皆様へ

代表取締役の経沢香保子です。

今年4月6月と、弊社登録の男性シッター2名が強制わいせつ容疑で続けて逮捕されました。被害に遭われたお子様やご家庭の方々に深くお詫び申し上げます。

そしてこの事件を発端に、多くのご批判を受ける事態を招いてしまいました。

このような事態を招いたのは、何よりも、私、代表取締役として不徳の致すところであります。

誠実に活躍してくださっていた男性サポーターの皆様、そして、キッズラインのご利用者様、サポーター様、その他多くの育児や保育に関わる関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけいたしましたことを、心よりお詫び申し上げます。

私自身も被害に遭われたご家庭の皆様への直接の謝罪をさせていただき、会社としても再発防止や安全対策を実施いたしました。

そのため、現在となってしまいましたが、私の言葉で以下の項目を順に説明させていただきます。
今後も引き続き、さらなる安全性向上や信頼回復に取り組んでまいります。

【項目】
ご指摘が多かったことについての説明
 1:事案発生後の情報周知について
 2:男性サポーター活動の一時停止について
 3:レビュー制度について

実施した安全対策について

代表である私からの発信が現在に至ったこと

キッズラインへの想いと今後について
 ーキッズラインを始めた理由
 ー創業から今回に至るまで
 ー別れと、私のビジョン

【ご指摘が多かったことについての説明】

1:事案発生後の情報周知について

今回1人目の男性保育士サポーターの捜査開始の連絡、そして、2人目の男性サポーターによる被害の報告が入った時点にて、これ以上の広がりを食い止めることを目的に、
・当該サポーターの即刻の活動停止措置
・当該サポーターへ予約をしているお客様には個別に連絡し、代替サポーターの提案もしくはお詫びとしてのポイント付与などのご相談の対応をさせていただきました。

しかしながら、被害に遭われた方のプライバシー保護の観点、そして警察の要請など様々な観点から、キッズラインをご利用の皆様へ、迅速かつ十分な情報開示ができなかったことにより、より不安を広げてしまう事態となりましたことをお詫び申し上げます。

お子様の安全を最優先に、親御様や関係者の皆様に迅速で適切な連絡を行うため、事案発生時の対応フローを構築し情報開示方法を見直しました。

2:男性サポーター活動の一時停止について

去年11月に1件目の男性サポーターへの捜査開始より、会社としても安全対策を強化しました。しかし、5月下旬に2人目の男性サポーターへのお客様からの看過できないご連絡がありました。

両サポーター共に保育士免許を有し、保育所での勤務経験があること、弊社のスタッフと個別に面談を行い、登録プロセスにて犯罪歴チェックも行い、研修なども受講しており、本件以前にクレームなどもありませんでした。そんな中、両名が続けてわいせつ容疑で逮捕されるなどとなり、大切なお子様の安全を最優先するにはどうしたらいいか、会社としても連日議論を重ねました。

弊社で活動していたほとんど全ての男性サポーターの皆様は大変誠実です。そのため、誠に断腸の思いではありましたが、男性サポーターの方がすでにお持ちの予約に対しては1ヶ月分売り上げ補償をするとともに、男性サポーターの活動一時停止を発表させていただきました。

しかしながら、性差別などセンシティブな問題に触れ、皆様にご不快な思いをさせ、何よりも男性サポーターの皆様にご不安やご迷惑をおかけしてしまったこと、深くお詫びいたします。

弊社としては、小児を狙う性犯罪を撲滅したいと考えており、(1)小児性愛を見抜く登録の仕組み(2)預かりの際のカメラなどによるモニター制度の充実(3)性犯罪データベースの共有 この3つを実現することで、弊社の男性サポーターの活動再開をしたいと考えておりました。

(3)の性犯罪データベースの共有に関しては、現在GPSの可能性など様々な議論がされており、里親登録制度では実施されていること、弊社登録のサポーター全員が、訪問型保育者として、都道府県自治体への登録をしていることなどから、希望を持っておりました。

