季節が移り変わると「やらなきゃいけない」と焦るのが衣替えですが、家事タスクの多い子育て家庭にとっては大きな負担。そこで手に入れたいのが「衣替えしなくてよい収納」です。クローゼットの服を入れ替えずに過ごす方法を整理収納アドバイザー1級、整理収納教育士認定講師の家事サポーター、片岡知津さんに教えてもらいました。
子育て家庭の衣替えが大変な理由
「そろそろ衣替えしなきゃ……」と思いつつ、なかなか手を付けられないまま、クローゼットや収納ボックスから服を引っ張り出して着てしまう……。仕事と子育てに追われている子育て家庭では、よくある光景です。
四季がある日本では、年に2回は衣替えのシーズンが到来します。子どもは自分で服の整理ができないため、子育て家庭では衣替えの作業量が多くなります。
また、子どもは急に成長することも多いので、衣替えと同時にまだ着られる服ともう着られない服の選別も同時に行わなければいけません。
これが、子育て家庭で特に衣替えが大変になる理由です。
「衣替えしない収納」を作るための2つの選択肢
大変な「衣替え」という作業をしなくてよい収納を手に入れられないものかと、一度は頭をよぎった方も多いのではないでしょうか。
「衣替えしない収納」を作るためには、2つのタイプの選択肢があります。
それは、
【パターンA】両シーズンの服が入り衣替えをしなくて済む大きさの収納を用意する
【パターンB】現在の収納に合わせて服を減らす
の2つ。
当たり前と言えば当たり前ですが、まずはこのどちらに当てはまるかを認識することからスタートです。
「衣替えしない収納」を作る場合の大前提
2つの選択肢どちらの場合であっても、覚えておきたいのは「普段使いの服は、1か所にまとめた方が総量を把握しやすい」ということです。衣類の収納は、家のあちこちに分散するのではなく、1か所にまとめるのがおすすめです。礼服やドレス、パジャマなどのホームウェアはこの枠には入れなくて大丈夫です。
また、自分が覚えていない物は無いのと同じです。洋服を所有するときは、「自分が持っていると認識できる数や量」を意識しましょう。好きな服やアイテムはたくさん持っていても覚えているものなので、量や数が多いか少ないかは、ご自身の感覚で構いません。
【パターンA】
大きな収納場所がある場合は、服のチーム分けをしよう

それではまず、収納場所が確保されている場合の「衣替えしない収納」の作り方についてお話していきます。
大きな収納があっても、整理整頓できていないと衣替えが必要になってしまいます。
そのため、収納計画を立てて、服の「チーム分け」をするのがコツです。
「服のチーム分け」は、
(ママ、パパ、子どもなど)
・カテゴリー別
(①アウター/②トップス・Tシャツ・カットソー/③スウェット・ニット/④パンツ・スカート/⑤ワンピース/⑥インナー/⑦ルームウェア/など)
※ネットショップのカテゴリーを参考にすると◎
・TPO別
(仕事用、休日用、礼服など)
・コーディネート別
(お気に入りの組み合わせなど)
などになります。共用でない限り、人物別に分けておくのは必須。
その他は、自分や家族が認識しやすい分類で、複合的に考えてOKです。
服のチーム分けができたら、
・使う頻度の高いものを手に取りやすい場所に置く
・着替える場所(脱衣所など)が決まっているときはその近くに置く
というルールを元に、服の定位置を決めましょう。
一見簡単なようですが、肝心なのはこの状態を維持することです。
子育て家庭では、メインで片付けをする人だけでなく、家族全員が片付け場所を認識し、誰もがその場所に戻してくれる状態でなければ、維持するのは至難の業。どの洋服をどこに戻せばよいか、ラベルをつけておきたいですね。ラベルがあれば、家事代行サービスで片付けをお願いした時にも、細かい指示を出さずに済みます。
服の取捨選択が必要ない方は、「衣替えしない収納」を作るための5STEPにお進みください。
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【パターンB】
収納場所が限られているなら、必要な服の数を把握して

子育て家庭は、子どもが生まれた後に引っ越しをしていなければ、単純に家の面積や収納は増えないまま、構成人数が増えたことになります。そのため、多くの方は【パターンB】の状態ではないでしょうか?
