絵本の読み聞かせは子どもの成長によい影響を与えます。せっかく読むのならば、より効果的な読み方をしたいですよね。そこで今回は、ベテラン保育士が読み聞かせのコツを紹介。毎日の絵本タイムで、子どもの心を豊かに育てていきましょう。

読み聞かせは子どもの心を育てる


読み聞かせ
読み聞かせの効果としては、以下のようなものが挙げられます。

・言葉の発達
・想像力の発達
・集中力のアップ



物語は、現実とは異なるもうひとつの世界です。子どもは絵本の世界に夢中になり、そこで出合った新しい言葉や考え方を次々と吸収していきます。
絵本に描かれたイラストが頭の中で動き出し、子どもをお話の世界へ誘います。絵本の世界に没頭すればするほど、上記に挙げたような子どもの力が育まれていくのです。

絵本は言葉や想像力だけでなく、成長の土台となる子どもの心を育てます。心の成長で最も大切なのは「安心感」です。
大好きなママパパにくっついて1つの世界を共有する絵本タイムは、子どもの心を満たし「ママパパに大切にされている」という安心感をもたらしてくれます。

保育士が教える読み聞かせのコツ①【準備】


では、絵本を読む際にどのようなことを意識したらよいのでしょうか。まずは絵本を読む前の準備が大切です。
読む前に心と身体の体勢を整えておくことで、より物語の世界へ入りやすくなるからです。ここからは、より効果的な読み聞かせの時間にするための、準備のポイントをご紹介します。

【準備①】読み聞かせのタイミング


子どもから「これ読んで」と求められたときに読んであげられればよいのですが、毎回応えることは難しいでしょう。そこで「場面の切り替え時」を読み聞かせのタイミングにすることをオススメします。
生活を区切ると、以下のような「場面の切り替え時」があります。

・出かける前
・お風呂の前
・寝る前



特にイヤイヤ期にあたる1歳半から3歳くらいにかけては、ぐずったり、遊びがやめられなかったりして、次の場面への切り替えがうまくいかないことがあります。絵本の時間をはさむことで、次の行動へスムーズにつながりやすくなります。
子どもの気持ちが切り替えやすくなるように「これ読んだらお風呂に入ろうね」などと事前に伝えておきましょう。

【準備②】読み聞かせの場所


読み聞かせは、静かでリラックスできる場所を選びましょう。場所としては、以下のようなところが挙げられます。

・布団
・ソファ
・柔らかい絨毯やクッションのある場所



寝る前は布団の中が適していますが、それ以外の時は家の中で居心地のいい場所を選びましょう。テレビは消し、スマホやタブレットも見えないところに置きます。子どもが絵本の世界に入りやすい状況を作ってから、読み聞かせを始めましょう。

【準備③】読み聞かせの姿勢


読み聞かせのとき、子どもとどのような位置関係にいますか?読み聞かせに向いた体勢は、以下のようなものが挙げられます。

☑子どもと横並びで座る・寝転ぶ
☑子どもがママパパのひざに座る
☑子どもと向かい合わせに座る



ソファや布団では横並びになることが多いと思いますが、ママパパのひざの上で絵本を見るのも子どもは大好きです。密着度合いが高いので、子どもが安心感を覚えます。
保育園では保育士と子どもたちが向かい合わせに座る姿を見かけると思いますが、状況によっては家庭でもこの位置関係で読むのもよいでしょう。場面や場所に応じて、子どももママパパも無理のない姿勢で読めるといいですね。

保育士が教える読み聞かせのコツ②【絵本の紹介】


読み聞かせのコツ
読み聞かせを始める前にはどのような配慮が効果的なのでしょうか。子どもの気持ちが絵本に向くためのポイントをご紹介します。

【その1】絵本の表紙が見えるように並べておく


子どもの興味が向くように、絵本を表紙が見えるように並べておきます。子どもは魅力的なイラストに惹かれて、絵本を手に取ります。表紙が見えず、タイトルしか見えない状態では、子どもの好奇心に訴えかけられません。家にあるすべての絵本の表紙を出す必要はありません。3冊くらいを選んで、子どもが手にとりやすい場所に置いておきましょう。

【その2】絵本を子どもに選ばせる


読み聞かせをする本は子どもに選んでもらいましょう。自分で選ぶことで「今からこの絵本を見るんだ」と気持ちの準備が整います。
ママパパが3冊用意しておき、その中から1冊選んでもらってもよいでしょう。もし「3冊全部読んで」となって困ってしまうなら、はじめから「1冊だけね。他のは明日読もうね」と約束しておきます。もしくはママパパが選ぶ本を2冊に限定し、はじめから2冊読むつもりで、先に読む方を子どもに選んでもらってもよいです。

【その3】表紙を見ながら会話をする


絵本を開く前に、表紙を見てイメージを膨らませましょう。表紙にはタイトルしか文字がないので、大人はすぐにめくりたくなってしまいます。しかし子どもは表紙の絵に目を奪われて選んでいる場合が多いので、まずはじっくり表紙の絵を楽しみましょう。
主人公だけでなく、その周辺の背景も改めて見てみると面白いです。子どもが見入っているようなら、そのまましばらく待ってもよいでしょう。表紙を見慣れているようなら「これ、なんだろうね」と新たな視点を取り入れ、会話を楽しむのもオススメです。