とはいえ実際に、関係各所にヒアリングなどを行っていく中で、警察や自治体など様々な関係各所に関わり、プライバシー保護など法的にも関連する問題であるため、1社だけでは実現が難しいと痛感しております。

もちろん、行政にも引き続き働きかけてまいりたいと思っておりますが、(3)に関しては、他の選択肢もないのか、様々な方面と連携することで実現できるのではないかと検討しており、男性サポーター様の活動を再開することを目標に、また、保育現場から性犯罪をなくすための努力も粘り強く取り組んでまいりたいと思います。

3:レビュー制度について

モニターのレビューと利用者様のレビューとが、区別しにくい仕組みになっておりました。

さらにモニターの方がオンラインで実施したシミュレーショントレーニングの内容が、レビューには実際にお子様に会って体験したような表記となっており、不適切な形でレビュー表示をさせてしまっておりました。

これは大きな問題であったと認識し、責任者としての管理不足、指導徹底不足であったと深く反省しております。大変申し訳ございませんでした。

早急な対策として、モニターの方のレビューは一旦非公開とさせていただき、現在はお客様のレビューのみの表示となっております。

また、レビューにつきましてはお客様から「本音が書きづらい」というお言葉を多数頂戴いたしました。

トラブル発生予防を目的に「匿名の報告フォーム」というご利用者様から弊社のサポートデスクのみが見ることができる通報制度を導入いたしました。
https://kidsline.me/contents/news_detail/615

また現在、レビュー制度について匿名性を高め、皆様がより率直な感想を書きやすくなるようシステム改善に取り組んでおります。

新機能リリース時は「安全性向上の取り組みについて」にてお知らせしてまいります。

【実施した安全対策について】

昨年11月の事案発生を受けて、再発防止を徹底すべく、安心安全対策10箇条を掲げ、多面的な角度から、様々な安全性向上のための対策を実施しております。

具体的には、
・サポートセンター人員の強化
・24時間受付体制構築
・登録サポーターの犯罪歴の再度のチェック
・規約違反ユーザーなどの再登録防止システム導入
・匿名違反フォーム設置
・お客様アンケートの実施
・カメラ等モニターの実施(約500名)
・性犯罪や暴力性などの精神性を見抜くテストの導入
・サポーター登録選考プロセスの見直し(禁止事項誓約書の提出依頼ほか)
・親御様への利用における注意喚起の見直し

などの安全対策を実施しております。
それぞれ詳細に関しては、以下リリース一覧からご確認いただけますと幸いです。

「安心安全の取り組み」
https://kidsline.me/contents/news_list/info_safety

「弊社がかかげる安心安全対策10箇条」
https://kidsline.me/about/safety

今後も、皆様が安全安心にご利用いただけますようサービスを強化してまいります。

また、今後新しい取り組みを行った場合には「安全安心の取り組み」に随時追記してまいります。

【代表である私からの発信が現在に至ったこと】

今回の一連の事案につきまして、経営の責任者として、安全対策、関係各所への説明や対応、被害に遭われたご家庭の皆様への謝罪などを優先して行動してまいりました。

しかし、私自身が創業以来、マスコミやソーシャルメディアで様々な発信をしてきたにも関わらず、今回自らの言葉で発信をしなかったことで、隠蔽体質ではないかと、より皆様の不信を招く結果になったと深く反省しております。誠に申し訳ございませんでした。

今回、様々な立場からのご意見がメディアを通して発信され、多くの方々に不安な思いをさせてしまうこととなりました。その状況で、私の主張や反論をソーシャルメディアで中途半端に発信することで、誤解や憶測が広がることは避けたいと、自らの発信に対して、萎縮してしまった部分もあったと思います。

そのため、ソーシャル発信を控え、取材に関しては「会社としての統一見解を示す」「一つ一つ広報から取材対応」をさせていただきました。

全社をあげて、最優先で、再発防止および安全管理の向上に取り組み、私からも直接、被害に遭われたご家族の皆様へ謝罪をさせていただだきました。お子様の気持ちを最優先に、会社としてできるケア窓口も設置させていただきました。

