保育施設にはさまざまな種類があります。入園してから後悔しないように、違いや特徴を理解した上で保育園選びをしていきたいですね。これから子どもを預けたいと考えている方が適切な場所を選べるよう、保育施設の違いや選び方について、保育士が解説します。

保育園と保育所、違いはあるの?


保育園児
「保育園」と「保育所」は名称が異なりますが、どちらも同様の保育施設です。児童福祉法においては「保育所」が正式名で、保育園も保育所であると言えます。
保育所には公立と私立があります。公立では保育所という名称を使っている自治体が多いようです。
公立でも私立でも認可保育所の場合は自治体が管理し、同じ法律や指針のもとで保育を行っているので、保護者から見た場合は特に違いはありません。保育料も同額となっています。

預ける前に知りたい保育施設の種類


保育施設といっても、複数の種類があります。それぞれ特徴があるので、働き方や家庭状況に合った場所を選びましょう。
ここからは、保育施設の種類について一つずつ解説します。

【1】認可保育園


認可保育園とは、国が定める基準(保育士の人数・広さ・設備など)を満たした保育所のことです。
子どもが0歳児から就学前まで預けることができます。入園児は自治体が示す保育指数などによって優先順位が決められ、優先度が高い子から入園できる仕組みです。
定員は園により異なりますが、園児も保育士も比較的人数が多い施設になります。


【2】認可外保育園


認可外保育園とは、認可保育園以外の保育施設のことを指します。認可保育園とは異なり、保護者が直接園を選ぶことが可能です。利用者のニーズに合わせた独自の保育を展開しており、保育時間や保育日数なども融通が利きやすい傾向にあります。


【3】認証保育園など都道府県独自の施設


認証保育園とは、各都道府県ごとに定めた基準を満たしている保育施設です。3歳未満の待機児童が多い都市部に多く設置されています。名称はさまざまで、東京都では「認証保育園」、横浜市では「横浜保育室」となっています。
認証保育所について 東京都福祉局
横浜保育室のご案内 横浜市


【4】小規模保育園


小規模保育園とは、定員が6名から19名までの認可保育施設です。
子どもや保育士の人数が少なく、空間も限られています。そのため、子どもは常に保育士の存在を身近に感じることができます。
以前は3歳未満児を対象とした施設でしたが、2023年4月に就学前まで預かれるよう通知されました。園によって3歳以上児を受け入れているか確認が必要です。
施設の受け入れが3歳未満児のみであれば、3歳児から他の保育園へ移行することを考える必要があります。
出典:​​小規模保育事業における3歳以上児の受入れについて(通知)​​


【5】認定こども園(幼保連携型)


保育園と幼稚園の機能を併せ持つ保育・教育施設です。平成18年から幼稚園・保育園と並んで就学前に利用できる施設として運営されています。
教育の重要性と預かり保育の必要性から、幼稚園・保育園から認定こども園へ移行する施設も増えてきています。
認定こども園には、0歳児から就学前まで預けることができます。預け先を考える上で、保育園と並列して申し込みを行うことが可能です。
2・3号認定(保育園枠)の場合は自治体に申請を出しますが、1号認定(幼稚園枠)の場合は園に直接申し込みをします。
1号認定でも2・3号認定でも利用できるので、もし退職しても同じ園に通い続けることができるというメリットがあります。


【6】事業所内保育所・企業主導型保育所


事業所内保育所や企業主導型保育所は、仕事と子育ての両立がしやすいように、企業が社内や近隣に設置した保育施設です。職場の近くに子どもを預けられるため、体調不良の際はすぐに駆け付けることができ、安心感があります。ただし都市部では電車での通勤に子どもを連れて行くのが大変な面もあります。
預け先を検討する際は、職場に設置されているか確認してみるとよいでしょう。


【7】保育ママ


保育ママとは、家庭的保育事業の通称です。自治体から認定を受けている地域型保育事業の1つです。対象は0〜2歳児で、定員は3〜5名です。持ち家や賃貸の一室などで保育を行っており、家庭的な雰囲気があります。
ただし、3歳児クラスからは別の保育施設への移行を考える必要があります。
出典:厚生労働省 保育所等について


保育施設によって定員や保育時間、保育料が異なる


保育施設は大きく分けると認可施設と認可外施設の2つに分類されますが、定員や保育時間は園によって異なります。
保育料に関しては、認可保育園は市区町村で所得や家庭状況によって定めているので、どの園を選んでも金額は同一になります。認可外施設だと独自の保育料を設定しているところが多いです。
保育施設を選ぶ際には、以下の表を参考にしてみてください。

