ベビーシッター歴3年、サポート回数は1000回を超える栗原裕子さん。お子様が高校生と大学生になり、13年間勤めた公文経験を踏まえて「自分らしく働きたい」とキッズラインへ。昨年は私立小学校受験を控えたご家庭のサポートを経験し、二人三脚で受験に取り組まれたそう。そんな栗原さんに、今回はベビーシッターという仕事を通してどのように受験サポートをされたのかお話を伺いました!
共働きでも受験したい!平日の送迎依頼をスタート
ーー小学校受験のサポートをするようになったきっかけは?
キッズラインで働き始めて1年ほど経った頃、私自身もベビーシッターという仕事に慣れて働くことに自信がついてきました。そんな時、小学校受験サポートの依頼をいただいたんです。
もともと保育園の送迎をしていましたが、共働きのご家庭で平日の塾の送迎が難しいとのこと。そのような環境でも「小学校受験にチャレンジしてみたい」と、保育園から塾の送迎・授業レポートを共有するサポートが始まりました。
ーー小学校受験というと、まだお子様が小さいと思います。日々気持ちや体力面でも変化があると思いますが、どのようなことに気をつけてサポートされたんですか?
「1番」が大好きなお子様だったので、そこを大切にしようと心がけていました。
ただ、実際には保育園へお迎えに行くと「遊んでるのに帰りたくない!」と癇癪を起こすことも多々ありました。帰りたくない日は保育園の先生が連れてくるまでに時間もかかりますし、荷物を放り投げてしまうこともあります。
そんな時は、お子様自身の怒りを全部発散してもらい、気持ちをリセットするようにしていました。
ーーどのように気持ちをリセットしてもらうのですか?
一通り「気持ちを出し切ったかな」と思ったら「今日はどんな遊びをしながら塾に行こうか?」と、遊びを取り入れながら興味をひいていました。例えば1番が好きなお子様なので「じゃんけんをして勝った人が先に進もう、先に勝った方が最初の信号に着いたら、そこからは一緒に行こうね」など。
また、雨が降りそうな日にはお子様に問題提起をして解決することもありました。「雲を見て?雨が降りそうだね。どうしようか?」と問いかけてお子様に考えてもらっていました。そこで「雨が降ったら濡れちゃうね」と答えてくれるので、また私から「濡れちゃうとどうなるかな?」と聞きます。すると「塾に行くのに困るから早く帰らなきゃ!」となるわけです。
こうやって、後に起こりうるイメージをしてもらい「楽しみながら次のことができる」「早く支度しないといけないんだ!」と理解してもらうようにしていました。「相手に委ねて決めさせる」という方法は「自分でこうしたい」という思いが強いお子様にとってピッタリでした。
そうして塾に向かう道中では、(親御様の許可をもらって夕飯に響かない間食として)好きな食べ物を食べたり、「今日は何をして遊んだの?」などと楽しい会話でリセットし、塾に入る前には「受験をするきちんとした自分」になってもらうように切り替えていました。
塾の送迎だけでなく授業レポートの報告も
ーー小学校受験のサポートならではのシッティングはどんなことがありますか?
私は主に絵画教室塾への送迎を行っていて、そこではその日にやったことの記録をすべて親御様に報告していました。
塾側からは「良い悪い」という部分をはっきり教えてくれません。そのため、このまま親御様へフィードバックしてしまうと言葉不足になるので、お教室で学んだことを注意深く聞き取り、塾に来ていない親御様でも家庭で復習できるように報告していました。
ーー大切な役割ですね。
また、お子様も親御様と塾へ行くよりも、シッターと行く方が緊張感があるということも感じました。お母様と行くと、身の回りのことを手伝ってくれるので甘えが出ます。そのため塾や何か大事な用事の時には、お父様や第三者が付き添うことで「自分でやろう」という自立心が芽生えるんです。
受験するお子様にとって「自分でやる」という自立心は必須になります。そのため、私もシッティング中は「自分でやろうね!」「できるよ、すごいね!」と常に声がけしていました。
ーー自立心を育む声がけはお子様の成長に大事なことですね。
親御様は、毎日お子様と接しているので、普段から「できていて当たり前」なんですよね。だから些細なことや普段できていることをあまり口にしないのかもしれません。
しかし、ベビーシッターは数日ぶりに会うので、お子様の変化に敏感です。そのため素直にできるようになったことに気づいて褒めることができます。そうすることでお子様は「自分はできている」という自信になるんですよ。
ーーとても励みになりますね。
あとは、お子様がやる気がない時には、「これを食べたら頑張れると言っています」とお子様の好きなおかずを揃えてもらうように伝えていました。
また、送迎中に保育園の様子で不満がある際なども「今日は園でやりたいことがやりきれなかったので、土日のどちらかでお子様の希望を叶えてあげて欲しい、そうすれば来週元気に頑張れます」という風にも伝えていました。
受験という目標に向かうためには、小さな子どもでもたくさんのことを我慢してると思うんです。だからこそ、できるだけ希望を叶えてあげることが大事だと思っていました。
面接官役になって親子面接のサポート
ーー他にもお受験ならではのサポートはありましたか?
