赤ちゃんが毎晩うまく眠れないと、不安になってしまうことも。でも寝ないのには理由があり、決してママパパのせいではありません。この記事では、生後1ヶ月の赤ちゃんの睡眠の特徴や、助産師が現場で実際に伝えている寝かしつけのコツをご紹介します。

*この記事のポイント*

⚫︎生後1ヶ月の赤ちゃんが寝ないのは、発達の上で正常な反応
⚫︎赤ちゃんが眠りやすい生活リズムを整えることが大切
⚫︎ママパパも無理せず、ときにベビーシッターに頼って休息を


生後1ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間はどれくらい?


赤ちゃん
生後1ヶ月の赤ちゃんがよく寝たり、逆にすぐ目を覚ましたりするのはなぜでしょうか?睡眠の発達と体内時計や脳の成長との関係を医学的な視点から解説します。

「寝る子は育つ」は、ほんと?

「寝る子は育つ」と言われますが、これは理にかなっています。赤ちゃんが十分に眠ることは、情緒の安定や脳の発達、体の成長に深く関わっています。さらに、赤ちゃんがよく眠ることで、ママやパパにも心と体のゆとりが生まれ、家庭全体に穏やかな空気が広がります。しかし、現代は夜遅くまで明るく、スマホやテレビなどの刺激が赤ちゃんの眠りを妨げています。

また最近では、SNSの普及により早期の知育への関心が深まっています。その影響で、「赤ちゃんにも刺激を与えた方が良い」という意識が広まっていますが、実際には赤ちゃんの脳は刺激を受けるだけでは発達しません。むしろ、質の良い睡眠こそが脳を育てる最大のカギです。日中に受けたさまざまな刺激を整理し、記憶として蓄えるためには、十分な休息が欠かせないのです。

そのためにも、赤ちゃんへの過剰な刺激を避けて、しっかりと眠れる環境を整えてあげましょう。ママパパもできるだけ睡眠時間を確保し、無理なく育児に向き合える体と心を保つことが大切です。

生後2週間ほどからレム・ノンレム睡眠のリズムが始まる

生後まもない赤ちゃんは、お腹の中にいたときと同じように、1日のほとんど眠って過ごします。少しずつ外の世界に慣れてくると、覚醒時間が増えてきます。この変化は自然なことですので、「寝すぎではないか……」と不安になる必要はありません。

赤ちゃんが眠りたいときにしっかり眠れるようにし、その子のペースに寄り添いながら、徐々に生活リズムを整えていくことが大切です。ただし、低出生体重児や早産児などで授乳やミルクの時間を指示されている場合は、体重を増やすことが最優先です。病院の指導に従いましょう。

生後2週間ほど経つと、起きている時間と眠っている時間のサイクルが徐々に整ってきます。赤ちゃんの睡眠はおよそ90分の周期で「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」を繰り返しており、このリズムは生後2週間頃から徐々に形成され始めると言われています。この頃からは少しずつ「眠いよ」とサインを出すようになるので、赤ちゃんが眠いサインを出したら、眠りやすい環境を整えましょう。

*助産師の一言アドバイス*
眠いサインは、あくびをする、目をこする、耳をかく、ぼーっとしている、グスグスと泣こうとする、口をチュパチュパさせるなど、赤ちゃんによって異なります。よく観察してみてくださいね。

生活リズム(概日リズム)は、生後1ヶ月頃以降に徐々に整っていく

生後1ヶ月の赤ちゃんは、1日に14〜18時間ほど寝ます。ただし、そのほとんどは1〜3時間おきに目覚める断続的な眠りです。まだ体内時計が未熟で、昼夜の区別がついていないためです。

赤ちゃんの睡眠は、脳や神経の発達と密接に関係しています。生後1ヶ月未満の赤ちゃんは、視床下部にある体内時計(概日リズム)や睡眠を調整するホルモンの分泌が未熟で、昼夜の区別がつけられません。このため、夜になってもまとまった睡眠をとることが難しく、短いサイクルで眠ったり起きたりを繰り返すのです。

また、赤ちゃんは睡眠の大部分を浅いレム睡眠で過ごします。レム睡眠は脳の発達に重要な働きを担いますが、ちょっとした刺激でも目を覚ましやすいという特徴があります。
「寝たと思ったらすぐに起きてしまう」のは、そのためです。「昼はよく寝ているのに、夜は全然寝てくれなくて……」という声は多いですが、決して珍しいことではありません。助産師として、「今は赤ちゃんが自分のリズムをつくる準備をしている時期なんですよ」とよくお伝えしています。

