「子どもを保育園へ預けるには、何歳からがよいのだろう」と悩んでいるママパパも多いのではないでしょうか。入園すれば、1日の大半を過ごす場所になるので、納得したうえで保育園を決めていきたいですね。この記事では、入園のタイミングや保育園の選び方を年齢別に解説します。

記事のポイント

⚫︎入園できる年齢や基準は認可と認可外で異なる
⚫︎0歳の4月入園が最も多く、入りやすい
⚫︎ベビーシッターの利用に自治体の助成があるケースも


保育園は何歳から入れる?入園可能な年齢と基準


保育園
保育園に預けるためには、園や自治体ごとに決められた基準を知る必要があります。保育園入園の可能な年齢や手続きについて見てみましょう。

入園できる時期は、認可と認可外で異なる

保育園への入園時期は、認可保育園と認可外保育園で異なります。認可保育園では、原則として生後57日(約2ヶ月)から入園できます。これには、労働基準法が関わっています。同法では、出産後8週間(56日間)は母親の就業が制限されています。そのため、一般的には産休明けの生後57日目から保育園での受け入れが始まります。

一方、認可外保育園では独自の基準を設定できるため、園によって入園可能な月齢が異なります。認可保育園同様、生後2ヶ月や、それ以降の受け入れを実施しているところが多く見られます。なお、保育園ごとに受け入れ開始時期には違いがあるため、入園を検討する際は、事前に自治体の案内や各園のホームページなどで情報を確認しておくことをおすすめします。

入園基準と必要な手続き

●認可保育園の場合
認可保育園の場合、自治体を通じて申し込みを行い、保育の必要性に応じて選考が行われます。申請には就労証明書や医師による診断書など、保護者が「保育を必要とする状況」であることを証明する書類などを提出します。保育園の入園申請において「保育を必要とする状況」とは、保護者が仕事をしている(就労)、学校に通っている(就学)、家族の介護や看護を行っている、病気や出産などにより育児が困難な状態などを指します。

●認可外保育園の場合
認可外保育園は施設に直接申し込みを行い、空き状況に応じて入園が決まります。認可外では理由を問わずに預かることができるため、必要書類は認可保育園に比べると少ない傾向にあります。

いずれの保育園を利用する場合でも、保育方針や施設の環境を事前に見学し、自分たちの希望や子どもの性格に合っているかを確認することが大切です。入園後に「思っていたのと違った」とならないよう、事前の情報収集をしっかり行いましょう。



保育園入園は何歳からがおすすめ?0歳入園の良い点と気をつけたい点


子どもを預ける父親
1歳のお誕生日で育休が終了するため、0歳児クラスからの入園を考えている方は多いのではないでしょうか?0歳児で入園する良い点と気をつけたい点を見ていきましょう。

0歳入園の良い点と気をつけたい点

【良い点】
保育園では子どもの食事や午睡時間がある程度決められているため、生活リズムが整いやすくなります。また、保育園では子どもの発達に合った環境や遊びが準備されていることも大きなメリットです。保育園は、子どもの成長を支えるだけでなく、親同士や保育士とのつながりが、子育てを続けていくうえで大きな助けとなります。

【気をつけたい点】
保育園は集団生活のため、感染症にかかるリスクが高まります。園で熱が出てしまい、お迎えの要請が来ることも少なくありません。また、0歳の子どもにとって長時間保育は負担が大きく、帰宅後に疲れや甘えからぐずる姿も見られます。家事や仕事と両立が難しくなり、葛藤を抱くママパパも少なくありません。

0歳の4月入園するケースが最も多い

一般的に、0歳児の4月入園がもっとも入りやすいとされています。4月が年度のはじまりであり、最も多くの募集枠が用意されているためです。一方、1歳以降のクラスは、前年から進級する子どもたちで枠が埋まっていることが多く、新規の受け入れ枠が限られています。
近年は、出生数の減少や保育施設の整備が進んだことにより、全国的に待機児童の数は減少傾向にあります。2024年4月時点の全国の待機児童数は2567人で、前年と比べても減少しました。
ただし、地域によって状況は大きく異なります。たとえば、地方では定員に満たない保育園も増える一方で、都市部では依然として希望者が多く、入園が難しい園もあります。保育園への入園を検討する際は、自治体のホームページなどで地域ごとの待機児童数や保育施設の状況を事前に確認しておくと安心です。

