保育園にて計11年以上の勤務経験があり、1000回以上のシッティングを行っている丸山愛弓さん。海外で始めたベビーシッター経験を生かして、英語でのシッティングも行っているそうです。中にはシッティングがきっかけで、英語が好きになりインターナショナルプリスクールに入園したお子様も。丸山さんが実践する、“自然と英語に興味が湧く”シッティングについて、詳しく伺いました!
海外ではベビーシッターが家庭に溶け込んでいる
――海外でベビーシッターをされていたんですね!
日本の保育園で6年働いた後、海外で暮らしてみたいと思い、まずフィジーへ行きました。その後、ワーキングホリデーを利用してオーストラリアへ。海外にいたのは約3年半で、ビザが切れるタイミングで帰国しました。
現地ではさまざまな職業に就きましたが、英語がネイティブではないことが影響して、収入や待遇に恵まれませんでした。元々プロとしてやっていたのは「保育」だったので、思い切って現地の掲示板サイトでベビーシッターの職探しをしたのが、スタートです。「日本人で乳児の保育の経験があるベビーシッターを探している」という方に出会って、そこからママたちの口コミでお仕事が頂けるようになりました。私の場合は、保育士の資格と経験があったので、「0歳児を見られる」ということが現地のママたちに重宝されました。
――自ら探さなくても、シッティングのお仕事が入ってくるというのはすごいですね。海外ではベビーシッターという存在が日本に比べて身近なんでしょうか?
そうですね。子どもがいる家庭でベビーシッターを頼んでいない家はない、というくらい身近です。家族の中にベビーシッターがいるのが普通という感覚ですね。親御さん自身もベビーシッターさんに親しんで育った方ばかりなので、「任せる」ことに慣れています。
高校生がアルバイトで近所のベビーシッターをしていることも多いです。もちろん女性だけの仕事ではなくて、男子学生もやっていますね。
――日本でのシッティングは、海外と比べると違いがありますか?
ベビーシッターという存在がまだ身近ではないので、基本的にシッティングの依頼を受けるのは、ベビーシッターを依頼するのが初めてというご家庭がほとんどです。そのため、顔合わせや面談でお会いするときには、ご家庭の生活のルーティーンをヒアリングし、サポートが必要な時間帯や場面がどこなのか、どんなサポートがあった方がよいかをこちらから提案するようにしています。
英語を教えるのではなく“自然と親しむ”環境を整える
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――英語でのシッティングはどのように始めたのですか?
「英語ができるなら、教えてほしい」と依頼を受けて始めました。英語シッターの依頼自体は多いわけではなくて、ご家庭の方針やお子様の成長に伴って、保育中に英語をプラスするという形です。
――幼いお子様に英語を教えるというのは、どうやって進めていくのでしょうか?
私の場合は、英語を教えるという立ち位置ではなく、あくまでも保育の中で英語に触れるきっかけを作るというスタンスです。“自然と英語に親しむ”環境を整えてあげるというのが、正確かもしれません。
なので「自然にアプローチしながらお子様が興味を持つまで待ちます」と、親御様にはお伝えしています。お子様の興味に従って、少しずつ英語を取り入れる量や時間を増やしていきます。
『お友達の好きなこと』=英語、という認識から入る
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――“自然と英語に親しむ”環境は、日本国内で日本語がメインの家庭だと、なかなか作るのが難しいと思います。そこをサポーターさんとしてお子様には具体的にどのように接しているのですか?
英語よりも、お子様と私との信頼関係を作っていくことが先ですね。
まずは、サポーターの私のことを「仲のよいお友達のあゆみちゃん」と思ってもらえることが大切です。誰でも"好きな人の好きなこと" には興味を示しやすいので、英語はそれからです。
普段のシッティングの中で私が英語の歌を歌った時に「あゆみちゃん、その歌なに?」と聞いてきてくれた時、「この歌はね、あゆみちゃんがすごく好きな英語の歌だよ」と返すことで、子どもは初めて“英語”というものがあることを知ります。そこで興味を持ってくれるようならば、英語の歌を一緒に歌ったり、英語の絵本を読んであげたり、お絵描きで英語を書いたりして「英語って面白いな、楽しいな」と思ってもらうようにしています。
最初から“英語”を学ぶものと捉えず、『お友達の好きなこと』という認識から入ることで、異言語というハードルを感じずに、英語に自然と親しむ環境を整えています。
――英語に親しむには、大体何歳くらいからが目安ですか?
