子育てに費用がかかるのは周知の事実。その中で小学校6年間の費用はどのくらいでしょうか。これから小学校に入学する子がいるママパパは、詳しく知りたい人もいると思います。そこで小学校の費用について、ファイナンシャルプランナーが解説します。

小学校6年間でかかる費用はどのくらい?


入学式
子どもが成長するにつれて、かかる費用も段々と上がってきます。一番かかるのが大学入学時といわれていますが、子どもが小学校に通っている6年間の費用はどのくらいでしょうか。詳しく見ていきましょう。

公立の小学校の学習費総額は、年間約35万円


文部科学省が行った「令和3年度子供の学習費調査」(2022年12月21日発表)をみると、公立の小学校に通う小学生1人あたりにかかる学習費総額(学校教育費、学校給食費、学校外活動費の合計)は、年間で約35万円となっています。一ヶ月に換算すると3万円弱。「公立小学校はお金がかからないと思っていたのに、意外とかかる」というのが正直な感想ではないでしょうか。これは一人当たりの金額なので、小学生の子どもが2人いると月に6万円ほどかかることになります。

公立小学校でかかる費用
※参考:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」

学校教育費は、1年生が最も多くかかる


学校教育費とは、授業料、修学旅行・遠足・見学費、学級会費、PTA会費、その他の学校納付金、寄附金、教科書費・教科書以外の図書費、学用品・実験実習材料費、教科外活動費、通学費、制服、通学用品費などの総額です。
学年別にみていくと、学校教育費は1年生が一番多くなっています。これは入学時に準備しなければならない体操服や鍵盤ハーモニカ、絵具セットなどの学校用品の費用がかさむためです。
次に多いのは、卒業を控えた6年生です。修学旅行や卒業アルバム代など、6年間の総まとめとしてさまざまな費用が掛かってきます。
学校給食費は6年生まで大方横ばいでそこまで大きく変わりません。

一番お金がかかるのは、学校外活動費


学校外活動費は、家庭内学習費、物品費、図書費、家庭教師・学習塾費、体験活動・地域活動、芸術文化活動やスポーツ・レクリエーション活動の月謝などの合計額です。
公立小学校の場合は、これらの学校外活動費が最も多くかかります。好きなことを伸ばしてあげたいと思う親心から、小学生の間にはさまざまな習い事をする子もいます。また、公文教室や英会話教室など、学習系の習い事も人気があります。高学年になると中学受験を見据えて学習塾に通う子も多くなるので、学校外活動費は学年とともに増加する傾向にあります。

小学校での費用の支払いスケジュール


お金
それでは小学校に通うことでかかる費用の支払いはいつ、どのようにするのでしょうか。
多くの場合は、入学手続きの際に校費の引き落とし口座を登録します。その口座から引き落としされていくスケジュールは学校や市区町村によって異なるものの、一般的なパターンを紹介します。

◆給食費
金額:1ヶ月4500円程度
支払い時期:毎月
(4月または夏休みなど引き落としがない月も)


◆教材費
金額:1回につき1万円程度
支払い時期:年2回に分けて引き落とし
(学年によって金額は若干異なる)


◆遠足や課外学習費
金額:1,000円~5,000円程度
支払い時期:その都度


◆修学旅行の費用
金額:3万円程度
支払い時期:6年生
修学旅行は高額なため、積み立てをしている学校もある。
積み立てていない場合は、6年生で一定金額の請求がくる。
修学旅行費用そのもの以外におこづかい、旅行バッグ、服、靴などの費用がかかる。


◆卒業アルバム代
金額:15,000円~18,000円程度
支払い時期:6年生の後半
少子化により卒業生の人数が少なくなっているために、その分卒業アルバムを購入する側の負担が大きく、高額になりがち。


学校以外でかかる費用も確認を


サッカー少年
公立小学校に通う場合はさほど学費はかからないものの、学校外でかかる費用も含めると、それなりの出費になります。ここからは出費の可能性があるものを紹介していきますので、チェックしておきましょう。

●学童保育代
小学校は保育園と違って早く終わることもあるため、働くママパパにとっては学童保育は必須です。費用・料金はどのくらいかかるのでしょうか?公立学童(学校付属の学童クラブ)・民間学童の費用や延長料金、長期休暇中の料金の目安は以下の通りです。