収納場所が限られている前提で、「衣替えしない収納」を手に入れるには、服を減らすしかありません。
服を減らすためには、必要な服の数を把握することが大事です。
必要な服の数は、洗濯の頻度を鑑みて、最低限必要な服の枚数を割り出し、その数にプラス2〜3枚足した数になります。家族一人一人の必要な服の数を決めることが、「衣替えしない収納」を作る必須条件となります。
子育て家庭では、大人の服と子どもの服の両方がある状態です。子供の服と大人の服は、服を減らす際のポイントが少し異なります。それぞれ、減らす方法を詳しく見ていきましょう。
子供の服を減らす時のポイント
成長目まぐるしい時期の子どもの服は、「衣替えしない収納」を作ったとしても、常に処分したり買い足したりする必要があります。そのため、衣替えの有無に関わらず、子どもの服を減らす時のポイントをお伝えします。
□少しでもサイズが小さくなっている服(半年後に着られないもの)
□子どもが好まないために着ていない服(キャラクターが嫌い、色が嫌い、チクチクする、着替えさせにくいなど)
□保育園などに置いておくサブ用にならない服
□下の子に保存できない服
・保存するならサイズ別に分けておく
・ゴムは5年ほどで劣化するためボトムは望み薄
・汚れがある服は1年置くと変色し、使用感がより目立つ
大人の服を減らす時のポイント
大人はTPOによって服を使い分けるので、子どもよりも服が多くなりがちです。大きく体形が変わらなければ、服を処分する機会がないため、気が付けば数十年前に買った服がたまっていることも。そこで、大人の服を減らすためのポイントを紹介します。
□サイズが合わない服(直して着ようと思っている服を含む)
□デザインは気に入っているが、コーディネートが難しくて着ていない服
□売れるかもと思って置いている服
□3年以上着ていない服
□似合う自信が持てない服
□災害や救急などで人に見られる状況を想定し、「見られたら困る」と思うような下着、インナー、ホームウェア
似合うかどうか分からない服は、自分で判断しようとすると時間がかかったり、思い入れがあって捨てるのを迷ったりすることがあります。そんな時は、家族や家事サポーターなど他の人に似合うかどうか判断してもらうのも手です。
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「衣替えしない収納」に近づく!服を整理する3STEP

服の量を自宅の収納の広さに合わせて調整するだけでは、「衣替えしない収納」にはたどり着けません。ここからは、「衣替えしない収納」に近づくための整理術を3つのSTEPで紹介していきます。
【整理STEP1】家族それぞれ一人ずつに必要な服の数を決める
収納場所が限られている人は必須ですが、現在収納場所に困っていない人でも、今後服が増えていくことを考えると、カテゴリー別に必要な服の数を決めておくのがおすすめです。
子どもの服なら、サイズアウトしたときに買い足す服の数がすぐに分かります。大人の場合は、無駄な買い物を減らすことにもつながります。
ただし必要な服の数を決めるのは、かなり難しい作業でもあります。これが済めば、「衣替えしない収納」の完成までは、既に5割が終わったと考えていただいてOKです。
【整理STEP2】手元にある服を全て出して1ヶ所に集める
必要な服の数が決まったら、持っている服を一旦すべてクローゼットやタンスから出してみましょう。子育て家庭の場合は、家族全員分出してしまうと仕分けに手間がかかるので、一人分ずつ行うようにします。
この作業をすると、大体の方が「こんなに服があったのか」と驚かれます。また、同じような色の服ばかりに偏っている、トップスばかりが多いなど、自分の買い物傾向も客観的に分かります。
【整理STEP3】カテゴリー別の必要数に応じて服を選ぶ
