育休復帰後は子育てと仕事の両立を考えて、時短勤務を検討するママも多いですよね。ワーママにとってメリットが多そうな時短勤務ですが、思わぬデメリットがあるのも事実です。今回は、時短勤務を見直すタイミングについて、先輩ワーママが解説します。

働き方を見直したワーママの4割が時短勤務を選択


2022年9月にKIDSLINEが独自で行った調査では、子育てを理由に働き方を変えたママは65.4%に上りました。更に「働き方をどのように見直したか」という質問については、時短勤務を選択した人が全体の4割でTOPとなっています。

【ママは働き方をどう見直した?】

・時短勤務を選んだ(パートタイムなど時間を短くした方を含む)…41%
・職場や仕事は変えていないが、仕事の量を減らした…21.1%
・育児がしやすい会社に転職した…7.8%
・仕事を辞めた(主婦になった)…7.8%
・リモート勤務に変更した…4.2%
・フリーランスに転職した…3.6%
・起業した…1.9%
・副業をはじめた…1.4%
・その他…9.5%

【母親の働き方2022】子育てを理由に働き方を変えたママは6割以上!どう見直した?何が困った?より抜粋

子育てと仕事のバランスをとる方法として、多くのママが時短勤務を選択していることがわかります。仕事を始めると、物理的に時間が取れなくなるのと同時に、仕事による精神的な疲れなどもたまってくるでしょう。それでも日常生活を回していく中で、働く時間を減らして子どもとの時間を大事にしたいと考えるママも多いようです。

時短勤務は何歳まで?制度をおさらい


時短勤務
時短勤務とは、1日の勤務時間を通常よりも短縮する働き方です。正式名称は「短時間勤務制度」といい、育児・介護休業法において各事業主(会社)に導入が義務付けられています。

時短勤務を利用できる要件は?


時短勤務を取得できるのは「3歳未満の子どもを養育する労働者」であり、以下の要件を「すべて」満たしている人です。

【1】1日の所定労働時間が6時間以下でない
【2】日々雇用される者ではない
【3】短時間勤務制度が適用される期間に育児休業を取得していない
【4】労使協定により、適用除外とされていない
  ア 勤続1年未満の労働者
  イ 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
  ウ 業務の性質又は業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者

母性健康管理に関する用語辞典|妊娠・出産をサポートする 女性にやさしい職場づくりナビより参照

時短勤務の条件は会社により異なる


法律で定められた短時間勤務制度は子どもが3歳の誕生日になる前日まで利用できます。ただし、各事業主が独自に定めた規定により、時短勤務ができる期間が延長される場合があります。多いのは「就学前まで」のパターンです。更に「小学校6年生まで」に緩和する企業も出てきており、子育てママにはありがたい措置と言えます。

育休明けに時短勤務を選択する理由


特に第1子出産後の初めての育休復帰では、子育てと仕事の両立ができるのか不安がつきもの。では実際、育休明けのママはどのような理由で時短勤務を選択するのでしょうか。

【時短勤務を選ぶ理由1】お迎え時間に間に合わないため


家と職場、保育園の距離にもよりますが、フルタイムにすると保育園のお迎え時間に間に合わないという壁があります。
保育園は預かる子どもの人数によって安全に運営できる体制を敷いているため、保育士さんの配置の関係上、1分単位で早くても遅くてもNGという場合もあります。また、お迎えが遅れると追加料金がかかる場合もあり、保育園のお迎え問題は想像以上にシビアなのです。

【時短勤務を選ぶ理由2】仕事とプライベートのメリハリをつけるため


時短勤務にすることで、所定外労働時間をなくしたいと考えるママも多いようです。フルタイム勤務だと、実質的には他の従業員と同じ扱いなので、仮に残業なしを希望しても、トラブル対応や急ぎの対応を断りづらくなるのも事実です。
保育園のお迎えを始め子育てに必要な時間を確保するために、時短勤務であることを周囲に認識してもらうことで、仕事とプライベートにメリハリをつけやすくなります。

【時短勤務を選ぶ理由3】子どもの生活リズムに合わせるため


多くのママが「子どもの健康のために早く寝かせたい」と考えていると思います。子どもの寝る時間が遅くなると、親としての罪悪感も生まれてきてしまいますよね。
時短勤務を選択することで、定時よりも1-2時間早めに仕事を終えることができます。17-20時頃までの時間で、子どものご飯やお風呂を終わらせて、ゆっくり寝かせてあげることもできるようになりますよ。