〇公立学童
月額4,500~7,000円程度(自治体によって異なる)
継続的に利用しているのであれば、夏休み・冬休み中も、利用料金は通常と同様のところが多い。

〇民間学童
月額40,000~100,000円程度
企業が設立して運営を行っているので非常に幅広い。追加料金で21時まで対応しているところもある(施設により異なる)。夏休みだけ利用できる施設もある。


●学習塾代
学習塾の費用
※参考:文部科学省 令和3年度『子供の学習費調査』

文部科学省が令和3年度に行った『子供の学習費調査』によると、私立小学校に通う子では学習塾費が5~6年生で40万円を超えています。
公立小学校に通う場合であっても、高学年になってくると学習塾へ通う子が増えてきます。公立小学校の子どもの平均額は6年生で年間15万5013円です。ただしこの数字には全く塾に行っていない子(年間の学習塾費用が0)も含まれているため、通塾している子に限ると、これより高額になります。


昨今は中学受験をする家庭も増えてきているので、受験を考えると塾に関する費用負担は大きくなります。中学受験は4年生頃から中学受験専門の学習塾に通うことが多いため、4年生以降の費用が上昇します。進学塾は3年生の2月頃から私立中学や中高一貫校の受験対策コースが開始されるため、その影響もあって4年生からの学習塾費が高くなるようです。

●習い事代
小学生になると子どもの興味、関心の幅が広がり、やりたいことも増えてきます。人気の習い事や上位の習い事の費用は以下の通りです。

〇小学生の男の子に人気の習い事ランキング ベスト3
第1位 スイミング (51.6%)  
 ▶︎月謝:5,000~8,000円
 ▶︎その他必要な費用:水着・帽子代、スクールバス代など
第2位 学習教室 (42.3%)  
 ▶︎月謝:8,000(1年生)~17,000円(2~6年生)
 ▶︎その他必要な費用:施設使用料、夏季冬季講習費、テスト代など ​
第3位 音楽系 (31.2%)  
 ▶︎月謝:10,000円~12,000円(個人教室は平均月5,000円ほど)
 ▶︎その他必要な費用:楽器購入費、教材費、発表会費など

〇小学生の女の子に人気の習い事ランキング ベスト3
第1位 音楽系 (56.1%) 
 ▶︎月謝:10,000~12,000円(個人教室は平均月5,000円ほど)
 ▶︎その他必要な費用:楽器購入費、教材費、発表会費など
第2位 スイミング (43.9%)  
 ▶︎月謝:5,000~8,000円
 ▶︎その他必要な費用:水着・帽子代、スクールバス代など
第3位 英会話 (33.9%) 
 ▶︎月謝:6,000~8,000円
 ▶︎その他必要な費用:教材費や年会費が年に10,000円~20,000円

※キッズライン会員215名インターネット調査/2021年10月調べ
▼ベスト3以下はこちら
【男女別に発表!】小学生の習い事ランキングTOP10 <2022年最新版>


最近では習い事を3~4つ掛け持ちしていることも珍しくないです。あれもこれもと増やしていくのではなく、子どもの意思を尊重しながら賢く習い事選んでいきましょう。教育費のピークは大学入学時です。それまでに教育費を貯めながら、習い事代を捻出しなければならないので、​毎月の習い事代は、手取りの5%程度に抑えておくのが賢明です。

小学校でかかる費用の助成や支援制度


意外とかかる小学校の費用。小学校でかかる費用の助成や支援制度は何があるのでしょうか。払うのが難しくなった場合はどうしたらよいのでしょうか。

◆給食費無償化
地方自治体によっては、給食費の無償化を実施しているところもあります。例えば、大阪市では所得制限無しで小中学校の給食費無償化を行っており、1人あたり年4万5千円〜5万円程度の負担減となっています。


◆就学援助制度
義務教育の円滑な実施に資することを目的とした制度です。家庭の経済状況により、小学校でかかる費用負担が困難となって教育が受けられないということが無いように、経済的な理由で修学困難とされる児童・生徒の保護者に対しての公的な援助を行っています。
定められた費用(学用品費、通学費、通学用品費、修学旅行費、校外活動費、学校給食費、クラブ活動費、生徒会費、PTA費、体育実技用具費、医療費、新入学児童生徒学用品費など)を自治体によって補助してもらえます。この制度を実施する主体は地方自治体のため、各自治体によって補助対象になる品目が少しずつ変わってきます。詳細は直接お住まいの自治体窓口に確認してみましょう。