赤ちゃんは起きていられる時間がとても短い

新生児〜生後1ヶ月頃の赤ちゃんは、「起きていられる時間」がとても短いことも特徴です。1回の覚醒時間は40分〜1時間程度が目安なので、それ以上起きていると、疲れすぎてしまい、かえって寝つきが悪くなったり、ぐずったりしやすくなります。赤ちゃんは自分で「疲れたから寝よう」と切り替えるのが難しいので、過度な刺激が続くと眠たくても上手に眠れず、結果として寝ぐずりや夜泣きにつながってしまうのです。

親御さんから「ずっと起きていて、寝たくても泣いてしまうんです」とご相談を受けることがあります。こうしたときには、「眠たいサインを見つけたら、早めに寝かせてあげてくださいね」とお話ししています。
たとえば、赤ちゃんがぼーっとしたり、目をこすったり、あくびをするような姿は、眠い合図です。これらのサインを見逃さずに、暗めの静かな場所でそっとお布団に寝かせてあげたり、ゆっくりと抱っこしてあげると、ぐっすり眠れることも多いですよ。

【月齢別】赤ちゃんの睡眠・覚醒時間の目安

・生後0〜1ヶ月:睡眠時間 14〜18時間
/覚醒時間 40分〜1時間

・生後2〜3ヶ月:睡眠時間 13〜16時間
/覚醒時間 1〜1.5時間

・生後4〜6ヶ月:睡眠時間 12〜15時間
/覚醒時間 1.5〜2時間


この覚醒時間を過ぎると、赤ちゃんは「眠たいのに眠れない」状態になりやすくなります。眠いサインを早めにキャッチして、寝かしつけのタイミングを逃さないようにしてあげましょう。赤ちゃんによって差はあるので、「思ったより寝てくれない」と感じても大丈夫。少しずつ、赤ちゃんは自分のリズムを身につけていきます。

赤ちゃんが寝ないのはなぜ?考えられる7つの理由


泣く赤ちゃん
「どうしてこんなに寝てくれないの?」と不安になることは、どのご家庭でもよくあることです。赤ちゃんがなかなか眠らないのには、実はきちんとした理由があります。発達途中の体や脳の働き、不快な刺激、そして安心を求める気持ちなど、さまざまな要因が関係しています。
ここでは、医学的な観点と子育ての現場で得られた経験をもとに、赤ちゃんが眠れない主な理由を7つご紹介します。

【理由1】ノンレム睡眠とレム睡眠の切り替えで泣いている

赤ちゃんの睡眠は、成長ホルモンとも深く関係しています。成長ホルモンは深い眠り(ノンレム睡眠)のときに多く分泌されるため、ぐっすり眠ることは赤ちゃんの心身の発達に欠かせません。

実際に成長ホルモンは、質の良い睡眠と深い関係があることが広く知られています。また、新生児期の赤ちゃんは脳の神経回路を構築する過程にあり、情報の統合や記憶の形成にレム睡眠が重要であるとされています。夜間の断続的な眠りは、こうした発達過程において正常な反応と言えます。

夜中に赤ちゃんが泣き出したとき、すぐに抱き上げたくなる気持ちはよくわかりますが、まずは数分だけ様子を見守ってみてください。生後間もない赤ちゃんには「アクティブスリープ(活動性睡眠)」と呼ばれる状態があり、寝言のように声を発したり軽く泣くような反応を見せることもあります。
これは完全に目覚めているわけではなく、睡眠サイクルの途中で起こる自然な動きであることが多いです。助産師としての現場経験からも、こうしたときに少しそっと見守るだけで、再び眠りにつく赤ちゃんは多く見られます。本当に目を覚ましたと判断できたときだけ、抱っこや授乳でやさしく対応してあげると良いでしょう。

【理由2】覚醒時間が長すぎて疲れてうまく眠れない

赤ちゃんは起きていられる時間がとても短く、生後1ヶ月では40分〜1時間が目安とされています。この時間を大きく超えると、脳や神経が過剰に刺激を受けて興奮状態となり、かえって眠れなくなったり、寝ぐずりにつながることがあります。