そのため、現在に至ってしまいましたが、発信させていただきました。

また、今回を機に、メディアの皆様へより迅速に回答できる広報体制を整えました。今後は、私自身も必要に応じて対応させていただきたく存じます。

【キッズラインへの想いと今後について】

このような場所をお借りして恐縮ですが、ここからは、今後の想いや個人的な体験、ビジョンについて述べさせていただければと思います。もしご不快な方は読み飛ばしていただければと思います。

まず、なぜキッズラインを始めたかということについてです。

現在、日本にはベビーシッターサービスには大きく「派遣型」と「マッチング型」があります。

ベビーシッターは極めて責任のある仕事であり、高い専門性を持たれた方が本社の指導や厳重な管理のもとに派遣されるというのが、現在の日本では理想的なのかもしれません。

そのような議論も発生していると思います。

反論になってしまいますが、そうすると、現実的には、高額な富裕層向けのみの保育サービスになってしまうのではないかと考えております。

私は小さい頃から漠然と、仕事をしながら子供を産み育てたいと考えていました。

ですが、最初の妊娠をし、安定期に入った頃、お腹の中にいる赤ちゃんに障がいがあることがわかりました。精神的にもショックが大きかったですが、同時に、子どもを保育園に入れられないという現実に直面しました。

とても両立できないと考え、当時の会社の売却や、仕事の断念も考えました。

そのような中「ベビーシッター」という保育の担い手の存在を知って、希望を見出しました。

当時は、派遣型サービスが主流でした。保育の担い手も少ない中、事業者の皆さんもニーズに応えるのに苦労されていることもわかりました。

利用者としては、事前にどのよう方が来るかわからなくても、数万円の入会金や、年会費や月会費などがかかること、煩雑な手続きも多く、やりとりも事務局経由のため、実際に家に来ていただくまでに苦労しました。

利用料も私にとっては負担に感じました。1時間あたり3000円以上、病児や夜間、早朝は時給は上がり、1時間あたり4000円を超えていきました。

長時間シッターさんの助けが必要な私にとっては、すでに自分の報酬を超える金銭的な負担になっていました。
ですが、シッターさん自身の手取り時給は1000円程度だったと伺い驚いたのを覚えています。

キッズラインを始めた理由

そこで、私は、ネットのシッター掲示板でシッターさんを探すようになりました。そのシッター掲示板は全く第三者の目が入らないマッチングでした。

あまりにも様々な方が登録されていました。顔写真のない方も多く、当日ドタキャンする方も多かったです。

仕事などで、採用や面接経験がない人は、お相手の経歴の確認をしたり、当日までのコミュニケーションや確認事項が多岐にわたるため、個人ではとても使いこなせないのではと感じていました。

実際に事件なども発生していたことから、このままでは、日本は社会問題化している育児のリソース不足を解決出来ないと痛感し、私に何かできることがないかと考え始めました。

そこで始めたのが、キッズラインです。

可能な限りの信頼性を高めたマッチングを提供する、育児の担い手も自分の時間やスキルを活かせる、預ける側も、それぞれのご家庭のニーズにあった保育者を、たくさんの中から自ら選べるプラットフォームをつくる。

スマホがあれば、便利にスピーディーに使える。初期費用は不要とし、利用した分だけ料金を頂戴する。シッターさんが時給を決めることができる。

さまざまなご家庭にあった育児ニーズに可及的速やかに応えることができ、日本の保育の担い手不足問題も解消に向かうきっかけになりたい、そう考えて始めたのがキッズラインです。

多くの派遣型のベビーシッターサービスは非常に素晴らしいサービスです。ただそれだけで日本の育児問題を解決できるとは思えません。

育児に悩み、手助けを必要としている方は日本中にあまりに多くいらっしゃいます。行政による支援も年々強化されていますが、それも全ての問題を解決できるようになるにはまだまだ時間が必要です。

そのような中でより多くの方の育児の悩みをサポートするために、マッチング型のサービスが役立てることはあるはずと考えております。

創業から今回に至るまで

その構想を形にするのは簡単ではありませんでした。2014年の創業時は自宅にみんなが集まってくれ、まさに手弁当状態で、なんとか2015年2月サービス開始にこぎつけました。