【時短勤務を選ぶ理由4】仕事と育児のバランスをとるため


時短勤務をすることは、子どものためであると同時にママのためでもあります。何より育休復帰後の慣れない毎日に少しでも余裕が持てることは体力面でも大きな助けになります。
また、仕事の時間を多少短くしてでも、育児にかける時間を取れていると実感することで、毎日が忙しくても充実していると感じることができます。

【時短勤務を選ぶ理由5】子どもと向き合う時間を確保するため


物理的に子どもとの時間を増やすためには、時短勤務で仕事の時間を減らすのが有効な手段の1つです。ご飯やお風呂などの必要なことだけでなく、夜寝る前に絵本を読んだり、今日あったことをお話ししたりする時間は、親子にとってかけがえのない時間ですよね。

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時短勤務を取得して気付いたデメリット


悩む母親
時短勤務を選択することで「仕事と育児のバランスをとれる」「子どもと向き合う時間を確保できる」といったメリットがあります。しかし一方で、実際に時短勤務を取得した身としては、デメリットを感じる場面もありました。7つのデメリットを順番にご紹介します。

【時短勤務のデメリット1】収入が下がる


現実的な話になりますが、勤務時間が減る分、当然収入も減ります。子どもを保育園に預けると保育料がかかってくるのでWパンチでお財布が急に冷え込みました(笑)

【時短勤務のデメリット2】次の育休手当が減る


私は育休復帰後間もなくして第2子を妊娠したので、次の産休に入るまで時短勤務を続けました。育休手当は産休に入る前6ヶ月に支払われた給料から計算されるため、時短勤務を利用して減った収入分、育休手当も減りました。次の出産を考えている場合、手当のために早めにフルタイムに戻すママもいるようです。

【時短勤務のデメリット3】緊急性の高い仕事ができない


仕事では時に、スピードや対応力が求められます。そういったチャンスを逃さず成果を出すことが、周囲からの信頼につながることも実感しています。時短勤務になるとそのような仕事は回ってこなくなりました。気を遣っていただきありがたいと思うと同時に、申し訳なさや疎外感を感じることもありましたね。

【時短勤務のデメリット4】キャリアを積みづらい


もともとのキャリアにもよりますが、責任の大きい仕事や大人数を取りまとめる仕事には抜擢されづらくなることもあります。チャレンジングな仕事が回ってこないと、自身のキャリアアップが思うように進まず、成長が鈍化してしまう可能性があります。

【時短勤務のデメリット5】夫との家事分担が偏る


私が時短勤務を選択したことで、保育園の送迎や子どもの身の回りの対応は、実質的に全て私がやることになりました。夫は好きなだけ残業をして帰ってくるし、早く帰ってきてご飯を作ったら偉い!という雰囲気。もちろん夫のタイプにもよるし、話し合い次第で対策できる可能性も大いにあります。しかし多くの場合、甘えが出てきてしまうのが人間なのだと悟りました。

【時短勤務のデメリット6】ワンオペ育児になりやすい


家事だけでなく、育児についてもワンオペになりやすいと言えます。私が子どもについていれば子どものお世話はできるので、夫も残業を断る理由はなかったのだと思います。ただ私自身も、夫の状況について100%理解できるわけでもないので「早く帰ってきて」と伝えるのも難しかったです。

【時短勤務のデメリット7】自分だけ仕事をセーブする不公平感に駆られる


家事や育児のワンオペを続けていると、やはり不公平感を感じずにはいられません。しかし仕事の時間を短縮しているという事実から、自分自身も「私が基本的にやらなきゃ」という気持ちになってしまいます。このように仕事時間が平等でないと、夫婦のパワーバランスが崩れてしまうリスクも大いにあります。

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時短勤務は「いつまでにするか」を決めて取るのが大事


赤ちゃんとママ
時短勤務は子育てをするママにはとてもありがたい制度です。制度をできる限り利用することも1つの選択です。しかし時短勤務の利用はメリットがある反面、長期間続けてしまうとデメリットが大きくなってしまうリスクもあります。
だからこそ、時短勤務を取るなら「計画性」が大事。具体的には、時短勤務を切り上げ、フルタイムに戻すタイミングをイメージしておくのがオススメです。次章からは時短勤務で復帰した後にフルタイムに戻すタイミングについてご紹介していきます。