保育士が教える読み聞かせのコツ③【読み方】


準備が整ったら、いよいよ絵本を開きます。テレビやYouTubeなどの映像と違って、絵本に刺激は必要ありません。大人も子どももリラックスして物語の世界を楽しみましょう。ここからは、読むときのポイントをご紹介します。

【読み方①】大き過ぎない声で読む


絵本を読む声は大きくなり過ぎないように気をつけましょう。大き過ぎると、子どもはお話の世界に集中できません。場所や状況にもよりますが、子どもの耳に届けば十分です。静かに語りましょう。

【読み方②】絵本は動かさない


読んでいるときには、絵本はなるべく動かさないようにしましょう。子どもを楽しませようと思うあまり、物語に合わせて絵本を振ったり、揺らしたりしてしまいがちです。しかし大人の意図に反して、揺らされた絵は見づらく、それまで子どもの中で広がっていたイメージも途絶えてしまいます。
絵本は絵が見えるからこそ、想像力が働くのです。読み聞かせの際は、絵本を動かさないようにしましょう。作者の意図により、絵本を動かす作品もあります。その際はゆっくりと動かし、必要以上に激しく揺らさないようにしましょう。

【読み方③】アドリブは入れない


絵本の読み聞かせにアドリブを入れる必要はありません。絵本はプロの手によって、適切な言葉が選ばれているからです。絵本の読み聞かせで大切なのは、子どもが自ら絵本のイメージを膨らませることであり、大人から与えられた刺激を楽しむことではありません。登場人物のセリフを変えたり、必要以上に大げさに読んだりしないよう気をつけましょう。
0〜1歳児用の絵本は「ぱくぱく」「ぎゅっ」など行動や状態を音で表したものが多いです。これらの絵本に関しては、音やリズムを楽しむ目的が大きいので「ぱくぱく、ぱくぱく」などと繰り返してもOKです。

保育士が教える読み聞かせのコツ④【読後】


絵本を読む子供
読み聞かせが終わっても、子どもが頭の中で物語の余韻を味わえる時間を大切にしましょう。最後のページや背表紙のイラストから「物語のその後」をイメージすることもできます。ここからは、読み聞かせを最大限有効にするためのポイントを解説します。

絵本の感想は聞かなくていい


読み聞かせのあとは、大人から子どもに働きかける必要はありません。読後は子ども自身がお話を味わっている途中だからです。
大人はつい「どう思った?」「こんな時はどうすればよかったんだっけ?」と感想や絵本から得た学びを言語化させたくなってしまいます。しかし子どもは感じたことをすぐに言葉で表現できる訳ではありません。子どもの中で時間をかけて、言葉にならない想いが消化されていきます。

子どもから絵本について話してきたときには、耳を傾けましょう。会話を通してママパパと絵本の世界を共有したがっています。絵本は子どもが自由に想像できる楽しみが醍醐味なので、親の解釈は必要ありません。子どもが「このあとどうなったと思う?」と問いかけてきたら「〇〇ちゃんはどう思う?」とまずは子どものイメージを聞いてみましょう。その上でさらに「ママはどう思う?」と問われれば「ママはこう思ったよ」と自分の感じたことを話すとよいでしょう。

「もう1回読んで」の対応法


読後に困るのは「もう1回読んで」とおねだりされることかもしれません。時間的に可能ならば、もう1回読むのもいいですね。しかし多くの大人は「できれば1回で終わりにしたい」と思うことでしょう。
読後の「もう1回読んで」を減らすためには、読む前に「1回読んだら寝るからね」と次の行動を伝えておくことが大切です。読んだ後に「もう1回」とねだられても、「読んだら寝るってお約束したね」と伝え、言葉通りに行動します。これを繰り返せば「寝る前は1回だけなんだ」と子どもは学習していきます。
大好きな絵本を手放したがらない子どもには「じゃあ、お布団の下に入れておこうか。そしたら絵本の夢、見れるかなぁ」と促します。すぐそばに絵本があると思えば、安心して終わりにできます。「面白かったね。また読もうね」と子どもの気持ちを受けとめつつ、次への期待に繋げていきましょう。

どんな絵本を選べばよい?年齢別のオススメ絵本


膨大にある絵本の中から、ママパパはどのような絵本を選べばよいのでしょうか。保育士としてさまざまな絵本を読んできた著者が、絵本を選ぶポイントやオススメの絵本をご紹介します。

●絵本を選ぶポイント

・0〜1歳児
0〜1歳児はまだ理解できる言葉が少ないので、文字の少ない絵本を選ぶとよいでしょう。オノマトペ(擬音)が繰り返される絵本も好きです。また視力が発達途中のため、絵はシンプルではっきりした色合いのものを選ぶとよいでしょう。食べ物や動物、乗り物など、日常で目にする機会の多いものが出てくる絵本も人気です。



