育児をしていると誰でも一度は赤ちゃんの泣き声に戸惑うことがあるでしょう。月齢によって赤ちゃんがよく泣くようになり、イライラが溜まってきているママパパもいると思います。この記事では、赤ちゃんが泣く理由や泣いたときの対処法、泣いた時に感情を抑えられなくて困っている人への対処法を助産師がお話します。
赤ちゃんがよく泣くようになるのは1~2ヶ月頃

赤ちゃんがよく泣くのは元気な証拠とも言われますが、実際に泣き続ける赤ちゃんを目の前にすると戸惑うことも多いですよね。月齢によって赤ちゃんが泣く理由は変わってきます。ここでは月齢別の赤ちゃんの泣く理由についてお話します。
【月齢別】赤ちゃんが泣く理由
*生後すぐ〜生後3ヶ月頃*
生まれて間もない赤ちゃんは、基本的には生理的欲求を満たして欲しくて泣いています。
生理的欲求とは、生きるために必要な欲求で「お腹すいた」「眠い」「寒い」「暑い」「おむつが気持ち悪い」などです。
不快に敏感な時期なので、「赤ちゃんに不快なことはないかな?」という視点でみてあげると早めの対処ができ、大泣きすることは減るでしょう。
また昼間は太陽の光が入るところで過ごし、夜は部屋を暗くするなど生活リズムを整えるようにすることで、生後2ヶ月頃から生活リズムが少しずつ身についてきます。
*助産師からの一言コメント*
赤ちゃんがよく泣くのは生後1〜2ヶ月頃だと言われています。個人差はありますが、月齢が進むほど大泣きする頻度は減って来ます。
この時期はママパパが夜も眠れず、寝不足のまま育児をすることで余裕がなくなってしまうことも多いです。周りの手を借りながら、パパママも休めるようにしていきましょう。
産後ヘルパーや産後ドゥーラに頼るのもよいと思います。
*生後4ヶ月〜生後9ヶ月頃*
生後4ヶ月を過ぎると昼夜のリズムがついてくる赤ちゃんが増えてきます。
新生児期に続いて不快に対しても泣きますが、この頃から「眠たい」を理由に泣くことが増えてきます。この時期は、赤ちゃんの眠いサイン(あくびをする、目をこする、機嫌が悪くなるなど)を見逃さないようにし、赤ちゃんが寝たいタイミングで寝かせることを心がけましょう。
*生後10ヶ月〜1歳過ぎ頃*
人見知りや場所見知り、後追いなどをするようになり、意思を伝えたくて泣くことが増えてきます。
感情を伝えようとするようになるため、どうして泣いているのか赤ちゃんに話しかけながら気持ちを汲み取ろうとしてみてください。コミュニケーションがとれるようになってくるので、少し楽になったと感じる人もいる時期です。
*助産師からの一言コメント*
全ての月齢で言えることなのですが、心身が大きく成長したときは「メンタルリープ」といって、赤ちゃん自身に混乱が生じて泣くことがあります。
「メンタルリープ」=赤ちゃんのぐずり期があることを知っておけば「今はメンタルリープのために泣いているんだな」と考えて、ママパパも少し余裕が生まれるかもしれません。
成長と泣くことは切り離せないものだと知っておくことも大切だと思います。
赤ちゃんの泣き声でママがイライラする理由
赤ちゃんの泣き声にイライラ…寝てくれない赤ちゃんにイライラ…と、育児中はささいなことでもイライラしてしまい、同時に自分を責めてしまうこともありますよね。
ここではイライラの原因とは何か?について、お話します。
①ホルモンバランスが影響している
妊娠から出産、産後にかけて
ママの体の中ではホルモン状態が急激に変動を続けます。ホルモンは感情に大きく影響を与えるため、産後は少しのことでもひどく落ち込んだり、イライラしたりしやすい時期です。マタニティブルーという一時的な精神的な落ち込みを経験する人も多いのは、これが理由です。
②寝不足などでストレスが溜まっている
寝不足などストレスを感じると、ストレスが脳を刺激し、更にはホルモンバランスにも影響することがわかっています。(※1)それにより不安を感じたり、普段抑え込んでいる衝動が解放されイライラが止まらなくなったり、暴飲暴食をしたりすることにつながることがあります。
(※1)
ストレスと脳 | 生物学科 | 東邦大学 (toho-u.ac.jp)
③気分転換をする時間的な余裕がない
ワンオペ育児などで赤ちゃんとずっと2人きりだと、いつの間にかストレスを溜めてしまうものです。家族の手伝いが難しい場合もあるでしょう。そういう時はベビーシッターを頼むなど、利用できるサポートを有効に使いましょう。
ママがイライラしていると、赤ちゃんの情緒も安定しにくいです。ママにも息抜きは必要です。ママの幸せが赤ちゃんの幸せだと覚えておいてほしいです。
*助産師からの一言コメント*
誰でも初めは育児に不慣れです。赤ちゃんの泣き声にイライラすること自体は当たり前のことのように思います。
イライラすることは誰しもあること、ホルモンや寝不足などが原因であることを、ぜひパートナーにも共有してほしいです。1人で抱え込まないで、周りの人に頼って育児をしていってくださいね。
【泣き声にイライラの対処法①】「安全を確保したうえで距離をとる」