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保育園の種類

子どもに合った保育園の選び方


保育園
同じ種類の保育園でも、特色や雰囲気は園ごとに異なります。子どもが1日の大半を過ごす場所になるので、子どもに合った保育園を選んでいきたいですね。
ここからは、保育園の選び方を3つご紹介します。

●条件に合う園をピックアップする


保育園を選ぶ上で外せないポイントを、以下を参考にして整理しておきましょう。

【場所】
・自宅の近く
・職場の近く
・自宅と職場の間
・駅構内もしくは駅の近く


【設備】
・園庭の有無
・駐車場の有無
・保育室の広さ
・保育カメラの有無


【機能】
・給食の有無
・休日保育の有無
・開園時間と閉園時間
・移行の連携施設はあるのか(3歳未満児の施設の場合)


最近ではサブスクリプションのサービスを導入し、おむつや布団といった毎日の荷物を可能な限り減らしている園もあります。園までの移動が徒歩や電車の方は、そういったサービスに着目してみるのもおすすめです。

●園の理念や方針を確認する


保育園がどのような子ども像を目指して保育を行っているのか、理念や方針を確認しておきましょう。
大切にしていることや保育の方法は、園によって異なります。ホームページや保育園のしおりに記載しているので、保護者の考え方と合っているか、事前に確認しておきましょう。

●園を見学する


保育園の候補を決める際には、できるだけ事前に見学を行いましょう。ホームページ上だけではわからない園の雰囲気を感じることができます。
施設の設備や広さ、子どもや保育士の表情も見て感じることができますし、疑問や不安に感じていることはすぐに質問できます。
安心して子どもを預けられる場所か、現場を見て確かめましょう。

保育園に預けても閉園日や病児では利用できない


保育園に預けることが決まったら、第二の預け先を考えましょう。
なぜかというと、急な仕事が入ってお迎えに間に合わなかったり、どうしても休めない日に限って子どもが体調を崩したりすることがあるからです。
保育園は基本的に、決まった時間内で、健康な子どもしか預かることができません。この条件から外れた場合に預かってくれる人を事前に確保しておくことが、働くママパパには欠かせません。
祖父母や親戚が近くに住んでいれば協力を依頼できるかもしれませんが、そもそも遠方に住んでいたり、近くても仕事があってお願いできない、ということもあります。

その場合は、病児保育施設やベビーシッターの利用を候補に入れてみてはいかがでしょうか。特に利用者の自宅で個別対応を行うベビーシッターは、子どもにとっても安心できる存在になることでしょう。
休日出勤や夜勤など仕事が理由でベビーシッターを利用する際は「企業型ベビーシッター割引券」を使うことができます。病児保育のためにベビーシッターを利用する場合も補助を出す自治体もあるので、ぜひ調べてみましょう。

参考:ベビーシッターを依頼するならまず確認!自分が使える割引・助成の調べ方ガイド

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保育施設と併せて預けられない時の保育も検討を


病児
保育園を選ぶ際には、なるべく生活の在り方や子どもの特徴に合った施設を選ぶようにしましょう。しかしどんなに相性の良い園でも、集団生活においては感染症にかかりやすいリスクを背負っています。
保育園を利用できない時にどのような対応をとるのか、事前に考えておくことが大切です。仕事が始まる前に、保育施設と併せて検討しておきましょう。

選択肢の1つとしてベビーシッターが挙げられます。ベビーシッターは利用者の自宅で保育を行うため、体調が良くない子どもでも安心して過ごすことができます。祖父母に頼れない時は、ベビーシッターへの依頼も候補に入れておきましょう。いざという時のために、まずは新規登録をしておいてはいかがでしょうか。

キッズラインなら、病児保育やお迎えを頼めるシッターも在籍


全国47都道府県でベビーシッターを探せるキッズラインなら、病児保育や保育園のお迎えに間に合わないときに頼めるベビーシッターをスマホで探すことが出来ます。初回の依頼前には必ず顔合わせまたは事前面談が必要なので、これから保育園に入園する方は、一度お試しで依頼してみるのがオススメです。家の近くのシッターさんと複数面談しておき、いざというときに助けてくれる方を見つけておきましょう。

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■保育士ライター 佐野希子
18年目の現役保育士。独学で認定試験に合格し、幼稚園教諭の資格も取得。他に社会福祉士の資格も保有。現在は副主任として保育現場の指導とサポートに努めている。


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