朝になると「行きたくない」と泣き出す子どもに戸惑うママパパも多いのではないでしょうか。
この記事では、子どもが登園渋りをする理由と、年齢別の傾向、家庭でできる具体的な対応策 などを、保育士が解説します。子どもの気持ちが少しずつ見えてきて、親子の朝がラクになるヒントが見つかるはずです。

登園渋りとは?年齢別の傾向とよくある理由


泣く子ども
「登園渋り」とは、保育園や幼稚園へ行くのを嫌がることです。泣いたり、玄関先で頑なに動かなくなったり、時には体調が悪そうにしたりと、子どもはさまざまな形で保育園に行きたくない気持ちを表現することがあります。

ここからは、よく見られる登園渋りの理由を、年齢ごとに紹介します。

【1歳児】ママパパと離れて不安を感じる

1歳くらいになると、「ここ(保育園)に来るとママパパがいなくなる」ことが分かるようになります。そのため、保育園の玄関や保育室の入り口で泣き、登園渋りをすることがあります。

安心できる存在であるママパパと離れて過ごすのは、この時期の子どもにとって大きな不安となります。
しかし、繰り返し保育園に通うことで、「ママパパは行ってしまうけど、お迎えに来てくれるんだ」「ママパパがいない間は、先生が一緒にいてくれるから安心なんだ」ということが感覚的に分かってきます。

【2歳児】集団生活にストレスを感じる

2歳児は、集団生活に対するストレスから登園渋りをすることがあります。この時期の子どもは、周りにいる子どもの存在を意識し始め、一緒に遊ぶことを楽しむようになる頃です。

一方で、イヤイヤ期とも呼ばれる自己主張が強まる時期に当たるため、玩具を順番に使ったり、周りに合わせて行動することにストレスを感じる場合があります。自由に過ごせる家庭との環境の違いにギャップを感じ、「保育園に行きたくない」と抵抗を示すことがあります。

【3歳児】大人に甘えたい気持ちがある

3歳児はまだ大人に甘えたい気持ちがある時期ですが、保育士の配置が変わることで寂しさを感じ、登園渋りをするケースがあります。


2歳児クラスでは、子ども6人に対して保育士1名の配置であるため、クラスに複数の担任がいる場合が多いでしょう。しかし、3歳児クラスになると子ども15人に対して保育士1名の配置となるため、一人担任になることも少なくありません。

その場合、子どもが困ったときや甘えたいとき、すぐに応えてもらえない場面が増えることがあります。子どもに「自分でやってみよう」という自立を促す環境である一方で、2歳児クラスとのギャップで「先生がすぐに来てくれない」とストレスに感じることもあります。

【4~5歳児】友だちとの人間関係に悩む

4~5歳になると、先生との関わりよりも友だち同士の関わりの方が楽しくなってきます。そのため、うまく仲間に入れなかったり、喧嘩したりすることが続くと、登園渋りをする場合があります。

また、いつも一緒にいて一見仲が良さそうに見えても、相手の主張が強くて自分の意見が言えず、ストレスを抱えている場合もあります。友だちとの関係性が園生活の意欲へと大きく関わる時期だと言えるでしょう。

保育士が見てきた「登園渋り」のよくあるケース


母親と子ども
登園渋りの表れ方は、子どもによってさまざまです。「行きたくない」と泣く背景には必ず理由があります。保育現場でよく見られる登園渋りのケースを見ていきましょう。
なお、0歳児でも保育士に引き渡す際に泣くことはありますが、「保育園に行きたくない」というよりは、「ママパパから離れたくない」という一時的な不安が原因である場合が多いです。そのため、他の年齢の「登園渋り」とは少し異なります。
保育士との信頼関係ができ、園生活に慣れていけば、泣かないで登園できるようになってきます。

朝だけ泣くが園ではケロッとしている

朝、保育士に受け渡すときには大泣きするのに、お迎えに行くと「朝はすぐに泣き止んで遊び始めましたよ」と聞くママパパは多いのではないでしょうか。
実は、気持ちの切り替えが上手な子どもは多く、ママパパと離れた後は保育園モードに入り、楽しく友だちと遊び始めることはよくあります。

