キッズラインで活き活きとお仕事をされているサポーターの方に、働き方の工夫ややりがいについてお伺いする連載企画。やりがいの一部として切り離せない収入面についても掘り下げます。第4回目は、サポート回数884回、キッズラインでの活動歴3年3ヶ月のベビーシッター&家事サポーター・小野瀬美貴さんに取材。栃木県在住で、ご自身も4歳と6歳のお子様を育てながらベビーシッター&家事代行で活躍されている小野瀬さんの、仕事への思いを伺いました。
憧れだった幼稚園の教諭として7年勤務
――元々は幼稚園教諭をされていたんですね。
若い頃から、子どもと一緒にいると自分が楽しいという感覚があり、保育系短大の系列高校に進学しました。高校では同じく付属の幼稚園へ職業体験に行く機会があり、それがきっかけで「この幼稚園で働きたい」と思うように。そのまま短大に進学して保育士や幼稚園教諭の資格を取得しました。念願の系列幼稚園の教諭として、社会人生活のスタートを切りました。
――幼稚園教諭の頃はどんな毎日でしたか?
ギュッと密度の濃い毎日でした。一人一人の子の成長を見守るというよりは、クラス担任として「クラスをどうまとめていくか」という責任感で働いていました。保育だけでなく、日常業務の掃除や保護者対応、誕生日会やお餅つきなどの担当業務など、さまざまな雑務に追われ、帰宅すると深夜12時を過ぎていたこともあり、ハードな職場環境でした。
――収入面はいかがでしたか?
収入面では、他の幼稚園に比べると悪くはありませんでしたが、個人の働きぶりに関わらず、経営状況によってボーナスが増減することも。働き始めてから7年がたち、結婚を視野にプライベートを充実させたいと幼稚園を退職して、一度は保育の現場から離れました。
YouTubeで偶然出会った「キッズライン」
――幼稚園退職後はどうされていましたか?
退職後は、美容系の仕事や実家の事業の手伝いなどにチャレンジをして、その後結婚しました。結婚後は、しばらく専業主婦として家族のサポートに専念していました。
――キッズラインとの出会いは?
下の子が9ヶ月を過ぎ、「そろそろ働きたいな」と思っていた頃です。上の子と一緒に子供向けYouTubeチャンネルの『Kids Line』を見ようと検索していたら、「保育士」というキーワードが出てきました。なんだろう?と思って見てみたのが、『キッズライン』との最初の出会いでした。
――それからすぐに登録されたんですか?
当時はまだ子どもが手のかかる時期だったので、保育園や幼稚園に勤めるのは難しいと思っていました。でも「フリーランスのベビーシッターなら、プライベートと時間を調整しながら働ける!」と思い、夫に相談。「自分の経験や資格を活かして働けるならとても良いと思うし、協力する」と背中を押してもらい、すぐに登録会に参加しました。
初めてのシッティングが定期の依頼につながった

――最初のシッティングはいかがでしたか?
最初のご依頼は、2人目をご出産されたばかりで上のお子様がいらっしゃる方でした。事前面談が終わり、帰り際に「今後定期で来ていただけますか?」と声をかけていただきました。一番最初のご依頼が定期予約につながるとは思ってもみなかったので、嬉しかったですね。
その後は毎週伺わせていただいて、下のお子さんの面倒も見させていただきました。また家事代行もご依頼いただき、そのご家庭とは長いお付き合いになりました。
時給を上げたことで、仕事の質が向上
――いつ頃から「やっていけそう」と思われましたか?
デビューから3ヶ月を過ぎた時点で、毎週の予定が全て定期予約で埋まるようになりました。ご依頼いただく方々はしっかりと私のスケジュールをご覧いただいていて、「この曜日のこの時間は定期ですよね?その後の時間は可能ですか?」などと、具体的な依頼をしていただけるようになり、これなら続けていけそうだと思いました。
――最初の時給から今の時給にあげたのはいつ頃ですか?
デビューから1年が経った頃です。ベビーシッターの時給を1800円から2500円に、家事代行の時給を2500円から3000円に上げさせていただきました。依頼が多く全てをお受けできないこともあり、より質の高い仕事を提供したいと思ったのが理由です。時給アップの際には、事前にプロフィールページに記載し、定期予約の方には直接ご説明しました。
――時給を上げたことで、変化はありましたか?
一部のご依頼は入れ替わりがありましたが、すぐに新しい予約をいただくことができ、依頼数も収入もアップしました。おかげで仕事へのモチベーションもあがって、より仕事が楽しくなりました。新たな出会いがあるというのは、マッチングサービスならではのメリットだと思います。
シッターは「信用」が命。保育以外の視野も大切
――お仕事をする上で大切にしていることを教えてください。
一番大事なのは「信用」だと思っています。大切なお子様を安全第一で見て、お子様が笑顔の状態で保護者にお返しすることが大前提。信用を構築するために、忘れ物をしない、時間を守るといった一つ一つのことを心がけています。
昔受けた研修で『保育バカ=保育だけが分かっている人』ではダメだと教わりました。子どもを安全に見守るには、その日の天気や地域の防災情報などを知っておく必要があります。また、保護者の方と日常会話では、子どもに関するニュースについて話す機会もあります。なので“人”として信用されることが、シッターに必要な要素だと思っています。
誰よりも細かなところに気付くサポートを
――ご自身で「ここが強み」と思うところはありますか?
時々、依頼した理由をお聞きすることがあるのですが、「保育士の資格があって、なおかつ子育て経験もあることが魅力」だと言われることが多いです。
私自身の強みとしては、「誰よりも細かなところに気付ける」ことかなと思っています。お預かりするのは0〜2歳くらいのお子様が多いので、言葉でのコミュニケーションはできません。ただ、数時間の間でもできるようになっていること、成長の兆しがあるので、そこを見逃さず、丁寧に保護者にフィードバックするようにしています。
――例えば、どんなことを伝えるのですか?
絵本の読み聞かせで、前回は聞いているだけだったけれど、今回は手を出すようになって興味が湧いてきたとか、今までは掴めなかったおもちゃをにぎにぎできるようになったなど、細かく報告しています。「手が出せるようになったので、近くに物を置いていると危ないかもしれません」といったことも伝えたりしますね。
――遊ぶ際にはおもちゃなどを持っていきますか?
おもちゃに関しては、以前は持参することもあったのですが、私が持ち帰ることで泣いてしまった子もいたのであえて持参せず、ご自宅のおもちゃで子どもの興味を膨らませる遊びをするようにしています。「自宅にあるおもちゃでも工夫するとこんなに遊べるんですね」と保護者の方から驚かれることもあります。
新生児からウエディングまで様々なニーズに対応

