金は、どのくらいですか?

順子さん :6時間で160レアルです。日本円の時給に換算すると、1時間780円位です。周りの友達と話していると20レアル〜30レアルで頼んでいる人が多いですね。日本円で考えると1時間600円〜900円です。安いですよね。しかもブラジルでシッターさんにお願いする時って、育児の手伝いだけではなく家事や料理も込みでやってくれることも多いです。それでこの金額なのはとても助かります。また、年末などに感謝の気持ちを込めて、シッターさんに対して給与1ヶ月分のプレゼントなどをあげる文化もあるようです。

ーブラジルのシッターさんは、どのような人が多いでしょうか?

千尋さん :ブラジルでは若い方から年配の方まで、ブラジル人はもちろん、日系の方やフィリピンから来られた方など、あらゆる方がシッターとして仕事をしています。家族が代々シッターをしているという「シッター一家」もいるほど。それくらい社会に浸透存在であり、ベビーシッターが職業として認められていると言えると思います。
画像(ブラジルのベビーシッターの様子)

ーシッターさんに頼むことに抵抗は無かったですか?

順子さん :シッターさんに頼むこと自体は初めてでしたが、 ブラジルに住んでみると周りが既に沢山シッターさんを頼んでいたので、それほど抵抗なく頼めました。

千尋さん :私も他の駐妻からすぐに紹介してもらえてシッターさんを見つけることはスムーズでしたが、最初は預けること自体に罪悪感も感じました。でも頼んでみたら、子どもにとって身内が一人増えたようなもので新たな学びが増えて良かったです。私にとっても、親よりも他人であるシッターさんだからこそ出来る育児相談などもあって助かりました。一人で買い物に行く時間や友達とゆっくり会う時間はすごく大切だと思います。

ーブラジル(サンパウロ)の保育園事情はどうでしょうか?

順子さん :ブラジルは専業主婦が少なく、共働きが多いとのことで数ヶ月から保育園に入れている方も多いようです。待機児童は日本のように国策になるほど多くはないですが、それは貧富の差が大きく政治が不安定であったり犯罪率も多いため、幼稚園・保育園問題よりも優先すべきことがあるというブラジルの現状もあるようです。

千尋さん :都市部では幼稚園や保育園の数が不足しているという問題はあるようです。ただ、ブラジルの家庭ではシッターさんを雇っていることが多く、かつ安くシッターさんを雇うことが出来るので、幼稚園や保育園に入れなければ子どもをシッターさんに預けて職場復帰するのが一般的なのだと思います。ブラジルの育児休暇期間は4ヶ月と短い中でも職場に復帰している女性が多いのは、シッターさんというセーフティネットがあるからだと思います。

安全で便利なのは断然日本。でも育児のしやすさはブラジルが圧勝?

ブラジルといえば、治安の悪さがすぐに思い浮かぶ方も多いでしょう。ブラジルは貧富の差が激しいことから政治も不安定。安全の為に日常生活において注意しなければならないことが沢山あります。それでも「子育てするなら、ブラジルの方がしやすい」と感じる日本の駐妻も多いとか。一体なぜなのでしょか。

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(日本の子どもにも優しいブラジル人)

ブラジル育児環境の特徴①:子どもが大好き、明るい国民性

ブラジルでは、子どもを連れて歩いていると「linda!(綺麗だね!)」「bonichinho!(なんて可愛いらしいの!)」と多くの道行く人が声をかけてくれます。ブラジル人は子どもが大好きな人が多く、目が合うだけで笑顔で気さくに話しかけてくれます。周りの人が沢山話しかけてくれるだけで、子育てはうんと楽しくなりますよね。また、1歳未満の赤ちゃんに対しては「parabens!(おめでとう!)」と声をかけてくれるそう。これも「子ども=おめでたい・神聖なものである」というブラジル社会の表れのようです。

ブラジル育児環境の特徴②:子どもに寛容な社会「電車の席は、ほぼいつも譲ってもらえる」ほど

そして、子連れで電車やバスに乗って席を譲ってもらうこともとても多いです。「むしろ、ブラジルに住んでいて譲ってもらわなかったことが無い。」という意見の方も。日本でよく取りあげられる「ベビーカー問題」をブラジル人に話すと、「もし、ブラジルの電車で子連れに文句を言う人がいたら、周りにいる人がその文句を言った人に対して、皆で凄く怒るだろうね!」と話していました。子連れに寛容で優しい人がブラジルには多いです。

ブラジル育児環境の特徴③:ベビーシッター文化が浸透している

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ブラジル駐妻のシッター利用率
(ブラジル・サンパウロ在住の日本人ママ32人にアンケート)

ブラジルではベビーシッターや家事手伝いの文化は浸透しており、気軽にシッターを利用している日本人ママがほとんど。シッター利用率は75%ととても高いことが分かります。沢山の人がシッターを活用しているため、自分がリフレッシュする時間を保ちながら育児をしているママが多いです。

ベビーシッターを利用した事のあるブラジル在住の日本人ママにアンケート

ーシッターさんに預けている間は、どんなことをして過ごしていますか?

「美容院に行ったり、友達とオシャレなランチを楽しんだりして、息抜きしています!」

「陶芸やサンバといった習い事に時間を使っています。」

「語学学校に行って自己啓発の時間に使っています。勉強といっても集中できてかなりリフレッシュ出来ますよ。」

「子どもが小さいときは睡眠不足で。シッターさんに来てもらっている間に昼寝をさせてもらいました。」

「シッターさんがいる間に、離乳食作りを含めた料理の作り置きや家事を済ませておきました。」

ー日本でもベビーシッターを使いたいですか?

「日本でも使いたいけれど、日本だと周りにあまりシッターさんを使っている人が居ないので後ろめたい気持ちになってしまうかもしれません。」

「日本でも使いたいけれど・・家計的にきっと無理かな(泣)」

キッズラインで、日本でも安く気軽にベビーシッターを

日本でシッターを使う事に関しては、「周囲の理解」と「料金」の2つが気になるママがやはり多い様です。キッズラインのベビーシッターマッチングサービスは、徹底したIT化によりコスト削減が実現したため、1時間1000円〜利用することが可能です。福利厚生や自治体の助成を組み合わせれば、更に家計に優しくなる可能性もあります。これまで「日本ではベビーシッターを使いたくても、高くて使いにくい」と感じていたママ達の心強い味方となってくれるはずです。

日本とブラジルのイイトコ取りをして、育児をもっとハッピーに

ブラジルに比べると日本の治安はとても良い方で、日本ならではのサービス業のきめ細やかな質の高さや、豊富で安全な食文化も誇れるものでしょう。 そこに、ブラジルの良い面である「ベビーシッター文化」「子どもに寛容な社会」といった子育てしやすさが更に浸透すれば、私達の住んでいる日本はもっとママ達にとって過ごしやすい、子どもを産みやすい国になるのではないでしょうか。
実家が遠くて頼れない、仕事に集中したい、息抜きがしたい・・・理由はさまざまでも大丈夫。「育児パートナー」となるベビーシッターに気軽に手伝ってもらい、社会全体で子どもを育てる温かい雰囲気に包まれたら、子育てはもっとハッピーですよね!ママのハッピーは、子どものハッピーにも繋がるはず。より素敵な日本を目指しましょう。