・2〜3歳児
知っている言葉が増え、簡単な物語も理解できるようになってきます。生活習慣を身につける時期なので、子どもの日常生活と結びつけられる絵本がオススメです。子どもの理解度や集中力に合わせて、1ページあたりの文章が3〜5文のものを選びましょう。


・4〜5歳児
脳の発達に伴って、起承転結のある物語も理解できるようになってきます。1冊読むのに10分くらいかかる絵本でも、集中して聞くことができます。
昔話やシリーズで展開された絵本もオススメです。絵の好みも出てくる時期なので、子どもと一緒に選ぶのもよいですね。


【年齢別】オススメの絵本例


・0〜1歳児
『くだもの』
『ぽんちんぱん』
『もこもこ』
『だるまさんが』
『おつきさま こんばんは』


・2〜3歳児
『ねないこ だれだ』
『いやだいやだ』
『ぞうくんのさんぽ』
『わたしのワンピース』
『おおきなかぶ』


・4〜5歳児
『ももたろう』
『からすのパンやさん』
『おしいれのぼうけん』
『14ひきのねずみ』シリーズ
『バムとケロ』シリーズ


自宅での読み聞かせで知っておきたいポイント


読み聞かせ親子
ここからは絵本の読み聞かせを行う上で、保護者の方々からよく聞かれる質問について、回答していきます。

【 質問1 】絵本はいつ読めばよい?


絵本はいつ読んでもよいです。しかし忙しい毎日の中で「読んで」という要求にいつでも応えられる訳ではありません。
そこで、絵本の時間を決めておくことをオススメします。取り入れやすいのは、寝る前の時間帯でしょう。ごはんやお風呂を済ませた後、布団で横になって子どもの選んだ絵本を開きましょう。寝る前の切り替えにもなりますし、1日の終わりにママパパのぬくもりを感じられる幸せなひとときにもなります。

【 質問2 】親が読み聞かせできない場合はどうしたらよい?


「忙しい毎日の中で絵本の読み聞かせをする時間がとれない」「どうしても絵本に興味がもてない」という方もいるでしょう。絵本の読み聞かせは子どもの成長を促しますが、読む人は「親でなければダメ」という訳ではありません。
保育園に子どもを預けている方は、保育士が毎日読み聞かせを行っていますので、ママパパが無理をして行う必要はありません。祖父母に読んでもらってもいいですし、兄が弟に読んであげる姿も微笑ましいものです。また保育のプロであるベビーシッターに読み聞かせを行ってもらうのも1つの方法です。

今すぐベビーシッターを依頼してみる

【 質問3 】読み聞かせは何歳までするべき?


「絵本の読み聞かせは◯歳で終了」という決まりはありません。絵本に興味があり、ママパパに読んでもらいたがっているのであれば、小学生になっても続けてかまいません。子どもが求めてくる間は、できるだけ応えましょう。大人になってお話の内容は覚えてなくても、ママパパと絵本の世界を共有した幸せな記憶は残ります。

さまざまな人の読み聞かせで、子どもの心を育てよう


絵本は子どもの心を育てるツールです。ママパパや信頼できる人と一緒にお話の世界を楽しむ時間は、着実に子どもの心の安定と成長を促してくれます。絵本は1回読んで終わりではありません。むしろ何回も繰り返し読むことで、絵本に対する理解や親しみを深めていきます。
また1冊の本をさまざまな大人が読むことで、想像力や独創力の幅が広がっていきます。「読み聞かせは親の仕事」と気負わず、さまざまな人に読んでもらう機会を設け、子どもの心を豊かに育んでいきましょう。

今すぐベビーシッターを依頼してみる

キッズラインなら、読み聞かせが得意なベビーシッターに出会える


ベビーシッター・家事代行サービスのマッチングプラットフォームであるキッズラインでは、家庭保育のプロフェッショナルを探すことができます。保育士などの専門資格や研修を完了した人が多く在籍しているので、「読み聞かせをしてほしい」といった要望も依頼することができます。
初めてのシッターに保育を依頼する際には、オンラインでの顔合わせまたは対面での事前面談が必要です。まずはよさそうだなと思った人に連絡を取ってみて、お互いの相性を確かめてみましょう。
同じ絵本でも、読み手がベビーシッターだと、子どももママパパのときと違った発見があるかもしれません。お子様の成長の機会として、家庭内保育ができるベビーシッターを依頼してみてはいかがでしょうか。

今すぐベビーシッターを依頼してみる

■保育士ライター 佐野希子
18年目の現役保育士。独学で認定試験に合格し、幼稚園教諭の資格も取得。他に社会福祉士の資格も保有。現在は副主任として保育現場の指導とサポートに努めている。


▼あわせて読みたい
子どものほめ方がわからない!ベテラン保育士のノウハウを伝授
「ママがいい」のはなぜ?いつまで続く?パパが知っておきたい対処法
子どもの外遊びはどんな力が身につく?外遊びのメリットと年齢別の遊び方【保育士監修】


▼記事一覧に戻る
KIDSLINE編集記事一覧


ベビーシッターに相談する