夜、なかなか寝てくれない。朝は5時前に「おはよー!」と元気いっぱい。昼寝のタイミングもぐちゃぐちゃで、夕方に力尽きて寝てしまい、また夜が遅くなる——。夏になってから、子どもの生活リズムがなんだか崩れている気がする。そんなふうに感じているご家庭は、決して少なくありません。

「春まではちゃんと寝てくれていたのに」「わたしの関わり方がいけないのかな」と、自分を責めてしまう方もいるかもしれません。でも、安心してください。夏に子どもの生活リズムが崩れるのは、ごく自然なことです。気合いや工夫が足りないからではなく、夏という季節そのものに、リズムを崩す要因がいくつも重なっているからです。

この記事では、夏に子どもの睡眠リズムが崩れやすい理由を整理しながら、「寝かしつけ」「早朝の目覚め」「昼寝」という崩れやすい3つのポイント別に、無理なく立て直すヒントをお伝えします。完璧に元通りにする必要はありません。ちょっとした調整で、親子ともにぐっとラクになりますよ。

この記事のポイント

⚫︎ 夏の生活リズム崩壊は、日照時間・気温・お盆などの環境要因が原因。親の努力不足ではない
⚫︎ 特に崩れやすいのは「寝かしつけが遅くなる」「早朝に起きる」「昼寝が乱れる」の3つ
⚫︎ 光・室温・活動量を少し整えるだけでOK。完璧に戻そうとしないことが、立て直しの一番のコツ


「夏になると寝ない」のは、うちだけじゃない

布団の上で目を開けている子どもと、寝かしつけに付き合う親

「夏は寝かしつけが長引く」という声をよく聞きます。いつもなら20時すぎには寝ていた子が、21時をまわってもゴロゴロと元気。ようやく寝たと思ったら、翌朝は空が白み始めるころにパッチリ目を覚ます。日中は寝不足で機嫌が悪く、こちらも寝不足でイライラしてしまう……そんな悪循環に、毎年のように少しだけ憂うつになります。

けれど、いろいろな家庭の話を聞いていると、これは本当に「あるある」なのだと気づきます。夏になると生活リズムが乱れる子は多く、むしろ「まったく崩れない」という子のほうが珍しいくらいです。まずは「うちだけじゃないんだ」と肩の力を抜くこと。そこからのほうが、立て直しもうまくいきます。まずは、しんどさを左右する原因から見ていきましょう。

なぜ夏は子どもの生活リズムが崩れるのか【3つの理由】

カーテンの外がまだ明るい夕方の時間帯のイメージ

「気をつけているのに、どうして?」と思うかもしれません。でも、夏には子どものリズムを崩す要因が、季節の側にちゃんと存在します。主なものは次の3つです。

理由1:日が長く、脳が「まだ昼だ」と勘違いする


人の体は、暗くなると眠くなり、明るいと目が覚めるようにできています。眠りをうながすホルモンは、光を浴びると出にくくなるためです。ところが夏は日の入りが遅く、19時をまわってもまだ外が明るい。子どもの脳は「まだ昼間だ」と受け取ってしまい、なかなか眠モードに切り替わりません。寝かしつけが遅くなる、一番の背景がこれです。

理由2:暑さと寝苦しさで、寝つけない・夜中に目が覚める


寝苦しい子
気温や湿度が高いと、大人でも寝つきが悪くなります。子どもは体温が高く汗っかきなので、なおのこと。寝入りばなに汗をかいて目が覚めたり、夜中に暑くて何度も起きたりと、睡眠が細切れになりがちです。眠りが浅くなると、その分だけ日中のぐずりや昼寝の乱れにもつながっていきます。

理由3:お盆・帰省・お出かけで、生活の「型」が崩れる


夏はイベントが目白押し。帰省、旅行、花火、親戚の集まり……。楽しい予定であるほど、いつもの就寝時間や昼寝のタイミングは後ろにずれていきます。特にお盆に数日間リズムが乱れると、その後もとに戻すのにしばらく時間がかかります。一度崩れた型は、放っておいて自然には戻りにくいのが、この時期の難しさです。

