小学生のランドセルの収納に悩んでるご家庭もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の記事では、整理収納アドバイザー1級を保有し、キッズライン家事サポーターとして活躍する片岡知津さんに伝授していただいた「ランドセルの収納方法」を詳しく解説していきます。
限られたスペースでも、お子様が自分で片付けやすい工夫が詰まっているので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
子どもがランドセルを片付けない理由
そもそも、子どもがランドセルを片付けない、または片付けられない理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
整理収納アドバイザーの片岡さんによると、子どもがランドセルを片付けない背景には、いくつかの理由が考えられるのだそうです。
特に低学年の子どもにとっては、ランドセルは非常に重い荷物なので、「早くおろしたい」と考えています。
【行動の不便さ】
玄関で靴を脱いだり、手を洗ったりする際に、ランドセルを背負ったままだと動きづらく、邪魔に感じます。
【ランドセルの役割】
子どもたちは、ランドセルを単なる持ち運びの道具として捉えている場合があります。家の中であれば、床に置いても汚れる心配がないため、気軽におろしているかもしれません。
【遊び心】
ランドセルを置いて、今すぐにでも遊びにいきたいという気持ちになっていることが考えられます。
たしかに言われてみると納得ですね。学校では教室の後ろの棚にきちんと片付けて過ごしているので、子どもたちは「ランドセルを片付けられない」のではありません。
「重い」「大変」「早く別のことをしたい(遊びたい・ゲームしたいなど)」と思っているから、ランドセルを置きっぱなしにしてしまうのです。
帰宅後ランドセルを下さずに収納場所まで誘導できるかがポイント
片岡さんのお話からすると、子どもは「ただいま」と帰ってきたらなるべく早くランドセルをおろしたいと思っていることがわかります。
つまり、帰宅してからいかにランドセルをおろさずに収納場所まで誘導できるかが重要なポイントなのです。ランドセル置き場を考える際には、上記の行動パターンを参考に、お子さんの行動をよく観察して、子どもにとって「どこにランドセルを置けば使い勝手がいいのか」をよく見極めてみましょう。
特に低学年のうちは、シンプルで分かりやすい動線が大切です。玄関からまっすぐランドセルラックが見えるように配置したり、ランドセルラックに子どもの好きなキャラクターの目印をつけたりするなど、視覚的な工夫も効果的です。
また、収納スペース自体もシンプルで見やすいデザインを選ぶことで、子どもが自ら進んで片付けようという意欲を高めることができます。
ランドセルは子どもの目線に合わせた置き場所にするのが大事
ランドセルがいつもリビングに転がっていたり、ランドセルの置き場所が決まっているのに指定の場所に片付けなくて困っているというご家庭もあるでしょう。
そうならないためには、子ども目線で片付けやすい動線を作って、インテリアとしても調和するランドセルの置き場所を決めることが必要です。
子どもがランドセルを片付けられないのは「定位置が決まっていないから」「現在の置き場所が子どもの導線から見て置きにくいから」といった隠れた理由があることも少なくありません。
ランドセルラックを設置したり、リビングのインテリアに合わせて、おしゃれな収納ボックスを用意するなど、インテリアとしても楽しめるような工夫を取り入れることで、子どもも進んで片付けようという気持ちになるかもしれません。
親が一方的に置き場所を決めるのではなく、子どもと一緒にランドセルの置き場について考えてみるのも大切です。子どもが自発的に収納してくれることを優先に考えるならば、子どもが好きなキャラクターの収納ボックスを選んだり、一緒に飾り付ける工夫をすることで、より愛着を持ってランドセルを片付けられるようになるでしょう。
ランドセルの収納場所別メリット・デメリット
ランドセルの収納場所として考えられるのは、子供部屋・玄関・リビングの3箇所ですが、「どこが最適な場所なのか分からない」と感じる方もいることでしょう。
そこでここからは、それぞれの収納場所のメリット・デメリットについて見ていきます。各収納場所の特徴をきちんと把握することで、ランドセルの置き場所が決まるのでしっかり確認しておきましょう。
