スマホの写真を簡単に販売できるサービス「Snapmart(スナップマート)」を発案し、先週、スナップマート代表退任を電撃発表された江藤美穂さん。

前編の記事では、「キャリア観や働き方の変化」を中心にお話を伺いました。後編では、家事育児の効率化やパートナーとうまくいくコツを伺います。

家事育児のアウトソースでリターンを得られる時代

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ーいきなり話がそれるのですが、えとみほさんがスナップマート代表を退任と聞いて、びっくりしました。
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えとみほ:驚かせてしまってすみません(笑)次何をするかはまだ言えないのですが、暖かく見守っていただけると嬉しいです。

ーえとみほさんの今後が楽しみです。本日はえとみほさんの「投資」に関する考え方について、お伺いできればと思います。

少し前に、「家事代行やシッター代は投資だ」という発言をされていましたよね。

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えとみほ:そういえばそんなツイートしていましたね(笑)

私の知っている範囲だと、家事代行を頼もうとしたら旦那さんに「もったいない」と言われたり、「おばあちゃんに任せればいいじゃん」と言われたりという話をよく聞きます。

ー家事代行やベビーシッターって、躊躇してしまう人が多いですよね…。どうして「もったいない」という意識が生まれてしまうのでしょうか?

えとみほ:家事育児の労働は価値が低い」という意識が根底にあるのでしょうね。

ただ、今回このツイートでいただいたリプライの中には、「おじいちゃんやおばあちゃんに家事育児を頼むときも有償にするべきだ」という意見もあって。「家事育児は価値が低い」という意識もだいぶ変わってきているのを感じました。

個人的には、今は家事代行やベビーシッターも投資した分だけリターンを得られる時代だと思っています。

ーなるほど。具体的にはどういうリターンを得ることができると思われますか?

えとみほ:単純に、シッター代以上のお金を稼げる人だったら、家事代行やシッターを活用して捻出した時間でもっと稼げるようになりますよね。

例えば時給3000円の人だったら、その時間で家事育児をするよりも、時給1000円や1500円で外注したほうが価値を生み出せるわけですから、どんどん活用した方がいいと思いますよ。

「キャリアを中断させない」「しっかり休む」ための投資

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ー ただ、「自分の時給が果たして家事代行やシッターを頼むほど価値があるのだろうか」と悩む人も多い気がします。

えとみほ:たしかにその場合だと、「もったいない」という意識が生まれやすいのかもしれませんね。

でも、私は仕事を続けることの価値ってすごく高いと思っています。残念ながら日本はいまだにブランクがあると再就職が難しくなったり、年収が大きく下がったりしますよね。

自分の時給が家事代行やシッターを頼むほどなのか自信がない人も、「キャリアを中断させないための投資」として支出するのは全然ありだと思います。

最初の数年は自分の時給とコストが同じくらいかもしれないけれど、長い目で見れば後から「キャリアを中断しなくてよかった」と思えるはずです。

ーちなみにえとみほさんは以前アメリカでも働かれていたと思うのですが、アメリカだと出産や育児でキャリアが中断されることってあるのでしょうか?

えとみほ:あまりないですね。以前アメリカで働いていた時に上司が出産したのですが、私はそれに全然気づかなくて(笑)「あれ、ちょっと風邪ひいたのかな?」ぐらいに思っていました。

アメリカでは早い時期にベビーシッターさんに預けるのが当たり前なので、キャリアのブランクが全然空かない。だからこそまた産める、という循環になっている気がします。

日本だとまだ「そんなすぐ預けて大丈夫?」という周囲の目もあるし、罪悪感を感じてしまうお母さんも多いと思うのですが、少しずつ変わっていくといいですね。
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ーアメリカのようにとはいかなくても、「キャリアを中断させない」いう意識を持つのは大切ですね。

えとみほ:そうですね。あと、男女関わらず休むって大切です。しっかり休まないと良い仕事もできないですから、家事育児は得意な人にお任せして、その間は遊びに行ったり、休んだりする方が仕事にもメリハリがつくのではないでしょうか。

ーえとみほさんの周りの起業家やビジネスマンの方も、家事育児のアウトソースを積極的にされている方が多いのでしょうか?