参考:こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和6年4月1日)」

1歳、2歳以上で保育園に入園するケース


笑顔の子ども
育児休業を1年以上取得できる場合は、1歳児クラス以降での入園を選択肢として考えることもできます。ここでは、1歳児クラス・2歳児以上のクラスに入園する際の特徴や、知っておきたいポイントを見ていきましょう。

1歳で入園する場合

【良い点】
1歳になると、睡眠や食事の時間が安定し、生活リズムを整えやすい時期に入ります。そのため、0歳の頃に比べて、登園から降園後までの一日の流れを親子でスムーズに過ごせるようになり、負担の軽減につながります。
また、1歳児は歩行が始まり、活発に動き出す時期でもあります。保育士に見守られながら、安全に配慮された広い保育室や園の庭で自由に遊べる環境は、心身の発達を伸ばすうえでも大きなメリットです。

【気をつけたい点】
1歳児クラスは、新規の受け入れ枠が限られているため、待機児童が多くなりやすい年齢です。希望する保育園に入れないケースもあるため、早めの情報収集や複数園への申し込みが必要になることもあります。
また、ちょうど人見知りが強まる時期とも重なりやすく、新しい環境に慣れるまでに時間がかかる子どもも少なくありません。泣き続ける姿を見ることに心を痛めたり、慣らし保育中の対応に悩んだりするママパパも多いでしょう。

2歳以降に入園する場合

【良い点】

2歳以降になると、体力がついてきて、保育園からの帰宅後も機嫌良く遊ぶ時間が増えてきます。言葉でのやりとりもできるようになってくるので、子どもの気持ちや考えていることが理解しやすくなることで、安心して保育園に預けられるようになってきます。

3歳児クラス以降になると幼児教育・保育の無償化制度が適用されるため、経済的な負担が軽減されるのも大きなポイントです。なお、給食費や教材費などの実費負担は園によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。

【気をつけたい点】
2歳以降になると、それまで家庭で過ごす時間が長かった分、ママパパと離れることへの不安が大きい子どももいます。さらに、集団生活にも慣れていないため、初めのうちは他の子と一緒に遊んだり、ルールを守って遊ぶことが難しく、家庭との違いに戸惑う子どもも少なくありません。

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保育園に入る時期を決めるポイント


職場復帰前の母親
「いつから保育園に預けるべきか」と悩むママパパは多いのではないでしょうか。子どもの成長や家庭の状況によって、ベストなタイミングはそれぞれ異なります。ここでは、保育園に入る時期を決めるうえで参考にしたいポイントをいくつかご紹介します。

【1】仕事復帰のタイミング

保育園の入園時期を考えるうえで、ママパパの育児休業の終了時期や職場復帰のタイミングは大きな判断材料となります。育休の期間や復帰時期は勤務先によってさまざまですが、年度のはじまりである4月入園に合わせて復帰を計画する家庭が多い傾向にあります。
慣らし保育をほとんど行えないまま復帰する方もいれば、数か月遅らせて6月ごろに復帰を設定するケースもあります。復帰のタイミングは、保育園の状況や家族のサポート体制とも関係してくるため、産休・育休に入る前から職場と相談し、早めに見通しを立てておくことが大切です。

【2】家族のサポート体制が整っているか

保育園の利用を検討する際には、家庭内外のサポート体制が整っているかも判断材料となります。たとえば、ママパパのご両親やきょうだいが近くに住んでいて協力が得られる場合、急なお迎えや子どもの体調不良時にも頼れる環境があると安心です。
また、ママパパそれぞれの勤務体制も考慮しておきましょう。送り迎えや家事・育児を無理なく分担できる体制が整っていれば、保育園生活をよりスムーズにスタートさせることができるでしょう。保育園を選ぶ際は、家庭全体のサポート状況や働き方のバランスも含めて、無理のない形を見つけていくことが大切です。

