「保育園の連絡帳ってどう書けばいい?」と毎朝頭を抱えているママパパは少なくありません。連絡帳は、子どもの様子を伝えるだけでなく、保育士との信頼関係を深める大切なツール。連絡帳で押さえておきたいポイントや情報共有のコツを現役保育士が紹介します。
記事のポイント
⚫︎連絡帳は家庭と保育園の情報共有ツール
⚫︎伝えたいことを優先的に書く
⚫︎ベビーシッターに依頼時にも情報共有は重要
保育園の連絡帳の役割と書くべきこと

保育園の連絡帳は、手書きのノートのほか、スマホアプリを使う園もあり、形式はさまざまです。いずれにしても、
情報共有という目的は共通しています。より効果的な活用方法について見ていきましょう。
連絡帳の役割
連絡帳は、
保育園と家庭が情報共有を行うためのツールです。子どもの健康や発達について、それぞれで見られる姿を伝え合うことで、子どもの心や体の育ちを支えていくことができます。
ママパパは日中に仕事に行っているため、子どもが保育園でどのように過ごしているか分からず、不安に感じることもあるでしょう。保育士が記入した連絡帳を読むことで、園での姿をイメージし、子どもがどのように過ごしたかを知ることができます。
一方で、ママパパが子どもの様子を記録することで、保育士は家庭での姿を読み取ることができます。「今日は、早くに目が覚めたんだな」と分かれば、早めにお昼寝できる環境を整えることができますし、「朝ごはんは、あまり食べられなかったんだな」と分かれば、おやつや給食を多めに分けることもできます。
連絡帳に書くべき内容とは
●0~2歳の場合
0〜2歳児の連絡帳には、体調や食欲、睡眠など基本的な項目のチェックをつける欄と、子どもの様子や特記事項を自由に記述できる欄が設けられています。前日の降園後から当日の登園前までの様子で、保育園に伝えておきたいことを記録しましょう。
自由記述欄については、特記事項がなければ、家庭で見られた子どもの可愛らしい姿を記録しても良いでしょう。子育てについて心配事や悩みを書けば、保育士からアドバイスが返ってくるかもしれません。
●3~5歳の場合
3〜5歳児の連絡帳は、基本項目のチェックがなく、自由記述のみとなる場合が多いです。毎日書くのではなく、必要に応じて活用する形に変化します。
送迎をする人に変更がある場合や、子どもの姿で気になることがある場合などに記入をして提出します。口頭で伝えることもできますが、朝夕の送迎時は保育士はさまざまな対応に追われて聞き漏らしてしまうかもしれません。連絡帳に記入しておけば、確実に伝えることができます。
保育士は連絡帳をどう活用しているのか
保育士は朝のうちに連絡帳を見て、いつもと異なる対応が必要かを確認します。子どもの健康状態や家庭での様子を把握し、熱や咳など体調の変化があれば、こまめに検温をしたり、室内でゆっくり過ごしたりするなどの配慮をします。
子どもの機嫌が悪いときには、まず連絡帳を見て、前日の睡眠や食事の様子を確認し、その原因を探ったうえで対応を考えます。言葉での表現が難しい乳児期ほど、ちょっとした体調や機嫌の変化は大切な情報になります。子どもにとって最適な保育を行うためにも、子どもの状態の共有は欠かせません。
また、保護者の子育てにおける悩みや疑問に対応することも、保育士の役割の一つです。連絡帳の内容や書き方から家庭の状況を読み取り、サポートが必要な場合には声をかけたり、相談対応を行ったりします。
保育園の連絡帳を書く際の3つのポイント

連絡帳を書く上で、どのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。ここからは、連絡帳の書き方と基本的なルールについて見ていきましょう。
【ポイント1】伝えたい情報を決める
保育士は園児全員の連絡帳を確認しているため、ママパパはわが子の
伝えたいことを厳選し、簡潔に記載するよう心がけましょう。
子どもの普段の様子を全て書くのではなく、伝えたい内容を絞ります。連絡帳を書き進めるうちに、「そういえば、あの姿も書きたい」と思うかもしれません。しかし、「今日は食事の様子について書こう」と決めたら、その他の内容は別日に書くようにすると、保育士が子どもの様子を把握しやすくなります。要点を絞ることで、保育士は必要な情報を素早く把握することができます。
