オムツがすぐに外れる子もいれば、失敗が続く子もいます。トイレトレーニングをスムーズに進めるためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。今回の記事では、トイトレのポイントについてベテラン保育士が解説します。失敗したときの会話例も紹介しますので、参考にしてください。

トイレトレーニングは失敗しながら進むもの


トイレの練習
子どもにとってオムツからパンツへの移行は大きな変化です。練習や失敗を繰り返しながらトイレで排泄ができるようになります。まずはじめに、トイレトレーニングの流れを確認しておきましょう。

トイレトレーニングの流れ


トイトレは以下のような流れで進みます。

①トイレへ座ることに慣れる
②トイレで偶然排泄ができる
③大人の促しによって、トイレで排泄する
④日中はパンツをはく
⑤夜やおでかけのときもパンツで過ごす


パンツの履き始めがトイトレのスタートだと思われているママパパも多いですが、実はもっと前の段階から始まっています。パンツに替えても、トイレを怖がっていたら排泄ができません。まずはトイレに慣れ、排泄をする経験を重ねることが前提です。オムツの段階からトイトレを意識していきたいですね。
また、パンツの履き始めはどうしてもお漏らしが多くなります。どのタイミングでトイレへ行ったらよいのか、まだわからないためです。ママパパにとっては大変な時期かもしれませんが、子どもが成長しようとしているときなので、あたたかく見守っていきたいですね。
日中はパンツで過ごしていても、熟睡している夜や後始末が難しいおでかけ先では、オムツを重ねる時期があってもよいでしょう。排尿の間隔が伸び、筋肉を調整する力がついてくれば、1日中パンツで過ごせるようになります。

子どもの発達に合わせて段階を踏もう


トイレトレーニングは、子どもの発達に合わせて進めていきましょう。「3歳になったから」と焦ってパンツを履かせるのではなく、そこまでの段階を1つずつ踏んでいくことが大切です。パンツを履かせても、急にトイレで排泄ができるようにはなりません。身体機能の発達と脳の発達のどちらも整っていないと、トイトレはなかなか進まないのです。
たとえば大人の場合「トイレに行きたい」と感じてから、以下のことを考えています。

・トイレに行くまで、どれくらいの時間がかかるのか
・どのくらいの間、我慢できるのか


大人は自分の身体をよくわかっており、先を見通す力もあるため、漏らさずにトイレへ行くことができます。
子どもの場合、漏れないように我慢する筋肉の力が弱かったり、見通しを誤ってしまったりするため、漏らしてしまいます。成長や経験とともに少しずつ漏らさないよう行動ができるようになります。大人は無意識に行っていることを、子どもはまだできません。子どもの発達に合わせて1つずつ段階を踏み、意識的にトイレへ行く経験を積み重ねていきましょう。

トイレトレーニングで失敗しがちな親の対応


ここからは、トイトレ中に親がやってしまいがちな対応を挙げていきます。もしトイトレがうまく進んでいない場合、まずは親の対応を振り返ってみましょう。

【NGな親の対応①】失敗を責める


よくしてしまう対応は、お漏らしした子どもを責めたり、怒ったりすることです。親の不機嫌な表情や態度は、子どもの心を不安定にします。排尿のコントロールより「漏らしたら怒られる」という意識の方が強くなり、結果として漏らしてしまう回数が増えます。トイトレ中の失敗は当たり前です。失敗したときこそ、子どもに「大丈夫だよ」と安心させ、自分の身体へ意識を向けられるようにしていきましょう。

【NGな親の行動②】無理にトイレへ誘う


子どもが「出ない」と言っているのに、無理にトイレへ連れていこうとしていませんか?無理に動かそうとすれば、子どもはできる限りの力で反発します。すると《トイレへ行くのは嫌なこと》という概念が子どもに刷り込まれてしまいます。大人は先を見通す力があるので「今しておいた方がいい」と思うのですが、経験の少ない子どもにはまだ理解できません。無理に連れていくのではなく、行きたくなるよう誘うことが大切です。

【NGな親の行動③】他の子と比べる


同じ年頃の子と比べる必要はありません。オムツがとれる時期には個人差があります。「〇〇ちゃんがオムツとれたからウチも…」と焦っても、トイトレはうまく進みません。「〇〇ちゃんはトイレでできるのに、あなたはどうしてできないの?」と責めるのも的はずれです。トイレでの排泄は、心と身体の準備が整っていないと難しいです。わが子に合ったタイミングで始めましょう。

トイトレがうまくいかない!上手に進めるコツとは?