大人でも朝は「仕事に行きたくないな」「布団から出たくないな」と思うことがありますよね。でも、出社すると仕事モードに切り替わり、頭と身体が動き始めるのと同じです。「保育園に行きたくない」も、「保育園は楽しい」も、どちらも子どもにとって本当の気持ちなのです。

「ママがいい!」と泣いて離れない

登園してから保育士に引き渡す時に「ママがいい!」と泣いて離れないといった経験をした方もいるのではないでしょうか。ママが離そうとしても、保育士が抱っこで受け取ろうとしても、服にしがみついて離れないことがあります。

「ママがいい」と泣くのは、ママとの愛着関係が順調に育っている証拠です。離れることへの不安を抱いているため、まずは子どもの気持ちを受け止めます。

「〇〇先生がイヤ」と言うけど…本音は別のところにある?

子どもが「○○先生がイヤ」と言い、登園渋りをする場合もあります。この場合、子どもの発言にSOSが含まれている可能性があるので、まずは子どもの話をよく聞きます。

ただ、多くの場合、先生を本当に嫌っているわけではなく、 子どもにとって一番わかりやすい存在として先生の名前を挙げ、「保育園に行きたくない」という気持ちを表現 しています。
集団生活のストレスや友だちとの関係など、子ども自身もうまく言葉にできない不安が背景にあるケースも多いものです。表に出てきた言葉だけで判断せず、その奥にある本当の気持ちに目を向けましょう。

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家庭でできる「登園渋り」への5つの対応策


親子
登園渋りは、保育園や幼稚園に通う多くの子どもが経験しています。子どもが安心して登園できるようになるためにも、心に寄り添いながら子どもに合った対応策を探っていきたいですね。ここからは、ママパパが家庭で実践できる対応策を5つご紹介します。

子どもの気持ちを否定せずに受け止める

「保育園に行きたくない」という子どもの気持ちに対して、「わがまま言わないの」と否定するのではなく、まずはその気持ちを受け止めることが大切です。「そうなんだね、行きたくないんだね」と共感を示しましょう。

うまく対応できない場合は、子どもの言葉をそのまま使う「おうむ返し」から始めてみましょう。「〇〇が嫌なんだもん」に対しては、「〇〇が嫌だったんだね」「〇〇が嫌だから保育園に行きたくないんだね」と返します。
 
「自分の話を受け入れてもらえている」と感じることで、子どもは安心して本音を話せるようになります。登園渋りの根本的な原因を把握するためにも、まずは子どもの言葉に耳を傾けることを意識しましょう。


登園前のルーティンを作る

毎朝同じ流れで過ごすことにより、子どもはその日の見通しを持つことができ、安心して朝の時間を過ごせるようになります。「起床→着替え→朝食→登園準備」など順序を決め、その日のスケジュールをイラストで示して、子どもが見て理解しやすくするのもよいでしょう。

また、おしぼりや連絡帳など、園へ持っていく物は自分でカバンへ入れられるよう、カゴの中へ準備しておきましょう。自分で登園準備をすることで、「これから保育園に行くんだ」という気持ちの準備にもなります。

「楽しみなこと」をセットで伝える

 
登園する際は、子どもがワクワクするような話をすると、気持ちの切り替えがしやすくなります。「今日の給食はカレーだね」「仲良しの〇〇ちゃん、もう来てるかな」など、具体的に子どもがイメージできる内容を選びます。

忙しいからといって無言になったり、ネガティブな話をしていたりすると、子どもも気持ちが暗くなってしまいます。園での活動や生活に意識を向け、子どもが喜びそうな話のネタを準備しておきましょう。

送迎の工夫(見送り方・引き渡し方)

送迎時はあまり時間をかけず、簡潔な見送りを心がけましょう。「ママ、行ってくるね。◯時にお迎えに来るからね」と安心できる言葉をかけ、笑顔でハグやタッチなどのスキンシップを行います。

お迎えの際は「ただいま。今日は何して遊んだの?」と子どもの一日に関心を寄せ、園での出来事を聞く時間を作りましょう。 毎日繰り返される愛情を感じられる対応が、「ママパパは自分を大切に思ってくれている」という確信に繋がります。