【ポイント2】伝えたい情報は、具体的に書く
何を伝えるかを決めたら、具体的に書くようにしましょう。例えば、次のように書くと保育士に状況が伝わりやすくなります。
「体調が悪い」→「体温は37.3度で、平熱より少し高めです」
「食欲がない」→「朝食は通常の半分しか食べませんでした」
「よく眠れていない」→「夜は1時間おきに起きていました」
数字を活用したり、状況の説明を多めに書くことで、保育士は必要な配慮を考えやすくなります。
また、子どもの言動に関しても同様の対応を取ると良いでしょう。
「保育園を嫌がっています」→「『〇〇ちゃんが遊んでくれないから、保育園に行きたくない』と話していました」
「いろんなことが自分でできるようになりました」→「フォークを使って食べたり、トイレで排泄したり、自分でできることが増えてきました」
子どもの姿をイメージできるように書くことで、保育士と成長を共有しやすくなります。
【ポイント3】重要な情報を先に書く
連絡帳に子どもの様子を記入する際は、「どの情報を優先して伝えるか」を意識することが大切です。
特に保育園側に確実に伝えたい内容は、連絡帳の最初に書くようにしましょう。保育士が優先的に知っておきたいのは、以下のような内容です。
☑ 誰が、何時に送り迎えをするのか
☑ 送り迎えをする人が複数いる場合、人数と園児との関係性
☑ 薬の服用はしているか
☑ 体調に変化は見られるか
☑ 予防接種を受けたか、経過観察をしているか
また、特に保育士に伝えたい情報は読みやすいよう目立たせると良いでしょう。例えば、
重要な情報には下線を引いたり、枠で囲んだりすると効果的です。そうすると、保育士は限られた時間の中で確認すべき情報を見落とすことなく把握できます。
ベビーシッターを探してみる
保育士が連絡帳で知りたいこと

子どもが家庭でどのように過ごしていたのか知ることで、保育士は子ども一人ひとりに適した配慮を行うことができます。そのため、ポイントを押さえて子どもの姿を記録しておくことが大切です。保育士が連絡帳で知りたい内容を解説していきます。
【保育士が知りたいこと1】1日の生活リズム
連絡帳には、
子どもの生活リズムを記録しましょう。特に睡眠時間は子どもの生活に大きく影響するため、就寝時間と起床時間、夜中に起きた回数などを記入します。
食事については、朝食の内容や量を記録します。「パン1枚とヨーグルトを完食」など、食べたものを具体的に記入しましょう。ミルクの場合は「7時40分 180cc」というように、時間と飲んだ量を記録します。
保育士は連絡帳を見ながら子どもの空腹状況を確認し、離乳食を食べる順番などを決めています。園で子どもに合った対応を行うためにも、家庭での生活リズムは正確に記録します。
【保育士が知りたいこと2】体調や気になる変化
子どもの体調に関する情報も、連絡帳に書いておきたい大切な内容です。
例えば、熱が通常より少し高めだったり、夜に咳き込んでいたりといった気になる様子があれば、そのまま記入しましょう。あらかじめ共有されていれば、保育士は体調の変化により注意を払いながら、子どもの様子を見守ることができます。
排便の回数や状態も重要な情報です。「〇時 軟便」などと具体的に記入します。また、いつもと機嫌や行動が異なるのであれば、その旨をしっかりと書いておきましょう。「いつもより元気がなく、ぐずる姿も多く見られました」と書かれていれば、保育士は「もしかして、体調を崩すサインかも」と推測できます。
同居している家族やきょうだいの体調がすぐれない場合も、連絡帳に書いておくと安心です。感染症の予防という点からも、保育園が事前に把握しておくことで、適切な対応に繋げることができます。
【保育士が知りたいこと3】家庭での出来事や成長の様子
家庭で見られた子どもの成長や出来事も、連絡帳に書くと良いでしょう。「昨日初めて『ママ』と言いました」「階段を一人で上れるようになりました」など、具体的なエピソードを書きます。子どもの状態を共有することで、保育士も子どもに対する理解が深まります。