【フルタイムに戻るタイミング①】
育休復帰から2~3ヶ月後


育休復帰後の2〜3ヶ月は、新しい生活に慣れないことに加え、子どもの体調不良が重なる一番大変な時期です。その時期のみ時短勤務で乗り切る方法です。
大変な時期だけ仕事をセーブして、収入や次の育休手当のダウンも最小限に防げる合理的な選択と言えますね。

【フルタイムに戻るタイミング②】
1歳クラスになったら


子どもが0歳の間は、授乳や離乳食作りなどお世話に手がかかる時期です。夜間授乳や離乳食のストック作りで疲弊してしまう可能性があります。
1歳以降の入園であれば、ご飯は大人の取り分けができる、お風呂は立って入れるなど、手をかけるタイミングがある程度減ってくるので、フルタイムに戻る選択をしやすいのではないかと思います。

【フルタイムに戻るタイミング③】
卒乳したら


授乳をしなくなるだけで、ママの負担は大きく減ります。特に母乳の場合、保育園によっては搾乳したものを持参することもあります。ミルクの場合でも、夜中に何度も起きて授乳するとなると、仕事で疲れた身体を休ませることが難しくなりますよね。
卒乳のタイミングは人それぞれですが、フルタイムに戻すタイミングに照準を合わせて卒乳を進めるのもありかもしれません!

【フルタイムに戻るタイミング④】
夫が育休を取ったら


夫に育休を取ってもらい、その間にフルタイムに慣れる方法もあります。夫に一通りの育児を経験してもらうことで、2人でフルタイム勤務になった時の大変さを共有しやすくなるはずです。家族にとっても貴重な時間になりそうですね。

【フルタイムに戻るタイミング⑤】
人事評価や賞与基準の査定の前後


上半期・下半期、四半期など、人事考課のタイミングでフルタイムに切り替える方法もあります。会社にとってもキリの良いタイミングと言えますね。また、賞与基準についても要チェック。賞与の算定期間にどのような勤務形態で働いていたかで、賞与の金額が変わることもあります。少しの差で損をするのはもったいないので、会社の規定をしっかり確認するのがオススメです!

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時短を切り上げるために、子育てのサポート体制を整えよう


ベビーシッター
勤務時間をフルタイムに戻すことは、同時に仕事に費やす時間が増えたり、保育園へのお迎え時間が遅くなったりすることにつながります。それにより減った家事の時間を埋めるため、ママに余裕がなくなり子どもに負担をかけないようにするために、サポートしてくれる人を探しておくことがとても大事です。

ベビーシッターが頼りになる


ベビーシッターは、保育園へのお迎えから夕食の介助やお風呂の世話もお願いできる心強い存在です。家事を自動化するアイテムは多数ありますが、育児は「人対人」なので自動化できません。どんな時も愛情をもって接することが、子どもの健やかな成長につながるでしょう。ベビーシッターは、忙しい毎日でもパパやママに代わって「人」としての愛情を注いでくれる心強いパートナーになってくれますよ。

実はリーズナブルに依頼する方法もある


自宅に来てもらえる手厚いサービスから割高な印象のベビーシッターですが、仕事が理由であれば、内閣府ベビーシッター券を利用してリーズナブルに依頼できる場合があるのをご存じでしょうか。
内閣府ベビーシッター券とは、ベビーシッターを利用した際に使用できる割引券です。
1日(回)対象児童1人につき4,400円分利用でき、1家庭で1ヶ月最大52,800円もの補助が受けられる大変ありがたい制度です。
利用にはお勤め先が「企業主導型内閣府ベビーシッター利用支援事業」の承認事業主となっている必要がありますので、ぜひお勤め先の規約などを確認してみてくださいね。

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業における「ベビーシッター派遣事業」の令和4年度の取扱いについて|内閣府参照

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時短勤務制度は切り上げるタイミングを決めて活用を


育休明けが不安なママにとって時短勤務はぜひ利用したい制度。しかし制度が使える子どもが3歳になるまで継続して取得することが誰にとっても正解とは言えません。時短勤務のメリットを最大限に活かすためには、フルタイムに戻すタイミングまで想定して、サポート体制を整えておくのが効率的!
育休復帰前の今からキッズラインに登録して、サポート体制を整える一歩を踏み出しましょう!

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■ライター:あびこ
二児の母。Instagramでは初心者向けの保活情報、ワーママの学びなどを発信しています。
https://www.instagram.com/maasa.life/


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