週末・お迎え後に“安心感”を取り戻す関わり方をする

保育園から帰った後や、週末のお休みの日には、家庭でリラックスしたり、ママパパとのスキンシップを楽しんだりする時間を持つことが大切です。子どものペースに合わせてゆったりと過ごすようにしましょう。

平日の帰宅後は時間がないと感じる方でも、食事をしている時や入浴しているとき、寝かしつけの時間帯は、意識的に子どもの言葉に耳を傾けたり、「今日も楽しかったね」「大好きだよ」といった愛情溢れる言葉かけを積極的に行いましょう。
短い時間でも親子の時間を作ることで、子どもの情緒を安定させ、翌朝の登園への意欲につながっていきます。

やってはいけないNG対応とは?


不機嫌な母親
登園渋りに直面したとき、焦りや困惑から無意識に子どもを傷つける言葉をかけてしまうことがあります。これらのNG対応が続くと、問題を悪化させるだけでなく、子どもの心に深い傷を残す可能性があるので気をつけたいですね。
ここからは、ママパパが避けたい対応パターンを3つ紹介します。

「なんで泣くの?」と責める

子どもが泣いているときに「なんで泣くの?」「泣くのは止めて」と責めるような言葉をかけるのは逆効果です。「なんで」という言葉で泣く理由を尋ねているつもりでも、子どもは責められているように感じることがあります。

「「保育園へ行きたくない」「ママパパの側にいたい」という気持ちを抱くのは、子どもにとって自然なものです。それを否定されると余計に心を閉ざしてしまい、何も言わなくなってしまう可能性があります。

泣くことは子どもの自然な感情表現であるため、その気持ちを受け止めることが大切 です。責めるのではなく「保育園に行きたくないんだね」「ママと一緒にいたいんだね」と共感し、子どもの気持ちに寄り添うことから始めましょう。

「早くして!」と急かす

忙しい朝の時間帯に子どもがぐずると、つい「早くして!」「急いで!」と急かしてしまいがちです。しかし、急かされることで子どもはさらにプレッシャーを感じ、登園への不安が増してしまいます。

大人のペースに子どもが合わせるのは簡単なことではありません。だからこそ、子どものペースを大人が尊重し、子どもに合わせた時間の使い方を意識することが大切です。登園渋りが続いている場合は、ぐずる時間も想定して準備を進めておくと、時間だけでなく心にもゆとりが生まれてきます。

「行かないなら置いていくよ」と脅す

「行かないなら置いていくよ」「一人で家にいなさい」という言葉は、子どもに強い不安と恐怖を与えます。ママパパに見捨てられるかもしれないという恐怖は、子どもの心に深い傷を残し、信頼関係を損なう可能性があります。

たとえその場で子どもが言うことを聞いたとしても、脅すような対応は、登園渋りをかえって悪化させたり、長引かせたりすることがあります。特に、自分自身が子どもの頃に同じような言葉をかけられた経験のある方は、無意識のうちに同じ言葉を使ってしまいがちです。

そのようなときには、幼少期に感じた不安やさみしさを思い出し、子どもの気持ちに寄り添う声かけへと意識的に変えていきましょう。たとえば、「ママはお仕事だけど、ちゃんとお迎えに行くよ」「帰ったら一緒に遊ぼうね」といった、安心感を伝える言葉に置き換えることが大切です。

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「登園渋り」は、子どもの成長の証


微笑む保育士
毎朝「保育園に行きたくない」と泣くわが子を見て、困惑や不安を感じる方もいるでしょう。登園渋りは決して悪いことではなく、子どもの成長のサインでもあります。登園渋りに対する3つの捉え方を紹介します。

登園渋りは、その子なりのSOSや成長の証

登園渋りは、自分の思いを表現できるようになった成長の証です。子どもなりに環境の変化や心の葛藤など、 言葉でうまく表現できない気持ちを「行きたくない」という形で伝えています。

