「産後ママを助けたい」キッズライン社長の経沢が自身のXに書き込んだ投稿に、お返事いただいたのがWith Midwifeの岸畑聖月社長。そこから始まったご縁は、両社の業務提携という形に結実しました。そこで、業務提携記念としてXスペースで、2024年11月27日に2人の対談が実現。その内容を記事でご紹介します。

助産師を志した理由:岸畑聖月の原点


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経沢:今日はよろしくお願いいたします。初めてのスペースで緊張しています。

岸畑聖月さん(以下敬称略):こちらこそどうぞよろしくお願いします。

司会:最初に岸畑さんのご経歴を紹介させていただきます。大学時代に起業を経験されて、助産学と経営学を学ぶために、京都大学大学院に進学。大学院終了後は大阪市内の総合病院で助産師として働かれていました。

岸畑:そうですね。実は今も休日に夜勤で病院で働いています。多い時は一晩に5人から10人くらい生まれますね。

経沢:すごい!パワフルですね。

岸畑:今は助産師資格を活かして、病院以外で社会課題を解決していこうというコンセプトでWith Midwifeという会社を経営しています。このコンセプトを考えたのが、実は15歳の時なんです。
その理由の一つは、中学2年生の時に婦人科系の病気を患い「将来妊娠出産ができない」と言われたことです。その時「自分が産めないなら、産もうとする人や産んだ人を支えたい」と強く思いました。
またその頃に、自宅近くでネグレクトの事件が起きたことも影響しました。それまで私は、「女性は出産を経て自然に母親になれるもの」と思っていましたが、そうではない現実を知りました。この経験を通し「この課題に携われる専門職があるのでは」と考え、助産師という職業にたどりつきました。
助産師は命を扱う仕事です。その専門性をもっと広く社会に届けることで、課題を解決できるのではないかと考えました。これが私の原点です。

経沢:自分の生きる使命を見つけて、「これをやるんだ」と決めて行動する姿勢、素晴らしいですね。

助産師資格を活かして家庭にコミット


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岸畑:With Midwifeでは全国、国内外の助産師のネットワークを作っています。また、法人向けのサービス「The CARE」では、助産師や看護師といった専門職人材を活用し、アプリケーションを通じて企業内での支援を行っています。

経沢:助産師さんが企業の顧問のような役割を果たすイメージでしょうか?

岸畑:そうです。企業に専属で助産師がつくことで、従業員やそのご家族がアプリを通じて妊娠出産や育児などの相談できる環境を整えています。

経沢:会社には産業医が必要ですが、実際には自身の健康だけでなく、出産や子育て、仕事との両立について悩む人が多いと思います。そういった悩みを相談できたり、会社に意見を伝えてくれる制度があると働きやすいですね。「会社だから仕事のことしか相談できない」というのは、何か足りないと思います。

岸畑:まさにその通りです。とはいえ、助産師や看護師は医療の知識は豊富ですが、キャリア支援や労務の分野には弱い部分があります。そのため、弊社ではそれらも学べるよう講座を開設しています。産後うつに関しても、助産師は病院でのケアには熟知していても、自宅ケアの知識については不足しています。だからこそ、助産師自身のアップデートが必要だと思います。

助産師向けリスキリング「License says」
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経沢:助産師さん向けのリスキリング講座を行うWith Midwifeの取り組みには特に感銘を受けています。具体的にはどんな講座を実施されていますか?

岸畑:婦人科疾患や防災、地域の子育て支援情報、周産期うつの知識など、多岐にわたります。さまざまな講座を受講するので、その中から自分の興味のある分野を見つけられる方が多いですね。そしてやはり皆さん“産後ケア”に関心を持たれます。

Curriculum | 助産師向けリスキリング「License says」

経沢:キッズラインでも助産師資格を持ちながら産後ケアサポーターやベビーシッターとして活躍している方がたくさんいます。助産師資格を持っている方は特に「お母さんたちにもっと寄り添いたい」という想いで活動されています。

岸畑:素敵ですね。ベビーシッターのお客様と病院に来る患者さんは同じ地域で生活しているはずなので、接点が多いのではないかと思います。

経沢:そのような環境があれば、お母さんたちは継続的な支援を受けられますよね。最近、産後のお母さんたちにアンケートを取ったのですが、多くの方が産後うつや心身の疲れを感じていることが分かりました(※1)。継続的に支えてくれる存在がいるだけで、安心感が生まれ、状況が大きく変わるのではないかと思います。

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(※1)産後ママの78%が「精神的につらい」。求める支援は「新生児シッター」や「夜間サポート」- キッズライン

潜在助産師の現状と活躍の場を広げる取り組み



経沢:今回初めて知ったのですが、潜在助産師の方たちも多くいらっしゃるんですよね?