崩れやすいポイント別・立て直しのヒント


崩れ方には、実はよくあるパターンがあります。ご家庭の「今いちばん困っていること」に近いところから読んでみてください。どれも、今日から少しずつ試せることばかりです。

【寝かしつけが遅くなる】なら → 寝る前の「光」を落とす


部屋を暗くする
眠りのスイッチは、光でオン・オフが切り替わります。寝る1時間ほど前になったら、部屋の照明を少し暗めにして、テレビやスマホ・タブレットの画面からも離れましょう。それだけで、体が「そろそろ夜だ」と思い出しやすくなります。加えて、寝る少し前にぬるめのお風呂に入ると、いったん上がった体温が下がっていくタイミングで自然な眠気が訪れます。エアコンで部屋をあらかじめ涼しくしておくのも効果的です。「寝る時間」を早めようと焦るより、「暗くする時間」を早めるほうがうまくいきます

【早朝に目が覚めてしまう】なら → 朝日をさえぎる工夫を


部屋を暗くする
夏は日の出が早く、地域によっては4時台から明るくなります。子どもの寝室に朝日が差し込むと、それが目覚まし代わりになって早起きしてしまうのです。遮光カーテンや、すき間からもれる光をふさぐ工夫で、部屋を暗いまま保ってみてください。また、明け方に暑くて目が覚めるケースも多いので、朝方まで室温が上がりすぎないようにしておくのも大切です。早く起きても「まだ寝る時間だよ」と静かに過ごし、無理に一日を始めないことも、リズムを守るポイントになります。

【昼寝が乱れる】なら → 「長さ」と「時間帯」を見直す


夜が乱れると、その反動で昼寝が長くなったり遅くなったりします。すると今度はその昼寝が夜の寝つきを遅らせて……と、悪循環に入りがちです。昼寝が夕方までずれ込んでいるなら、少しずつ前の時間帯に戻し、必要以上に長くなりすぎないよう、様子を見て切り上げてみましょう。昼寝を整えることは、遠回りに見えて、実は夜のリズムを立て直す近道です。

お盆で崩れたリズムを、9月までに戻すには


お盆の帰省や旅行で、リズムが一度リセットされてしまうのは、もう仕方のないこと。大切なのは、そのあとどう戻していくかです。ここでも、頑張りすぎないのがコツになります。

いちばん効くのは、「起きる時間」を先に固定することです。寝る時間をコントロールするのは難しくても、朝は決めた時間にカーテンを開けて、朝日を浴びる。朝しっかり光を浴びると、体内時計がリセットされ、夜の眠気が自然と早まっていきます。夜から整えようとするより、朝から整えるほうがずっとラクなのです。

そして、一日で完璧に戻そうとしないこと。数日間かけて、少しずつ元のリズムに近づけていくくらいの気持ちで十分です。「昨日より15分早く寝られたらOK」——そのくらいゆるく構えているほうが、親子ともに消耗しません。

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完璧より、「ゆるく整える」でいい


子供の睡眠
夏の生活リズム崩壊は、季節のせい。あなたのせいでは、まったくありません。だからこそ、「元通りにしなきゃ」と気負わず、光・室温・活動量を少し整えるくらいの気持ちで向き合うのが、結局いちばんうまくいきます。

それでも、寝不足が続く時期は、親のほうがどうしても消耗します。子どもに息抜きが必要なように、親にも息抜きは必要です。週に一度、数時間だけでも誰かに子どもを見てもらって、自分がゆっくり眠る——遠回りのようでいて、それが家族全体のリズムを立て直す近道になることもあります。頼れる先を一つ持っておくだけでも、気持ちはずいぶんラクになりますよ。

今年の夏は、「全部完璧に」ではなく、「笑顔でいられるくらいに、ゆるく整える」。そのくらいの心持ちで、親子ともに心地よく夏を過ごせますように。

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