4人の子育て、6人の孫育てを経験した佳子さん。今では自分らしい働き方を見つけて毎日イキイキと、定年後のご主人との生活も充実されています。
子供の笑顔に囲まれて
ー子育て、孫育ての他にも子どもに関わる活動をされていたそうですが詳しく教えて下さい。
子どもが4人いましたので、随分長い期間小学校、中学校のPTAをやっていました。計18年間ですかね。PTAでは先生方と地域のサポート役として活動していました。その他にも子どもサポート教室のお手伝いを週1回のペースで10年以上続けています。学童は親御さんが働いている子どもが対象となりますが、子どもサポート教室は誰でも入れます。常に自分の子どもや、地域の子ども達に囲まれて過ごしていました。
ー子どもに関わる仕事をされた経験はありますか?
お金をもらうという意味での仕事はキッズラインが初めてなんです。友人の紹介をきっかけにキッズラインを知ったのですが、子育て経験が活かせるという点に魅力を感じ、キッズサポーターとして登録しました。キッズラインでの仕事のために携帯をスマートフォンに変えたんですよ。ペアレントの方になるべく早くお子さんの様子をお伝えしたいと思い、帰りの電車の中で完了報告を書いたり、毎日スマートフォンと睨めっこして格闘しています。子どもと長年関わってきた方だと思うのですが、実は自分が子供が好きだと実感することは今までなかったんですよ。子どもは身の回りにいて当たり前ではないですが、キッズラインで仕事を始めてみて、改めて私は子どもが好きなんだなと知るきっかけになりました。もうこの子はこんなことが出来るようになったんだなと、子ども達の成長の早さにはいつも驚いています。色んなことに興味を持つ子ども達に良い刺激をもらいますし、笑顔いっぱいの子ども達と過ごすことで、いつも元気をもらっているように思います。
ーキッズラインで働いてよかったと思うことは何でしょうか。
主人が定年を迎えて2年経つのですが、当初子供達が巣立った家に2人でいるのはなぁと内心思っていたんです。静かになった家で、ちょっとしたことで喧嘩をしていた時期があります。主人は長年、仕事に打ち込んで忙しくしていたので、急に手持ち無沙汰になってしまったようでした。そんな時にキッズラインでの仕事を始めて、外に出ることが増えて、ちょっとした気分転換になりました。毎回サポートの度に新しい出会いがあることを嬉しく思いますし、若い親御さんと話す機会が増えて、これからも新しいことをどんどん吸収してペアレントの方にお伝えしたいなと思っています。私がキッズラインのサポートをするようになってから、主人が家事を手伝ってくれるようになりました。家事をするようになってから、主人は性格がよりいっそう穏やかになったように思います。大人も子どもも自分で出来ることが増えると嬉しいですし、新しいことを始めるとわくわくしますよね。きっと主人も仕事漬けの生活から、自分の時間を持てるようになり、外出が増えた私を気遣って、料理を始め簡単な家事もやってくれるようになり、私は日々主人に感謝する機会が増えました。ありがとうと伝え合うことで主人との時間がもっと楽しくなり、家の中の空気が今まで以上に穏やかになりました。
ー今はどのようなペースでお仕事されていますか?
孫の世話もあり、まばらなスケジュールでサポートしています。ペアレントの方からは単発のご依頼を頂くことが多いですね。中でも0歳児のお子さんのサポート依頼が多いです。どの子もとても可愛くて、また会いたいなといつも思っています。
子育て・孫育て歴38年の佳子さんのプロフィールページ
※キッズラインで予約をするとサポーターの本名が公開されます。キッズラインのサポーターは全員本人確認書類を提出しています。
子育てのルールも子どもの個性も十人十色
ーママ達からはどのような相談が多いですか?
