キッズラインで活き活きとお仕事をされているサポーターの方に、働き方の工夫ややりがいについてお伺いする連載企画。やりがいの一部として切り離せない収入面についても掘り下げます。第2回目は、サポート回数574回、キッズラインでの活動歴3年のベビーシッター&家事サポーター・高崎望さんにお話を伺いました。保育園勤務から事務職、そしてベビーシッターに転身された思いとは。
保育士を辞め、事務職や営業職を経験

――保育士、保険児童ソーシャルワーカー、社会福祉士の資格をお持ちですが、元々保育の道を目指されていたんですか?
私自身が昔から下の子の面倒を見るのが好きな子で、小学校の頃には「のぞみちゃんは保育士に向いている」と周囲の大人から言われていました。その流れで自然と保育士という仕事が選択肢に入り、高校卒業後に保育士の専門学校に進みました。学生の頃は保育園や学童保育のアルバイトなどもしていました。
――専門学校を卒業された後は?
品川区の保育園に勤務し、3年間保育士をしていました。その後、保育の仕事からは一旦離れて、事務職や営業職などさまざまな職種を経験しました。保育園ではパソコンも使ったことがなかったので、一からいろいろな職種にチャレンジしました。今はキッズラインでの仕事をメインに、ライターもしています。
――保育士を3年で辞められたのは、どんな理由があったのですか?
一番大きかったのは集団保育に対しての限界を感じたことです。一人ひとりとしっかり関わり、その子の成長に合わせた保育を行いたいのに、常に保育の手が足りない状況だったのでもどかしさを感じました。
保育園は6日勤務の週もあったり、休みに仕事を持ち帰って自宅で作業をすることもありました。体力面や収入面、人間関係の難しさなども経験し、保育園を一度退職しました。
“キッズライン”なら、一人一人に向き合った理想の保育ができる

▲お散歩シッティングの様子
――キッズラインとの出会いは?
友人が社内イベントでキッズラインの経沢社長の話を聞く機会があったそうなんです。その後友人が私に「この働き方あってるんじゃない?」と勧めてくれたのが、キッズラインとの出会いです。それまでは、ベビーシッターという仕事や働き方もまったく知りませんでした。
――会社員から個人事業主になることに迷いはなかったですか?
保育自体が嫌いになったわけではなかったので、いつか保育の道に戻りたいという思いは持ち続けていました。また、自分の得意な分野で独立して仕事をしたいと思っていて、それが“保育”で叶えられるキッズラインの働き方は、私にはピッタリだと思いました。
集団保育とは違い、個別保育なら一人一人に向き合った保育ができるのも、とても魅力的でした。それで「本当にやりたかった保育ともう一度向き合ってみたい」と思い、すぐに登録会に参加しました。
デビュー後3ヶ月は全力で取り組み、1年後の目標を達成

