気温と湿度が上がり始める初夏から夏本番にかけて、保育園などの集団生活の場で一気に流行し始めるのが、俗に「夏風邪」と呼ばれる子どもの感染症です。急な発熱や園からの呼び出しは、働く親にとって一番ヒヤッとする瞬間ですよね。さらに厄介なのは、熱が下がって本人は元気を持て余しているのに、すぐには登園できないケースが多いことです。

そこでこの記事では、夏に猛威を振るう「3大夏風邪」の症状や登園目安、家庭でのケア、そして働く家庭の「いざ」という時の備えについて、泉佐野あだちクリニック内科・小児科・アレルギー科院長の安達晋吾先生監修のもと、分かりやすく解説します。

子どもの夏風邪とは?


夏風邪で体調をくずした子ども
「夏風邪」とは特定の病名ではなく、主に夏に流行するウイルス感染症の総称です。冬の風邪とは原因となるウイルスが異なり、子どもでは手足口病・ヘルパンギーナ・咽頭結膜熱(プール熱)が代表格として知られています。

いずれも感染力が強く集団生活で広がりやすいうえ、症状が治まってもすぐには登園できないことがあるのが特徴です。

3大夏風邪の症状と登園目安


保育園で過ごす子どもたち
それぞれの潜伏期間・主な症状・登園再開の目安は、次の通りです。

病名潜伏期間主な症状と特徴登園・登校再開の目安
手足口病3〜5日手、足、口の中に2〜3mmの水ぶくれ。熱は出ないか、出ても38度以下の微熱がほとんど。発熱や口の中の水ぶくれの影響がなく、普段通りの食事がとれる
ヘルパンギーナ3〜6日突然の39度以上の高熱、喉の奥の水ぶくれ・強い痛み。発熱や口の中の水ぶくれの影響がなく、普段通りの食事がとれる
咽頭結膜熱(プール熱)5〜7日39度前後の高熱、喉の強い痛み、目の充血や目やに(結膜炎)。主要症状が消退した後、2日を経過するまで

※登園・登校の目安は、こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン」および学校保健安全法に基づく一般的なものです。実際の再開にあたっては、必ずかかりつけの医師や通っている園・学校の指示に従ってください。

【手足口病】痛みが少ない場合もあれば、不機嫌になることも

口の中、手のひら、足の裏、おしりなどに水疱性の発疹が出ます。熱は出ないことも多く、口の中の発疹が破れると痛みを伴い、食事がとれずに不機嫌になることがあります。

【ヘルパンギーナ】突然の高熱と喉の痛みが特徴

突然39度以上の高熱が出るとともに、喉の奥に小さな水ぶくれが複数できます。水ぶくれが破れると強い痛みがあるため、食事や水分を嫌がることが多いのが特徴です。

【咽頭結膜熱(プール熱)】高熱が長く続くアデノウイルス感染症

39度前後の高熱が4〜5日続き、喉の強い痛み、目の充血や目やになどの結膜炎症状を伴います。感染力が強いため、学校保健安全法で出席停止期間が定められています。

「熱は下がったのに登園できない」期間の乗り切り方


自宅で休む子ども
子どもの夏風邪で親が最も頭を抱えるのが、「熱は下がったのに、まだ登園できない」という状況です。とくにプール熱は「主要症状が消退した後2日を経過するまで」と定められているため、本人がすっかり元気になっていても数日間休まなければならない場合があります。

「今週はもう有給休暇が使えない……」「どうしても外せない会議がある……」
そんな“元気だけれど預け先がない期間”の強い味方となるのが、病児・病後児保育です。

・病児保育:発熱時など症状の急性期にある子どもを預かるサービス

・病後児保育:熱は下がったものの、本調子ではなく登園許可が下りない回復期の子どもを預かるサービス

キッズラインでは、一定の条件を満たした病児・病後児保育に対応するサポーターへ依頼することができます。3大夏風邪はいずれも、医療機関で診断済みであれば依頼できる症状の範囲に含まれます。自宅という慣れた環境で1対1の保育を受けられるため、子どもも安心して過ごせます。

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家庭でのケアと「危険信号」


水分補給をする子ども
子どもの夏風邪は口の中や喉の痛みを伴うことが多く、脱水症状に最も注意が必要です。

食事と水分の工夫


・水分補給は「少しずつ、こまめに」
一度にたくさん飲ませるより、麦茶や経口補水液をスプーン等で少量ずつこまめに与えましょう。

・喉ごしがよく刺激の少ない食事を
ゼリー、プリン、豆腐、冷ましたうどんなどがおすすめ。酸味の強い飲み物(オレンジジュース等)や、熱いもの、塩分の強いものは痛みを強めるので避けてください。

⚠️ こんな時は早めに小児科・救急へ(危険信号)
・半日以上おしっこが出ていない、色が極端に濃い
・泣いているのに涙が出ない
・水分を全く受け付けない、ぐったりして反応が鈍い
・呼吸が苦しそう
・生後3か月未満の発熱


看病する家族への感染を防ぐには?