また、休日の出来事や体験も書いておくと、保育士が子どもの話や表現したいことを理解しやすくなります。「週末に公園でどんぐりを集めて喜んでいました」「ガソリンスタンドでパパがガソリンを入れる様子に興味津々でした」など、子どもが興味関心を示した事柄を綴っておきます。連絡帳でこのような情報共有を行うことにより、園と家庭が連携して子どもの成長を支えることが可能です。
保育士と信頼関係を築くための連絡帳活用術

連絡帳を上手に活用すると、保育士とのコミュニケーションがスムーズになります。連絡帳の活用術を紹介します。
いつもと状況が異なるときには連絡帳へ記入する
お迎えの人や時間の変更、子どもの体調の変化など、いつもと異なる状況が発生することがあります。こうした情報は、
口頭で伝えるだけでなく、連絡帳にも記入しておきましょう。
朝の受け入れ時間は、保育士にとって特に忙しい時間帯です。多くの子どもたちを迎えながら、登園してくる子どもたちの健康状態を確認したり、忘れ物の対応をしたり、保護者からの伝達事項を受け取ったりと、一人ひとりに対応する必要があります。そのため、口頭で伝えるだけでは、うっかり聞き漏れたり、正確に伝わらなかったりするリスクがあります。
連絡帳に記入しておくことで、保育士は落ち着いた時間に内容を確認したり、読み返したりすることができ、適切な対応を取りやすくなります。特に、服薬依頼や体調変化など、子どもの安全に関わる重要事項は必ず連絡帳に残しておきます。
また、園では複数の保育士が関わることがあります。その場合でも連絡帳があれば情報共有がスムーズになります。口頭での連絡は、保育士間で伝わるうちに内容が変わってしまうリスクがあります。大切な内容ほど文字に残しておくと安心です。
子どもの気になる発言は記録しておく
子どもが「保育園に行きたくない」「〇〇ちゃんと遊びたくない」など、気になる発言をしたときは、その内容を連絡帳に書いておきましょう。こうした言葉には、子どもの人間関係や気持ちの変化が表れていることがあります。
保育士にとって、家庭での子どもの言動は様子を知るための手がかりとなります。例えば、
友達との関わり方や園での活動への意欲など、普段の様子からは見えにくい変化にも気づきやすくなります。
さらに、連絡帳に記録を残しておくことで、気になる様子が一時的なものか、それとも継続的な傾向なのかを時系列で把握することができます。保育士と保護者が一緒に、こうした
小さなサインに気づいて対応していくことで、子どもが毎日を落ち着いて過ごせるようになります。
溜め込まずこまめに発信する
子どもの様子や保育のあり方について気になることがあれば、小さなことでも連絡帳を通じて発信することが大切です。疑問や不安を溜め込んでしまうと、やがて園に対する不信感が膨らみ、問題が大きくなってしまう場合があります。
例えば、「お昼寝の時間が長すぎるのでは?」「外遊びの機会が少ないように感じる」といった些細な疑問でも、連絡帳に記入することで、保育士から園の方針や子どもの姿について説明を受けることができます。
連絡帳でのやりとりを通じて保護者と保育士の間に信頼関係が築かれれば、子どもたちにとっても安心できる環境が整います。日々のコミュニケーションを大切にし、互いに協力して子どもの育ちを支えていきましょう。
連絡帳を書く負担を減らすコツ

連絡帳を書くことが得意な人もいれば、苦手な人もいます。「書くことがおっくう、でも保育士からは書くように言われるし」と困っている方でも、連絡帳記入のコツさえ掴めば、負担が軽くなります。
思いついたことをスマホのメモ帳に書いておく
忙しい朝に「さて、何を書こうかな」と考えても、なかなか言葉が浮かばないことはよくあります。そんなときは、子どもと過ごす中で「これ、連絡帳に書いておきたいな」と思ったことを、スマホのメモ機能などにさっとメモしておきましょう。いわば
「連絡帳のネタ帳」を作る感覚で、思いついたタイミングで気軽にメモしておくと、あとから書くときに迷わずに済みます。夜に一息ついた時間を使って連絡帳に記入すれば、翌朝に慌てることもありません。