岸畑:助産師全体の約半分が潜在化していると言われています。

経沢:それはどうしてなのでしょうか?

岸畑:助産師の場合、働く場所が非常に限られているのが原因のひとつだと考えています。助産師として勤務されている方の9割が病院や施設で働いているのですが、例えば、育児や介護で夜勤ができない場合、少子化の影響で受け皿自体が減っているため、働くのが厳しくなっています。また、産院はこの10年で約2割減少しており、そもそも助産師が働ける場所が少ないのが現状です。

経沢:急激な少子化の影響ですね。

岸畑:その通りです。助産師は出産に立ち会うため、少子化の影響を非常にタイムリーかつ直接的に受けてしまいます。

経沢:国も出産しやすい環境整備を進めていますが、助産師の勉強をされた方たちの知識やスキルをもっと社会に活かしていきたいですね。With Midwifeさんでは、助産師の活躍の場を広げることを目指しているのですね。

岸畑:はい。私たちは生活者と助産師が接点を持つ機会を増やすことに力を入れています。今回の提携も、その一歩だと思っています。

ベビーシッターが希少だった時代:経沢香保子の実体験


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岸畑:今日は助産師の方もたくさん聞いていると思うので、ぜひ経沢さんのお話も聞かせてもらえますか?

経沢:助産師の皆さま、初めまして。キッズラインという会社の社長をしている経沢香保子と申します。
私は以前、女性マーケティングの会社を経営しており、その会社を大きくする間に3回出産しながらゼロから立ち上げたベンチャーの上場に漕ぎつけました。当時は妊娠、出産、授乳をしながら必死で取り組んでいたので、深く考える余裕はありませんでしたが、今振り返ると頑張ったなと思います(笑)。
実は一人目の子どもが生まれつき病気で介護が必要な状態だったため、NICU(新生児集中治療室)からなかなか退院できず、保育園に預けて復職することが難しくなりました。
多くの場合、親のどちらかが介護に専念すると思いますが、私は経営者だったため、それができませんでした。
悩んでいるときに「ベビーシッター」という選択肢を知ったのですが、当時はネットで気軽に申し込めず、入会金が10万円もかかるうえに、どんな人が来るのか分からないという状況でした。
また、来てくれたベビーシッターさんに聞いたところ、時給1000円以下で働いているのに、私は時給4000円程度を支払っていました。約20年前は、ベビーシッターの利用者が少ないため、運営側が富裕層をターゲットにせざるを得ない構造だったのかもしれません。
この経験を通じて、次に事業を立ち上げるなら「誰もがインターネットで気軽にベビーシッターを依頼できる社会を作りたい」と思い、2014年にキッズラインを創業しました。

助産師開業とプラットフォームの活用



経沢:最近は0歳児のシッターを求める親御さんが増えています。その背景には、実家が遠い、家族に頼りづらいといった理由があります。しかし、0歳児のシッターができる資格保持者は少ないのが現状です。どうしたらよいか考える中で「助産師さんが適任では?」と思い立ち、Xに投稿したところ、岸畑さんから連絡をいただいて本当にうれしかったです。

岸畑:私は経沢さんを以前から存じ上げており、その投稿を見たときに「助産師のことなら私!」と思いました。

経沢:キッズラインではすでに多くの助産師さんが、産後ケアサポーターやベビーシッターとして活躍されています。キッズラインは個人事業主として一人一人が活動するシステムなので、個々のスキルを活かすことができます。自身が提供したいサービスに絞って依頼を受けられたり、時給も自分で自由に設定できる仕組みなんです。その上で、確定申告や自治体登録の方法もサポートしており、安心して働ける環境を整えています。

岸畑:開業を目指す助産師さんも多いですが、集客やマーケティングが難しくて挫折する方もいます。その点、信頼できるプラットフォームを利用して試し、自分のスキルが世の中のニーズに合うか確認するのは良い選択だと思います。

プラットフォーム運営における責任


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岸畑: プラットフォームの運営では安全管理に重点を置かれているということですが、具体的に教えていただけますか?

経沢:はい。創業から10年が経ち、累計で220万件以上のサポートをさせていただく中で、ベビーシッタープラットフォームの安全性は最重要と位置づけています。
まず事業収益とは切り離した安全だけを徹底する安全管理の専門チームを社内に設置しています。この部署において、初回利用の際はお客様とシッターさんのオンラインなどによる顔合わせの必須化や完了報告の内容のチェック、ヒヤリハット事例の情報共有、自治体や行政との連携など、サービスにおける安全を管理しております。
また、ユーザーサポーター双方で違反があった方にはプラットフォーム退会をお願いすることもあります。蓄積されてきたサポートから得たさまざまな保育ノウハウを活かして、お子様のケガなどの予防策にも注力しています。サービスのご利用者様には安心安全対策10箇条を明示し、また定期的に最新情報を提示していますので、ご覧いただければ幸いです。