実際に助産師としてご家庭を訪問すると、「全然寝てくれないんです」といったお悩みを打ち明けられることがあります。お話を伺うと、赤ちゃんが2時間以上も起き続けているケースも少なくありません。こうしたときは、赤ちゃんの「眠たいサイン」を見逃さず、できるだけ早めに寝かしつけてあげることが大切です。その結果、赤ちゃんもスムーズに眠りにつきやすくなります。

【理由3】お腹が空いている

赤ちゃんの胃はまだとても小さく、すぐにお腹が空いてしまいます。特に母乳は消化が早いため、2〜3時間おきの授乳が必要とされています。
「授乳直後に寝たのに、すぐ起きてしまって……」というご相談もよくあります。よく観察してみると、赤ちゃんが授乳中に眠ってしまい、実はしっかり飲めていなかったというケースも少なくありません。授乳のタイミングや飲み方は、赤ちゃんの睡眠にも大きく関わっているのです。

おすすめの工夫のひとつが、夜寝る前に沐浴をしてから授乳をすること。お風呂上がりは体が温まり、リラックスした状態でいつもより多く母乳やミルクを飲むことがあり、その結果、ぐっすり長く眠ってくれる子もいます。一度試してみるのも良いかもしれません。ただし、長風呂は逆に疲れすぎて眠りが浅くなる原因になることもあります。新生児期は、ぬるめのお湯で短時間の入浴にとどめるようにしましょう。

【理由4】暑さ・寒さなどの環境が不快で眠れない

赤ちゃんは、体温調節機能が未熟で寒さや暑さに弱い傾向にあります。そのため、室温や衣服の調整で眠りの質が大きく変わります。快適な温度かどうかを見極める目安としては、赤ちゃんが汗をかいていれば暑すぎる状態、手足が冷たければ寒すぎる状態です。必要に応じて、衣類やおくるみ、エアコンなどを使って環境を調整してあげましょう。

*助産師の一言アドバイス*
あるご家庭より、「夜中に何度も泣いてしまう」というご相談を受けて訪問したところ、赤ちゃんに何枚もの服を着せ、ふわふわの掛け布団を重ねていました。体に触れてみると汗びっしょり。室温も高めで、明らかに暑すぎる環境でした。うまく眠れない、頻繁に起きてしまうという場合、赤ちゃんにとって不快なポイントはないか、こまめにチェックしてあげてください。

【理由5】オムツの濡れやお腹の張りなどで身体的不快がある

オムツが気持ち悪かったり、お腹にガスがたまっていたりすると、赤ちゃんは落ち着いて眠れません。まず赤ちゃんが泣いているときには、おむつ交換をしてあげます。それでも泣き止まない場合はお腹が張っていないかどうかも確認してあげてください。
産院でも「なんとなく泣き止まないな」と思ったときに、お腹を触ってみるとパンパンになっていることもあります。ガス抜きのお腹のマッサージをしたら、ふっと泣き止んでそのままスヤスヤと眠ってしまうこともあります。

【理由6】モロー反射で目が覚めてしまう

赤ちゃんが大きな音や姿勢の変化に反応して、突然ビクッと手足を広げる動きを「モロー反射」と呼びます。新生児期の赤ちゃんはこの反射が特に活発で、眠っている途中に反射が起きて目を覚ましてしまうことがよくあります。対策としておすすめなのが、おくるみで赤ちゃんをやさしく包んであげることです。
お腹の中にいたときのような「守られている感覚」が赤ちゃんに安心感を与え、寝つきがぐっと良くなるケースも多く見られます。 おくるみの正しい巻き方などは、産院で助産師に聞いたらすぐに教えてもらえます。気軽に聞いてみてください。

【理由7】抱っこを求めている(情緒的な要因)

「抱っこじゃないと寝ない」「毎回抱っこで寝かしていて大丈夫かな……」と不安になることもありますよね。でも、今の赤ちゃんにとって、ママやパパのぬくもりこそが一番の安心材料です。安心して眠る時間が増えることで、その子の情緒も安定します。 親子がお互いに信頼関係を築くことは何より大切なことです。必要なだけたくさん抱っこをしてあげてくださいね。

訪問先で「これって抱き癖がつきますか?」と聞かれたときには、いつも「抱っこを求めるのは、信頼関係がしっかり築けている証ですよ」とお話ししています。いっぱい抱っこして、赤ちゃんに「愛されている実感」を届けてあげてくださいね。