えとみほ:多いですね!独身の男女でも家事代行を利用されている方がすごく多いです。やっぱり一回使ってみると「良い」と気づくみたいで。

家事代行だと自分ではできないようなこと、いや、自分でも出来るかもしれないけど、自分がやったら2時間とかかかるところを30分くらいでやってくれるじゃないですか。やっぱりすごく効率的だなと思います。

「好きなことだけやる」のは早すぎない方がいい

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ーえとみほさんのお話聞いていると、「得意なことは自分でやって、苦手なことは任せる」というお考えを感じます。

今後、自分の好きなことや得意なことだけを突き詰めていったほうが良い時代になっていくのでしょうか?


えとみほ:基本的にはそういう時代になっていくと思いますね。ただ、私のフォロワーでそういった考えの若い人も多いのですが、「好きなことだけをやればいい」という風潮も時期が早すぎるのはあまり良くないかなと思ったりもします。

ーえ!そうなんですか?

えとみほ:本当にそれが得意なのかどうかって、ある程度苦手なことをやってみないとわからないじゃないですか。

だからキャリアでも家事育児でもそうなのですが、若いうちはえり好みせずにチャレンジをして、「苦手なんだな」とわかったら少しずつ排除していく方がいいのかなと思います。

ーはっ…そういえばえとみほさん、以前そんなツイートをされていましたね。
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えとみほ:はい。キャリアはもちろん家事育児の場合でも、いきなり「面倒だから全部外注しよう」ではなく、一回体験してみてから、「掃除は苦手だから外注しよう」「料理は好きだから自分でやろう」と切り分けるのがいいのではないでしょうか。

家事育児と投資の共通点は?「ちょっとやってみよう精神」が成功の秘訣

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ーえとみほさんは以前、お仕事が忙しすぎて旦那様とうまくいかなかったご経験があるとお伺いしました。共働きで忙しい夫婦が上手くやっていくコツって何かありますでしょうか?

えとみほ:お互いおおらかになるのが一番ですね。家事育児だと特にそうなんですけど、「自分はこれだけやっているのに」という気持ちになってしまうのが良くないなと思っています。

私も以前の結婚のときは、旦那さんがあまり家事をやらない人だったので、いつの間にか「私はこれだけやっているのに」という意識になってしまっていたんですよね。

今振り返ってみれば、二人で分担できない家事があるのならアウトソースすれば良かった。そうしたら、「私はこんなに苦しんでるのに」という被害者意識に苛まれずに済んだと思うんです。

夫婦で分担できるものは分担して、それでも負担だったら他の人にお願いするのが合理的だと思いますね。

ーたしかに。最後に、「家事育児をアウトソースするか」という議論は投資全般の考え方に行き着く気がするのですが、えとみほさんが考える「投資が上手な人・下手な人」の違いって何でしょうか?
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えとみほ:「ちょっとやってみよう精神」があるかないかじゃないですかね。情報があまりない人ほど、未知のことに対して「怖い」と思ってしまいがちだなと感じます。

前に私、アプリを作るときに街頭で高校生たちにヒアリングをしたことがあるのですが、その時に高校生たちが「写真を売るときに身分証を出すのが怖い」と漠然としたイメージで言っていてびっくりしたんですよ。

なんとなくマスコミの危ない事件を見て、個人情報を渡したら流出して危ないんじゃないか、怖いんじゃないかと心配している。

家事代行やベビーシッターもそうで、やってみたら「なるほどね、合理的だな」と実感できるのですが、知識や経験がない人ほど、漠然と「怖い」と構えてしまうのだと思います。

自分がリスクをとれる範囲で「ちょっとやってみよう」と思える人は、投資も成功している気がしますね。

ーキャリアも投資も、恐れずに一歩踏み出してみることが大切ですね。ありがとうございました!

ついつい自分でやってしまいがちな家事育児。「もったいない」と感じがちな家事代行やベビーシッターも、キャリアの継続やリフレッシュのための投資だと思えば、少し前向きに向き合えるような気がしますね。

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(取材・文:あつたゆか)