岸畑:採用プロセスも厳格にしていらっしゃると聞いています。

経沢:キッズラインでは一次面接、オンライン研修、スキル確認テスト、実地モニタリングなど複数の選考ステップを設けています。すべての過程を経るのに約1ヶ月かかり、合格率は約3分の1です。選考過程では保育スキルだけでなく、責任感といった適正も確認します。また、平常時から国や自治体とも連絡を密にして、安全第一の体制を取っています。

岸畑:助産師さんには、この厳しいプロセスを「守られている」とポジティブに捉えていただきたいです。信頼できるプラットフォームで働く自信にもつながると思います。

経沢:キッズラインで働く方は厳格な選考を突破した方たちです。「誰でもOK」ではなく、適性がある方が登録できることで、安心してサービスを提供できる環境を目指しています。
その上で合格された方々には、ご希望の働き方を実現していただくために、デビュー後半年の間伴走支援を行っております。「初めてのお客様とのやりとり方法」や「デビュー後にお客様から次々と依頼をいただく方法」といったご質問に一つ一つお答えしながら、キッズラインでの活動を軌道に乗せるお手伝いをしておりますので、まずは登録説明会にご参加いただければ幸いです。

岸畑:お話を聞いて、信頼が高まりました。ありがとうございました。

伴走支援についてはこちらをご覧ください
ベビーシッターの登録説明会についてはこちらをご覧ください

サポーターとして働く

提携で広がる助産師のキャリア支援


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経沢:最後にぜひお伝えしたいことがあります。今回、With Midwifeとの提携についてですが…

岸畑:キッズラインさんとの提携で、With Midwifeのライセンスをお持ちの方がキッズラインにサポーター登録して活動されると、4万円のお祝い金をキッズラインさんからいただけることになりました。 これから第5期生として受講される方も対象です。
さらに、現在キッズラインで活動している助産師さんがスキルアップを目指す場合、With Midwifeの助産師リスキリング講座「License says第5期」を受講すると、2万円のお祝い金もご用意いただけるとのことです。(※2)
License says第5期生の募集はすでに開始していて、1月6日までですが、定員25名に達した時点で締切になりますのでお早めにお申し込みください。

助産師向けリスキリング「License says」

司会:お祝い金と協力金の提供は、2024年12月4日から2025年1月31日までにエントリーした方限定ですので、この機会にぜひご検討ください。

経沢:さまざまなキャリアを築き、時代に合った働き方を身に着けることで、助産師という資格を活かしながら、ニーズに合った新たな仕事の幅を広げてほしいと思っています。興味を持ってくださった方は、ぜひキッズラインの登録会に参加してみてください。また、さらなる学びを求める方には、With Midwifeさんの講座をおすすめします。

岸畑:挑戦することに制限はありませんので、ぜひ多くの経験を積んでいただけたら嬉しいです。

経沢:今日は貴重な機会をありがとうございました。

キッズラインが「With Midwife」と提携開始! リスキリングした助産師シッターが産後の課題にコミット | 株式会社キッズラインのプレスリリース

(※2)
【業務提携内容】

①「With Midwife」のリスキリングライセンス取得・取得予定者が「キッズライン」でシッターデビューした場合に、「シッターチャレンジ支援金」を進呈
実施期間: 2024年12月4日(水)~2025年1月31日(金)
※2025年3月31日(月)までにキッズラインサービスにてベビーシッターのサポーターとしてデビューした方が対象
内容:デビュー後、チャレンジ支援金として40,000円をキッズラインより進呈

②「キッズライン」の助産師シッターが「With Midwife」運営のリスキリングライセンスを取得する際に、「新しい学び応援お祝い金」を進呈
実施期間: 2024年12月4日(水)~2025年1月31日(金)
※License says第5期受講希望者が対象
内容:産後ケアの課題解決のためにさらに学びを深めるキッズライン在籍の助産師シッターがライセンス取得後、お祝い金として20,000円をキッズラインより進呈


サポーターとして働く

■株式会社With Midwife
代 表:岸畑 聖月
所在地:大阪府大阪市都島区東野田町4-15-82 QUINTBRIDGE303
事業内容:
・看護師、助産師、保健師併有者による従業員支援サービス
・医療専門職を対象としたリスキリングプログラム
・医療専門職を活用したコンサルティング 等
公式HP:https://withmidwife.jp/


■株式会社キッズライン
代 表:経沢 ⾹保⼦
所在地:東京都港区六本⽊5-2-3 マガジンハウス六本⽊ビル7F
事業内容:
インターネットを使った⼥性⽀援事業、育児⽀援事業、家事支援事業
公式HP:https://kidsline.me/


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