トイトレ
大人が焦れば焦るほど、トイトレはうまくいかないものです。心にゆとりをもって、子どもの成長を応援したいですね。ここからは、トイトレをうまく進めるためのコツを解説します。

【1】トイレを安心できる場所にする


トイレが子どもにとって安心できる場所になるよう工夫しましょう。大人にとってトイレは、排泄だけに利用する日常的な空間です。しかし子どもにとっては、1日の中でわずかな時間しか利用しない特別な場所です。子どもが不安を感じている場合は、トイレに「行きたい」と思えるような工夫を考えてみましょう。

【工夫例】
●明るい空間になるよう、暖色系から白色系の電球に変える
●トイレの上でバランスを崩さないよう、踏み台や補助便座を利用する
●楽しい雰囲気になるよう、子どもが好きなキャラクターのポスターやステッカーなどを壁に貼る



トイレでの排泄に慣れてきても「一緒にトイレ来て」と言う子どもは少なくありません。それほどまでに、子どもにとってトイレは不安な場所なのです。不安でも、ママパパが一緒なら安心できます。「もう1人で行けるでしょ」と決めつけず、子どもの気持ちに耳を傾けながらサポートしていきましょう。

【2】失敗することを前提に考えておく


トイトレを始めたからといって、急にトイレで排泄できるようになる訳ではありません。子どもは失敗を通して、どのタイミングでトイレへ行けばいいのかを学んでいきます。トイトレ中は「失敗が当たり前」です。お漏らしすることを前提に、対策を考えておきましょう。

【対策の例】
☑着替えを多めに準備し、取り出しやすいところにセットしておく
☑漏らしたときにすぐ片付けられるよう、雑巾やバケツを用意しておく
☑敷物や布団は、洗濯しやすく乾きやすいものを使用する



備えておけば、ゆとりをもってお漏らしに対応できます。心に余裕があれば、子どもにも優しい言葉をかけられます。トイトレ中は洗濯物が増えて大変かもしれませんが「今だけ」と思って乗り越えていきましょう。洗濯した分だけ子どもも葛藤しつつ頑張っています。

【3】トイレに行く時間を決めておく


トイレに行く時間を決めておきましょう。何かを始める前がオススメです。
たとえば…
・ごはんの前 ・お風呂の前 ・寝る前
毎日同じタイミングでトイレへ行けば、習慣化されます。ママパパが声をかけなくても、トイレへ行くことが当たり前になれば、トイトレもスムーズに進みます。最初は、お風呂の前のタイミングから試してみましょう。服もオムツも脱ぐので、親も子どもも気負わずに始めることができます。

【4】トイレと楽しいことをセットにする


トイレの目的を「排泄」だけに限定せず「楽しいこと」とセットにして考えましょう。子どもは自分の興味関心に基づいて行動します。子どもが「楽しい」と思える行動を取り入れることで、トイレへのモチベーションを上げていきます。

【関心を持たせる例】
☑トイレで排泄した後にシールを貼る
☑歌を歌ったり、数を数えたりする
☑好きなキャラクターのポスターを貼っておく



子どもの興味関心は移り変わります。「今、何に興味があるのか」をよく観察しながら、作戦を練りましょう。

保育士が実践するトイトレに失敗した子への言葉がけ


トイトレでは、成功したときの褒め言葉以上に、失敗したときの言葉がけが重要です。子どもの自尊心を守りながら、次につながる言葉を選びましょう。ここからは子どものタイプ別に、失敗したときの会話例をご紹介します。