親子面接の練習にも携わらせていただきました。私が受験先の先生役をするというロールプレイングです。お父様が録画をし「自分達がどうみえているかを自覚する」という作業もされていましたね。
特に気をつけてお伝えしていたことは、「こういう風に校長先生に答えると熱意が伝わる」といった、情熱と意志を持って回答するということを繰り返し練習しました。「お父様が企業の面接官だったら、どういう人なら採用したいですか?」ということを考え、それを小学校受験に落とし込むんです。
やはり、面接では「どれだけ志望校が好きか」という熱量がとても大切です。「ホームページに載ってないような、細かなところまで大好きです」などと伝えると、相手も聞く耳を持ってくれ、合格に3歩ぐらい近づけるのではないかと思うんですよね。
感染症拡大の影響で塾の面接対策ができなくなってしまったので、ご家庭での対策に関われたことは私にとっても良い経験でした。
伸び代をみつけてポジティブな声がけ
ーーお受験サポートのご経験から、お子様のやる気を引き出す秘訣はありますか?
私が大事にしているのは「受け止めて傾聴すること」「どこが成長したのかという興味と好奇心でお子様をみる」ということです。
不思議と、お子様は「この人僕に興味があるんだな」と感じると、心を開いてくれるんです!
例えば「お父さんに言われたことができなかった」と言えるお子様は多いですが、「お父さんに言われたことができなくて悔しかった」と「悔しい」という感情まで言ってもらえることは、信頼関係が築けた証だと思っています。
特に、お子様が親御様に「悔しい」と言えないケースもあるので、私に感情をぶつけてくれた時には親御様にも報告するようにしていました。
ーー素直な気持ちを言える関係ということですね。
感情を出してくれるお子様は「伸び代がある」ということです。できなかったところはこれからできるようになっていくので、1つ1つ乗り越えていく度に、私も一緒に喜ぶようにしています。「3ヶ月前はできなかったのにできるようになっていて、この3ヶ月の練習量とその努力はすごい!憧れちゃうな」といった感じです。
そうするとスイッチが入るのか、やりたくないプリントもやるようになったりします。きっとお子様の中で「やりたくないけど、頑張ってやったら3ヶ月後にできるようになる」というイメージが湧くんでしょうね。
子どもは目の前のことしか見ていないので、このような「振り返り」をポジティブに伝えることによって、自分を客観視できるようになるのでしょう。
成功体験を増やせる関わり方をしたい
ーー最後に、キッズラインで働くことで感じたやりがいなどを教えてください。
もともと読み聞かせや絵画などを教えることが得意だったので、キッズラインのベビーシッターという仕事に出会い「今のままで誰かの役に立てる!」とわかった時は、とても安心感がありました。今までの経験を活かしていろいろなご家庭のサポートがしたいと思っていました。
今もその気持ちは変わりません。お子様の成功体験を増やし、気持ちに寄り添うことがとても楽しいですし、やりがいを感じています。親御様から笑顔でお礼を言われたり、リピートしてくださることもとっても嬉しいです。これからも、より充実したサポートができるよう前進して行きたいです!
ーー栗原さん、素敵なお話ありがとうございました!小学校受験はお子様だけでなくご家族も一丸になって対策をしなくてはなりません。そんな中、個別保育が可能なベビーシッターという仕事が、お子様の良さを引き出したりご家族の支えになっていたことがわかりました。
「自分らしく、得意を活かして働く」という選択にベビーシッターという働き方があり、実際にやりがいを感じて働かれています。ベビーシッターと言っても、赤ちゃんの保育から今回のような小学校受験のサポートまで、スキルを活かして働くサポートは様々です。「お子様やご家庭の力になりたい!」と思われる方は、ぜひキッズラインで働いてみませんか?
栗原裕子さんのプロフィールはこちら
※現在は新規のシッティングの受付は停止されており、オンライン相談のみ対応されているようです。
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