ベビーシッターを探してみる

赤ちゃんの寝かしつけを楽にする生活リズムの整え方


笑顔の赤ちゃん
赤ちゃんはまだ体内時計が整っていないとはいえ、少しずつ「朝と夜の違い」を感じられるように働きかけることは大切です。毎日バラバラな生活では、赤ちゃん自身も「今は眠る時間なんだ」と感じにくくなります。
体内時計を育てる働きかけは、実は生後すぐからスタートできます。ここでは無理のない範囲でできる、生活リズム作りの方法をご紹介します。

朝は同じ時間にカーテンを開け、朝日を浴びる

赤ちゃんにとって朝日を浴びることは、昼夜のリズムを整える上で何より大切です。
無理に起こす必要はありません。ママパパが起きた際にはカーテンを開けるようにしましょう。 もしお子さんが起きた場合には優しく「おはよう」と声をかけてあげてくださいね。
また、日中も寝かしつけのとき以外はできるだけ窓越しで日光浴をさせてあげてください。 お外での直射日光は、紫外線が強すぎるので避けた方が良いでしょう。

お風呂のタイミングは毎日同じ時間帯にする

「沐浴はパパもいる21時頃」「時間に余裕のある午前中に沐浴を入れる」など、ゆるやかな流れを意識するだけで、赤ちゃんも生活リズムが整ってきます。毎日のことなので日によっては外出もあると思います。厳密なスケジュールにこだわらなくても大丈夫です。

ある親御様は「毎日19時頃にお風呂、そのあと授乳、暗い部屋でトントンしているうちに自然と寝るようになりました」と話してくれました。毎日の繰り返しが、赤ちゃんにとっての安心につながるんですね。

夜寝る前は静かな環境と暗めの照明に切り替える

「夜は眠る時間なんだよ」と赤ちゃんに伝えるために、就寝の30分〜1時間前頃からは照明は少し暗めに、お部屋を静かにしていくと、赤ちゃんも自然と落ち着きやすくなります。テレビやスマホの音や光も、赤ちゃんにとっては大きな刺激です。寝かしつけの時間帯だけは、ゆったりとした空気を意識してみてくださいね。

生活音が心地良い赤ちゃんもいる

赤ちゃんによっては、シーンと静まり返った部屋よりも、適度に生活音がある環境の方が落ち着いて眠れることもあります。たとえば、掃除機や洗濯機の音、ホワイトノイズ、ママやパパの話し声など、日常の音が「子宮の中の音」に似ていて安心するという説もあります。
そのため、シーンと静まりかえっていなくても大丈夫です。 赤ちゃんの個性をよく観察して、「この子にとって心地良いリズムってどんなものだろう?」と考える時間も、愛おしい育児のひとときになるはずです。

今すぐベビーシッターを依頼してみる

生後1ヶ月の赤ちゃんにおすすめの寝かしつけ方法


赤ちゃんを寝かしつける両親
「寝かしつけって難しい……」と感じたことはありませんか? どんなに工夫しても、赤ちゃんは泣くときには泣いてしまうものです。でも、そんなときにどうか自分を責めないでください。赤ちゃんが泣くのは、眠れない不安をママやパパに伝え、助けを求めているから。これは、赤ちゃんがあなたを信頼している証でもあるのです。

赤ちゃんが安心して眠れるようになるには、「いつも同じパターンで眠ること」がひとつのカギになります。寝かしつけの習慣を繰り返すことで、赤ちゃんの心と体に「今は眠る時間だ」と伝えることができるのです。そこで、助産師として多くのご家庭で実際に喜ばれた寝かしつけの方法を、いくつかご紹介します。

おくるみで包んで、ベッドで添い寝

赤ちゃんによって、心地良く感じる方法は違ってきます。 まだ生後すぐ〜1ヶ月頃は自分で寝る力がまだ未熟なため、添い寝だけでは寝ないかもしれません。しかし生後1ヶ月を過ぎると、徐々に「寝ることが心地良いこと」だと学び、一人で眠れるようになってきます。