この年齢からという基準はなく、ご家庭の環境によりますね。2歳からでも大丈夫ですし、逆に遅いということもありません。周囲に外国出身の人がいたり、外国の言葉に触れる機会があるかないかによって違うので、一概に何歳から英語が可能という風には考えず、お子様の興味次第でよいと思います。
英語を好きになって、自然な流れでインターナショナルプリスクールに
――シッティングされていたお子様がインターナショナルプリスクールに通うことになったそうですね。
そうですね。その親御様はお二人とも日本人で、英語が特別にできるという方ではありません。ただ、シッティングの中でお子様がとても英語を好きになってくださり、それがきっかけでインターナショナルスクールのプリスクールに見学に行ったそうです。その時にお子様がとても生き生きしていたということで、今そのプリスクールに通っていらっしゃいます。
――そのお子様にはどんなシッティングをされていたんですか?
まだお子様が2歳くらいの頃に、そのご家族と一緒にショッピングモールに行く機会がありました。私はお子様と一緒に英語の本のコーナーを見ていたのですが、ボタンを押すと歌が流れる絵本があって、その歌を全部私が歌えたんですね。どのボタンを押しても私が歌って踊るので、お子様がとっても喜んでくれて。
結局お子様はその本を買ってもらい、シッティング中にその本を使って英語の歌を一緒に歌うことから英語とのふれあいが始まりました。
その後は、『The Wiggles(ウィグルス)』というオーストラリアの子供向け番組を一緒に見たり、英語の本を読み聞かせたりして、お子様がどんどん英語に夢中になっていったという感じですね。
――なるほど。日本に暮らしていてもサポーターさんの力で、英語に親しむことが出来るんですね!そのお子様のシッティングは今も継続されているんですか?
お子様が4歳半になった今もお付き合いしています。インターナショナルプリスクールからの英語のお便りやホームワークなど、親御様が理解できないものがあるとお問い合わせいただくこともあります。その際は、代読するなど手助けしていますね。
英語に限らず、一人一人に合わせてあげられるのが個別保育
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――丸山様が考える、自分らしいシッティングとは?
英語でのシッティングに関しては、お子様自身が英語を便利なものだと認識したり、もっと知りたいと思ったり、「これを覚えた方が楽しいな」と思ってもらう、その過程を担うのが自分の役目かなと思っています。
しっかりと英語を学ぶなら、英語のレッスンに通えばよいので、私としては英語に興味を持てる環境を提供してくことが出来ればと考えています。
――シッティングのやりがいというのは、どのあたりに感じられていますか?
保育士としては当たり前にやっていることでも、それをご自宅で行うと、ものすごく喜ばれるんですね。「自宅に保育のプロがいるとこんなにも違う」とおっしゃっていただくこともあります。例えば「このスプーンだと食べにくいのかもしれない」といった悩みでも、そのお子様に合わせた対処の仕方があります。集団保育ではできない、その子に合わせた育児のコツを実践できるので、それがやりがいにつながっています。
――子育てを頑張られている親御様にお伝えしたいことがあれば、ぜひお願いします。
頼る人がいなくて自分たちだけで子育てをするなら、困った時に「助けて」と言える人を1人でもよいので確保してほしいと思います。私に限らず、もっとたくさんのシッターに会って、頼ってもらいたいですね。日本でも、家族の中にベビーシッターがいるのが普通という感覚が浸透してくると良いなと思っています。
――丸山さん、素晴らしいお話をありがとうございました!
日本に生まれて過ごしていても、英語に親しむ環境を幼いうちに整えることで、お子様の可能性が拓けるという事例があることを知り、シッティングの価値について改めて気づかされました。
ベビーシッターと言っても、0歳児のお世話から教育面でのサポートまで、その業務範囲は多岐にわたります。シッティングのご依頼はもちろん、英語に限らず工作や美術、音楽、スポーツなど、ご自身のスキルを活かして「子育て家庭の役に立ちたい!」と思われる方は、ぜひキッズラインで働いてみませんか?
丸山愛弓さんのプロフィールはこちら
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