費用も持ち出しでした。それから、約5年間の赤字が続きました。

でも「このサービスがあったから仕事と両立できました」「シッターさんがいて我が家が成り立っています」「キッズラインはたくさんの中から好みのシッターさんを選べるので助かる」「お絵かき、英語の勉強など、ニーズに合わせて使い続けています」など、感謝の手紙やお言葉をいただくことを励みに努力を続けてきました。

皆様のおかげで、徐々に便利なベビーシッターサービスとして広まり、累計100万件以上のご依頼をいただき、弊社登録の約4500名の活躍するシッターさんのおかげで、82万件のマッチングを行い、約70%のご家庭がリピーターとなってくださいました。それでも、1度も大きな事件がないことが誇りでした。

しかし、今回、このような事態を引き起こしてしまいました。

待機児童問題や、仕事と育児の両立で悩まれる方、ワンオペやシングルマザーの方々など、常に育児の手助けを求める切実な声の方が多く、ありがたいことにキッズラインのベビーシッターになりたいという人も増えていた中で、

「より多くの親御様の悩みをサポートする」「スピーディーにできる限りニーズに応える」というところと「信頼性を可能な限り高める」のバランスが崩れてしまった部分があったかもしれません。

現在は、信頼性を高める部分に多くのリソースを注いでバランスを取り戻すために取り組んでいます。

そして、事件以降、多くの人を不安にさせてしまい、退会やご利用停止を選ばれる方もいらしたことに申し訳なく思っております。

ただこの中でもキッズラインを選んでいただき、また既存の多くの方にも、沢山のサポート予約をいただいています。

日本中で多くの方が育児の悩みを抱えていて、私たちのサービスを必要としていただいている事に大きな責任を感じております。

これを止めてしまうことはできない、このコロナ禍の緊急事態で困っている方も多い中サポートを続ける事も大切と考え、わたしも早急に信頼できる体制を整えることを最優先に動いてまいりました。

そのために説明や理解をいただく部分で不十分だったこともあったかと反省しております。

皆様との信頼性強化の取り組みは、今後も更に様々な形ですすめてまいります。常に最新情報は「安全性向上のための取り組みについて」で更新してまいります。

長々となってしまいましたが、このような事態を招いてしまったことを、心よりお詫び申し上げます。被害に遭われたお子様、ご家庭の皆様のことを忘れず、一つ一つの取り組みや施策を今後もしっかり対応してまいりたいと考えております。

別れと、私のビジョン

とても個人的な話になってしまいますが、私は仕事でもプライベートでも、数多くの失敗をし紆余曲折をしながら、皆様の支えで前に進んでまいりました。

前述の通り、保育園に預けられない障がいを持った第1子の出産後、ベビーシッターさんの支えがあったので、仕事も継続できました。同時に、2人目3人目も出産しながら、たくさんの仲間とともに、会社を継続することができました。

結果として、障がいがあった第1子は、4歳で短い命を終え、永遠の別れとなってしまいました。

でも、彼女の存在があったから、「日本にベビーシッター文化」が必要ということに気づきました。

人生で宝物のような、まさに娘の生まれ変わりと思えるミッションにたどり着くことができたと考えています。

何よりも自分自身がキッズラインのヘビーユーザーです。
私自身はシングルマザーでサポートがないと進んでいけません。

そのような原体験や今回の様々な事件や問題を忘れず、
それでも、僭越ながら、キッズラインという場所を少しでもより良いサービス、より良いプラットフォームにすることで、皆様に引き続き、謝罪と感謝の気持ちを伝えることができればと考えています。

これからも、日本の子育て社会に少しでも貢献できれば、
そして、引き続き、「日本にベビーシッター文化」を作るというミッションに向かって新しい事業だからこそ、謙虚に進んでいきたいと考えています。

どうぞ皆様、今後ともご指導ご鞭撻いただけましたら幸いです。この度は誠に申し訳ございませんでした。


経沢香保子