子供部屋のメリットデメリット
■自立心・主体性を育む
自らランドセルを片付ける習慣がつき、自立心や主体性を育むことができます。
■学習スペースの確保
子供部屋に学習机や本棚を併設することで、学習スペースを一体化し、集中力を高めることができます。
■プライバシーの確保
きょうだいがいる場合、自分のスペースで勉強や読書に集中できます。
■親の目が届きにくい
子どもの勉強状況や持ち物の管理が難しく、忘れ物や不注意によるトラブルが起こりやすくなります。
■収納スペースの確保が必要
子供部屋の広さによっては、ランドセルだけでなく、教科書や文房具の収納スペースも確保する必要があり、他の場所にランドセルを収納するよりも多少広さが必要となります。
子供部屋に置くことで、子ども自身が持ち物の管理を自分でできるようになり、主体性を身に付けられるのは大きなメリットです。ただし、一人で管理ができるようになるまでは、親が手伝ったり見守ったりする必要があるでしょう。
玄関のメリットデメリット
■帰宅後すぐに収納する習慣が身につきやすい
玄関にランドセルラックを設置すれば、帰宅後すぐにランドセルを置く習慣がつきます。
■導線的にわかりやすい
他の場所に寄り道することがないので、リビングの床におきっぱなしという状況は防ぎやすくなります。
■スペースの制限がある
玄関の広さによっては、ランドセルだけでなく、靴や上着なども収納するため、スペースが不足する場合があります。
■登校準備の導線が悪い
宿題や学校の準備をするときに、わざわざ取りに行く必要があります。
といったものが挙げられます。
玄関にランドセルの置き場があれば、帰ってきてすぐに置けるので、低学年のお子さんでもスムーズに収納が可能です。
しかし、玄関にそれほどスペースがないご家庭では玄関にランドセルの置き場を作ること自体が難しい場合もあるでしょう。また、玄関に置いてしまうと宿題や準備がしづらく、結局リビングや子供部屋に持っていくことになって、置き場がバラバラになってしまうことも考えられます。
リビングのメリットデメリット
最後に、リビングのメリットデメリットをチェックしてみましょう。
■親子のコミュニケーションが取りやすい
子どもが学校の準備をしているときに今日の出来事を聞けるので親子のコミュニケーションが円滑になります。また水筒やお弁当箱などの洗い物や洗濯物などを出しやすかったり、連絡事項・プリント類の引き渡しが楽になったりもします。
■学習のサポートしやすい
リビングで勉強する習慣をつけやすく、親が子どもの学習をサポートしやすい環境が整います。
■散らかりやすい
リビングは家族が過ごす場所でもあり、食事や遊びのスペースを兼ねることが多いためランドセル以外の荷物も置かれがちで、散らかりやすいです。家族の共有スペースのため、その都度片付けをしないと、どれが自分の物か分からなくなってしまいがちです。
■インテリアとの調和
リビングのインテリアに合わせて、ランドセルの収納場所を考えないと、見た目が悪くなる可能性があります。
オススメの置き場所は「リビング」
ここまで、ランドセルの収納場所別メリット・デメリットを詳しく見ていきました。それぞれ一長一短があるものの、特に低学年の子どもにとってはリビングが最適なランドセル置き場と言えます。
その理由としては「親の目の届くところで準備や学習の見守りができる」点が挙げられます。親のそばで明日の準備や学習に取り組むことで、子ども自身も安心して作業に集中できますし、親子のコミュニケーションも取りやすくなります。
もしランドセルの置き場に困った場合には、まずはリビングに置き場を設置してみてはいかがでしょうか。
ランドセルのリビング収納①収納の中に片付ける
ここからは、ランドセルのリビング収納のポイントについて解説していきます。
ランドセルのリビング収納において最も大切なことは「決まった場所に片付ける」ことです。ランドセルの置き場をリビングに決めても、床にそのまま置いてあったり、出しっぱなしになっていたりしては見栄えも良くありません。
そのため、階段下収納・押入れ収納など、リビングにある収納スペースなどを有効活用して収納場所を確保することが大切です。以下の「オススメの場所」や「収納をつくるポイント」を参考にして、親子で一緒に収納方法を考えてみてください。
オススメの場所
リビングに収納棚がある場合は、そこをランドセルの収納に活用しましょう。きょうだいがいるご家庭なら上段・下段と自分たちで場所を決めさせて、分けて使用するのもいいですね。大人が勝手に決めてしまうと、散らかしっぱなしになってしまい逆効果になる場合もあります。