服を出したら、最初に決めたカテゴリー別の必要数に応じて服を選んでいきましょう。残すべきか捨てるべきか悩んだら、一度着てみるのもアリです。「少しきつい」「スタイルが悪く見える」など、着てみて気付くこともあるためです。
「衣替えしない収納」を作るための5STEP

ここからはパターンA・Bともに同じステップとなります。
家族全員分の服の整理が済んだら、「衣替えしない収納」の完成までは8割が済んだも同然です!とはいえ、衣替えをしたくないのなら、収納の仕方はとても重要。紹介する5つのSTEPを参考にして、服を片付けていきましょう。
【収納STEP1】服を入れる場所を決める
普段使いの服は、1か所にまとめた方が把握しやすくなります。ただし、着替える場所が決まっているときはその近くに置くのが便利です。特に子供はパジャマなどは脱衣所にある方が楽。誰のどの服をどこに置くか、“服の住所”を決めましょう。
【収納STEP2】収納の内寸を測って収納家具を選ぶ
どこに何を入れるかを決めたら、次は収納スペースを測ります。クローゼットの棚に収納ボックスを置くなら、棚の高さや幅、奥行きをチェック。押し入れに入れるのなら、押し入れの内寸を測りましょう。
【収納STEP3】同じ大きさの収納家具をそろえる
衣替えしない収納を作るためには、できるだけ同じサイズの引き出しやボックスを使うようにするのがポイントです。そうすることで、引き出しやボックスを入れ替えるだけでアイテムの収納場所を変更することができます。
収納場所にピッタリ収まるボックスを探すのは難しいですよね。そこでお勧めしたいのが「MONO SIZE」というサイトです。100円均一のショップで売られているボックスの大きさを、店に行くことなく確認することができます。
「MONO SIZE」 https://monosizecatalog.com/
【収納STEP4】季節別はNG!服はチームごとに分けて入れていく
収納が完成したら、整理した服をチームに分けて入れていきます。
チーム分類は、まず人物別で分け、その後はカテゴリー別(服のネットショップの商品カテゴリーを参考にすると◎)、TPO別(普段着、仕事服など)などご自身が把握しやすい分け方を取り入れます。
ただし、ここで重要なことが一つあります。それは、服を季節別に分けないということ。
多くのご家庭では、「夏物」「冬物」という分け方で洋服を仕舞っているのではないでしょうか。
「衣替えしない収納」を作りたいなら、この“季節”を取っ払うことが正解です。
具体的には、以下のような以下のようなチーム分類で引き出しに入れていきます。
「ママ 仕事用 トップス」「パパ 仕事用 ボトムス」
「ママ 普段着 Tシャツ」「パパ 普段着 スウェット」
ではどうやって半袖長袖を分けるのか…と疑問に思われるかもしれません。でもその心配は無用!季節が移り替わるのに従って、その引き出しの中から季節に合うものを着ていけばよいのです。そして洗濯して引き出しに戻すときに、手前に入れていきます。
そうすることで、常に季節に合った服が手前に入っている引き出しが完成します。少し寒くなってきたら、薄手の長袖を自然と選んでいけばOKです。
厚手のセーターやフリース、コートなど、引き出しにいれておくとかさばる物は、収納ケースに入れて少し取り出しにくい場所に分けてまとめておいても構いません。
この方法は、小さなお子様がいるご家庭に特にオススメです。小学生くらいまでの子どもは暑がることが多いので、子ども服を季節に関係なくアイテムごとにしておくと、季節の変わり目でも対応しやすくなります。
【収納STEP5】収納にラベリングをする
収納が整ったら、最後にラベリングをしておくと完璧です。STEP4で入れたチームごとの名称を貼っておきましょう。「ママ 仕事服 トップス」「パパ 休日用 アウター」「〇〇ちゃん ズボン」といった具合です。
今後は、このラベリングに沿って洗濯した服を入れて行けば、季節にあった服が手前に来るので、衣替えという作業がなくなります!