その頃からは、抱っこやミルクで寝かせるのではなく、ベッドに一人で寝ても眠れるように練習していくことをおすすめしています。特に授乳で寝ることを癖づけると、夜中に目覚めたときに再び授乳を求めて泣きやすくなるという報告もあります。
赤ちゃんが眠る力を育てるためにも、授乳で寝かしつける習慣は避ける方が良いでしょう。添い寝をするときは安全面に十分気をつけて、赤ちゃんが埋もれないような布団や枕の配置にしてあげてくださいね。

抱っこでゆらゆら。安心のリズムを思い出す

ママやパパの腕の中でゆれる心地良いリズムは、赤ちゃんにとってお腹の中にいたときの記憶に近く、安心感を与えてくれます。一定のテンポでゆらゆらと優しく揺らしてあげると、赤ちゃんの呼吸も次第にゆっくりになり、自然と眠気が訪れてくることが多いです。
抱っこで寝かしつける場合、ベッドに置いた瞬間に起きてしまういわゆる「背中スイッチ」に困ることがあるかもしれません。その対策として、抱っこの時からおくるみで包んだ状態で寝かしつけをする、ベッドに置いた後数分は背中に手を当てておく、といったことなどを試してみてくださいね。

毎晩の「同じ流れ」が安心感に

赤ちゃんは、繰り返しのリズムに安心感を抱きます。お風呂や授乳、お部屋を暗くする、抱っこでトントンなど、毎晩の流れをできるだけ同じにしてあげることで、赤ちゃんは「そろそろ寝る時間だな」と自然に感じやすくなります。「このルーティンが始まると、自然とあくびが出るようになりました」というママもいました。小さな積み重ねが、赤ちゃんにとっての安心スイッチになっていきます。

ママパパが知っておきたい「避けたい行動」と代替の方法


赤ちゃんを抱く母親
赤ちゃんがなかなか寝てくれないとき、どうしても焦ってしまったり、いろいろな方法を試してみたくなったりしますよね。でも、がんばりすぎるあまりに赤ちゃんもママパパも疲れてしまうことも。
ここからは、助産師として多くのご家庭と向き合ってきた中で「これは避けた方が良いかも」と感じた行動と、その代わりにおすすめしたい工夫をご紹介します。

焦って無理に寝かせようとする

赤ちゃんの睡眠が大切なことは、これまでにもお伝えしてきました。「早く寝てほしいな…」と焦る気持ちは痛いほどよくわかります。でも、赤ちゃんはママパパの気持ちを敏感に感じ取ります。

たとえば、ルーティンにこだわりすぎて予定通りにいかないとイライラしてしまったり、SNSの情報を見て「これもダメ、あれもダメ」と思い込んでしまったりすることもありますよね。でも、赤ちゃんもママパパも人間です。よく眠れる日もあれば、元気が有り余って眠れない日もあるのです。

特に赤ちゃんには、「メンタルリープ」と呼ばれる発達段階の変化や、体調・気圧による影響など、日々コンディションが大きく揺れ動く時期があります。そのようなとき、思うようにいかずイライラしてしまったら、まずは赤ちゃんをベビーベッドのような安全な場所に置き、数分間だけ離れて深呼吸してみましょう。外の空気を吸って気持ちを整えた後に赤ちゃんのもとに戻ってみると、不思議と泣き止んでいた、ということもあるのです。

私が訪問先でよくお話するのは、「うまく寝られないときこそ、まずは深呼吸してみましょうね」ということです。大人がリラックスすると、赤ちゃんの表情もすっとやわらかくなることが多いです。

真っ暗な部屋と完全な無音にする

「暗くて静かじゃないと寝ないはず!」とがんばってしまう方もいますが、実は赤ちゃんによっては少しの明かりや音があった方が安心することもあります。
特に、掃除機の音や話し声、雨音など、ママのお腹の中で聞こえていたようなやさしい生活音には、かえって落ち着く赤ちゃんも多いのです。必要以上に「無音・真っ暗」にこだわらず、赤ちゃんの様子を見ながら心地良い環境を調整してあげましょう。赤ちゃんの「安心できる音や光」はそれぞれ違うことを覚えておくと良いですね。

SNSなど根拠のない情報を鵜呑みにしすぎる

「SNSで見たから、こうしなきゃ」「他の子はこうだったのに……」と、情報にこだわりすぎてしまうと、うまくいかなかったときに必要以上に落ち込んでしまうことがあります。赤ちゃんには一人一人個性があり、心地良いと感じるスタイルもそれぞれ違います。SNSなどで流れてくる情報の中には、医学的な根拠がないものや、特定の家庭にしか当てはまらない内容も少なくありません。

