働くママパパにとって朝の1分1秒は貴重な時間。子どもにはぐずらないでほしいし、できれば朝の支度も自分でしてほしいと願いますよね。しかし毎日急がせたり、しかったりの繰り返しで自己嫌悪に陥っているママパパも多いと思います。そこで、なぜ朝の時間がスムーズにいかずイライラしてしまうのか、その原因と対策について保育園の勤務経験18年の現役保育士が解説します。
朝の支度がうまくいかないとき、以下のような子どもの姿はありませんか?
保育園でも保護者からよく相談を受ける内容です。ひとつずつご紹介します。
朝に声をかけてもなかなか起きず、なんとか起こしてもぐずって次の行動に移る気配がありません。抱っこを求められて、ママパパの両手がふさがれてしまっては何も進みません。朝スッキリ起きてくれたらどんなに楽だろう、と思いますよね。
朝起きてすぐに着替えられるよう服を出しておくと「やだ」と拒否されることもあります。ほかの服を出しても首を振り、「じゃあ自分で決めなさい」という頃には機嫌を損ねて大泣き状態です。1分で済むはずの着替えに10分も20分もかかると、ママパパもぐったりしてしまいますよね。
朝食を出してもちょっとずつしか食べなかったり、遊び食べをして、なかなか終わりません。一日のエネルギー源としてしっかり朝食を食べさせたい気持ちと、時間がないのできりあげたい気持ちとでせめぎ合います。結局保育園へ行く途中で食べさせたり、食べないまま保育園へ行ったりして、罪悪感にかられてしまいます。
子どもなりのルーティーンがあって、いつも通りに進まないと泣いたり、テコでも動かないなんてこともあります。「パパじゃなくてママに起こしてもらいたい」とか「パパの隣で朝ごはんを食べたい」とか、大人からみたら「なぜそんなことで?」という理由で泣いています。理由がわかるときはまだよくて、なんで泣いているのかわからないときは解決策が見つからず迷宮入りです。
「保育園に行きたくない」と泣かれると、ママパパは1番つらいですよね。子どもを保育園に預けて働いていることに罪悪感を覚えてしまいます。しかし仕事を休むわけにもいかず、板ばさみの状態です。満たしてあげようと子どもを抱っこすると泣き止みますが、ママパパが動き出そうとすればまた泣き出してしまい、朝の支度どころではありません。
子どもがぐずるのには必ず理由があります。大人からしたら「そんなことで…」と思う理由もあるかもしれません。しかし機嫌よく朝の時間を過ごすためには、子どものことを理解する必要があります。長年子どもを見てきた保育士の視点から、朝の支度がうまくいかない理由を解説します。
上記のような姿がある場合は、生活リズムの見直しが必要です。
睡眠欲、食欲は人間が生まれながらに持つ基本的な欲求です。十分に眠れば朝は自然と目覚めますし、夕飯から時間があいていればお腹も空きます。
十分な睡眠と規則正しい食事ができているか見直してみましょう。
上記のような姿は、自我の芽生えによって生じます。
1歳半くらいになると「自分で決めたい」「自分でやりたい」という意思がはっきりしてきます。イヤイヤ期の始まりでもありますね。大人の都合で進めようとすると反発にあうので、子どもが自分で決めて行動できるような工夫が必要です。
朝は時間がないので、ついつい「早く!」と子どもを急がせてはいませんか。子どもは大人みたいに何事も早くはできません。急ごうとすれば本当はできることもできなくなってしまいます。
また、急がされる子どもはだんだんと「どうせできない」「やらなかったらママかパパがやる」と考えるようになり、自分で朝の支度をしなくなる可能性があります。
朝の支度をスムーズに進めるためには、子どもが機嫌よく自分のペースで生活できる環境が必要です。子どもが朝の支度をうまく進めるコツを解説します。
朝の支度をスムーズに行うためには、スッキリ目が覚めている必要があります。もし眠たくて機嫌が悪いのであれば、生活リズムの見直しが不可欠です。睡眠時間が十分に確保されているか、確認してみましょう。
保育園での生活リズムも考慮に入れると朝は7時まで、かつ家を出る1時間半前には起きる生活が理想的です。早く起きれば早く眠たくなります。夜は子どもが21時までに寝られるよう環境を整えましょう。
自我が芽生えた子どもには、自分で考えて行動できる環境作りが有効です。
数字は読めなくても「車(のシール)のとこに針がきたら、出発するからね」と事前に伝えることで子どもも先の見通しをもって行動できます。
保育園に持っていくものをカゴの中に入れておいて、あとは自分でカバンに入れてもらいましょう。子どもにとっても何をカバンに入れたらいいのかわかりやすいですし、大人にとっても準備が終わったかどうか把握しやすくなります。
事前に声をかけておけば、子どもも時計を見ながら自分の行動を調整しやすくなります。
どっちを選んでも困らない選択肢を2〜3個用意します。「自分で選んだ」という気持ちになることが大切です。
行動を思い出させるための言葉かけです。もし準備ができていないと知っていても「できた?」と聞かれれば自尊心を傷つけずに行動を促すことができます。
アナウンサーになった気分で子どもの行動を実況中継しましょう。「ママやパパが見ていてくれてる」という安心感の中で子どもは頑張れます。
子どもの行動を認める言葉をたくさんかけてあげましょう。「ママやパパが見ていてくれた」という思いは「次もがんばってみよう」という意欲につながります。
工夫してみたけれど改善しない場合は、保育園の送迎をベビーシッターに依頼するのも手です。ママやパパだと甘えて何もしない、ということもあります。ママパパが忙しければ忙しいほど、子どもはママパパにくっついていたがる場合が多いです。朝自宅を出る少し前にベビーシッターに来てもらえば、朝の支度を手伝ってもらえ、子どもの気持ちも切り替わります。
子どものことは保育のプロであるベビーシッターに任せて、ゆとりのある朝の時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
子どもの朝の支度がなかなか進まないときは、生活リズムや子どもの気持ちを見直してみましょう。子どもが自分で考えて行動できる環境を作り、意欲を引き出すような言葉かけを行っても中々改善されないときは、保育のプロであるベビーシッターに相談することをオススメします。
週に一度でも朝に子どもをみてもらえると親の方も余裕ができますし、ベビーシッターが子どもにどんな言葉かけをしているのか見て学ぶこともできます。ママパパも子どもも笑顔で1日のスタートを切れるよう、ベビーシッターへの依頼を検討してみてはいかがでしょうか。
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