仕事服はハンガーにかける物が多いと思うので、引き出しのラベリングは普段着が多くなります。そんな時は、「人物 カテゴリー」だけのラベルでもOK。お子様がまだ字が読めない年齢なら、Tシャツやズボンのイラストを描いてあげると分かりやすいです。
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衣替えしない収納にオススメのアイテムの選び方
「衣替えしない収納」を作るためには、同じ大きさの収納家具やボックス以外にも、取り入れていただきたいアイテムがありますので、いくつかご紹介します。
・中が見えるクリアケース
クローゼットなど扉があるところに置くなら、断然中が見えるクリアケースの収納ボックスがオススメです。クリアケースを何個も買うと出費がかさむので安いものを選びがちですが、値段に引っ張られずできるだけ使い勝手の良い商品、壊れにくくしっかりした商品を選んでください。後で買い足すことも想定して、継続的に売っている商品だと安心です。
・ずり落ちないハンガー
衣替えしない収納を作るには引き出しやボックスに仕舞わず、ハンガーにかけたままにしておくのも有効です。ただし、かけていた服が知らず知らずのうちにずり落ちてしまうと、しわがついてすぐに着られないことも……。収納を改善する際はずり落ちないハンガーに替えると、今後のプチストレスの軽減につながります。
・立てて置ける紙袋
季節もののバッグや帽子など、引き出しやボックスに仕舞い切れないものは、底が大きめの立てて置ける紙袋に入れましょう。この際、紙袋も同じ大きさや色でそろえると、見た目も整います。
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衣替えしない収納を作るなら、プロのサポートがオススメ
衣替えをしなくてよい状態にするためには、服の整理と収納の改善が不可欠です。ただし、忙しい日常を過ごしている子育て家庭では、家族で本腰を入れないとなかなか「衣替えしない収納」は完成できないかもしれません。
そこでぜひ頼ってもらいたいのが、整理収納のプロの力です。「できるだけ衣替えが楽になる収納を作ってほしい」「カテゴリーごとに収納を整理してほしい」など、要望を伝えれば、ご自宅にあった収納プランを立て、収納を改善してもらうことができます。
どの服を捨てるかはご自身で決める必要がありますが、服の取捨選択もプロのアドバイスがあれば一人の時よりもはかどること間違いなしです。
特に、新しい家に引っ越す前や引っ越し直後に収納計画を依頼すると、その後の生活がグッと楽になります。
キッズラインの家事代行サービスには、整理収納アドバイザー1級の資格を持った家事サポーターが多数在籍しています。中には保育士や幼稚園教諭の資格を持つサポーターもいるので、子育て家庭に寄り添った収納を的確にアドバイスしてくれます。
他の家事代行サービスと異なり、自分で依頼したいサポーターをご予算に合わせて選ぶことができるのも、キッズラインの特長です。相性の良いサポーターが見つかれば、毎週定期で依頼することもできるので、ぜひ家事負担の軽減を検討してみてください。
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まとめ|衣替えしない収納を手に入れて、家事負担を減らそう
子育て家庭の「衣替えしない収納」の作り方はいかがでしたか?忙しい子育て家庭の場合、服の整理整頓ができると、日々の暮らしの中での家事負担を減らすことにつながります。とはいえ、週末に手を付けて片付けが終わらずに平日を迎えるのは避けたいですね。そんな時は家事代行サービスの力を借りてみてはいかがでしょうか?衣替えから解放されると、想像以上に季節の変わり目が楽になるはずです!
キッズラインでの活動歴は、3年4ヶ月。保育士資格に加え、整理収納アドバイザー1級、整理収納教育士認定講師の資格を活かし、数多くの子育て家庭の収納改善を手掛ける。家事サポーターの他、ベビーシッターとしても活躍中。
片岡さんのプロフィールページはこちら
https://kidsline.me/sitters/show/u4066191007
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