仕事復帰を考える一方で「0歳から保育園に預けて大丈夫なの?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。他の働いているママパパはどうしているのか気になるところですが、実は0歳児クラスから保育園を利用している家庭は少なくありません。この記事では、キッズラインが行ったアンケート結果をもとに、保育歴18年のベテラン保育士が《0歳児保育》について解説します。0歳児保育の利用を考える際の参考にしてください。
保育園に0歳から預けた割合は?249人のアンケート結果を紹介!
キッズラインでは保育園利用者249名に、アンケートを実施しました。
「お子さんは何歳(何ヶ月)から保育園を利用していますか?」という質問に対する回答で
1番多かったのは《1歳》で、12%でした。次いで多いのは《生後6ヶ月》で8.4%、《生後8ヶ月》《生後10ヶ月》は8%ずつで、1歳未満で入園する割合が高い傾向が見られました。
半年ごとに集計すると以下のようになります。
【入園した年齢・月齢の割合】
生後0〜6ヶ月…21.2%
7ヶ月〜1歳…36.8%
1歳1ヶ月〜1歳半…30.4%
1歳7ヶ月以降…11.2%
1歳前から保育園に通っている子は58%に上ります。1歳7ヶ月以降に通い始めた子どもは11.2%と、1割強にすぎません。このように、小さい時から保育園を利用している家庭は、意外と多いのです。
0歳から保育園に入園した理由は?
0歳から保育園に入園した理由には、どのようなものがあるのでしょうか。アンケートに寄せられたコメントをご紹介します。
【理由1】仕事復帰のため
「仕事復帰のため」に0歳から保育園を利用したという方が最も多くみられました。
【アンケートに寄せられたコメント】
産休が明けたため(生後4ヶ月で入園)
職場に復帰を求められたから(生後6ヶ月で入園)
早く仕事復帰したかったから(生後4ヶ月で入園)
自営業のため育休制度がない(生後2ヶ月で入園)
4月に復帰しなくてはいけない(生後6ヶ月で入園)
お金に困っていたため(生後2ヶ月で入園)
育休がとれなかったため(生後3ヶ月で入園)
「早く働きたい」という意見もありましたが、「復帰せざるを得ない」という意見が多数ありました。職場によっては育休が取れなかったり、取得できても1歳前に復帰しなくてはならなかったり、という厳しい現状が見てとれます。
【理由2】0歳児から預けないと入園できない
0歳児から預けないと保育園に入園しづらいという状況から、0歳児保育を決めた方もいます。
【アンケートに寄せられたコメント】
0歳児クラスは空きがあって入りやすいと聞いた(生後5ヶ月で入園)
0歳児から預けないと、保育園に入れないと言われた(生後5ヶ月で入園)
年度途中は空きがないから入りにくいと思った(生後8ヶ月で入園)
待機児童にならないように(生後10ヶ月で入園)
0歳の4月に入園しないと保育園に入れなかった(生後4ヶ月で入園)
地域によってはまだ待機児童が多く、0歳児クラスから入らないと入園が難しかったり、年度始めでないと入れない、という現状があります。少子化社会といっても、まだまだ保活が必要な段階です。
【理由3】子育てより仕事がしたい
子育ての大変さを実感し、仕事をすることで子どもから離れる時間をとりたいと望む声もありました。
【アンケートに寄せられたコメント】
24時間育児から離れたかった(生後10ヶ月で入園)
子育て中心の生活がしんどい(生後5ヶ月で入園)
働く方が育児の100倍は楽(生後5ヶ月で入園)
仕事復帰を早めてでも自分の時間が欲しかった(生後6ヶ月で入園)
産後からママはずっと赤ちゃんの側にいて、寝かしつけたり、授乳をしたり、赤ちゃんのために行動しています。自分の時間が欲しくても得ることができず、身体的にも精神的にもしんどい状態のママは多く存在します。
仕事をすることで気持ちをリセットし、再び笑顔で赤ちゃんと向き合うための方法を選択できるのは、ママにとっても赤ちゃんにとっても良いことです。
0歳児から保育園に通うメリット・デメリット
0歳児から保育園へ預けることには不安があるかもしれませんが、実は「仕事ができる」以外にも保育園へ預けるメリットがあります。反対にデメリットも存在しますので、併せてご紹介します。
0歳児から保育園に通うメリット