【3】ママパパの気持ち

ママパパの気持ちも入園時期を決めるうえで重要です。「仕事に復帰したい」「社会とつながりたい」と思う一方で、「子どもが小さいうちは、できるだけそばにいて育てたい」と感じる方も少なくありません。

どちらの思いも、子どもを大切に思う気持ちから生まれるもの。ママパパがしっかりと話し合い、保育園を利用し始めるタイミングを決めましょう。

年齢ごとの発達に合わせた保育園の選び方


保育園児
保育園を選ぶ際には、事前に見学に行き、園の環境や雰囲気を自分の目で確かめることが大切です。子どもの発達段階や性格に合った園を選ぶことで、保育園生活がより安心で楽しいものになります。ここでは、子どもの年齢に応じた保育園選びのポイントを具体的にご紹介します。

乳児期(0〜2歳)の保育園選びのポイント

0〜2歳の乳児期は、発達のスピードに個人差が大きい時期です。そのため、子ども一人ひとりに寄り添いながら保育が行われているかどうかが、保育園選びの重要なポイントになります。
たとえば、食事・着替え・お昼寝など、子どものペースに合わせた丁寧な対応がされているかを確認しましょう。
また、保育士が子どもを急かすことなく、ゆったりと関わっているかどうかも大切な視点です。園内は多くの子どもたちが生活しているため、忙しい場面もありますが、そうした中でも一人ひとりと丁寧に向き合おうとする姿勢があるかどうかを、見学時にぜひ注目してみてください。

幼児期(3〜5歳)の保育園選びのポイント

3〜5歳の幼児期には、自分で考えて行動する力や、主体性が育ち始める時期です。そのため、この時期の保育園選びでは、子どもが自分で選び、動けるような環境が整っているかを確認しましょう。
たとえば、コップが子どもの手の届く場所に置かれていて、自分のタイミングで水分補給ができるなど、子どもの自主性を尊重した工夫がされていると安心です。また、お絵かき・ブロック・ごっこ遊びなど、さまざまな遊びを自由に選んで取り組める環境が用意されているかもチェックポイントです。
保育士が子どもたちを程よい距離感で見守りながら、必要に応じて手助けや声かけをしている園であれば、子どもはのびのびと過ごすことができるでしょう。
園によっては、プログラミングや英語など独自の教育プログラムを取り入れている場合もあるので、ホームページの情報や園見学を通じて、保育方針や活動内容をしっかり確認しておくことをおすすめします。

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保育園に入れなかった場合はどうする?


保育士
都市部を中心に、依然として待機児童が多い地域もあり、希望する保育園に入れないケースもあります。そのため、入園がかなわなかったときのために、あらかじめ代わりの選択肢を考えておくことが大切です。

企業主導型保育園を利用する

企業主導型保育園は、企業が主体となって運営する保育施設です。一般的な認可保育園と比べて、企業の勤務体系に合わせた早朝・夜間保育や土日保育を実施しているケースが多く、働く親のニーズに柔軟に対応できる特徴があります。
ただし、施設によっては従業員しか利用できない園もあるため、事前に利用条件を確認することが重要です。地域枠を設けている園では、企業との関係がなくても利用できる可能性があります。
保育の方針や料金は施設によって異なります。見学をした上で、自分の子どもに合った環境の園を選びましょう。

一時保育を活用する

一時保育は、冠婚葬祭やリフレッシュ、急な仕事など、一時的に子どもを預けたいときに利用できる保育サービスです。主に認可保育園や子育て支援センターなどで実施されており、必要なときに日帰りで預かってもらうことができます。

ただし、事前に登録や面談が必要だったり、施設によっては継続的に予約を取ることが難しかったりします。一時保育の空き状況や利用可能時間を確認しながら、利用の仕方を検討することが必要です。