▲自宅の中でお子様と「おにぎりごっこ」
――最初のシッティングはいかがでしたか?
すごく緊張したのを覚えています。自分は初めてのシッティングでも、相手は何度もベビーシッターに依頼したことがある方なので、ミスがあってはいけないとドキドキしました。一回目の後も、継続して仕事が入るのかどうか心配でした。
――ベビーシッターとして軌道に乗ったのはいつ頃でしたか?
活動を始めて4ヶ月くらいで、会社員時代と同じくらいの収入が得られるようになりました。登録会の時に「最初の3ヶ月でレビューを貯めるのが大事」と教わったので、その間は集中して依頼を受けました。日によっては1日4〜5件ほど依頼を受けていたこともあります。シッター募集に積極的に手を上げたり、キャンペーンも行いました。
保護者の方の検討の材料になるプロフィールページは、他のシッターさんたちのページをたくさん見て書き方を研究しました。文面からどんな人か伝わるように、お子様を預ける安心感が伝わるように意識しました。その部分では、前職の営業経験が役に立ったと思います。
――時給に関しては、最初はどうやって決められましたか?
時給に関しても当時の登録会で「保育士資格を持っているなら大体1500〜1600円くらい」とお勧めされたので、最初は1600円から開始しました。
その後、キッズラインの他のサポーターさんのプロフィールページを熟読する中で、時給2500円の方を見つけたんですね。それで「1年後には2500円を達成しよう」と目標を立てて取り組みました。
――その目標は達成できましたか?
デビュー後2ヶ月でレビューが貯まり、サポート回数も増えてきたので、1ヶ月ごとに時給を100円ずつあげていくことにしました。1700円→1800円→1900円→2000円とあげて、デビュー後半年で2200円に。それから2ヶ月後に2400円、1年後に2500円にあげて目標を達成できました。2400円にあげてからは、会社員時代の収入を上回ることができました。
保護者との信頼関係が仕事の基礎。子どもの心をつかむ努力も
――時給を上げる際にはユーザーにどんな風に伝えましたか?
時給を上げる2〜3ヶ月前にはプロフィール欄に時給アップについての情報を記載したり、定期のお客様には事前に直接伝えるようにしました。伝えるときにはシンプルに「○月から時給を上げさせて頂きますので、ご検討頂けますと幸いです」と直接お話するようにしていました。
3ヶ月前くらいからお伝えしていたこともあって、ネガティブな反応はありませんでした。金額的に定期の利用が難しい方は、単発へ変更の提案などもさせて頂き、関係は切らないように工夫をしました。新たな依頼も増えていったので、時給を上げるたびに毎月の収入は上がりました。
――保護者の方とスムーズにお話を進める秘訣はありますか?
ベビーシッターの仕事で意識しているのは、保護者の方との信頼関係です。直接見るのはお子様でも、依頼していただくのは保護者の方なので、日々の保育の中でなんでも話せる信頼関係を築くことが、時給について触れる際も重要になるかなと思っています。そのため、引き継ぎの際は、お子様の様子を話をするだけでなく、ご両親とも何気ない会話をするようにしています。
――具体的には保護者の方とどのようなコミュニケーションをしていますか?
顔合わせでは、「子育てはママだけでなくみんなでするもの」という自分自身のモットーをお伝えするようにしています。
仕事だけでなくリフレッシュやご両親の体調管理のためにも気軽に頼んでいただけるよう、他の家庭の利用事例をお話ししたり、キャンセル料などキッズラインのシステムについても説明するようにしています。
サポート中や終了のタイミングで時間があれば、保護者の方としっかり会話して、些細なことも相談できる関係を築くようにしています。「毎日の子育て、お仕事本当にお疲れ様です」という姿勢で、ママパパの頑張りを応援するという思いで接しています。
――メッセージや完了報告はどうされていますか?
メッセージは、受信したらなるべく早く返信することを心がけています。4時間空いたら謝罪文を冒頭に入れるなど、自分なりのルールを設けています。
完了報告は、お子様の体験を保護者の方が知る機会なので、シッティングの場面がイメージできるように記載するように意識しています。例えば、お子様が以前に比べてできるようになったこと、お子様とどんな会話をしたか、お子様本人の喜び、その際一緒に喜びに共感したことなど、一日のうちに垣間見えた成長を、できるだけ詳しくお伝えするように工夫しています。
▼母の日にお子様と作って親御様にプレゼントしたカード(シール貼り制作)
――お子様への接し方で心掛けていることはありますか?
顔合わせの際にお子様の好きなキャラクターや遊び、おもちゃなど、できるだけ細かくお聞きするようにしています。私はイラストが得意なので、初めてのシッティングの時には必ずその子の好きな物を描いた絵をプレゼントすることにしています。
色んなタイプのお子様がいるので、その日会った時のお子様の気分やテンションを見て接するように心掛けています。保護者の方と話す様子を見せることで、警戒心をゆっくりとほどいていくようにしています。手遊びやダンス、触れ合い遊びなど、その子がまだ知らない遊びを一緒にしていくと、段々と心の距離が縮まっていくのを実感しています。
それから、お子様が理解できる言葉でその子のペースに合わせて会話をするようにを心掛けています。他にも、きょうだいで勝ち負けのあるゲームをするときは、中立の立場で一方の見方につかないようにしています。子どもが叩いたり物を投げたりしたときは、怒らずにその子が理解できる言葉でゆっくり伝えています。これらの関わりを通して、お子様との関係を築いていくように心掛けています。
▼お子様の誕生日にプレゼントした手作りの時計

