精神科医であるとともに、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析 など多方面で活躍中の名越康文さん。これまで家族、夫婦間でのカウンセリングを数百と受ける中で、共通していて一番大事なのは「開かれた対話」だと言います。生活する上で切っても切り離せない家事を夫婦でうまく進めるためには何が必要なのか、そして実は、家事ができること自体、才能?家事ストレスを抱えている心がすっと楽になる、今日からできるアプローチをご紹介します。

依頼するときは、散らかっていていいんだよ

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僕自身も、30代の研修医の時に家事代行サービスを利用していました。家事代行サービス、利用したら本当に助かるのですが、「えっ、こんなところも掃除してないの?」って思われたら嫌だな、と思ってある程度片付けてからお願いしたこともありましたね。

やはり、日本人の場合に「相手に気を遣う」って少なからずあると思うんですね。そこをどう仕切ってもらえるかどうかっていうのをサポートしてもらえると、家事代行サービスがもっと普及するのではないでしょうか。

例えば、脱ぎ散らかした服があっても依頼して問題ないで、みたいな「こんなこと気にするでしょう」っていうリストがあってそれを「気にしなくていい」「依頼して良い」みたいな認識があれば、依頼しやすい、というように。

家事代行を依頼するのは心理学云々じゃなくて、「普通に楽」なこと

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今回の話では「家事をアウトソースすると精神的にいい」ってことかどうか知りたいと伺っていますが、心理学云々関係なく、家事を誰かにお願いできる、しなくていい、っていうのは誰が見ても当たり前に楽なことではないでしょうか。どちらかというと、「夫婦の間で家事の分担をどうするか」とか「家事における平等性は何か」というところのコンセンサスを取るのが心理学の領域役割ですね。

そして、コミュニケーションが成立したら後は費用対効果の問題領域に入るはずですし、そうなると経済学とか社会学とかになりそう。心理学として家事を第三者に依頼することがいいこと、というのはもちろんですが、何より家族でコンセンサスを取るのが大事です。心理学の中心となるのは、家庭の中で家事をどのように進めるか、その前提までどう行くかをが心理学で主に扱うレベルの問題ですね。

素朴な生活習慣がなぜか重みを持つ、の罠

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でも、結婚10年目っていう夫婦の間で家事についてしっかり腹割って話せているか、っていうとここがまたかなり難しいところですね。例えば新婚さんだと話しやすいのかな、と思うんですよ。きちんと言うと、夫婦になる前にお互いに条件を付き合わせるのが、家事を上手に分担してうまく進めるコツだと思うんですよね。そんなことを言ったら元も子もないかもしれないですが(笑)。でも、大丈夫。ちゃんとうまくいく方法もお伝えしますね。

例えば、ビュッフェに行って、冷たいスープにクルトンを入れるとして、一番初めに並んだ人が2個入れてたら、後に並んでいる人も「そんなもんか」って思って同じ個数で取ったりとかが好例ですね。

実は、家庭のあらゆることって、一番初めにやったことがそのまま習慣になっていく傾向にある。そして、一番初めに決めたことは、論理的に正当性がないことがほとんどけっこう多いんです。「なんでこうなってるんだろう?」って遡ったら、実は「習慣的にはそうなっているだけ」っていうのが多い。だから、結婚生活が始まった時に決めたことって、実は合理性は何もないんだけどそうなってしまう、そして今も同じ状態、ってことが多いのかもしれませんについては点検した方が双方にとって楽になれることも多いはずですね。

素朴な生活習慣がなぜか重みを持つことになっているけど、それって実はあんまり正当性がない、っていうのに気づくかどうか、っていうのがすごく大事なんです。

話に乗ってみる、という姿勢が大事

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だから、理想的なのは誰かと一緒に暮らすなら、その誰かと「家事について私はこうしたい」とか、「一回1年2ヶ月決めたことでやってみて、2ヶ月経ったら振り返ってみよう」とか、生活共同体になる前に話し合っておくことがいい。
それがないと、スタートしてからみんな困ってしまう。家庭の中が民主的になっていないというか、「初めこれだったから、今もこれ」があるだけで、なぜそうなっているのか、という理屈が何もないのはあんまりよくないですよね。

もちろん、今の状況で納得しているのであればいいのですが、今の家事分担に物申したい、とか組み替えたいって言うときに、まずは自分から「話に乗りましょう」っていう姿勢が大事なんですよ。これこそ、結婚10年目の夫婦間でも意識したらできることで、一番解決への近道なんですね。

すべての人が「思い込みの虜」

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世の中にはそれこそ何百と心理学の本が出回っているけど、一番大事なのはこの「話に乗ってみる」っていう姿勢なんです。野党と与党を見ていてもそもそもヤジの飛ばしあいになってて全く話が進まないのと一緒で、喧嘩腰だったら何も決まらないんですよ。平静な心で、開かれたコミュニケーションを私はとりたいです、っていうスタンスを示すことが大事。

あと、前提条件として、「自分の思い込みはすべてのことにある」と認識すること。トイレットペーパーをどれくらい使うべきか、みたいな小さなところにもその人の思い込みが出てくるんですね。あと、「自分の思い込みは相手の思い込みとはほぼ100%違う」というのも真理だと思います。お互いに思い込みがある、ということを認識した上で、「へー、こんなに違うね、じゃあどこを落とし所にしようか」というアサーティブなコミュニケーションをとるのが、家事の話に限らず有効だと僕は思いますね。

「僕はこう思うんだけど、君はどう思う?」

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「相手にはそんなことを言ってはいけない」「わかってくれているはず」「何かあったら言ってくれる」と思っていることも思い込みの一つなので、もし「あれ?」って思うことがあれば、まずは「僕はこう思うんだけど、君はどう思う?」と尋ねてみるのがいいよね。もちろん、思っていることを言いなさい、って言った時に「じゃあなんでも思ったことを言えばいいんだ!」っていうのは違います。相手の立場を慮って傷つけない仕方でどう相手に伝えるか、っていうのが肝になります。心理学は平和利に深くコミュニケーションを取るための作法を考えるのが命題なんです。

家事に焦点を当てると、「家の様子を見て相手がどう思っているのか?相手の立場だったらどうだろうな」っていう視点でちょっと考えてみるとか、ある意味、第三者視点を獲得して家事を見直すことで見えてくるものもありそうやね。そうすると、「ここは私が譲るから、貴方はここ譲ってね」みたいに自分が落ち着いて提案することができると思う。

みんなが自分の得意分野で活躍すればいい

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僕は、みんなが自分の得意分野で活躍すればいい、と思っています。
家事って、人が生活する上では切っても切り離せないものですが、意外と向き不向きが出やすいものだと思うんです。

家事はマルチタスクで、あらゆることを時間管理しながら同時進行で行うし、終わりのないことをどこかでけじめつけて行うとか、結構主体性がないとできないことじゃないでしょうか。また、キッチンのシンクだけは掃除得意だけど後は壊滅的に不得意、だと家事は終わらないし、ある分野で一芸に秀でることが許されず満遍なく合格点をとらないといけないタイプの仕事だったりしますよね。

家事に向いている脳と向いていない脳とがあって然るべきだと思うんですよね。だから、家事が苦手、っていうのは全然気にすることじゃない

分担してもいいし、それこそ家事代行サービスが手の届くところにあるんですから、気兼ねなく頼ったらいいんです。家事得意な人は、それは才能だから自信をもったらいいと思います。

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