まずは、子どもにとって「心地の良い収納場所」を作ることを心掛けましょう。
収納を作る際のポイント
ランドセルは「かぶせ」がある特殊な形状をしています。そのため、中身を出したい場合には床に広げるか、立てる場合には反対側に「かぶせ」を落ち着かせないと出し入れがしにくくなります。
子どもの小さい手でランドセルのバランスを取ったり、「かぶせ」を押さえた状態でお目当ての教科書をつかんだりするのはとても難しいため、収納場所選びは非常に重要です。
収納を作る場合には、以下のようなポイントで場所を選びましょう。
「床や、床に近く低いところで広くとる」もしくは「ランドセルを立ててかぶせを開けたときに支えがある場所」を確保できれば、取り出したもの以外はランドセルに入れた状態で翌日まで置いておくこともできます。
膝から胸くらいの高い場所に収納する場合、重いランドセルを持ち上げるのは大変なため、先に中身を出してから収納することも多々あります。その場合には、物がバラバラにならないように近くに教科書類を立てるスペースを作っておくのが有効です。
押し入れなら下段で半間くらい、階段下であれば「かぶせ」が開けられるくらいのスペースを確保しておきましょう。
また階段下収納や押入れ収納は広さも形状もさまざまなため、それに合わせたキャスター付きのワゴンを利用するのもオススメです。特にきょうだいがいるご家庭は、2段・3段に分かれているキャスター付きのワゴンを利用すると、それぞれのスペースを確保できます。キャスターが付いていると、階段下・押入れから出し入れもスムーズなので、子どもの力でも楽に収納できるでしょう。
■学習机とセットになった収納
学習机の横にランドセルを収納できるスペースが付いているものが多く販売されています。デスクや本棚とセットで購入することで、部屋のインテリアとしても統一感が出ます。
■カラーボックスを活用
カラーボックスはサイズやカラーバリエーションが豊富で、自由にカスタマイズできるのが魅力です。サイズに合わせて仕切り板を取り付けたり、お気に入りのキャラクターのケースを入れて収納したりするなど、小学校低学年の子どもでも楽しく片付けられるような工夫もおすすめです。
■引き出しを活用
ランドセルの他に、教科書や本・文房具なども一緒に収納できる引き出し付きの収納家具を選ぶと便利です。
ランドセルのリビング収納②ランドセルハンガーやフックにかける
リビングが狭くなるので棚を置くのが難しい場合には、ランドセルハンガーやランドセルスタンド、壁掛けフックなどを活用して、部屋のデットスペースにランドセル置き場を設置することもできます。設置する際には、生活動線の妨げにならない場所を選びましょう。
オススメのフックの選び方
フックを選ぶ際には、子どもが使いやすいものを選ぶことが大切です。フックは低学年にはハードルが高いこともあるため、年齢に合わせて使い分けることも必要でしょう。
またランドセルは重いため、重さに耐えられるようなフックにすることも忘れてはいけないポイントのひとつです。年齢によっては、中身が入ったまま肩ひもをランドセルハンガーやフックにかけるのは難しいこともありますので、「フックにかけるなら教科書などは全て出してからかけてね」と声掛けするのも忘れないようにしましょう。
フックの収納ポイント
先述した通り、ランドセルは非常に重く、持ち上げるのが大変なため、フックにかけるのが難しい年齢の子どもも少なくありません。
そのため、机の横や棚の横にフックがついている場合には、
①椅子においてかぶせを手前の背もたれにひっかけて机や棚に教科書類を出す
②ランドセルをかける
③宿題をする
④ランドセルをかけたまま翌日の準備する
といった手順を決めるのも有効です。
子どもと導線を確認しながら、一緒に相談して決めるのもいいですね。
ランドセルのリビング収納③ランドセルラックに置く
ランドセルラックは、教科書・学用品など全てを一緒に収納でき、一台ですっきり片付けができる優れものです。大きさもタイプもさまざまなので、翌日の準備や朝の登校がスムーズにできるようにお子さまに合ったものを選びましょう。その際には、下記にあるオススメのラックの選び方・収納ポイントなどもぜひ参考にしてみてください。
オススメのラックの選び方
ラックを選ぶ際にはある程度絞ったうえで、可能な限り子どもが気に入ったデザイン・形のものを選ぶと良いでしょう。ランドセルを直に置けるタイプなら、教科書類を置ける棚がついているものがオススメです。また可動式の棚であれば移動も簡単なので、収納場所を移動させる場合にも役立ちます。
