初めての育児では戸惑うことが多くあります。赤ちゃんのしゃっくりもそのひとつ。「止めた方がいいの?」「病気のサインでは?」と不安を感じるママパパもいるかもしれません。この記事では助産師が経験をもとに、赤ちゃんのしゃっくりの原因やおうちでできるケア方法、受診の目安などをわかりやすくお伝えします。

記事のポイント

⚫︎しゃっくりは自然な生理現象で、基本的には心配は不要
⚫︎抱っこの姿勢を変えて、しゃっくりが止まることも
⚫︎一人で悩まず、誰かに頼ることも大切


しゃっくりはどうして起こるの? 新生児のからだの特徴


赤ちゃんを抱く母親
しゃっくりは、胸とお腹の間にある横隔膜という筋肉がけいれんすることで起こります。新生児は横隔膜の発達が未発達なため、ちょっとした刺激でもしゃっくりが出やすいのです。実は、胎児の頃から赤ちゃんはしゃっくりをします。しゃっくりは自然な生理現象だと言えます。

赤ちゃんの横隔膜はデリケート。しゃっくりは自然な反応と捉えて

横隔膜は、肺と胃の間にある柔らかな筋肉で、呼吸を助ける重要な役割を担っています。赤ちゃんは体のつくりが発達途中なので、横隔膜や消化のしくみもデリケートです。そのため、ちょっとした刺激でもしゃっくりが出やすくなります。しゃっくりは、横隔膜がピクッとけいれんして、それに合わせてのどの奥(声門)が閉じることで「ヒック」という音が出ます。医学的には「吃逆(きつぎゃく)」とも呼ばれ、赤ちゃんによく見られる自然な反応のひとつです。

おむつ交換、寒暖差や室温の変化でもしゃっくりを引き起こす

おむつ交換といった日常のケアに伴うちょっとした動きや音も、赤ちゃんにとっては刺激となり、しゃっくりを引き起こすことがあります。
さらに、室温の変化や手足の冷えなど、寒暖差による刺激も原因のひとつです。赤ちゃんは環境の変化に非常に敏感なため、こうした些細な要因でもしゃっくりが起こりやすくなります。

授乳やミルクとしゃっくりの関係

授乳中に空気を一緒に飲み込んでしまうと、お腹にガスがたまり、横隔膜が刺激されてしゃっくりが起きます。これは、ゲップがうまく出せなかったときによく見られる現象です。助産師としての経験でも、「授乳のたびにしゃっくりするんです…」というご相談はよく受けます。実際、授乳後に赤ちゃんを縦抱きにしてゲップを促すだけで、しゃっくりの頻度が減ったというケースも多く見られます。

助産師の現場エピソード①

生後2週間の赤ちゃんが一日に何度もしゃっくりを繰り返し、お母さんが心配して相談に来られました。観察してみると、授乳時に飲み急ぐ様子が確認できました。しゃっくりは、空気を多く飲み込んでしまっていたのが原因でした。そこで、授乳姿勢やペースの見直し、ゲップをこまめにさせるようにアドバイスしたところ、数日でしゃっくりの頻度が大幅に減少。「原因がわかって安心しました」と、お母さんもほっとした表情を見せてくれました。


新生児のしゃっくりは、そのままにしていて大丈夫?


赤ちゃんと母親
新生児のしゃっくりは、どの程度であれば心配せずに様子を見てよいのでしょうか。ここでは、しゃっくりが正常の範囲内かどうかの見極め方と、医療機関を受診すべき目安について、わかりやすくご紹介します。

しゃっくりが出たとき、そのままにしていてもいいの?

新生児のしゃっくりは、基本的には自然な生理現象であり、無理に止める必要はありません。赤ちゃんが苦しそうな様子でなければ、慌てずに見守っていて大丈夫です。多くの場合、しゃっくりは短時間で自然におさまり、成長とともに起こる頻度は減っていきます。

正常・異常の判断のポイントは?

赤ちゃんのしゃっくりが自然なものか、医療機関を受診すべきか迷うこともあるでしょう。以下のチェックポイントを参考に、様子を見てよいケースと注意が必要なケースを見分けましょう。

⚫︎正常の範囲内のしゃっくりの特徴

・授乳後や泣いた後にしゃっくりが出る
・赤ちゃんの機嫌が良く、授乳や睡眠も順調
・数分〜数十分程度で自然におさまる

⚫︎注意が必要なしゃっくりの特徴

・しゃっくり中に顔色が悪くなる、ぐったりする
・吐き戻しが頻繁に起こり、体重があまり増えない
・数時間続く、または頻度が極端に多い

医療機関の受診を考えた方がよいしゃっくりの特徴

しゃっくりだけであれば、基本的に心配はいりません。しかし、次のような症状が見られる場合は、小児科の受診を検討しましょう。判断のポイントは「機嫌」「呼吸」「哺乳」「体重増加」の4つです。