イライラしたときの原因はわかったけれど「どう対応したらいいの?」という人に向けて、
まず試してもらいたいのが「距離を取る」方法です。
イライラしてどうしようもなくなったときは、赤ちゃんと距離をとって一度冷静になるようにするといいでしょう。
距離をとる時の注意点は、
・パートナーや家族、ベビーシッターなど安全を確保できる人に預ける
・預けられる人がいないときは、身の安全を確保できるベビーベッドなどに赤ちゃんを寝かせて15分ほどその場を離れる
すぐに戻れるような場所で、好きな音楽を聞いたり、誰かに電話したりと、短時間で気分転換できることをしましょう。
*助産師からの一言コメント*
安全を確保した上で赤ちゃんと一度距離をとることは何も悪い事ではありません。一度冷静になるだけでも赤ちゃんとしっかりと向き合うことができます。
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【泣き声にイライラの対処法②】「赤ちゃんと外に出かける」
泣き叫ぶ赤ちゃんにどうしようもなくなる時は、
外に出て母子共に気分転換をすることをおすすめします。
赤ちゃんが泣き止まない時には、赤ちゃんが寒くない格好にして、散歩に出るようにしましょう。外の空気を吸うと不思議なことに、泣き止む赤ちゃんも多いです。
家にいると母子ともに窮屈な気持ちになるのかもしれませんね。外の空気を吸ってリフレッシュしましょう。
*助産師からの一言コメント*
赤ちゃんは抱っこ紐やベビーカー、車でドライブなど揺れる乗り物が好きですよね。
ママのお腹の中でずっと揺れていた経験から、揺れるものに心地よさを覚えるのかもしれません。
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【泣き声にイライラの対処法③】「ホワイトノイズを聞かせてみる」
ホワイトノイズという言葉をご存知ですか?テレビの砂嵐のような「ザー」という音をホワイトノイズと言います。雨音や波の音もホワイトノイズの一種です。
ホワイトノイズは赤ちゃんがお腹の中にいる時に聞いていた音に似ていると言われており、
低月齢の赤ちゃんが泣き止むのに効果的な場合があります。
ホワイトノイズを流すおもちゃも販売されていますし、スマホで検索すれば、ホワイトノイズをすぐに流すこともできます。音に敏感な赤ちゃんにほどホワイトノイズは効果的です。
赤ちゃんが泣き止まないで困っている時には、一度試してみるのもよいでしょう。
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こんな泣き声には注意!病気が隠れていることも
泣くのが仕事の赤ちゃんですが、時には注意すべき泣き方もあります。「こんな泣き方の場合は受診した方がよい」という注意点をお伝えします。
①半日以上泣き続けている
半日以上眠ることなく泣き続けている場合は、生理的欲求ではなく体調不良で泣いている可能性があります。病院に一度かかるようにしましょう。
②泣いた後にぐったりしている
以下のような症状がみられる場合には注意してください。
・ぐったりしている、反応が見られない
・息が荒く肩で息をしていたりヒューヒューと息をしている
・顔色や唇、指先が青紫色になっている
これらの症状がみられる場合は、夜間でも迷わずに病院受診をするようにしましょう。
③泣き声がいつもと違う
上記で挙げた症状以外にも
・下痢をしている
・鼻水が出ていて苦しそう
・咳をしている
・発熱している
など体調不良がみられる場合や
・苦しそう
・痛そう
などいつもと泣き声の大きさや甲高さが違うなと感じた時は、受診をするようにしましょう。
赤ちゃんの泣き声でイライラするときは、一人にならないことが大事

赤ちゃんを泣かないようにさせるのは難しいですが、泣いたときに自分一人で対応しなければならない状況だと、どんな人でもイライラが募ります。育児は一人ではできないと心得て、
ベビーシッターなどサポートを頼める人を探しておくのが大事です。
1人で抱え込まず周りの人の手を借りながら、みんなで育児をしていくようにしてくださいね。
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キッズラインなら、産後ドゥーラやベビーシッターを探せる
ベビーシッターのマッチングプラットフォームであるキッズラインなら、産後の育児や家事をサポートしてくれる
産後ドゥーラや、0ヶ月の赤ちゃんを見られる
ベビーシッター、家事代行をお願いできる
家事サポーターを、スマホで気軽に探すことが出来ます。
初めて依頼する相手に子どもを預ける際には、必ず顔合わせ(オンライン)または事前面談(対面)が必要なので、まずは利用登録をして、検討している方に連絡を取ってみるのがオススメです。
赤ちゃんとの生活を支えてくれる心強いサポーターと“子育てのチーム”を作って、みんなで子育てする環境をつくっていきましょう。
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■フリーランス助産師 上原沙希
東京女子医科大学病院 産婦人科 MFICU に勤務後、より多くの方の力になりたいという思いを抱き、英語力習得のためヨーロッパ留学とギリシャ難民ボランティアへ。その後フリーランス助産師として独立し産婦人科クリニックにてお産介助や妊婦指導などを行う傍ら精神疾患患者や障害をお持ちの患者さんのケアも行う。現在は子持ちフリーランス助産師として産婦人科業務以外にも妊産婦向け商品開発やライター、思春期相談、マタニティヨガ指導、性教育など幅広く活動中。
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