実は、0歳児から保育園へ通うことにはたくさんのメリットがあります。
まず1つめは
「保育のプロが専門的な視点で子どもを見ている」という点です。
保育士は国家資格であり、保育の専門家です。子どもの発達に合った環境を準備し、成長を促す言葉かけを行っています。知識と経験が活かされた保育を0歳児から受けられることは、子どもの発達にとって大きなメリットです。
2つめに
「多様な人と関わる機会がある」という点が挙げられます。
人は人との関わりの中で生きていきます。赤ちゃんのうちから様々な大人や子どもと関わる経験を重ね、社会性を獲得していくことは大きなメリットです。保育園は乳幼児期から多様な人間関係を経験できる貴重な場だと言えるでしょう。
3つめに
「子育てのパートナーを得られる」という点が挙げられます。
子育てに迷った時や悩んだ時に相談できる相手が身近にいるのは、大きなメリットです。保育士はわが子の姿をよく知っているので、専門的で具体的なアドバイスを得る事ができるでしょう。
0歳児から保育園に通うデメリット
0歳児のうちから保育園へ預ける事のデメリットは2つあります。
1つは
「感染症にかかりやすい」ということです。保育園は集団生活の場であり、子ども同士の密着した関わりがある場所です。
感染症が流行りやすく、ようやく風邪が治ったと思っても、またすぐに次の風邪をもらいやすい状況です。風邪をひきながら抗体を得て強い身体になっていくのですが、熱が上がれば仕事を休まなくてはなりませんし、体調が悪そうな姿を目の当たりにするのは親として辛いものです。
2つめのデメリットとして
「赤ちゃんとゆったり過ごす時間が少ない」ということが挙げられます。
フルタイムで働いていると、平日に赤ちゃんと過ごせる時間はごくわずかです。赤ちゃんが起きている時間は家事や育児に追われ、ゆったり過ごせる時間はなかなか手に入りません。
わが子が赤ちゃんでいる貴重な時間を、もっとゆったり過ごしたいと感じているママは少なくないでしょう。
保育園の0歳児保育の体制はどうなっている?
保育園では0歳児を「乳児」と呼び、特別な配慮を行っています。国で定められた配置基準の元、赤ちゃんの「生命の保持」「情緒の安定」「段階的な発達」を保証しています。
実際に0歳児保育とはどのような体制で行っているのでしょうか。0歳児保育の特徴をご紹介します。
■0歳児クラスの配置基準
保育士の配置基準は国で定められています。
認可保育園の場合「保育士1名に対して0歳児は3名まで」と決まっています。
しかしこれは最低基準であり、自治体や保育園によっては最低基準を下回らない範囲で職員配置を行うことができます。つまり、0歳児5名を保育士2人で保育することは可能ですが、0歳児4名を保育士1名で保育することはできません。
■担当制とチーム保育
0歳児クラスでは、担当制で保育を行っている保育園と、チームで保育を行っている保育園があります。
・担当制
赤ちゃんの食事やオムツ替え、寝かしつけなどをいつも同じ保育士が担当する。担当制にすることで、赤ちゃんは担当の保育士と深い信頼関係を築くことができる。
・チーム保育
担当を決めず、複数の保育士が赤ちゃんにアプローチする保育。赤ちゃんは多様な人間関係を築くことができる。
「うちは担当制で保育をしています」という保育園でも、担当の保育士が休みだったり、シフトの関係で早朝や夕方に不在だったりすることもあるため、結果的に複数の保育士が保育にあたることになります。
■SIDS(乳幼児突然死症候群)を防ぐ
SIDS(乳幼児突然死症候群)は赤ちゃんが睡眠中に突然亡くなる病気で、特にうつ伏せで寝ている時に発症しやすいと言われています。保育園ではSIDSを防ぐため、睡眠中も見守りを欠かしません。うつ伏せになっていたら仰向けにし、呼吸や顔色を確認しながら5分間隔で所定の用紙にチェックをしています。
■一人一人に合わせた離乳食の提供
0歳児クラスの子どもたちは皆、誕生日も発達も違うので、離乳食を食べ始める時期も食べられる食材・形状も全て異なります。
保育園の栄養士・保育士は保護者と話した上で、赤ちゃん一人一人に合った離乳食を提供します。赤ちゃんの食べる様子を見ながら、食材の固さや形状を調整し、離乳食を進めていきます。
もちろん離乳食の他にミルクも用意しています。保育士に抱かれながらゆったりと授乳の時間を過ごしています。
0歳児入園のために見学に行く際に確認しておくべき注意点
