育児において頼れる人が少ないと、孤独感や不安を抱えがちです。特に、初めて子どもを持つ親にとっては、日々の負担が重くのしかかることも少なくありません。この記事では、近隣に頼る人がいない「アウェイ育児」の課題のほか、地域のサポートやベビーシッターを活用するメリットを解説します。
「アウェイ育児」とは?その原因と課題

「アウェイ育児」とは、転勤や結婚などをきっかけに地元を離れ、
親族や友人に頼れない環境で行う育児のことです。
サッカー等で敵地での試合を「アウェイ」と言いますが、これと同じ意味合いです。相手チームの応援だけが聞こえるピッチで、一人で戦っている様子を思い浮かべていただけると分かりやすいのではないでしょうか。サッカーでは味方のメンバーがいますが、育児ではそのメンバーすらいない…
独りぼっちの環境に陥ってしまうことが大きな課題です。
特に、育児をメインで行う母親が直面することが多く、孤独感や育児負担に悩むケースも少なくありません。そこで、アウェイ育児の背景や課題について解説します。
「アウェイ育児」の現状と問題点
2015年に発表された「NPO法人子育てひろば全国連絡協議会」の調査結果によると、
調査対象の約1100人の母親のうち約7割が「自分の育った市区町村以外で子育てをしている」と答えています。
また、全体の6割が「近所で子どもを預かってくれる人がいない」と回答しており、地域のつながりが薄い現状も浮き彫りになりました。これには、就職や転勤、結婚による転居や、核家族化が影響していると考えられます。
このような状況下で、子育てをサポートしてくれる人がいない場合、親が孤立感や負担感を強く感じやすくなる傾向があります。
参考:地域子育て支援拠点事業に関するアンケート調査
「アウェイ育児」が与える子育てへの影響

アウェイ育児では、親族や友人のサポートを得られる機会が少ないため、子どもとの生活で孤独感を抱きやすくなります。また頼る人がいないという現状に加え、配偶者の積極的な協力がないと、片方の親がすべての家事や育児を一人で担う「ワンオペ育児」に陥る可能性が高まります。「アウェイ育児」が与える子育てへの影響を見ていきましょう。
【子育てへの影響1】「産後うつ」のリスクが上昇
産後の2週間から3ヶ月は、ホルモンバランスの急激な変化や睡眠不足が重なり、母親にとって心身ともに負担が大きい時期です。この期間は特に産後うつのリスクが高いとされ、周囲のサポートが重要になります。しかし、頼れる人がいない環境では、孤独感や育児への不安が強まり、ママの精神的な負担がさらに増える可能性があります。
参考:初産婦と経産婦のメンタルヘルスハイリスク群に関する考察
【子育てへの影響2】親族や友人の不在がストレスを増幅
頼れる親族や友人が遠方で助けを求められないと、親が家事や育児を抱え込みやすくなります。疲労感や孤独感が募ることで、場合によっては心身の健康が損なわれることもあります。特に転勤が多い家庭では、
片方の親が仕事に出かける間にもう片方の親が地域とつながれずに孤立することが多く、育児に対するモチベーションの低下やストレスの蓄積が大きな課題となります。
【子育てへ影響3】親子の関係が悪くなるリスクも
周囲に頼る人がいないことによって親がストレスや疲労を抱えると、子どもとの関係にも影響を及ぼします。育児の悩みは人に話すことで緩和されますが、そのような機会が少ないと、
ストレスから些細なことで子どもを怒ってしまうことも。これにより、子どもが不安を感じてしまい、親子の関係が悪くなってしまうリスクもあります。
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子育て家庭アンケートに寄せられた「アウェイ育児」の悩み