最近では、ICTを活用したデジタル連絡帳を導入している保育園も増えています。これらのアプリは外出先からも入力でき、テンプレート機能があるものも多いため、手書きよりもずっと手軽に使うことができます。スキマ時間をうまく活用する習慣をつけることで、連絡帳を書く負担はぐっと軽くなるはずです。
シンプルで伝わりやすい書き方を心がける
保育士は限られた時間のなかで、多くの連絡帳に目を通さなければなりません。
だからこそ、
文章はなるべくシンプルにまとめ、読みやすさを意識して書くことが大切です。
例えば、「昨日はお迎えが遅くなってしまったのですが、帰りにスーパーに寄ったらお菓子を買って欲しがり、泣き続けるので叱ったら…」というように、文章が長くなると読みづらいですよね。
「スーパーで『お菓子が欲しい』と泣く息子。叱ったら余計に泣いて、大変な思いをしました。」など、無くても意味が通じる言葉は削り、一文はなるべく短くすることで、読みやすい文章になります。
連絡帳を成長記録として楽しむ
連絡帳は情報交換だけでなく、子どもの成長記録にもなります。「今日初めて〇〇ができた」「家で△△と言っていた」など、小さな成長の瞬間を日記に書くような感覚で書くと、負担ではなく楽しみに変わります。
デジタル連絡帳の種類によっては、スマホで撮影した写真を手軽に添付できます。特別な出来事があった日には、写真を添えると良いでしょう。また、手書きの連絡帳では、簡単なものでもイラストを添えると、保育士は子どもの姿をイメージしやすくなります。
連絡帳は、数年後に読み返したとき、「こんなこともあったな」と懐かしく思い出を振り返ることができる、大切な記録になります。未来の自分のためにも、子どもの今の姿を少しずつ書き残しておきましょう。
今すぐベビーシッターを依頼してみる
保育園以外でも子どもを預ける際は、情報共有が重要

保育園以外に子どもを預けるときも、適切な情報共有はとても大切です。特に病児保育を利用する場合は、発熱や咳などの症状の程度、薬の有無や服用の時間、水分補給の状況など、詳しい健康状態を伝えておく必要があります。
また、祖父母やご親戚、あるいはベビーシッターに預けるときも、子どもの体調や好きな遊び、苦手なことなどを事前に伝えておくことで、子どもが安心して過ごせる環境づくりにつながります。
情報が不十分だと、子どもとの信頼関係を築きづらくなるだけでなく、万が一のときに適切な対応ができないリスクもあります。いつも
一緒に過ごしている家族以外の人に預ける際は、子どもの様子をしっかり伝えるようにしましょう。
キッズラインならスマホからシッターを探せる
ベビーシッターのマッチングプラットフォームであるキッズラインは全国47都道府県に
ベビーシッターがおり、スマホから24時間いつでも検索・依頼をすることができます。ベビーシッターは、保育士資格など8つの資格または研修修了者のみが登録可能で、保育のプロが揃っています。
保育園の連絡帳と同じように、ベビーシッターに預けるときも、子どもの様子や体調、生活リズムなどを共有することが大切です。特に初めてのシッターに依頼する場合は、好きな遊びや苦手なこと、当日の体調など、細かな情報を伝えておくと安心です。ちょっとしたやり取りでも、子どもが安心して過ごすための手がかりになります。
キッズラインでベビーシッターを依頼するには、事前に顔合わせまたは事前面談が必要です。急に依頼する必要がある場合に備えて、まずは一度お試しで頼んでみるとよいでしょう。子育ての疲れを一人で抱え込まず、時にはサポートを得ながら子どもと向き合っていきたいですね。
今すぐベビーシッターを依頼してみる
■保育士ライター 佐野希子
18年目の現役保育士。独学で認定試験に合格し、幼稚園教諭の資格も取得。他に社会福祉士の資格も保有。現在は副主任として保育現場の指導とサポートに努めている。
▼あわせて読みたい
慣らし保育が終わらない理由は?年齢別の期間目安と延長されたときの対処法【保育士監修】
看護休暇は無給!? 2025年4月の法改正で対象年齢や取得条件はどう変わる?
保育園の洗礼とは?育休明けに知っておきたい課題と家庭でできる備え
▼記事一覧に戻る
KIDSLINE編集記事一覧
▼TOPページに戻る
KIDSLINE TOPページ