「う〜」「あ〜」とやさしく響く赤ちゃんの声。これはクーイングと呼ばれ、赤ちゃんにとって「ことばのはじまり」です。しかし、中には「うちの子、あまり声を出さないけど大丈夫?」と不安を感じる方もいるかもしれませんね。ここでは、助産師の視点からクーイングの意味や喃語との違い、発達の目安、そしてママやパパができる関わり方を、わかりやすくお伝えします。

クーイングとは?赤ちゃんの「ことばの芽生え」を理解しよう


赤ちゃんと両親
「クーイング」は、赤ちゃんの発達における大切なステップのひとつです。やさしい声で「う〜」「あ〜」といった母音を発するのが特徴です。

クーイングはいつから始まる?

赤ちゃんが「う〜」「あ〜」といったやさしい声を出し始めるのは、生後1〜2ヶ月ごろ。おっぱいを飲んで満足したときや、おむつが新しくなりすっきりしたあとなど、ごきげんなタイミングで声を出すことが多いです。最初はささやくような小さな音ですが、これは赤ちゃんなりの「気持ちいいよ」「ここにいるよ」といったメッセージ。泣くことでしか意思表示できなかった新生児期から一歩進み、親子のやりとりが始まりつつあるサインです。

クーイングは、発語の準備段階

まだ言葉を話せない赤ちゃんにとって、「声を出すこと」そのものが、おしゃべりの準備です。クーイングでは、「あ〜」「う〜」といった母音中心のやさしい音を繰り返しながら、声帯や呼吸のコントロールを少しずつ身につけていきます。
実は、こうした声遊びをたくさん経験した赤ちゃんは、語彙の習得や発語がスムーズに進みやすいとも言われています。声を出して楽しむこと自体が、発語の土台を築くことになります。筆者は助産師として赤ちゃんと関わる中で、「クーイングがよく出ていた子は、その後の喃語や発語が自然と出やすい」と感じることが多くありました。

クーイングの音の特徴

クーイングには、「あー」「うー」といった母音中心の穏やかな音が多く含まれます。舌や唇を複雑に動かす必要がないため、赤ちゃんにとって出しやすく、ごきげんなときには自然と声がこぼれるようになります。
泣き声とは異なり、やわらかく、長く響くような音が特徴です。お口の動きがまだ未熟な赤ちゃんでも出しやすく、まさに「声のはじまり」にふさわしいサインと言えます。
また、声の高さやテンポには赤ちゃん一人一人の個性があらわれます。「この子、こんな声を出すんだ」と気づくことで、我が子と関わる時間がより愛おしく、楽しくなるはずです。

クーイングは「ここにいるよ」のサイン

「今、機嫌がいいんだよ」「ここにいるよ」「こっちを見て!」。赤ちゃんは、クーイングによってそうした気持ちを伝えています。クーイングが聞こえたら、赤ちゃんとコミュニケーションをとるチャンス。おむつ替えや授乳のときなど、こちらも優しく語りかけると、赤ちゃんの声がさらに豊かになることでしょう。

クーイングを通じて、親子の絆が深まる

赤ちゃんのクーイングは、まわりの大人とのやりとりの中で少しずつ育っていきます。笑顔で応えたり、赤ちゃんの声をまねして返してあげたりすると、「伝わった」「うれしい」と感じて、さらに声を出すこともあります。
実際に筆者が訪問したご家庭でも、「最近よく声を出すようになったんです」と話される方は、日ごろから赤ちゃんにたくさん語りかけておられる傾向がありました。こうした日々のやりとりの積み重ねが、赤ちゃんとの信頼関係や愛着を育みます。

クーイングと喃語(バブリング)の違い。発達のプロセス


赤ちゃん
クーイングに続く発声が「喃語(バブリング)」です。どちらも赤ちゃんの発達において重要な役割を果たしますが、音の特徴や発達段階においては、明確な違いがあります。
ここからは、クーイングと喃語の違い、そしてそれぞれがどのように発語へとつながっていくのかを、わかりやすくご紹介します。

クーイングと喃語の違いは“音の構成”にある

クーイングと喃語の大きな違いは、音の構成にあります。
クーイングは「うー」「あー」など、母音だけで構成されますが、喃語(バブリング)は「ばばば」「だだだ」「まーま」のように、子音と母音が混じっているのが特徴です。
喃語が出てくるには、舌や唇、口の開け閉めなどの動きがある程度発達している必要があります。つまり、赤ちゃんの口まわりの運動機能がより複雑になってきた証なのです。

喃語はいつから始まる?

