私たち日本人は、「お金を貯める」方法や、その重要性について、たくさん教わってきました。でも、「お金の使い方」について教えてもらったことのある人は少ないでしょう。「お金持ちの人と、普通の人は、お金と時間の使い方が違う」とも言われます。「賢いお金の使い方」とは、どういうことでしょうか。 そこで、金融教育ベンチャー・マネネのCEOで経済アナリストの森永康平さんに家庭で今すぐできる「賢いお金の使い方」を伺いました。普段何気なくしている「家事」がお金を生み出すとは?実はお金が殖える意外な方法に迫ります。
ー私たちが「お金を使う」とき、なんらかの罪悪感をいだきます。「なるべく使わない方がいい」という空気や文化が、もともと日本にはある気がします。そのうえで最近は、無料コンテンツやモノがあふれていることもあって、「(サービスに)お金を支払う」行為に抵抗がある人が増えてきている印象です。 「お金を使わない=マネーリテラシーがある」という風潮に対して森永さんは、どう思われますか?
▼老後資金不足は2000万円どころではない⁈
お金について、僕の考えでは5つに分けられると考えます。
1.(仕事で)稼ぐ
2.貯める(貯金する)
3.(資産運用で)殖やす
4.減らさない(節約する・騙されない)
5.使う
一般に「マネーリテラシー」という場合、これら5つ全てに対してバランスよく知識を持つことが重要です。「なるべくお金を使わない方がいい」というのはいわゆる「2.貯める」ないしは「4.減らさない」という部分だけであり、バランスを欠いた行為をしていることに他なりません。
大事なのは、5要素のバランスなんです。レーダーチャートでいえば、5要素がバランスよく、綺麗な五角形を描くのが理想ですね。
多くの人の関心ごとは「どうやったらお金を殖やせるか」だと思いますが、一人の人間が仕事を通して一生涯で稼げる金額って、だいたい決まっているんですよ。何十億円も稼ぐ人は稀で、ほとんどの人には上限があるんです。今年の夏に、年金だけだと老後資金が2,000万円くらい足りなくなるという試算が主にSNS上で炎上し、都内ではデモまで起きましたが、僕の見立てではもっと足りなくなると思います。5,000万円ほど足りないという人が多いはずです。2,000万円の算出には平均値を用いているでしょうから、実際には5,000万円ぐらいはないといけないと思っておいた方がいい。
だからこそ、5要素のバランスが重要なんです。日本人は国民性として放っておいても貯めるので、逆に貯めすぎちゃう傾向にあるんです。でもね、これはもう仕方ない。国民性だから。個人だけじゃなくて、日本の企業だって、500兆円以上も内部留保を積み上げてるんです。日本の国内総生産(GDP)とそんなに差のない額ですよ。
これからは、どうやって「貯める」かではなくて、どうやって「使う」か。そして、どうやって「増やす」かという知識を幼少期から身に付けることが重要になるのです。
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▼家事代行は副次的なメリットのある投資
ーなるほど。「お金の使い道」には、消費、浪費、投資とありますが、それぞれを分けて考えられている人は少ない印象です。
家庭内でできることや、自分が頑張ればできることに対してお金を払うのは「ゼイタク」という考えもあります。
おもに「浪費」と「投資」、「消費」の違い、について教えてください。
「浪費」と「投資」、「消費」の違いは明白で、以下の通りです。
浪費:無駄遣い、自分にとって不必要、意味のない買い物などがあたる
投資:一旦お金を出すが、それがお金だけでなく、それ以外(例:経験値)で返ってくるもの
消費:お金を出してモノを買ったり、サービスを受けること
自己投資という言葉がありますね。本を買ったり、学校に通って勉強をして「知識がついた」、「資格を取得した」というお金ではないかたちで自分に戻ってきますよね。でも、回り回って、それがきっかけで年収が上がった、というように副次的にお金として返ってくることもあります。
例えば、「家事代行」はどれに当てはまるか、と考えたとき、僕は間違いなく「投資」だと思っています。「家事代行」の場合、「浪費」にはなり得ないんです。少なくとも、お金を払う代わりにサービスを受けているわけですから。
それでは、「投資」か「消費」かという点ですが、本来は家事にあてていた時間を家事代行を使うことで別のことに使えるわけですよね。、その時間で仕事をして家事代行に掛かる費用以上のお金を得れば、投資そのものだし、お金を得なかったとしても、美味しいレストランに食事に行ったりしてリフレッシュしたことで、そのあとの仕事が頑張れるなど副次的なメリットを受け取っている場合においても投資といえるでしょう。
▼「自分で家事をするから0円」と考えることの落とし穴
ー なるほど、家事代行は「投資」なんですね。私たちは、「お金の使い方」を考えるとき、「時間」とトレードすることが多いです。そのとき、「時間より手元のお金」を大事にしがちです。
経済学的には、「お金」と「時間」はどういう関係で考えられていますか? また、「賢いお金の使い方」をする人は、「お金」と時間をどう考えていますか?