キッズラインが2024年10月に発表した
「産後のメンタルヘルス調査レポート」には約500人の親から回答が寄せられ、その中にはアウェイ育児に関する切実な悩みも含まれていました。その一部を紹介します。
「初めての育児では、人とのつながりに救われた」
30代女性(千葉県在住)からは次のような回答が寄せられました。
「夫の転勤先で知り合いがほとんどいない環境での初めての育児で、とても緊張感が強く自ら閉塞的になっていたように思う。私自身母乳で悩み、助産院に通ったことで、定期的に人(しかもプロ)と会える時間が持てたことはとても救いになった。(中略)人とのつながりが増えるとメンタルヘルスの向上につながると思う」
初めての育児に孤独を感じる中、助産院で専門家や他の親とつながる機会が、心の支えとなったといいます。このように、アウェイ育児では
周囲とのつながりを得ることが、孤独感を和らげ、親のメンタルヘルスを守る重要な要素となります。
地元を離れて子育てする親をサポートする制度を充実させてほしい
40代女性(大阪府)は、次のように振り返ります。
「兄弟も親も近くにいないので、平日の夜泣き対応が全て私なので大変でした。都市部には田舎から出てきて親族も親友もいない慣れない土地で子育てをしているママが多いと思う」
この女性は、「『母方の両親』の役割をしうるサービスが必要ではないかと思います」と続けています。地元を離れ、頼れる人がいない環境で育児をするママにとって、
「何かあったときに頼れる存在」がいかに重要であるかがわかります。こうした現実は、生まれ育った場所から離れて子育てをする多くのママパパに共通する課題です。
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「アウェイ育児」を支える地域サポートの種類
アウェイ育児の課題は突き詰めると、頼れる人や相談先の不足に集約されます。頼れる人がいない環境では、地域で利用できる支援施設やサービス、オンラインでのサポート、自治体の取り組みが育児負担の軽減につながります。ここでは、それぞれの具体的な内容と利用方法について解説します。
●子育て支援センター(子ども家庭支援センター)
子育て支援センターは自治体が運営する公的な支援機関で、
育児に関する総合的な相談窓口としての役割を担います。保育士や社会福祉士などの専門スタッフが常駐し、子どもの成長や発達に関する個別相談、家庭環境に応じた保育や福祉サービスの紹介、さらには育児セミナーや心理的なサポートなど、多岐にわたる支援を提供しています。
探し方
「(お住まいの市区町村名)+ 子育て支援センター」でインターネット検索するか、役所の子育て支援課に問い合わせてみましょう。
●子育て広場
子育て支援センターと似ていますが、運営主体がNPO法人やボランティア団体であることがほとんどです。子育て広場では、
子どもが自由に遊べるスペースがあり、親同士が自然にコミュニケーションを取れる環境が整っています。手遊びや読み聞かせイベントなどを通じて、親子で楽しめる活動が行われています。
探し方
地域の公民館や子育てサロンの情報を、市区町村のホームページや広報誌などで確認しましょう。
●オンライン相談
コロナ禍を契機に、オンライン相談はアウェイ育児を支える新しいサービスとして注目されています。育児専門家によるオンライン講座や相談サービス、
SNSを活用した親同士のコミュニティなど、インターネットを活用した多様なサポートが充実しています。オンラインの利点として、時間や場所を問わず利用できるため、忙しい親や支援施設が近くにない家庭でも気軽に頼ることができます。
探し方
「オンライン育児相談」や「育児コミュニティ SNS」などのキーワードで検索し、自分に合うサービスを見つけましょう。
●保育園の一時保育
一時保育は、
親がリフレッシュしたり、用事を済ませたりするために、短時間子どもを預けられる便利なサービスです。自治体や地域の保育施設が提供するため、急な予定にも対応しやすく、柔軟に利用できる点が特徴です。
さらに、新しい取り組みとして
「こども誰でも通園制度」が注目されています。この制度では、保護者の就労状況に関係なく、すべての子どもが保育施設を柔軟に利用できる仕組みを目指しています。
2024年から一部の自治体で試行が始まり、2026年から全国的な本格実施が予定されています。制度が試行中の自治体では月10時間までの利用が可能で、親の負担を軽減しつつ、子どもの成長支援にもつながると期待されています。
探し方
お住まいの地域の自治体の公式ホームページや広報誌、近くにある保育施設の案内ページを確認しましょう。
参考:政府広報オンライン
●ファミリーサポート
ファミリーサポート事業(通称、ファミサポ)は、
地域の子育てを助け合う仕組みを提供する自治体のサービスです。育児の経験がある支援会員(サポーター)が保護者(依頼会員)の代わりに子どもを預かったり、送迎をしたりします。保育園の送迎や一時預かり、急な用事で子どもを見てもらいたい場合に利用できます。
探し方
「(お住まいの市区町村名)+ ファミリーサポート」で検索するか、自治体の窓口で案内を確認してください。
●ベビーシッター
ベビーシッターは、自宅等で子どもを預けられるサービスです。特に、子どもを連れての移動が難しい場合や悪天候、多忙な状況でも利用しやすいのが大きな魅力です。
自宅で対応可能な場合が多く、移動の手間が省け、親も子どもも負担を軽減できます。
また、買い物や保護者自身の通院などの短時間利用や保育園等へお迎えから寝かしつけ、親が帰宅するまでの見守りといった長時間利用など利用方法も様々。定期的に利用することで、子どもとシッターの信頼関係が深まり、社会性の向上にもつながります。さらに、
近年では自治体の補助金制度を活用できる場合も多いため、経済的にも利用しやすい環境が整っています。
探し方
「(お住まいの市区町村名)+ ベビーシッター」で検索するか、自治体の補助制度を確認しましょう。
今すぐベビーシッターに頼ってみる
「アウェイ育児」で辛いなら、すぐに頼めるベビーシッターがお勧め