――定期ではどんなサポートが多いですか?
一番多いのは、生まれたばかりの0歳0ヶ月から1歳くらいまでのお子様のシッティングです。保育可能年齢が0歳0ヶ月からのシッターさんがなかなか見つからないということを、多くの方からお聞きします。産後すぐに仕事を再開したいというニーズがあり、産後ドゥーラではなく、子どもを預かってくれるベビーシッターを探しておられるようです。
――単発予約ではどんな依頼がありますか?
単発ではウェディングシッターのご依頼もあります。結婚式ではママが主役なので、一日お子様のことを気にかけずに過ごせるよう、バックヤードでサポートします。結婚式の場合は、赤ちゃんのご機嫌を見ながら、ゲストの方々にご披露することもシッターの大切な仕事です。
――家事代行ではどんな依頼が多いですか?
家事代行も子育て世代の方からの依頼が多いです。保育園に行っている間は家事代行でお部屋の片づけを行うサポート、お迎えからはベビーシッターを行うサポートなど、一日で両方を行うこともあります。
家族の支えのおかげで家庭と仕事を両立
――ご自身のご家庭や子育てとのバランスはどのようにしていらっしゃいますか?
わが家は2世帯住宅なので、夕方から夜間に仕事が入る際は、義理の祖父母が子供を迎えに行ってくれ、夫が帰宅後に夕食づくりや子供たちの世話をしてくれています。その代わりに朝は私が担当。子どもたちの世話や家事を済ませてから、朝10時以降に仕事を入れるようにしています。
フリーランスなので、時には仕事の予定を入れない日を作って、子どもたちと出かけることも。キッズラインでの仕事は、プライベートとのバランスが取れるので、家族の協力があれば、子育て中でも続けられます。
――ご自身のお子様の反応は?
少しぜいたくをして出かけた際は「ママが働いているから来れるね」などと言ってくれます。かつて息子が父の日に「働いている姿を描いて」と言われた際には、夫ではなく私の絵を描いたことも。私が働く姿を子どもに見せることも、子育てにおいて意味があることだと思います。
各家庭にコミットし、お子様から求められることがやりがい
――ベビーシッターや家事代行のお仕事のやりがいはどこにありますか?
シッティングでご自宅に伺うと、最初は「ママがいい」と言っていたお子さんが、帰るときには「先生がいい!」と言ってくれることがあります。保護者の方からの感謝の言葉ももちろんうれしいですが、お子様から求められているということを感じるときが一番やりがいを感じます。
――幼稚園教諭の頃と比べてどうですか?
比べ物にならないくらい、今は毎日楽しく働けています。幼稚園教諭時代は「クラスをまとめなきゃ」ということに懸命でしたが、今は一つ一つのご家庭にしっかりコミットできることで、しっかりとお子様の成長を見守れるのが、嬉しいですね。
フリーランスはメリットしかない!未知の世界へ飛び込んでみて

――フリーランスという働き方はいかがですか?
私としては「やればやっただけいただける」という面でメリットしかないと思っています。キッズラインの場合は、定期予約をいただけると2ヶ月先までの収入にめどが立つので、どうしたら定期予約を入れていただけるかを考えると、前向きに働けると思います。
――キッズラインでお仕事を始めようか悩んでいる方に一言お願いします。
最初に登録するときは、「ベビーシッターだけにしようかな、家事は務まるかな」と不安に思ったこともあったのですが、自分の可能性を閉ざさずに飛び込んでみたことで、世界が開けました。私自身も、5年前にはこんな働き方ができるとは、思ってもみなかったです。
新しいことを始めるときは不安があると思いますが、まずは話を聞いてみることをお勧めしたいですね。
――今後はどのようなご予定ですか?
ベビーシッターは、お子様が成長して大きくなると必要がなくなっていくので、依頼される方の顔触れはどうしても変わってきます。でも、その代わりにまた新しいご家庭との出会いがあり、サポートを必要とされている方に会えるというサイクルも生まれます。
今後もサポートを求められる方がいらっしゃる限り、何歳になってもこの仕事を全うしていきたいと思っています。
――インタビューを終えて――
ご自身も現役ママの小野瀬さん。キッズラインでのお仕事を「メリットしかない」と明るい笑顔で話してくださったのが印象的でした。仕事と家庭との両立をパワフルにこなされている姿に、勇気をいただきました。
小野瀬さん、貴重なお話をありがとうございました!
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