【タイプ①】「漏れた」と言える子への言葉がけ


「漏れた」と言える子には、伝えられた事実を認める言葉がけを行いましょう。《失敗しても怒られない》という安心感は、子どもの「次は頑張ろう」という前向きな意欲を引き出してくれます。

【会話例】
子「ママ、おしっこ出ちゃった…」
親「おしっこ出ちゃったんだね。教えてくれて、ありがとう。お着替えしようか。」
子「うん!(次は間に合うように頑張ろう)」


【タイプ②】漏れたとわかっていても言えない子への言葉がけ


「失敗した」とわかっていても言えない子には、「怒られたくない」「ママパパの悲しそうな顔を見たくない」といった気持ちが潜んでいます。子どもの気持ちを代弁しつつ《失敗しても大丈夫》と思える言葉がけを意識しましょう。

【会話例】
子「…(漏れちゃった、どうしよう)」
親「どうしたの?」
子「…(漏れたって言ったら、怒られるかな)」
親「漏れちゃったんだね。大丈夫だよ。着替えよっか。」
子「…(怒らないの?)」
親「次、漏れちゃったときは『おしっこ、出ちゃった』って教えてくれると嬉しいな。」
子「うん(言ってもいいんだ!)」


【タイプ③】漏れても気にしない子への言葉がけ


なかには漏れても気にせず遊び続ける子もいます。漏れたことに気づいてなかったり、気づいてはいても不快に感じていなかったりする場合です。まずは《濡れた服のままでいるのは不快なこと》と感じられるよう、言葉かけをしていきましょう。

【会話例】
(漏れているが、子どもは気にせず遊んでいる)
親「〇〇ちゃん、おしり濡れてるね。おしっこ、出ちゃったかな。」
子「うん」
親「パンツ、濡れたままだと気持ち悪いねぇ。」
子「…」
親「おしりも冷たいでしょ?」
子「…」
親「着替えるとサッパリして気持ちいいよ。一緒に着替えに行こう。」
子「…うん。」
(着替えながら)
親「ほら、パンツびしょびしょで気持ち悪かったね。着替えてスッキリしたね。」
子「うん!」
※感覚と感情が結びつくまでには、時間がかかります。根気強く対応していきましょう。


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トイトレに焦りは禁物!保育のプロと連携しながら進めて


トイレトレーニング
トイトレは、子どもの心と身体の準備が整って初めてうまくいきます。発達のスピードには個人差があるので、焦らずにトイトレを進めていきましょう。
保育園へ通っている場合は、保育士と連携することが大切です。子どもの様子を伝え合いながら、家庭と園で同じ対応ができるように心がけていきます。
自宅でのトイトレがうまくいかない場合は、保育のプロであるベビーシッターにアドバイスをもらうのも1つの手です。トイトレの環境を見てもらったり、言葉がけの仕方を教えてもらったりすると、意外な気付きがあるかもしれません。トイトレの進め方さえわかれば、ママパパの心にもゆとりができます。怒る回数が減れば、子どもも安心してトイレへ向かう姿が増えていくことでしょう。

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キッズラインには、家庭保育のプロが在籍


ベビーシッター・家事代行サービスのマッチングプラットフォームであるキッズラインでは、シッターとして、保育士や看護師など保育の専門資格や研修を完了した家庭保育のプロフェッショナルが多数在籍しています。
初めてのシッターに保育を依頼する際には、オンラインでの顔合わせまたは対面での事前面談が必要なので、まずはよさそうだなと思った人に連絡を取ってみましょう。トイトレがうまく進んでいない状況であることなどを話してみて、相性を確かめてみるのがオススメです。

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■保育士ライター 佐野希子
18年目の現役保育士。独学で認定試験に合格し、幼稚園教諭の資格も取得。他に社会福祉士の資格も保有。現在は副主任として保育現場の指導とサポートに努めている。


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