子育て経験のあるベビーシッターの方にご登場いただく「十人十色のしごと術」。第2回目はお子様の不登校の経験から、親子に関するコミュニケーション学を学ばれた西本さんにお話を伺いました。現在は、お子様や親御様の笑顔が増えることを喜びに活動されていらっしゃいます。一体どんなコミュニケーションを取られているのでしょうか?その秘訣を教えていただきました!
友達のような目線でいること、「褒めポイント」を大切にしています
お子様と過ごす中で最も大切にしているのは、「褒めポイント」を見つけたら心から褒めることです。そして、どんなに小さな問題も大人の意見で片付けず、必ずお子様の意見を聞くようにしています。
問題を一緒に考えたり、お子様が自ら答えを見つけた時は、思い切り褒めて自分が認められている、自己肯定感を味わってもらいたいんです。
自分が認められている、自己肯定感を味わってもらえたら、例え短時間のサポートでもお子様の中に満たされたという気持ちが生まれます。そうすると、「寝るまで機嫌が良かった」「いつも兄弟喧嘩が多いのに、サポートしてもらった日は下の子に優しく接している」など、親御様からありがたいご報告をいただいています。
今はお子様の成長を一緒に見守りながらサポートできて幸せですが、初めからこのようなコミュニケーションができたわけではありません。
全てのお母さんに笑顔でいて欲しい、その思いからベビーシッターになりました
私はワンオペで3人の子育てをしてきたんですが、叱ってばかりの余裕がない日々でした。
しかも、子供の意見を尊重するというよりは、先回りして危険物を取り除いたり、安全な道に進むよう「母親という権力を使って子供たちを型にはめていた」というのが私の子育てでした。
そんなある日、息子が不登校になってしまったんです。そこで初めて親としてのあり方について見つめ直し、親子関係の修復に取り組みました。
「息子を助けるためにもまずは自分が変わらなければ」という思いから様々な方法を検討する中、今の原点となった親子に関するコミュニケーション学に出会ったんです。
夢中で勉強する中、「聞く」「認める」「誉める」という方法が取り入れやすく役に立つことがわかり、すぐさま実践しました。
はじめはぎこちなかったですが、根気強く日々実践していくうちに、不登校になった息子だけでなく、3人の子供たちが自分の思いや考えを話してくれるようになり、さらには必要な時はきちんと相談してくれるようになりました。そして今まで以上に親子関係が良くなったんです!
息子たちとのコミュニケーションを通して効果を実感し、今度は「自分と同じような辛い思いをしたり悩んでいるお母さんを助けたい、全てのお母さんに笑顔でいて欲しい」そう思うようになったんです。そこでベビーシッターという仕事を選びました。
サポート中にお子様のやる気を引き出すコミュニケーションを心がけています
サポートさせていただくご家庭で「お子様がテレビに夢中でなかなかお風呂に入ってくれない」という悩みを親御様にされたことがあるんです。
お母様としては、夕飯前に下の子をお風呂に入れるので、そのタイミングで保育園から帰宅したお子様も一緒にお風呂に入れたいということでした。
そこで、保育園の送迎サポートをしている時に、お子様と「どうしてお風呂入らないのかな?帰ってゆっくりしたい気持ちもわかるし、1人で好きな時間に入るのもいいと思うよ」など、お子様の気持ちに寄り添いながら、考えを引き出す作戦を実行してみたんです。
一生懸命考えて気持ちを伝えてくれたので、「そしたら〇〇ちゃんはどうしたらいいと思うかな?」と一緒に考えてみました。
するとお子様から「お母さんと一緒に入らないと髪の毛が1人で洗えないから、一緒に入った方がいいし、すぐ入ればママも喜ぶね!」と自ら答えを出してくれました。
自分でひらめいた事が嬉しくて、ワクワクが止まらなくなり「〇〇ちゃんチャレンジ、スタートだ!」と盛り上がるお子様を、たくさん褒めて応援しました。
結果、お子様はその日から帰宅後すぐにお風呂に入ることができ、お母様にたくさん褒めてもらえました。
今回のように親御様の要求にお子様が従うのではなく、お子様が自発的に楽しみながら取り組むことで幸せの連鎖が生まれました。
子供が本音を言える関係でいて欲しいと思います
子供というのはお母さんのお腹から出てきたら、その時点で「いち個人」です。親御様の「もの」でもないですし「支配下」でもありません。そのため、当たり前のことですが1人の人間として認め、尊重してあげることはとても大切なことだと実感しています。
子供個人の尊重なくしては、親子の信頼関係は築けないと思います。ましてや子供が「NO」と言いたい時に言えずに心にしまってしまうと、きっといつか爆発してしまいます。
私は自分の子育てでその怖さを経験しました。すでに子育てをして十数年経った頃の出来事でしたので「もっと早く気づけたら良かったのに」とさえ後悔もしました。
なので、生まれた時からお子様をよく見てあげて欲しいと心から思います。イヤイヤ期のお子様に手を焼いて困っているという親御様の声を耳にしますが、イヤイヤ期こそお子様が親の意志とは関係なく、自分の考えを持ち、それを伝えることができるようになったのです。まさに成長の証ですよね。
その後の成長過程でも、自分を受け止めてくれるという親子の信頼関係があれば、子どもが安心して本心を言いやすくなるのではないでしょうか。ぜひお子様を信じ、成長を喜びながら親子のコミュニケーションを大切にして欲しいと思います。
これからも、一つ一つの出会いとコミュニケーションを大切にしながら、親御様やお子様の笑顔が絶えないサポートを心がけていきたいです!
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