喃語は、生後5〜6ヶ月ごろから始まることが多いですが、発達のスピードには個人差があります。「ば」「ぶ」「だ」などの音を繰り返すようになるのは、声を自分でコントロールする力がついてきたサインです。
早産で生まれた赤ちゃんや、もともとおとなしい性格の赤ちゃんは、少しゆっくりスタートすることもあります。とはいえ、ほかの発達が順調であれば心配はいりません。表情が豊かだったり、目を合わせて反応してくれるようなら、その子のペースでしっかり育っている証拠です。焦らず、あたたかく見守りましょう。

言葉の発達には、いくつかのプロセスがある

言葉の発達は、クーイング → 喃語 → 発語(意味のある単語)という順に、段階的に進んでいきます。
たとえば「まま」「ぱぱ」といった言葉も、最初は喃語のような音を繰り返しながら練習し、やがて意味を理解して、言葉として使われるようになります。
乳児期に喃語をたくさん発していた子どもほど、2歳以降の語彙力や文法理解が高い傾向にあることを示す研究もあります。「今の声遊びが、未来のおしゃべりの土台をつくっている」ととらえると、赤ちゃんの発するひと声ひと声が、より愛おしく感じられるかもしれませんね。

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クーイングが赤ちゃんに与える影響と親の関わり方


赤ちゃんの手
クーイングは、単なる声遊びではなく、赤ちゃんの心や身体の発達に大きな影響を与える大切なステップです。クーイングがもたらす発達的な意義と、それをサポートするためにパパママができる適切な関わり方を紹介します。

クーイングは感情・聴覚・社会性の土台を育てる

クーイングを通して、赤ちゃんは自分の声を聞く経験を重ねていきます。
これは聴覚フィードバックと呼ばれ、自分の声を耳で確かめながら、発声を調整する力を育んでいるのです。
また、「うれしい」「たのしい」といった気持ちを声にして表現することで、感情のコントロール力も少しずつ伸びていきます。さらに、周りにいる大人がその声に反応することで、「伝わった」「わかってもらえた」という安心感を得ることができ、赤ちゃんの社会性を育てる第一歩にもつながります。

パパママのクーイングを育む関わり方

赤ちゃんのクーイングは、周りの大人との関わりによって、どんどん豊かになっていきます。たとえば、次のような関わりが効果的です。

・目を見て、笑顔でやさしく話しかける。
・赤ちゃんの声をまねして、同じ音を返してあげる。
・声だけでなく、表情やスキンシップもたっぷりと行う。
・赤ちゃん言葉ではなく、普段どおりの言葉で語りかける。
・今やっていることを実況中継のように話す。
・絵本を読みながら一緒に声やリズムを楽しむ。

こうしたやりとりを重ねることで、「もっと声を出したい!」「もっと伝えたい!」という気持ちが赤ちゃんの中に育っていきます。クーイングが聞こえ始めたら、できるだけたくさんの話しかけ、たくさんの言葉に触れさせてあげましょう。赤ちゃんは、言葉のシャワーを浴びながら、将来の語彙力や表現力の土台を築いていきます。

日常の中でできる「語りかけ」

特別な時間を設けなくても、クーイングへの関わりは日常生活の中で十分にできます。

授乳中: 「おいしいね」「ごくごく飲めたね」
おむつ替え時: 「すっきりしたね」「いい気持ちだね」
抱っこ中: 「あったかいね」「ママはここにいるよ」


これらの語りかけが、赤ちゃんの声を引き出すきっかけになります。助産師として筆者も、忙しいママパパには「特別なことをするよりも、日々のケアの中で赤ちゃんに声をかけてあげるだけで十分です」とお伝えしています。

赤ちゃんのクーイングが少ないときの対応と相談先


不安そうな母親
赤ちゃんがなかなかクーイングしないと、「うちの子、大丈夫かな…?」と不安になる親御さんも少なくありません。でも、クーイングの出方には個人差があります。様子を見るポイントや、必要に応じた相談先についてお伝えします。

クーイングには個人差がある

「他の赤ちゃんより声が少ない気がする」「あまりクーイングを聞かない」と不安になることもありますよね。でも、クーイングの出方にはかなりの個人差があります。もともとおとなしい性格だったり、きょうだいがいてにぎやかな環境だったりすると、自分から声を出す機会が少なくなることもあります。

大切なのは、「まったく音を出さない」のか、「発声はあるけど少ないだけ」なのかを見極めることです。クーイング以外に、視線が合う、表情が豊か、抱っこで安心している様子があるなど、他の発達が順調であればあまり心配しなくても大丈夫ですよ。

気になるときは、健診や専門機関へ相談を

一方で、以下のような場合は早めに相談することをおすすめします。

・生後3ヶ月を過ぎても、ほとんど発声が聞かれない
・名前を呼んでも音への反応がない
・音楽や物音といった環境音への反応が乏しい

まれですが、聴覚の問題や神経系の発達遅延が背景にある場合もあるため、まずは地域の保健センターやかかりつけ小児科に相談してみましょう。
また、乳児健診や産後ケア訪問時に助産師や保健師へ「ちょっと気になるんですが……」と一言伝えるだけでも、発達の専門的な視点からアドバイスがもらえることがあります。
早めの相談が、必要な支援や安心感につながります。気になることがあれば、遠慮せずに相談をしましょう。