また、体調が悪かったり、保育園で嫌なことがあったりして「行きたくない」と表現している場合もあります。SOSを発信できるのは、子どもの成長において重要です。

無理やり「克服」させようとせず、長い目で見よう

登園渋りを早急に解決しようと焦る必要はありません。叱ったり、子どもの話を聞かずに連れていったりすると、かえって子どもの不安を助長させてしまいます。

まずは 子どもの気持ちを受け止め、「行きたくないんだね」と共感することが大切 です。子どもが安心して園生活を送れるよう、家庭と園が連携を取りながら、その子のペースに合わせてゆっくりと見守りましょう。

保育士や幼稚園教諭も保護者と共に、子どもを見守っている

保育士や幼稚園教諭は、登園渋りをする子どもたちを数多く見てきており、一人ひとりに合った対応方法を熟知しています。一人で悩まず、担任の先生とコミュニケーションをとりながら、一緒に子どもをサポートしていきましょう。

保育園や幼稚園の先生を信頼して任せることも重要です。疑問や悩みは抱え込まず、相談してみましょう。

ママパパが先生と笑顔で話している姿を見れば、子どもも「園は安心できる場所なんだ」と感じることができます。保育園や幼稚園の職員と協力して子どもを支え、登園渋りの時期を乗り越えていきたいですね。

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つらいときは、周囲の力も借りよう


ベビーシッターと子ども
登園渋りが続くと、ママパパも心身ともに疲れてしまいがちです。思うようにいかない毎朝に、イライラしたり、自分を責めたりしてしまうこともあるかもしれませんね。そのようなときには一人で悩みを抱え込まず、周囲のサポートを積極的に活用しましょう。

担任保育士や園長に相談しよう

登園渋りで悩んだときは、まず担任保育士や園長に相談してみましょう。子どもの園での様子や友だち関係、集団活動への参加状況など、家庭では見えない部分を教えてもらえます。

また、多くの子どもたちを見てきた経験から、年齢や個性に応じた具体的なアドバイスを受けることができます。園と家庭が意識を共有し、同じ方向性で子どもの対応を行っていきましょう。

育児相談窓口や支援センターを利用しよう

自治体の育児相談窓口や子育て支援センターも心強い味方です。保健師や臨床心理士など専門家による相談を無料で受けられる場合が多く、客観的な視点からアドバイスをもらうことができます。
また、同じような年頃の子どもを持つ保護者同士の交流の場としても活用できます。地域の支援を積極的に利用することで、悩みを解決するヒントが見つかるかもしれません。


ベビーシッターを活用するという選択肢も

登園渋りが続いて親子ともに疲れてしまったときは、ベビーシッターサービスの活用も検討してみましょう。たとえば、朝の準備が特に大変な日だけ依頼して園まで送ってもらったり、下の子の預け先として活用したりすることで、上の子と落ち着いて向き合える時間を確保できます。

また、ママパパが美容院や買い物などでリフレッシュする時間を持つことも大切です。心に余裕が生まれれば、子どもの登園渋りも温かい目で見守ることができるようになります。ママパパの余裕が子どもの安心に繋がります。無理をせず、周囲のサポートを上手に活用しながら、大変な時期を乗り越えていきましょう。

キッズラインなら、スマホからシッターを探せる

ベビーシッター・家事代行サービスを運営する「キッズライン」なら、パソコンやスマホで条件にあったベビーシッターを簡単に見つけることができます。

「キッズライン」には、保育士資格を持つ方や、子育て経験のあるシッターも多く在籍しています。1時間から利用できるため、通院や買い物などの外出はもちろん、「登園しぶりの対応でちょっと疲れてしまったな」というときの気分転換にも活用できます。
また、子どもの様子を見たシッターから、声かけの工夫や関わり方についてアドバイスをもらえることもあります。保育の知識や経験を持つ第三者の目線が入ることで、ママやパパ自身も安心できたり、新たな気づきが得られたりするかもしれません。

なお、初めてのシッターに保育を依頼する際には、オンラインでの顔合わせまたは対面での事前面談が必要です。まずはよさそうだなと思った人に連絡を取ってみて、お互いの相性を確かめてみましょう。

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■保育士ライター 佐野希子
18年目の現役保育士。独学で認定試験に合格し、幼稚園教諭の資格も取得。他に社会福祉士の資格も保有。現在は副主任として保育現場の指導とサポートに努めている。


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