お医者さんや、育児本に書かれている内容について「これはどう思いますか?」と相談頂くことがあります。皆さんお医者さんから言われたこと、育児のマニュアルに忠実でいなくてはと、勉強熱心で真面目な方が多いのかもしれません。今はインターネットのおかげですぐに情報が手に入る分、様々な情報に振り回されてしまっている親御さんも多いように思います。でも専門的な意見だとしても、一概に良し悪しは決められないですよね。それぞれの子どもに個性がありますから、その子らしさの芽を潰さないよう、育児を楽しんでほしいなと思っています。子どもが心配で心配でダメと言って止めてしまう方も多いと思うのですが、ただダメと言ってもその子はなんでダメなのか納得できないで繰り返してしまうんですよ。子供はとても賢いので、なんでダメなのかゆっくり繰り返し説明すれば分かってくれます。頭ぶつけて痛かったよね、また痛い痛いしないようにテーブルをよく見て歩こうねと言ってみて下さい。きっと子どもも言っていることを理解して、少しずつ危ないことや、やってはいけないことを覚えて行くと思います。
ー思いがけない子どもの行動にどう対処したらいいでしょうか。
そうですね、親御さん自身とお子さんの性格に違いがあって悩んでいる方も多いように感じます。この子は本当に落ち着きがないんですと言われ、元気いっぱいの男の子に会ったことがあります。元気いっぱい走り回って明るい子だなという印象を持ったのですが、ママが読書をしたり室内遊びが好きな方なんですね。それと比べたら落ち着きがないと感じてしまうかもしれません。どうしても何かを判断する時は自分の中の当たり前を軸に考えてしまいますよね。でも子どもは生まれながらにして個性を持っていて、読書が好きな子、外遊びが好きな子と様々です。落ち着いた子もいれば、元気いっぱいわんぱくな子もいて、みんなとても可愛いですよね。どれもその子のキラキラ輝く個性なんですよ。お子さんは元気いっぱいでかけっこも早いし、みんなと仲良く遊べてえらいですねと、第三者の私が客観的に見たその子の個性の特徴や魅力をママ達に伝えるようにしています。子育ては予想外の出来事の連続だと思うので、何かあっても見守っているよという安心感を子どもに常に与えてあげること、つまり見守ることが大切なんじゃないでしょうか。
ー佳子さんの子育ての流儀を教えて下さい。
子どもは達成感が欲しいんですね。私はそれを助けてあげることが親や周りの大人の役割なのかなと思って、子ども達と過ごしています。好奇心がある子ない子がいて当たり前、運動の好き嫌いがあって当たり前ですよね。その子の好き嫌いを見極めるのには、時に何も言わずに見守る我慢も必要です。大人の私たちはついもどかしくなってしまうこともあるかもしれませんね。でも子どもは頭でよく考えて、納得して理解して、私達が思っている以上の早さで学習して成長しています。何でも頭ごなしにダメと言ってしまうと、なんでダメなのか分からなかったり、納得できなかった子どもは親に隠れてダメなことをやるようになります。ある意味とても賢いですよね。隠れてダメなことをしているなと気付いたら、お互い納得するまで話し合いましょう。なんでダメなのか分かるかな?と一緒に考えるものいいですね。そうやって自分で考えることも個性の形成や自己の承認に役立つと思います。小さい時にこういった経験があれば、悪いことはいずれ大人にバレてしまうと分かり、成長してからも善悪の判断が付くことで、心のブレーキが作れると思うんです。最近では未成年の犯罪が増えていますね。もしかすると小さい頃の親や周りの大人との過ごし方が影響しているのかもしれませんね。
ー子どものやる気を引き出すコツがあれば教えて下さい。
ご褒美をあげたら、ご褒美がないと頑張れない子になってしまうのではと心配に思う方が多いかと思います。でも私は宿題が嫌いという子には、宿題が終わったら好きなおやつを食べようねというように、ご褒美でつるのもいいかなと思っているんですよ。ただ単に今はやりたくないというだけかもしれないですからね、一度スイッチを押してエンジンをかけてあげたら自分で進んでできるようになるかもしれません。大人でも出掛けるのが億劫に感じていたけど、いざ重い腰をあげて外に出たら楽しかった、出掛けてよかったと思うことってありますよね。何かを始めるきっかけのご褒美だと思えば、良い影響がたくさんあると思うんです。
ー最後に子育て中のパパママにメッセージをお願いします。
私の子育て経験から思うことですが、生まれながらにして女の子は真面目子が多く、男の子は興味があることにまっしぐらに集中できる強みがあると思います。それも個性です。まずダメと言ってその子の個性を潰してしまわないように、その子のカラーを大人が引き出していきたいですね。そしてダメな時は何でダメなのか丁寧に繰り返し説明する、一緒に考えることが大切だと思います。自分とは違う個性を持った子どもと一緒に過ごすことで、大人も新しい発見や学ぶ事がたくさんありますからね。子どもはみんなの子どもだと思うので、これからも子ども達が笑顔で毎日楽しく過ごせるよう、大人である私たちがそっと手を差し伸べていきましょう。
ーいかがでしたでしょうか。
子どもの個性を活かすのは大切だと頭では分かっていても、なかなか実行するのは難しいですよね。38年も子どもと関わってきた佳子さんの言葉だからこそ、どれも印象深く心に響きました。