※この記事は有料note2016年9月〜11月号に掲載されたものです。
「僕、寂しいという感情がなくなりました」
ある、年下の起業家の男性と話していて、彼がいった言葉だった。
それまでの彼は、「彼女が欲しいけど出来ないんです」とか「夜なかなか眠れないです」「お酒に溺れてしまいます」とか、ある程度成功したのに、しかも、周囲に賞賛される状態なのに、口から出てくる言葉はあまりそれらしくなくて、なんか満たされない状態に感じて、それを外に求めているように感じた。
だから、私ははっきり言い放った。
だったら、まず、
「8キロやせたら?」
とアドバイス。
というのは、彼はモテないモテないとかいってるけど、経済的にも社会的にも成功していて、しかも昔の写真がめちゃくちゃイケメン。なので、そのときの写真に戻って、いまの成功している状態だったら、絶対モテまくると思ったから。
だから、まず、その昔の写真の体重に戻しなよーって。
私は自分が通っているジムを紹介し、とにかく体重を落としてキープ、体に筋肉つければ気合いが入るからっていったら、素直な彼は、その日から、お酒を控え、運動を開始、つまりダイエットとトレーニングを開始したんです。
それから何かスイッチがはいったように、いままでの事業ばかりではなく、社会のインフラになるような事業、以前心の中で暖めてたけど、なんとなくそれなりに成功しているがために先延ばしにしていたサービスをスタートすべく動き出しました。
体の贅肉を落とそうというきっかけは、心の贅肉も落とすことに繋がったよう。
運動して食べ物を管理して、夜は眠るように工夫して、そうやって生活を改善していくうちに、彼は気づいたのだと思います。
彼女が欲しかったのは、夜眠れなかったのは、人生の充実感が欲しかったということに。
先日夜チャットしていたときに、冒頭の言葉が出てきました。
「強く生きて、凛として、自分ももっと強くなれると思いました。前から、もっと社会に必要とされるビジネスをやろうと思っていて、それを本当にやろうと思えました。それが目標になりました。」
以前はすこしマイナスのスパイラルに入りかけていたところから、希望の光を自らみつけ追い求めるように浮上中の彼のメッセージをみて、私もすごく嬉しくなりました。
どんなに成功しても成功しても、他人からうらやましがられても、それはまったく幸せと関係ない。お金があっても、孤独や寂しさは誰でも感じるし、強い寂しさや孤独こそ、人を簡単に堕落させることがあるのだ。
誰しもが愛が欲しい。誰かに強く愛されたい。優しくされたい。満たされたい。
でも、それだって叶わないときがある。離婚したり失恋したり、彼女がいなかったりするときはまさにそんなときだろう。そんな時、すさんだ生活をするのか、新たな目標をたて邁進するのかは大きな分かれ道だ。
新たな目標に向かう姿は、美しくて、カッコ良くて、そして人を魅了する。
だからきっと、彼は、新たな目標に向かう過程で素敵なパートナーに巡り会うんじゃいかな、そんな気がした。