春から夏にかけては清々しい日が続き、外出がしやすい季節です。赤ちゃんが生まれてからずっと自宅でお世話をしている方は、そろそろ外出したい頃ではないでしょうか。この記事では、新生児の外出について知識を深め、赤ちゃんを連れていかない方がよい場所や時間帯、親だけで出かけるときの対処法などを、助産師がお話しします。
生まれたばかりの赤ちゃん、いつから外出できる?
生まれたばかりの赤ちゃんとお出かけしてみたいけれど、「いつからOK?」「新生児の外出の目安はあるの?」といった疑問がありますよね。そこで、お出かけの目安についてお話しします。
新生児期はできるだけお家にいよう
新生児期とは、生後28日までの赤ちゃんのことを指します。この時期は体温の調整機能や免疫機能が未熟なので、まだ外の環境に適応することができません。
そのため、新生児期はできるだけお家にいることをおすすめしています。
基本的には、
1ヶ月健診で母子ともに問題がないことを確認した後から、少しずつ外出する人が多いようです。
新生児期に車で出かけるのはいいの?
赤ちゃんやママの病院受診やママの母乳マッサージなどで、1ヶ月に満たない赤ちゃんが外出をすることもあるでしょう。その時は車で出かけるなど、できるだけ赤ちゃんの環境が寒すぎたり暑すぎたりしないようにしましょう。
新生児期に電車など公共交通手段を使うのは、母子ともに負担が大きいので、できるだけ避けることをお勧めします。自家用車がない場合はタクシーを利用するようにしましょう。
車でお出かけする際も遠くに行くのは避けて、近場をドライブするなど、赤ちゃんの体力を考慮してあげてください。
新生児の外出は少しずつ段階的に進めるのが◎
産後は久しぶりの外出だからと行って、急に遠くまでいくのはやめましょう。最初は自宅での赤ちゃんの外気浴からはじめて、近くの公園での短時間の外気浴へと段階的にならしていくようにしてください。
最初は外気浴から始めよう
1ヶ月健診も無事に終わり、特に問題がない場合は、心待ちにしていた外出ができるようになります。
外出をするときは、まずは外気浴から始めるようにしましょう。
外気浴とは、赤ちゃんを外の空気に触れさせて外気に慣れさせることを言います。最初は窓を開けて室内から開始し、次に外に散歩に行くようにします。
散歩も最初は5分程度からはじめ、徐々に赤ちゃんの様子を見ながら距離と時間を伸ばしていきます。
赤ちゃんのリズムを優先して出かける
赤ちゃんはまだ生活リズムが不規則です。日中明るい場所で過ごし、
窓越しの日光浴をさせることからはじめ、徐々に体内のリズムをつくっていきます。日光浴はビタミンDを生成するため、骨の成長にも不可欠です。積極的に行っていきましょう。
ここで注意してほしいのが、長時間日光を浴びると赤ちゃんには負担がかかりすぎるということ。日焼けするほど日光を浴びることは避けましょう。
日光浴は、2〜3分からはじめ徐々に10分、20分と増やしていきます。直射日光に当たる必要はないので、ベビーカーの日差しよけなどを活用したり、日陰を散歩したりするといいですよ。
【新生児の外出で気を付けたいこと1】「人込みを避ける」
外気浴に慣れてきたら、そろそろ遠出をしたくなると思います。赤ちゃんとの外出は、準備万端で挑むことが大切。ここでは外出時の気をつけることや注意点をお話します。
●人混みは避けよう
赤ちゃんはまだ免疫機能が未熟です。感染症の心配があることから、
人が多いところに赤ちゃんを連れて行くことは危険です。また赤ちゃんは音に敏感です。騒音にびっくりしてしまうので、人が少なくゆったり過ごせるような場所を選んであげてください。
●公園や人の少ない歩道の散歩がおすすめ
ゆったりとした気分で散歩ができるような公園、人が少ない歩道をベビーカーで散歩するのがおすすめです。抱っこ紐でお散歩でもいいのですが、新生児は首がまだ座っていないことに加え、
ママの体調や骨盤の状態を考慮すると、ベビーカーがベターです。
【新生児の外出で気を付けたいこと2】「夜間や長時間の外出は避ける」
赤ちゃんを夜に連れ出したり、長い時間連れ出したりすることはお勧めできません。赤ちゃんの機嫌を見つつ、お昼寝の時間帯を避けるなどして、赤ちゃんのリズムを優先して外出するようにしましょう。