そうですね、僕は「時間」と「お金」をからめて考えるのが苦手な日本人が多いと思うんです。一つの考え方として、常に「自分の時給」を軸にして物事を判断するという考え方は意識しておくべきじゃないでしょうか。
例えば、「家事代行」の場合、家事を誰かに依頼したとします。1時間1,500円で依頼するとしますよね。この場合、多くの人は出ていくお金(1,500円)しかみないから、自分でやればタダなのに無駄遣いだ、という感覚を抱くのです。でも、実はそこには「自分の時給」という考え方が抜けているんですね。
私たちは各々に時給が存在するんです。アルバイトをしている人ならその時給だし、会社員の方だと一日の勤務時間×営業日数を年収で割り返せば概算できます。例えば年収700万円で1日8時間労働で、年間240日働いているとすれば、税金や社会保険料を考慮しないと、ザックリ時給は約3,600円ですね。なので、家事に1時間使うんだったら、1,500円払って家事代行を頼んで、その1時間を労働に回せば、「3,600円 - 1,500円」で2,100円も浮くわけですよ。
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▼なぜか古臭い価値観を引きずる日本人
今の僕たちが持っている価値観は、上の世代の価値観から強く影響を受けていることが多いんですね。
一昔前の日本の家族スタイルは3世帯同居が当たり前で、現役で働く世代は親世代に家事と育児をアウトソースできた。その代わりに、親世代を経済的な側面で支援していた。相互扶助のかたちが自然にあったんですね。だからこそ、「家のことは身内で完結する」と思うようになったのかもしれません。
しかし、今や社会環境は大きく変わり核家族で共働き世帯が増えている。それにも関わらず、価値観がアップデートされていないんです。そもそも、人口ボーナス、高度経済成長の時代から逆転し、少子高齢化・低成長と真逆の現況だからこそ、日本人が価値観をアップデートすることが今の時代には求められているんですね。
▼家事代行は「投資」「稼ぐ」に繋がっていく
年金をもらったとしてもそれだけでは足りない、自分で殖やさないと生きていけないし、殖やすノウハウがないといけない。「3.(資産運用で)殖やす」のスキルですね。ただ、資産運用をしたから100%殖える保障はないから、明確に殖える、と自信を持って言えるのは労働して稼ぐお金なんです。
だからこそ、自分の時給をいかに高くしていくか、に集中してリソースを割くべきなんです。僕ら社会人に求められているのはそこなんですね。家事代行を頼む、という行為はこの文脈でいくと「お金を殖やす」行為の一つに他なりません。
家事をうまくアウトソースして自分の時間を作り、スキルを高めていかにキャリアアップするか、というのがもっとも将来に備えた行為になる。家事代行で生み出した時間を有効活用する場合、「投資」であり、「1.稼ぐ」行為にも発展するんですね。
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▼本来の女性進出はまだまだ
ー まだまだ今の日本では女性が家事を引き受けるケースが多いように感じます。「家計」で考えたときに、女性が外ではたらき、家事労働をアウトソーシングした場合の経済的メリットとデメリットについて教えてください。
また、「経済合理性」という言葉は、家庭内においても使える考え方なのでしょうか?
独立行政法人労働政策研究・研修機構のデータによると、僕が生まれた1985年時点では専業主婦の世帯は952万世帯、共働き世帯が722万世帯だったのが1997年くらいに逆転、そこから差が広がって2017年には専業主婦世帯が641万、共働き世帯が1,118万世帯にまで及んでいます。つまり、共働き世帯が1.5倍に増えているんですね。
今の時代では共働き世帯が当たり前である一方、世帯収入はほとんど変わらないんです。つまり、女性が働かないと日本の生活が維持できない、ということ。女性も労働力として外に出ないと困る、という世帯が多いんですね。ですから、「日本では女性の社会進出に成功した」とか言ってる人を見かけますけど、それは本来の意味とはかけ離れてるんです。仮に男性がガッツリ稼げるんだったら、未だに女性は家のことをやっておけ、と思っている人は多い。
僕は性別問わず、収入源を2つ持つのは大事だと思います。何が起きるか分かりませんからね。病気や事故で急に仕事が出来なくなることなんてよくあります。だからこそ、家事代行サービスで適宜アウトソースしながら、お互いにキャリアを切れ目なく継続させることが重要なんですね。
▼家事の価値観をアップデートするなら、今
古い考えに基づくと「母親のくせに家事もしないの?」という声も聞こえてきそうです。また、直接言われたわけではないけれど、そういう目で見られているかも、と感じる風潮もありますね。
日本人は古臭い概念に縛られすぎていると思うんですね。日本から見るとアジア各国は未だに新興国や後進国だ、と思っている人もいますが、スポットで見れば日本よりも遥かに進んでいることもあります。
これまでジャカルタや台湾に駐在した経験がありますが、向こうではベビーシッター、家事代行利用は当たり前です。なんなら所得が低い家庭がそれらのサービスを使って、女性がバリバリ働いて家計全体で経済力を向上させている印象です。血縁関係はなくても、誰かに頼るのは子育て期を維持するための賢い選択ではないでしょうか。小さい頃から家族以外の人と接点を持つことは社会性を高めることにもつながります。
古い価値観は捨て、もっとアップデートしないといけない転換期に来ていますね。男性でもし「とはいえ、家事は女性がすべきだろう」と考える場合は「一回自分でやってみろ」と言いたい。
僕は自営業なので、会社員に比べて時間に融通が効きやすいので、3人の子どもたちの送り迎えや、病気になった時の子守りなどをしているのですが、子どもと一日中過ごす、というのは相当大変なことです。育児って誰かに褒められるようなものでもないじゃないですか。どちらかというと減点ゲームの世界で、何かあると減点されるような側面もあります。
家事をやってみてできる場合はいいですが、やってみたら思っていたよりも大変だった、となる場合は自分より経験値のあるプロに依頼する方がいい。家事が得意な人は、自分のスキルを上げてもっと時給を高めていけばいい。そうやって家事を家庭に留めないことこそ、今の時代に求められている気がします。
▼早速家事代行を依頼してみる
▼「好き」「得意」を生かして働く
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