育児に悩んだときは、顔の見えない誰かの言葉よりも、実際に赤ちゃんやご両親の様子を見て、的確にアドバイスしてくれる専門家や身近な方に相談することをおすすめします。そして、もしうまくいかなくても、「じゃあ次はこれを試してみようかな」と軽い気持ちで柔軟に工夫していくことが大切です。

今すぐベビーシッターを依頼してみる

ベビーシッターを頼って、赤ちゃんの睡眠とママパパの心のゆとりを守ろう


ベビーシッター
「誰かに頼ってもいい」と思えることは、育児を前向きに続けていくためにとても大切な力になります。「疲れているけど、頼れる人がいない」「一晩だけでもぐっすり眠りたい」と感じるママパパにぜひ知っておいてほしいのが、ベビーシッターに頼ることです。

育児に慣れたプロにお願いできる安心感

ベビーシッターは、赤ちゃん育児の経験を積んだプロ。泣き方や仕草などからその子の状態を察知し、赤ちゃんに合わせた対応をしてくれます。実際に、「私が知らなかった寝かしつけのコツを教えてくれた」というママの声を聞いたことがあります。一人で抱え込まず、信頼できる方に頼ってみましょう。

ママパパの睡眠不足をリセット

睡眠不足は、心の余裕をじわじわと奪っていきます。なかなか眠れない中、1〜2時間でも自分の時間を確保できるだけで、気持ちがリセットされることもあります。育児をする中で、多くの方が直面するのが睡眠不足です。「ほんの数時間、子どもをシッターさんに見ていてもらっただけで、涙が出そうなくらい助かった」と話す方もいます。 眠れなくて困っているなど、まずは数時間から相談してみてください。

家族以外の人の手を借りることで育児がもっと楽に

育児は、決して一人で頑張る必要はありません。自分のペースで、無理のないスタイルで赤ちゃんと向き合う時間を楽しむためにも、外部の手助けを上手に取り入れてみてください。ベビーシッターを依頼することは、赤ちゃんの健やかな眠りだけでなく、ママやパパの心の健康を守る手段でもあります。

キッズラインならスマホからシッターを探せる

ベビーシッターのマッチングプラットフォームであるキッズラインは全国47都道府県にベビーシッターがおり、スマホから24時間いつでも検索・依頼をすることができます。ベビーシッターは、保育士資格など8つの資格または研修修了者のみが登録可能で、保育のプロが揃っています。

キッズラインに登録しているベビーシッターの中には、保育士や看護師などの専門職経験者もおり、赤ちゃんの発達段階や個性を踏まえた対応が可能です。安心して任せることができるだけでなく、ママやパパがひと息つける大切な時間をつくるきっかけにもなります。

キッズラインでベビーシッターを依頼するには、事前に「顔合わせ」または「事前面談」が必要です。急に依頼する必要がある場合に備えて、まずは面談をしてみると良いでしょう。子育ての疲れを一人で抱え込まず、時にはサポートを得ながら子どもと向き合っていきたいですね。

▼「顔合わせ」と「事前面談」については、こちら参照ください。

今すぐベビーシッターを依頼してみる

■フリーランス助産師 上原沙希
東京女子医科大学病院 産婦人科 MFICU に勤務後、より多くの方の力になりたいという思いを抱き、英語力習得のためヨーロッパ留学とギリシャ難民ボランティアへ。その後フリーランス助産師として独立し産婦人科クリニックにてお産介助や妊婦指導などを行う傍ら精神疾患患者や障害をお持ちの患者さんのケアも行う。現在は子持ちフリーランス助産師として産婦人科業務以外にも妊産婦向け商品開発やライター、思春期相談、マタニティヨガ指導、性教育など幅広く活動中。


▼あわせて読みたい
新生児のしゃっくりの止め方は? 赤ちゃんならではの原因や対処法を助産師が解説
年齢別・新生児・1歳・2歳以降の寝かしつけのコツとは?
ベビーベッドはいつまで使える?卒業の時期と寝かしつけ方法


▼記事一覧に戻る
KIDSLINE編集記事一覧
▼TOPページに戻る
KIDSLINE TOPページ
産後のサポートを頼む