⚫︎受診を検討すべき症状の例

・機嫌が悪く、泣き止まない・ぐったりしている
・呼吸が苦しそうで、ゼーゼー・ヒューヒューという音が聞こえる
・哺乳の量が少ない、飲んでもすぐ吐く
・体重がなかなか増えない、または減っている


しゃっくりだけでなく、他の症状が一緒に出ていないかを見て判断しましょう。迷ったときは、#8000(子ども医療電話相談)や小児科に電話で相談する方法もあります。

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新生児のしゃっくりを和らげるケア方法


赤ちゃんを抱き上げる母親
赤ちゃんのしゃっくりは、たいてい自然におさまるものですが、「少しでも楽にしてあげたい」と思うのが親心です。実は、ご家庭でもできる簡単なケアで、しゃっくりをやわらげたり、起きにくくしたりすることができます。ここでは、助産師としてよくお伝えしている、やさしくて安心な対処法をご紹介します。

授乳後は縦抱きで「げっぷ」を促す

授乳のあとに赤ちゃんを縦に抱き、背中をやさしくとんとんすることで、たまった空気が出やすくなります。空気がお腹に残っていると横隔膜が刺激され、しゃっくりにつながることがあるため、ゲップを促すのは有効なケアのひとつです。毎回でなくても、ゲップがしっかり出たときにしゃっくりの回数が少なかったと感じる保護者は多いです。

縦抱きや抱っこで姿勢を変えてみて

しゃっくりが始まったら、赤ちゃんの姿勢を変えることで横隔膜への刺激がやわらぐことがあります。赤ちゃんを縦に抱っこしてみたり、落ち着く姿勢で包み込んであげることで、自然としゃっくりが止まる場合があります。

背中を優しくなでてリラックスを促そう

赤ちゃんを抱っこしながら背中をやさしくさすると、安心感が生まれ、呼吸も整いやすくなります。こうしたリラックス状態が横隔膜の緊張をやわらげ、しゃっくりが自然に止まることもあります。

おさまらないときは、少しだけ授乳をする方法も

しゃっくりが止まらないときには、母乳やミルクを少量だけ飲ませてみるのも方法のひとつです。のどを通る刺激が横隔膜に働きかけて、しゃっくりが落ち着くことがあります。

身体の冷えやミルクの温度に気をつけて

赤ちゃんの体が冷えるとしゃっくりが出やすくなる場合があります。手足が冷たくなっていないか、ミルクの温度が低すぎないかをチェックして、やさしく温めてあげましょう。

便秘やガス対策もポイント

お腹にガスがたまったり、便秘気味だったりすると、内側から横隔膜を刺激してしゃっくりが出やすくなることがあります。赤ちゃんのお腹を「の」の字を描くようにマッサージしたり、綿棒で肛門を刺激して排便を促すケアも有効です。

助産師の現場エピソード②

「しゃっくりが始まったら縦抱きにして背中をさすってあげると落ち着くことが多いですよ」とお伝えしたところ、「それだけでいいんですね」と安心されたお母さんがいらっしゃいました。ほかにも、「ゲップをさせたら止まった」「少し母乳をあげたら落ち着いた」といった声をよく耳にします。何より大切なのは、赤ちゃんが元気であれば、慌てずに見守る気持ちを抱くことです。


新生児のしゃっくりで避けるべき対処法


悩む母親
赤ちゃんにしゃっくりが始まると、「早く止めてあげたい」という気持ちになるのは自然なことです。しかし、その思いから大人向けの方法を試してしまうと、かえって赤ちゃんの体に負担をかけてしまうことも。新生児の体はとても繊細だからこそ、やってはいけない対処法を知っておくことが大切です。ここでは、安全のために避けたい行動についてご紹介します。

【避けたい行動 その1】驚かせる、強くゆするなどの刺激は避ける

「驚かせるとしゃっくりが止まる」という話を耳にしたことがある方もいるかもしれませんが、赤ちゃんに対しては絶対に避けるべき行為です。
驚かせたり、大きな音を立てたり、体を強く揺さぶったりすることは、赤ちゃんにとって大きなストレスとなり、場合によっては重大な危険を引き起こす可能性もあります。しゃっくりが出ているときこそ、安心できる環境を整えて静かに見守ることが大切です。

