夏は冬に比べて感染症が流行しにくい季節と思われがちです。しかし、赤ちゃんの集団生活の場ではいわゆる「夏風邪」と呼ばれる感染症が流行しやすくなります。ひどくなると脱水になってしまうことも少なくありません。そこで今回は、赤ちゃんに注意したい夏風邪と対処法を詳しく解説します。

夏、赤ちゃんの間で流行しやすい3つの感染症とは?



6月を過ぎると赤ちゃんの間では夏風邪が流行しやすくなります。夏風邪の感染経路は飛沫感染と接触感染です。そのため、保育園などで集団感染することも少なくありません。では、赤ちゃんの間で流行する「三大夏風邪」について詳しく見てみましょう。


●ヘルパンギーナ
コクサッキーA群ウイルスが原因の感染症です。2~4日の潜伏期間を経て、高熱・のどの痛みなどの風邪症状が現れ、口の中に水ぶくれができます。熱は2、3日で下がりますが、口の中の水ぶくれは破れて強い痛みを伴うこともあります。完全に回復するまでには一週間ほどかかります。熱性けいれんを引き起こすケースもあるため、既往のある赤ちゃんは注意しましょう。


●咽頭結膜熱
アデノウイルスが原因の感染症です。プールの水を介して乳幼児の間で流行しやすいため、プール熱と呼ばれることもあります。潜伏期間は5~7日。発熱・のどの痛みなどの風邪症状、目の充血・痛み・目ヤニなどの結膜炎症状が現れるのが特徴です。目が真っ赤になるため親御様も驚くと思いますが、多くは3~5日程度で自然に回復していきます。


●手足口病
A群エンテロウイルスが原因の感染症です。3~5日の潜伏期間を経て口の中、手の平、足の裏などに小さな水ぶくれが現れます。37℃台後半の軽めの熱が出ることもありますが、割合としては3人に1人。水ぶくれ以外の症状が出ない子どもも多いです。一週間程度で自然に回復しますが、口の中の水ぶくれが潰れて強い痛みを伴うこともあります。水分や離乳食を嫌がる赤ちゃんもいるので注意が必要です。

夏の三大夏風邪!かかったらどう対処すればよい?



赤ちゃんが夏風邪にかかったときは、次のようなことに注意しましょう。


●根本的な治療法はない!水分補給はバッチリと!
残念ながら、三大夏風邪の根本的な治療法はありません。そのため、発症した場合は解熱剤や鎮痛剤などを用いた対処療法が主体となります。基本的には自然に回復していきますが、のどの痛みや口の中の水ぶくれが気になり、水分や離乳食を摂れなくなってしまう赤ちゃんもいます。赤ちゃんは脱水になりやすいので、少しずつでもしっかり水分を摂らせるようにしましょう。


口の中がただれているときは、刺激の強いジュースなどは避けて経口補水液やお茶を選ぶのがオススメです。スプーンやスポイトで少しずつ口の中に流しこんだり、とろみをつけてあげるのも、飲みやすくするコツです。


●家庭内の感染にも注意しよう!
夏風邪の原因となるウイルスは感染力が非常に強いのが特徴です。兄弟がいるご家庭はもちろん、大人に感染することもありますので家庭内感染に注意しましょう。夏風邪のウイルスは主に飛沫感染と接触感染で拡がっていくとお伝えしましたが、飛沫感染とは、咳やくしゃみのしぶきにふくまれたウイルスを体内に取り込んでしまうという感染経路。


一方、接触感染は物に付着したウイルスを取り込んでしまうという感染経路です。赤ちゃんのケアをするときはマスクを着用して、しっかりと手洗い・消毒をすることが感染を防ぐポイントになります。食器やタオル、寝具の共用も控えましょう。また、できるだけ兄弟とは別の部屋で休ませることも家庭内感染を防ぐためにも大切なポイントになります。

おむつ交換にも注意?
夏風邪のウイルスは症状が改善した後も2~4週間ほどは便の中に排出されることがわかっています。おむつを交換するときは、お尻の下に使い捨てのシートなどを敷いてウイルスが床や寝具に付着しないよう注意しましょう。手袋やマスクの着用、交換後の手洗い・消毒も忘れずに!もちろん、使用後のおむつはしっかり密閉して処分するようにしましょう。


病児・病後児の保育も依頼可能

感染症に関わらず、子どもの急な発熱などで仕事を休まなくてはならない。そんな時に限って大事な会議やキャンセルできない用事がある場合に、病児や病後児の預け先としてベビーシッターという選択肢があります。

キッズラインでは小児病棟で働いた経験がある看護士の方など、看護師資格を保有しているサポーターも在籍しております。病児または病後児、感染症の保育を対応しているかどうかはサポータープロフィールからご覧になれます。

また急な預け先として必要になった場合に、スムーズに依頼できるよう、依頼したいサポーターを数名候補にあげておく、事前面談を済ませておくことをオススメします。

まとめ

赤ちゃんの間で流行する夏風邪は、感染力が強いため誰でもかかる可能性があります。強い症状が出ることもありますが、基本的には数日で自然に回復します。水分補給に注意して様子を見てあげましょう。また、家庭内でも感染が起こることも十分に考えられます。今回ご紹介した感染対策を実践して、家庭内感染を予防していきましょう。




■監修ライター:成田亜希子
2011年医師免許取得。一般内科医として幅広い疾患の患者様の診療を行う。行政機関に勤務経験もあり母子保健分野も担当。育児に悩むママたちに医師という立場から様々なアドバイスを助言。プライベートでは二児の母。自身の悩みからも育児の情報発信している。