収入の変動はあるものの、収入と仕事のバランスは今がベスト
――個人事業主は会社員に比べると不安定な面もありますが、その点ではいかがですか?
2〜3ヶ月先にいくら収入が入るかわからないという不安は確かにあります。キャンセルも入るので、どうしても毎月の収入に変動が出てしまいます。感染症がまん延した時期は、月の収入がゼロになったこともありました。
それよりも、自分のペースで自分のしたい保育を行えることが大きいと感じています。また人間関係の悩みも少なくなるので、保護者の方と1対1で向き合えることも、メリットだと感じています。
仕事上のリスクという面では、キッズラインが加入している保険があるので、大きな事故などの保証を個人で請け負うことなく、安心して働けています。
――お仕事と休日のバランスは取れていますか?
今は大体週4〜5日稼働していて、週2〜3回はお休みが取れています。保育士の頃に比べると、残業もないですし、しっかりとプライベートと仕事の時間を分けられています。ベビーシッターの依頼は午後や夜間が多いので、午前中はライティングの仕事などをして、メリハリがついた生活が送れています。
得意分野を生かして、子どもの興味を引き出せるのがやりがい
――ベビーシッターとしてやりがいを感じるのはどのような時ですか?
1対1で長期的にお子様を見ていると、わずかな変化や成長にも気付くことができます。それを保護者の方にお伝えすることで、お子様の成長や新たな一面に気づくお手伝いができたとき、ベビーシッターのやりがいを感じます。
また、その子の興味や関心を引き出すことが出来た時や喜びを分かち合えた時は、ベビーシッターとしてはうれしいですね。例えば絵にまったく興味のなかったお子さんが、遊びの中で絵を描くことの楽しさを見つけてくれて、お絵描きが大好きになったこともあります。ダンスや音楽遊びがきっかけで、歌やダンスが好きになった子もいます。遊びの中で「ここは伸ばせそう」「興味を持ってくれそう」といったように、成長の糸口を見落とさないようにシッティングをしています。
▼お子様との散歩中に積んだお花を画用紙に貼った制作

▼地下鉄ツアーをした帰宅後に、乗った順にお子様と色塗り

ベビーシッターと家事代行で「一人でやらない子育て」を目指したい
――ベビーシッターと並行して家事代行も行われていますが、理由がありますか?
私自身、仕事全体を「ママが一人でやらない子育て」というテーマで考えています。その一環として、子育て中のママの負担を少しでも減らせる存在でありたいと思い、ベビーシッターだけでなく、整理収納アドバイザー2級の資格も取得して家事代行も行っています。現状は、ベビーシッターが7〜8割、家事代行が2〜3割の比率で、家事代行も子育て家庭のサポートがほとんどですね。
子育て家庭ではお子様を見るだけでなく、家事のサポートも必要とされていると感じています。ご家族での引っ越しのお手伝いやホームパーティ前に部屋を片付けてほしいという依頼、年末年始に依頼者と一緒に大掃除をするなど、家事サポートでも「子育て家庭を支えている」と実感する場面が多いです。
▼家事代行中に余った廃材で、お子様へプレゼントを作成

――保護者の方に伝えたいことがあればぜひお願いします。
初めてベビーシッターや家事代行を依頼される方は、生活や育児が回らずにピンチの状況になってから頼まれる人が大半です。また、周囲に依頼したことがない方がほとんどなので、そもそも想像がつかないと思います。
事前面談でサポーターがどんな人か分かったり、依頼する前に相性なども見れるので、依頼するときのために何人か面談をしておくと、使い方も分かっておすすめかなと思います!ベビーシッターはご自身のリフレッシュや息抜きのために頼んでもまったく構いません。一人で抱え込まず、ぜひ頼ってもらえたらと思います。
――インタビューを終えて――
ベビーシッターとして目標を立て、ご自身の理想の保育を追求されている高崎さん。さまざまな職種を経験して戻ってこられた保育の仕事に誇りをもって働かれていることが、丁寧な話しぶりからひしひしと伝わってきました。ベビーシッターだけでなく家事代行としても、「子育て家庭を支える」という思いに、多くのご家庭が助けられていることでしょう。
高崎さん、貴重なお話をありがとうございました!
高崎望さんのプロフィールページはこちら
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