制服を着る学校に通っている場合には、ハンガーラックが付いたものが最適。ランドセルの収納に加えて、帰宅時の脱ぎっぱなしも防げて一石二鳥です。
ラック収納ポイント
ラックの収納ポイントは、次の3点です。
・長期休みに持ち帰ってくる絵の具・鍵盤ハーモニカ・習字道具などが置けるスペースを作っておく(散らかることがなく、新学期が始まる際の忘れ物も防げる)
・ラックの使い方を親が動作で説明し教える
ラック収納で最も大切なのは「ラックには学校に持っていくものだけ」を置くことです。それ以外のものが置いてあるとランドセルが置けなくなり、結果的に床やリビングに置きっぱなしということになりかねません。ラックを買ってあげるだけでは上手く使いこなせないので、子どもにラックを有効活用してほしいと考えるなら、まずは親が使い方を見せてあげると良いでしょう。
子どもが使いやすいランドセルの「置き方」を探そう
何事もそうですが、子どもは「させられている感じ」が出ると持続できません。そうならないためにも、まずは子どもが使いやすいランドセルの置き方を一緒に考えてあげることが大切です。
そのためには、入学してはじめて一緒に教室に入った時の机の高さ、椅子の高さ、棚の高さなどを確認し「子どもの発達に合わせた収納」を作ることが第一歩となります。
そのほかにも、
・背表紙や上面だけを見てどれが何の教科書か分かるのか
・どのくらいの重さのものを床から何センチくらいまで持ち上げることができるか
といったように、収納を決める前に子どもの目線で物事を見てあげるのがポイントです。
また、時間割の用意の仕方ひとつをとっても、
・互い違いかませてひとくくりにしている子
・教科書ばかり先に入れて後からノートを入れる子
・今日の時間割から差し引きして入れる子
・1時間目から順に入れたい子
など、いろいろな子どもがいます。きょうだいがいる場合は上の子と同じにするのではなく、子どもの性格・生活パターンを見極め、その子に合った準備の仕方、ランドセルの置き方を探しましょう。
片付かないなら整理収納アドバイザーに相談を
今回は、ランドセルの置き方について解説していきました。
これまでいろいろなランドセル収納を試してみたものの「やっぱり床に置いてしまう」「リビングに転がっている」といったご家庭は、ぜひ今回ご紹介した方法を試してみてくださいね。
それでも収納方法に迷ってしまう場合には、直接整理収納アドバイザーに相談してみるのも一つの手です。
リビングをランドセル置き場にすると言っても、帰宅後の時間の使い方、きょうだいの帰宅時間の違い、習い事などによっても管理の方法、置きやすい位置などは異なります。そのため、一度整理収納の専門家に間取りや収納方法を見てもらい、的確なアドバイスを受けると、格段に収納しやすさがアップするに違いありません。
また乳幼児がいる場合には、リビングのおもちゃ収納の方法、月齢に合わせた片付け方法や、おもちゃの選別などの提案も行っています。特に未就学児と就学児がいる場合には、年齢別のおもちゃがぐちゃぐちゃになってしまったり、学習スペースやベビーサークルが共存していたりと、リビングが散乱しがちです。
ご家庭の優先順位に合わせたオーダーメイド収納をかなえたい方、ランドセルの置き場にもう二度と迷いたくない方は、この機会にキッズラインの整理収納アドバイザーにご相談してみてみることをおすすめします。
お部屋の雰囲気を損なわず、ご家族の暮らしに合わせたすっきりとした収納を実現しませんか?整理収納アドバイザーが、あなたのお悩みに合わせた最適な収納方法をご提案します。最近人気の収納アイテムや、おしゃれな収納ボックスなどもご紹介しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
キッズラインでの活動歴は、4年8ヶ月。保育士資格に加え、整理収納アドバイザー1級、整理収納教育士認定講師の資格を活かし、数多くの子育て家庭の「子どもも一緒に片付けできるようになるための収納改善」を手掛ける。家事サポーターの他、ベビーシッターとしても活躍中。
片岡さんのプロフィールページはこちら
https://kidsline.me/housekeeping/show/u4066191007
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