0歳児から保育園に子どもを預ける場合、どのような点に着目して保育園を選んだらよいのでしょうか。園見学のポイントについて解説します。
【注意点1】保育士の人数
まずは保育士が十分に足りているかを確認しましょう。前述した通り、保育士1名に対して保育できる0歳児は3名までです。0歳児が9名いたら、保育士は最低3名は必要です。子どもの人数に対して十分な人数の保育士が配置されているか、よく確認しておきましょう。
【注意点2】子どもと保育士の表情
在籍している子どもの表情に加えて保育士の表情もよく見てみましょう。優しいまなざしと笑顔で子どもを見守っているでしょうか。保育士は直接的に子どもと関わる存在です。ゆとりをもって子どもと接することを大切にしている保育園を選びましょう。
【注意点3】保育士の目の配り方
保育士の目の配り方に着目しましょう。保育士に必要なポイントは以下の3つです。
●子どもの安全を守る
●子どもの情緒の安定を図る
●子どもの発達を促す
保育士の仕事は、子ども一人一人の欲求を適切に満たすことです。目の前の子どもだけでなく、全体的に目を配れているか確認しましょう。
0歳児を預かる保育士からママパパに伝えたいこと
保育園には毎年緊張した面持ちで0歳児の保護者が来られます。現役保育士である著者が、0歳児の保護者へ毎年伝えていることをご紹介します。
保育士はママパパの子育てパートナー
保育士はママパパにとって子育てのパートナー的存在です。ともに子どもの成長を見守っていきましょう。
ママパパが保育士と笑顔で話していると、子どもは保育士のことを「安心できる人なんだ」と認識していきます。是非、保育士と笑顔でコミュニケーションを深めていってくださいね。
子どもが病気の時に預けられる場所を確保しておこう
保育士は子育てパートナーなのですが、できないことがあります。それは病気の子どもを預かることです。保育園は集団生活の場なので、他の子どもへの感染も考慮に入れて、病気の子どもを預かることができません。そこで、
子どもが病気になってしまった場合の子育てパートナーを見つけておく必要があります。
例えば……
祖父母
病児保育施設
ベビーシッター など
事前にお願いしておけば、子どもの突然の発熱にも慌てずに対応することができます。
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保育園は0歳からでもOK!保育園以外のセーフティーネットも用意して
保育園は、保育士が専門的な視点で子どもの発達を支援する場所です。
保育士はプロとして知識と経験を備えているので、0歳児から安心して預けられますし、子育てするママパパの強い味方になってくれるはずです。
0歳児クラスの利用を考えている方は、まず保育園の見学へ行ってみましょう。同時に、病気の時に預ける場所も検討しておくのがオススメです。
保育園や祖父母、ベビーシッターなど、多様な人間関係の中で子育て期を過ごしていくことが、子どもの幸せにつながっていきます。預けることに躊躇せず、多くの大人の手を借りて、一緒に子どもを育てる体制を整えましょう。
今すぐベビーシッターを依頼してみる
キッズラインなら、子育てをサポートしてくれるシッターを探せる
ベビーシッターのマッチングプラットフォームであるキッズラインなら、スマホで24時間、日本全国の
ベビーシッターを探すことが出来ます。初回の依頼前には必ず顔合わせ(オンライン)または事前面談(対面)が必要なので、これから保育園に入園する方は、一度お試しで依頼してみるのがオススメです。家の近くのシッターさんと複数面談しておき、いざというときに助けてくれる方を見つけておきましょう。
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■ 調査概要
・調査期間:2022年9月9日(金)〜9月12日(月)
・調査対象:キッズライン会員249名(保育園児の子どもを持つ親)
・調査方法:インターネット調査
■保育士ライター 佐野希子
18年目の現役保育士。独学で認定試験に合格し、幼稚園教諭の資格も取得。他に社会福祉士の資格も保有。現在は副主任として保育現場の指導とサポートに努めている。
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