第1回、第2回に続き、「わたしの母ものがたり」第3回は小澤さんを綴る最終章。母として、1人の女性として生きるエッセンスが詰まった物語です。母という存在のあり方、人生で出会ったかけがえのない言葉、自分自身を励ますポジティブな思考など、小澤さんの私らしく生きる秘訣がここにありました。
母親にしてもらいたかったことが子育ての原動力に
「母」という存在...。
その答えは、私自身が母親になってはじめて見つけられたものかもしれません。
私の甘え下手は両親との関係にも及び、父や母に上手に甘えられずに思春期を過ごしてきました。
そのため親子関係というのをあまり知らずに育ったせいか、親子や母性というものが見近な存在ではありませんでした。
でも、母親になってみたら思いのほか自分に母性があって(笑)。
「母親らしいこと」は全てやりたかったし、子供にしてあげたいと強く思ったんですよね。
それらは私が母にして欲しかったことなんだと、後になって気づきました。
「大丈夫」という魔法の言葉に出会って
子供たちが幼い時期はずっとそばにいることができて、子供からたくさんのエネルギーをもらいました。そして、仕事の時間が取れるようになった今は、出会う全ての人からもらう言葉が、私の大事なエネルギーになっています。
言葉とは、頭脳を刺激し、人の心を揺さぶり、そして行動させることができる、とてもパワーがあるものだと思うんです。
ある時、尊敬してやまない女性から
「大丈夫よ、明日はいつも真っ白な日だから」
と言われたんです。
心に安心感が染み渡り、言葉のパワーを感じました。
「そうだ、私はきっと明日も大丈夫」
そう勇気づけられたんです。
それと同時に、まるで母に励まされたかのように、こんなにも言葉は温かく心に響くものなんだと感動しました。
「私も彼女のように、言葉で誰かの背中を押せるような存在になりたい」
「誰かが迷ったり不安な時に踏み出せるような、言葉をかけられる人になりたい」
そう思いました。
踏み出すから得られる成長の証
※MOTHERの寄付活動により2020年夏、あしなが育英会から「感謝状」を授与
新しい一歩を踏み出すことは、勇気がいることだと思います。
でも、踏み出してみないとわからないこともたくさんある、とも思っています。
私もこれまで、決して順風満帆だったわけではありません。
不安な思いをしてきたし、不安で頭がいっぱいになったことも何度もあります。
けれど、そういう時こそ冷静になって「自分は大丈夫」と心の中で唱えたり、「起きていないことに不安になるなんて不要なこと、失敗したっていい」と自ら励ましてきました。
「大丈夫」という言葉に、どんなに救われてきたことでしょう。
まさに私にとって「大丈夫」は魔法の言葉でしかありません。
だから、これからも「大丈夫」という言葉に勇気をもらって前に進んでいきたい。
誰かの自信に繋がるような手助けをしていきたい。
そして、
「私が私であること」
「特別なものではなく」
「真っ直ぐな思いを大切に」
そうやって「真っ白な明日」を大切に生きていきたいと思います!
第1回「わたしの母ものがたり・子育て編」小澤あきさん
第2回「わたしの母ものがたり・仕事編」小澤あきさん