●長時間の外出は避けよう
生後1ヶ月頃は、赤ちゃんもママもまだ体力がありません。長時間外出すると負担が大きすぎて、次の日に体調が悪くなるなど後々に影響してしまいます。赤ちゃんとママの気分転換になる程度の近場散歩がいいでしょう。
●夜間の外出は避けよう
生後1ヵ月頃の赤ちゃんは体内のリズムを作っている最中。長時間の外出や夜間の外出をすると、リズムを崩すことになり夜泣きなどの原因にもなります。またお天気が悪いときの外出も疲れてしまいがちです。お天気の良い日の昼間に散歩するようにしましょう。
【新生児の外出で気を付けたいこと3】「経路や設備を確認する」
赤ちゃんの外出時は、授乳やおむつ替えなどが必要なため、設備の確認がポイントになります。行く場所に十分な設備があるかどうか、事前に確認をすると安心です。
●オムツ替えをする場所の確認を
生後間もない赤ちゃんは、オムツ交換の回数が1日10〜15回程度必要になります。行く場所におむつ交換をする設備があるかどうかを確認してから、外出するようにしましょう。多目的トイレの中に、オムツ替え台があることもありますよ。
*助産師からの一言コメント*
デパートや商業施設などでは赤ちゃん用の調乳スペースや授乳スペース、赤ちゃんが遊べるスペースなどを併設していることもあります。
設備の整った場所は自ずと赤ちゃんや子ども連れが多くなるため、赤ちゃんが急に泣き出しても周りが温かい目で見てくれたり助けてくれたりするメリットもあります。
最近では授乳室がある場所を検索できるアプリもあるので、スマホに入れておくと安心ですね。
●移動手段にあわせてベビーカーと抱っこ紐を使い分ける
ベビーカーの場合、バリアフリーかどうかも確認しておくとよいです。双子の場合は双子のベビーカーが通れるサイズかどうかも確認が必要です。
電車で移動する場合は、人が少ない時間帯を選ぶようにし、エレベーターの位置も車掌さんに聞くなどして把握しておきます。基本的には
ベビーカーと抱っこ紐を両方持っていくと、いろんな状況に対応できて安心です。
赤ちゃんとのお出かけで必ず持っていくべきアイテム
生後1ヶ月くらいの赤ちゃんと1時間以上お出かけする場合に、持っていく必要があるものを一覧で紹介します。夏、冬など季節により必要な物品は変わってくるため、季節に応じてチョイスしてくださいね。
外出時の必要な物品【基本編】
<おむつ用品>
☑おむつ数枚
(外出時間によって必要枚数は変化しますが、最低でも3枚は必要)
☑おしり拭き
☑汚物袋
(おむつ交換した後にゴミ箱がない場合もあります。汚物袋は数枚持っておくと安心)
☑おむつ替えシート
(必需品ではありませんが、衛生面が気になるときにあると便利)
<着替え一式>
☑下着
☑ロンパース
☑スタイなど
(外出先で汚れがちなのが衣類。うんちが漏れた!ミルクをこぼした!など緊急時用に多めに一式持っていくのがおすすめ)
<母乳をあげている場合>
☑授乳ケープ
(授乳室が見つからない場合などに授乳ケープがあるといつでも授乳ができる)
☑母乳パッドの替え
(母乳バッドはこまめに交換しましょう。汚れたものをずっと着けていると乳腺炎の原因になることが)
☑搾乳機や母乳パック
(搾乳する場合はこれらも必要)
<ミルクをあげている場合>
☑清潔な哺乳瓶
☑ミルクの粉
(スティックタイプなどが外出先では便利)
☑お湯
(お湯が出る設備があるデパートなどでは不要。行き先によって準備)
☑冷ました白湯
(すぐに飲ませたい場合はお湯と別に冷ました白湯(煮沸した水)を準備)
*助産師からの一言コメント*
ミルク育児の人は外出の際に荷物が多くて大変!という声をよく耳にします。最近は液体ミルクも販売されているので、適宜活用しましょう。荷物が減らせて便利です。ママが少しでも楽になる物は、どんどん活用していってほしいです。
<その他>
☑ガーゼハンカチ
(よだれや汗拭きなど数枚あるとよい)
☑抱っこ紐
☑ベビーカー
☑おもちゃ
(外出先で泣き始めたときにあやせるおもちゃを持っていくと安心)
☑母子手帳、保険証、診察券