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クーイング期の赤ちゃんに寄り添うには? 親のゆとりを支えるベビーシッター活用法


ベビーシッター
赤ちゃんとしっかり向き合いたいと思っても、家事や育児に追われる毎日では、心に余裕を持つのはなかなか難しいものです。ゆとりがないと、赤ちゃんの様子に気を配ったり、クーイングを通じたコミュニケーションを楽しんだりすることが難しくなってしまいます。
ママパパの心と時間に余白をつくる方法の一つに、ベビーシッターへの依頼があります。家族以外の人の手を借りることで、赤ちゃんとの時間が、より豊かであたたかいものになるはずです。

クーイングに応じるには「親の心の余裕」が必要

クーイングは、赤ちゃんからの「もっと遊ぼうよ」「お話しようよ」というサインです。
赤ちゃんからのメッセージに気づき、やさしく応えてあげるには、ママやパパ自身が心にも時間にも少し余裕を持って、赤ちゃんと向き合えることが大切です。
しかし、産後は生活が大きく変わります。寝不足のなかで授乳や抱っこをこなし、合間に家事もこなさなければならない……。そのような中で、心に余裕を持つのは難しいものです。
助産師としてご家庭を訪問する中でも、「もっと声をかけてあげたいけど、疲れていて気づけなかった」と話される方は少なくありませんでした。そんなときは、無理をしすぎず、誰かに頼るという選択肢を持ちましょう。それは、赤ちゃんにとっても、ママ・パパ自身にとっても大切なことです。

ベビーシッターの活用は「親子の安心」を守る手段

「ベビーシッターは、歩き出したり、意思表示ができるようになってから頼むもの」というイメージを持つかもしれませんね。ベビーシッターによりますが、生後間もない赤ちゃんもサポートを受けられる場合があります。ベビーシッターへの依頼内容としては、「短時間だけ赤ちゃんを見てもらい、パパママが休息をとる」「きょうだいの送迎中、赤ちゃんを自宅で見守ってもらう」といったものがあります。

ファミサポとの違い


ベビーシッターと似たような支援・サービスとして、ファミリー・サポート・センター(ファミサポ)があります。ただファミサポは地域のボランティアによる支援であるため、依頼できる内容や対応できる年齢が自治体によって異なります。また、必要なタイミングで予約が取りにくいこともあります。

ベビーシッターとファミサポの大きな違いは、「サポーターの専門性」と「サービスの柔軟さ」にあります。ベビーシッターの中には、保育士や看護師などの資格を持つ方も多く、利用時間や依頼内容も比較的自由に選べる傾向があります。ファミサポに比べて費用はやや高めですが、有資格者による専門的なサポートに安心感を覚える方も少なくありません。

パパやママに心と時間の余白が生まれることで、赤ちゃんの小さなサインにも気づきやすくなります。クーイングにやさしく応じるひとときが、もっと愛おしく感じられるのではないでしょうか。

キッズラインならスマホからシッターを探せる

ベビーシッターのマッチングプラットフォームであるキッズラインは全国47都道府県にベビーシッターがおり、スマホから24時間いつでも検索・依頼をすることができます。ベビーシッターは、保育士資格など8つの資格または研修修了者のみが登録可能で、保育のプロが揃っています。

キッズラインには、保育士や看護師などの専門資格をもつベビーシッターも在籍しており、0歳0ヶ月の赤ちゃんにも対応できるシッターが登録されています。授乳のサポートやおむつ替え、寝かしつけなど、生まれたばかりの赤ちゃんへのケアを安心して任せることができます。

また、育児経験が豊富なベビーシッターから「こんなふうに声をかけてあげると反応がいいですよ」といった実践的な関わりを間近で見ることで、パパママ自身が赤ちゃんとの接し方に自信を持てるようになるケースもあります。頼ることで、赤ちゃんとの時間がよりあたたかく、愛おしいものになるはずです。

キッズラインでベビーシッターを依頼するには、事前に顔合わせまたは事前面談が必要です。急に依頼する必要がある場合に備えて、まずは一度お試しで頼んでみるとよいでしょう。子育ての疲れを一人で抱え込まず、ときにはサポートを得ながら子どもと向き合っていきたいですね。

▼「顔合わせ」と「事前面談」については、こちら参照ください。

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■フリーランス助産師 上原沙希
東京女子医科大学病院 産婦人科 MFICU に勤務後、より多くの方の力になりたいという思いを抱き、英語力習得のためヨーロッパ留学とギリシャ難民ボランティアへ。その後フリーランス助産師として独立し産婦人科クリニックにてお産介助や妊婦指導などを行う傍ら精神疾患患者や障害をお持ちの患者さんのケアも行う。現在は子持ちフリーランス助産師として産婦人科業務以外にも妊産婦向け商品開発やライター、思春期相談、マタニティヨガ指導、性教育など幅広く活動中。


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