保育ママや小規模保育所を利用する

保育ママ(家庭的保育)や小規模保育園など、少人数の保育施設も選択肢に入れてみましょう。いずれも、主に0〜2歳児を対象としています。
保育ママは、保育士などの有資格者が、自宅やアパートの一室を利用して、最大5名までの子どもを保育する制度です。家庭的な雰囲気の中で過ごせるため、特に初めての集団生活となる子どもには安心できる環境といえるでしょう。小規模保育所は19名以下の子どもを預かる施設で、認可施設であれば保育料は認可保育園と同等になります。

2023年4月の制度改正により、一定の条件を満たした小規模保育所では、3歳以上の子どももそのまま継続して預けられるようになりました。これまでは2歳までしか利用できない施設が多かったため、3歳を迎えると別の保育園に転園する必要がありました。まだこの制度に対応している施設は限られていますが、慣れた環境で保育を続けたいと考える家庭にとっては、大きなメリットといえるでしょう。さらに政府は、2026年度をめどに3〜5歳児を対象とした小規模保育施設の制度化も検討しています。家庭のニーズに合わせた保育の選択肢が広がる見込みです。

ベビーシッターサービスを利用する

ベビーシッターは、主に利用者の自宅で子どもを預かってもらえるサービスです。子どもは慣れ親しんだ環境で保育を受けられるので、安心感があります。
早朝や夜間、日曜祝日など、認可保育園では預かりが難しい時間帯にも対応可能なことが大きな利点です。また、子どもの体調不良時でも利用できる場合が多く、急な用事の場合でも柔軟な対応を期待できます。
自治体によってはベビーシッター利用に対する助成金制度を設けているところもあります。東京都では、「東京都のベビーシッター利用支援事業」(東京BS)を通じて、待機児童がいる世帯を対象に、ベビーシッター利用料の一部を助成しています。申請を行えば、キッズラインのような東京都から認定を受けたベビーシッターサービスを、1時間150円(税込)で利用することができます。

【2024年度最新版】東京都ベビーシッター利用支援事業「待機児童事業」の利用方法-キッズライン

ベビーシッターサービスの活用方法


ベビーシッター
ベビーシッターは、「保育園に入れなかったときの代替手段」としてだけでなく、すでに保育園に通っているご家庭にも役立つサービスです。

「慣らし保育が終わらない」といった場合に心強い

ベビーシッターサービスの最大の魅力は、自由度の高さにあります。保育園や幼稚園とは異なり、残業や子どもの体調不良、急な用事など、想定外のタイミングにも対応しやすいのが特長です。シッターの予定が合えば、当日の依頼も可能です。
また、保育園に入園した直後は、慣らし保育の期間が短く、仕事との両立が難しくなることもあります。なかには「想定よりも慣らし保育期間が延びてしまった」というケースも。そうした場面では、送迎や降園後の見守りをベビーシッターにお願いすることで、ママパパは安心して仕事に集中でき、子どももゆっくりと園生活に慣れていくことができます。

参考:慣らし保育が終わらない理由は?年齢別の期間目安と延長されたときの対処法【保育士監修】

キッズラインならスマホからシッターを探せる

ベビーシッターのマッチングプラットフォームであるキッズラインは全国47都道府県にベビーシッターがおり、スマホから24時間いつでも検索・依頼をすることができます。ベビーシッターは、保育士資格など8つの資格または研修修了者のみが登録可能で、保育のプロが揃っています。

保育園に通い始めるタイミングは、それぞれの家庭や子どもの状況によって異なります。だからこそ、無理のない形で、家庭に合ったサポートをどう取り入れるかがポイントになります。ベビーシッターもその一つ。たとえば保育園に入園できなかったときや、慣らし保育が思うように進まないときなどに、一時的に頼れる存在として活用できます。

キッズラインでベビーシッターを依頼するには、事前に顔合わせまたは事前面談が必要です。急に依頼する必要がある場合に備えて、まずは一度お試しで頼んでみるとよいでしょう。子育ての疲れを一人で抱え込まず、時にはサポートを得ながら子どもと向き合っていきたいですね。

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■保育士ライター 佐野希子
18年目の現役保育士。独学で認定試験に合格し、幼稚園教諭の資格も取得。他に社会福祉士の資格も保有。現在は副主任として保育現場の指導とサポートに努めている。


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