(外出先での体調不良時にすぐに受診できるように、これらは常に持ち歩く)
季節や気候に合わせてかわる必要物品【応用編】
<寒さ対策のアイテム>
☑おくるみやバスタオル
☑靴下やレッグウォーマー
(室内と室外で温度調整できるように。冬も夏も冷房対策としておくるみを持ち歩く)
※衣服は重ね着にする
<暑さ対策のアイテム>
☑持ち歩ける小型扇風機
☑赤ちゃん用保冷剤
(ベビーカーは地面から近いため、真夏は暑さ対策が必須。ベビーカーや抱っこ紐の下に冷やしすぎない赤ちゃん用の保冷剤を敷くなどの対策が必要)
☑着替え
(赤ちゃんは大人よりも汗かき。こまめに着替えさせられるよう、着替えは多めに)
※夏場は脱水に注意。ミルク・母乳ともに多めにあげるようにし、少し大きくなってからは常に水筒を持ち歩く。
赤ちゃんに合わせていつまでもお出かけを控えるのはNG
赤ちゃんを中心に生活しているママパパは、ぐっすり眠れなかったり気を張っていたりして、いつの間にか疲れが溜まっていることが多いです。赤ちゃんとのお出かけは大変なこともありますが、
いつまでも控えるのは精神的によくありません。気分転換のために出かけるようにしましょう。
●お出かけをして気分転換しよう
赤ちゃんがいるからといって、全ての用事をシャットアウトすると、マタニティーブルーや産後うつになることがあります。家にこもって赤ちゃんと二人だけの時間が長ければ長いほど、気持ちが落ち込んでいきやすいです。
お出かけをすることで、ママ友が出来たり、家族以外の人と話をしたりして、気分転換ができます。育児で疲れていても「また明日からがんばろう」と、気持ちを切り替えられたりするのでおすすめです。
*助産師からの一言コメント*
頑張り屋さんのママほど、産後うつには十分に注意してほしいです。赤ちゃんの生活リズムは確かに大切ですが、ママの生活のメリハリも大切。
日中1回は外の空気を吸って、母子ともにリフレッシュをすると、赤ちゃんのリズムも整い、夜間によく寝てくれることに繋がります。
赤ちゃんと2人で出かけるのがしんどい……というときは、赤ちゃんをベビーシッターに預けるなどして、気分転換を優先してみて。どうか独りで抱え込みすぎないでくださいね。
親だけで出かけるなら、ベビーシッターを頼もう
新生児の赤ちゃんと出かけるときは、赤ちゃんが「無理なく」外出できるように注意しましょう。また、時には親だけで出かけたいときもあると思います。そんなときは、0歳児から預けられる
ベビーシッターさんを頼むのが正解です。
少しだけ赤ちゃんと離れる時間を定期的に持つことで、育児を客観的に見たり、ストレスを和らげる効果が期待できます。ママパパになっても自分の好きなことや時間を諦めることなく、無理せずに育児をしていきましょう。
キッズラインなら、産後ドゥーラやベビーシッターを探せる
ベビーシッターのマッチングプラットフォームであるキッズラインなら、産後の育児や家事をサポートしてくれる
産後ドゥーラや、0ヶ月の赤ちゃんを見られる
ベビーシッター、家事代行をお願いできる
家事代行サポーターを、スマホで気軽に探すことが出来ます。
初めて依頼する相手に子どもを預ける際には、必ず顔合わせまたは事前面談が必要なので、まずは利用登録をして、検討しているサポーターに連絡を取ってみるのがオススメです。
赤ちゃんとの生活を支えてくれる心強いサポーターと“子育てのチーム”を作って、みんなで子育てする環境をつくっていきましょう。
今すぐベビーシッターを依頼してみる
■フリーランス助産師 上原沙希
東京女子医科大学病院 産婦人科 MFICU に勤務後、より多くの方の力になりたいという思いを抱き、英語力習得のためヨーロッパ留学とギリシャ難民ボランティアへ。その後フリーランス助産師として独立し産婦人科クリニックにてお産介助や妊婦指導などを行う傍ら精神疾患患者や障害をお持ちの患者さんのケアも行う。現在は子持ちフリーランス助産師として産婦人科業務以外にも妊産婦向け商品開発やライター、思春期相談、マタニティヨガ指導、性教育など幅広く活動中。
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