手洗いをする様子
夏風邪は大人も感染することがあり、子どもより症状が強く出て歩けないほどの痛みに悩まされるケースもあります。

手洗いは「石けんと流水」で

手足口病やヘルパンギーナの原因ウイルスには、アルコール消毒だけでは不十分な場合があります。おむつ替え後や食事前は、石けんと流水による手洗いを徹底しましょう。

便からの感染にも長期注意

症状が治まった後も、便の中には2〜4週間程度ウイルスが排出されます。おむつ処理後はもちろん、トイレ後の手洗いも丁寧に行いましょう。

タオルや食器の共有はNG

手拭きタオルは分け、ペーパータオルなどを活用しましょう。もったいないと思っても、子どもの食べ残しを食べるのは感染の大きな原因になります。

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子どもの夏風邪 お悩みQ&A

予防やケアを進めていく中で、保護者の方から特に多く寄せられる質問についてお答えします。

Q:兄弟がいる場合、家庭内感染を防ぐコツはありますか?

A:完全に防ぐのは難しいですが、おもちゃや食器の共有を避ける対策が有効です。入浴は、熱が高い時やぐったりしている時は避け、体調が落ち着いていれば短時間のシャワーなどでサッと済ませましょう。

Q:登園再開時に「登園許可証」は必要ですか?

A:必要な書類は園や病気の種類によって異なります。手足口病やヘルパンギーナは「保護者記入の登園届」のみで済むケースが多い一方、プール熱では「医師の意見書」を求められるのが一般的です。事前に通っている園のルールを確認しておきましょう。

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いざという時に慌てないための事前準備


スマートフォンでサポーターを探す保護者
キッズラインは、全国47都道府県にサポーターが登録しているベビーシッターマッチングサービスです。スマートフォンから検索・依頼ができ、急な発熱時にも対応できるサポーターを探すことができます。

病児・病後児保育を利用するまでの流れ


STEP1:病児・病後児保育対応サポーターを探す
住んでいる地域や希望条件から検索し、プロフィールやレビューを確認します。

STEP2:元気なうちに事前面談を行う
初回面談で、子どもの性格や生活習慣などを事前に共有しておきます。オンライン対応可能なサポーターも多数います。

STEP3:子どもの情報を登録しておく
緊急連絡先やかかりつけ医などをあらかじめマイページに整理しておくと安心です。

STEP4:発熱当日に依頼する
急な体調不良が起きた際も、事前面談を済ませていればスムーズに相談・依頼が可能です。

※病児・病後児保育の料金はサポーターによって異なります。詳細は料金ページをご確認ください。

病児・病後児保育は、「いざ必要になった時に慌てて探す」のではなく、「元気なうちに準備しておく」ことが何よりの自衛になります。登園できない期間が長引いても、一人で抱え込む必要はありません。いざという時に無理なく乗り切れるよう、あらかじめサポート体制を整えておきましょう。

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※本記事は、小児科医・安達 晋吾先生の監修のもと作成しています。

■監修者 泉佐野あだちクリニック内科・小児科・アレルギー科院長・安達 晋吾(あだち しんご)

2004年に滋賀医科大学医学部医学科を卒業。長浜赤十字病院で初期臨床研修を修了、同院の小児科専攻医となり、一般小児科診療から新生児集中治療(NICU)まで研鑽を積む。国立成育医療研究センターでは、総合診療部にて発達や重症心身障がい児の診療を、小児集中治療室(PICU)にて重症小児の救急・集中治療を学ぶ。りんくう総合医療センター・大阪府泉州救命救急センターでは、成人の疾患や外傷の救急・集中治療について経験を重ねた。新型コロナウイルス感染症の流行期も含め、泉州地域で働いて10年以上になる。2024年11月、泉佐野あだちクリニック内科・小児科・アレルギー科を開院。
泉佐野あだちクリニック内科・小児科・アレルギー科公式HP

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