【避けたい行動 その2】うつぶせ寝は避ける

しゃっくりを止めようとして、うつぶせにして寝かせるのはやめましょう。
新生児期のうつぶせ寝は、窒息や乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高めるとされています。しゃっくりが出ていても、赤ちゃんを寝かせるときは仰向けを基本とし、必要に応じて横向きなど安全な姿勢を心がけましょう。

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新生児のしゃっくりに関するよくある質問


相談
赤ちゃんのしゃっくりについて、保護者の方からよくいただくご質問をQ&A形式でまとめました。授乳との関係や頻度、育児グッズの使い方まで、「ちょっと気になるけど、誰に聞いたらいいの?」という疑問に助産師の視点からわかりやすくお答えします。

Q1.授乳後にしゃっくりが多いのはなぜ?

授乳中に空気を飲み込みやすく、胃がふくらんで横隔膜を刺激してしまうためです。赤ちゃんによって哺乳のくせや飲むスピードが異なります。授乳姿勢や乳首のサイズを見直すことで改善することもあります。

Q2. 頻繁にしゃっくりが起きるけど、大丈夫?

しゃっくりの頻度が高いだけで、元気に飲んで眠れているようであれば、基本的には心配ありません。ただし、吐き戻しが多くて機嫌が悪い、体重がなかなか増えないなど、他の症状を伴う場合は小児科で相談してみましょう。

Q3. 育児グッズでしゃっくりの対策はできる?

乳首のサイズを調整したり、授乳姿勢をサポートするクッションを活用したりすることで、しゃっくりを防ぎやすくなることがあります。
空気を飲みにくくする構造の哺乳瓶や、赤ちゃんの姿勢を安定させる授乳クッションなども対策として有効です。どのグッズが合っているか迷ったときは、助産師や地域の保健センターに相談してみましょう。

今すぐベビーシッターを依頼してみる

困ったときに相談できる窓口とサポートを知っておこう


困った表情を浮かべる母親
初めての育児では、しゃっくりひとつでも「大丈夫かな…?」と不安になるものです。そんなとき、一人で抱え込まずに相談できる場所や、頼れる人を知っておくと安心です。

自治体や病院の相談窓口を活用しよう

母子健康手帳に記載されている保健センターや、産後ケア事業を行っている病院では、育児の不安や疑問に対応してくれる相談窓口があります。電話相談や訪問型の支援もあるので、気になることがあれば遠慮せずに相談してみましょう。

民間の育児支援サービスも活用しよう

自治体が提供するサービスに加えて、民間の育児支援サービスを活用するのもひとつの方法です。
たとえば、オンラインでベビーシッターを探せるサービスや、助産師による訪問サポート、チャット相談など、さまざまな形の支援が利用できます。中には、助産師資格を有していたり、新生児ケアに慣れたスタッフが在籍していたりするケースもあり、自宅で専門的なケアを受けられる点が魅力です。
「費用が気になる」という方もいるかもしれません。一部の自治体では、民間サービスの利用に対して助成制度を設けています。利用を検討する際は、お住まいの自治体の支援制度もぜひ確認してみてください。

キッズラインならスマホからシッターを探せる

ベビーシッターのマッチングプラットフォームであるキッズラインは全国47都道府県にベビーシッターがおり、スマホから24時間いつでも検索・依頼をすることができます。ベビーシッターは、保育士資格など8つの資格または研修修了者のみが登録可能で、保育のプロが揃っています。

たとえば、新生児のしゃっくりが頻繁で心配なときにも、育児経験が豊富なベビーシッターに相談できると心強いですよね。助産師や新生児ケアに詳しいシッターも在籍しているので、しゃっくりを含む赤ちゃんのちょっとした変化にも、落ち着いて対応してもらえるでしょう。

キッズラインでベビーシッターを依頼するには、事前に顔合わせまたは事前面談が必要です。急に依頼する必要がある場合に備えて、まずは一度お試しで頼んでみるとよいでしょう。子育ての疲れを一人で抱え込まず、時にはサポートを得ながら子どもと向き合っていきたいですね。

今すぐベビーシッターを依頼してみる

■フリーランス助産師 上原沙希
東京女子医科大学病院 産婦人科 MFICU に勤務後、より多くの方の力になりたいという思いを抱き、英語力習得のためヨーロッパ留学とギリシャ難民ボランティアへ。その後フリーランス助産師として独立し産婦人科クリニックにてお産介助や妊婦指導などを行う傍ら精神疾患患者や障害をお持ちの患者さんのケアも行う。現在は子持ちフリーランス助産師として産婦人科業務以外にも妊産婦向け商品開発やライター、思春期相談、マタニティヨガ指導、性教育など幅広く活動中。


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