◆公立学童の利用料減免
公立学童は、生活保護受給世帯、ひとり親世帯、兄弟姉妹利用世帯など一定の条件に当てはまる場合に利用料の減免を行っています。利用料の半額から全額を免除するケースが多いです。


「就学援助制度」と「公立学童の利用料減免」の対象者は、法律上「就学困難と認められた者」となっていて、一部のひとり親世帯や生活保護世帯などに限られます。全世帯が使える制度ではないので、各家庭ごとに子どもが小学生のうちに何にどのくらいお金がかかるかという把握と家計の見直しは必須でしょう。

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公立小学校でも意外と費用が掛かる!家計の見直しを


ママパパの中には「私立は高いけれど、公立小学校ならほとんど費用はかからない」と考えていた方もいるでしょう。しかし、それは要注意です。公立小学校に通わせるだけでも意外と費用がかかります。そして、かかる費用はもちろん家計から捻出しなければなりません。また、一般的に子どもが小学校在学中は、貯蓄の貯めどきと言われています。
子どもにかかる費用、家計のポイントについてお伝えしていきます。

「学校指定」のアイテムの買い替えが高くつく


小学校6年間の体の成長は著しく、制服、体操服、水着、上履き、運動靴といった被服代を高いと感じるママパパが多いようです。小学校の間は身長も体重もぐんぐん増えるので、毎年のように買い替えが必要になってきます。
また、小学校で使うものの多くは「学校指定」の物が多く、安いものを選んで買うことができないことも一因としてあるようです。

小学校6年間はお金の貯めどき


公立小学校の場合は学校にかかる費用が少ないため、本格的に塾に通い始める中学生以降に比べると、比較的貯金のしやすい時期と言えます。中学生になると部活動にかかる費用も大幅に増えます。よって子どもが小学生の間の6年間に、いかに貯められるかが重要です。
中学受験をするのであれば一般的に小学4年生から進学塾へ行くので、中学受験を考えているご家庭の貯めどきは小学校1〜3年生の間となります。中学受験専門の塾は6年生になると、夏期講習、冬期講習、直前講習、志望校別講習など様々な講習が開講されるので、普段の塾代にプラスして費用がかかってきます。早めに貯蓄計画を立てるようにしましょう。

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小学校は放課後の費用も必要。入学前にサポートを検討して


学童お迎え
小学校は保育園より費用が掛からないと思っていると、それは危険です。入学前にかかる費用を確認して、収支の予測を立てておくようにしましょう。また、保育園は就労時間に合わせて夜まで預かってくれますが、小学校は放課後が長いことを考慮する必要があります。
学童保育は、フルタイムで働く保護者にとって、とても有難い制度です。とはいえ、何時まででも預けられるわけではないため、「仕事が長引いて迎えに間に合わない」「予定していたお迎えの時間に遅れてしまう」といったこともあるでしょう。
そのため、放課後の時間を過ごすための費用や、学童保育が閉まった後のサポート体制などを考えておく必要があります。

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キッズラインなら学童のお迎えを頼めるシッターが在籍


ベビーシッターのマッチングプラットフォームであるキッズラインでは、0〜15歳までのお子様を対象にしています。もちろん、小学生のお迎えを頼めるシッターも多数在籍。ベビーシッターなら、早朝や夜間の送迎なども気兼ねなく依頼することができるため、「仕事が終わらないので学童のお迎えをお願いしたい」「帰宅後も面倒を見てほしい」といった要望に柔軟に応えることが可能です。
キッズラインでは、初回の依頼前には必ず顔合わせ(オンライン)または事前面談(対面)が必要なため、学童のお迎えをお願いしたい方は、一度お試しで依頼してみるのがオススメです。何度か会ったことのあるベビーシッターさんであれば、子どもも安心できます。まずは、利用登録から始めてみてはいかがでしょうか。

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■監修:ファイナンシャルプランナー 小松香名美
和歌山大学 経済学部卒。旅行会社勤務の後、出産のため退職。2018年に保育士資格を取得し、保育園勤務を経験。2021年にファイナンシャル・プランニング技能検定2級を取得。ファイナンシャルプランナーとして独立し、マネー記事の監修などを行っている。


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