アウェイ育児で親族や友人のサポートが得られない場合、多くの方が頑張って育児をされていることと思います。しかし、
親自身の体調不良のような事情で育児に行き詰まり、突然助けが必要になる場合もあります。
そんなとき、保育園の一時保育やファミリーサポート制度は便利なものの、予約や面談といったプロセスが必要です。「今日、明日助けてほしい…」という状況では、公的な制度の利用が難しいこともあります。
ベビーシッター会社によっては、同様のプロセスは必要ですが、
登録完了後、シッターとの都合があえば翌日に来てもらうことも可能です。また、その地域の子育て環境を熟知しているベビーシッターなら、育児に関する様々な情報を教えてくれるなどの利点もあります。
【メリット1】明日の依頼でも都合が合えば頼める
育児中には、急な用事が発生することがあります。たとえば、親が体調を崩して通院しなければならないときや、手続きなどで急に外出しなければならない場合です。また、少しの間リフレッシュしたいと感じることもあるでしょう。そんなときに、柔軟に対応できるベビーシッターサービスは心強い味方になります。
サービスによっては、スマホやウェブサイトを通じて予約が可能で、事前に登録や面談を済ませておくことで、シッターと都合が合えば翌日や当日の依頼も対応してもらえます。サービス形態には、利用者とシッターをつなぐマッチング型や、希望に沿ったシッターを派遣する派遣型があります。
アウェイ育児で頼れる親族や友人が近くにいない場合、このような
即時対応可能なサービスは、親の育児負担を軽減し、安心感を与えてくれる大切なサポートと言えるでしょう。
【メリット2】地域の子育て情報を教えてもらえる
ベビーシッターは子育てに詳しいだけでなく、地域の事情にも精通していることが多いです。特に地元出身のシッターであれば、公園や遊び場、保育施設などのおすすめスポットを教えてくれるだけでなく、
地域のイベント情報など、子育てに役立つ情報を提供してくれることもあります。
初めての土地で子育てを始めると、自分だけではこうした情報にアクセスするのが難しいこともあります。しかし、ベビーシッターとの交流を通じて、地元の生活環境や子育てに役立つ知識を知ることで、地域に溶け込みやすくなるでしょう。
ベビーシッターから得られる情報は、子どもとの生活をより豊かにするための助けとなります。
【メリット3】「困ったら頼める」という安心感を得られる
アウェイ育児で親が直面する最大の課題は、
「孤独感」と「頼れる人がいない不安」です。これもベビーシッターを依頼することで、「必要なときに頼れる人がいる」という安心感を得ることができます。さらに、シッターと定期的に交流を重ねて信頼関係を築けば、育児の悩みを気軽に相談できる心強いパートナーとなるでしょう。親が安心感を持てると、心に余裕が生まれ、そのゆとりが育児にも反映されます。結果として、親子のコミュニケーションの質が向上します。
「何かあれば頼れる人がいる」という心の支えは、育児における孤立感を和らげ、親子の良好な関係にも影響します。
キッズラインなら全国47都道府県でベビーシッターを探せる

キッズラインは、全国47都道府県でサービスを展開しています。そのため転勤などで見知らぬ土地に行っても、
ベビーシッターをスマホやパソコンから探すことが可能です。誰も知り合いがいないところに引っ越して、育児のことを聞く友人もいないという場合は、まずベビーシッターを依頼してみて、引っ越しの手続きや育児情報の収集を行っていきましょう。
<キッズラインの特徴>
【特徴1】ベビーシッターは保育資格または特定研修修了者のみ
キッズラインのベビーシッターとして活動ができるのは、保育士や看護師などの資格や育児関連の特定の研修修了者に限っています。また、全てのシッターに毎年更新講習を行っており、保育のプロのみが在籍しています。
【特徴2】お子様に合うベビーシッターを選べる
キッズラインでは親御様の要望に合うシッターを自身で選ぶことができます。育児経験豊富な方に頼みたい、保育園の先生のような方がいいなど、お子様との相性も確かめながら、探してみてください。
【特徴3】スマホで手軽に依頼&決済が完結
キッズラインはWEBブラウザとアプリでサービスを展開しています。日時や時給など細かく検索することができ、顔合わせや本予約も簡単に行えます。完了報告承認後にカード決済をし、スマホの中だけで全てが完結できます。
【特徴4】入会金・年会費・登録料が無料
ベビーシッターの運営会社によっては入会金や年会費がかかるところもありますが、キッズラインは登録料も全て無料。利用料金にあわせて手数料を払う仕組みです。
【特徴5】様々な特技やスキルを持ったシッターが在籍
キッズラインで活動するベビーシッターは、通常の保育に加えて、英語やリトミック、工作などそれぞれのスキルを活かした保育を行っている方も。子どもの興味に合わせて、シッターを選んでみることもできます。
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様々な方法を試して「アウェイ育児」を乗り切ろう

アウェイ育児では孤独感や不安を抱えがちですが、利用できる支援やサービスが身近にあるかもしれません。地域の子育て支援センターや子育て広場、一時保育などの公的な支援、柔軟に対応できるベビーシッターサービスなどご家庭にあったものを見つけてみましょう。
「何かあれば頼れる人がいる」という安心感は、親の孤立感を和らげ、子どもとの関係を良好に保つために大切です。頼れる存在を見つけることで、育児の負担を減らし、親子ともに充実した毎日を送るきっかけになるでしょう。ぜひ、自分に合った支援を積極的に活用してください。
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