子どもを育てながら家事や仕事を、ひとりでこなすのは簡単ではありません。シングルマザーが辛いと感じる部分を「資金」「育児の手」「精神的な不安」の3つにまとめ、知っておきたい支援制度・減免制度と併せて、子育てが楽になる解決法をお伝えします。
子どもをひとりで育てるシングルマザー・シングルファザーは、子育て世帯の約1割(※1)。シングルの理由は、パートナーとの離婚や死別、未婚など様々です。ひとり親はワンオペ育児の大変さから、悩みを抱えがちです。具体的にはどんなときに辛さを感じているのでしょうか。
こうしてみるとシングルペアレントの悩みは、多岐にわたることがわかります。全てを一気に消し去る魔法のようなすべはありませんが、悩みの解決につながる「収入面での支援」「手が足りないときの支え」「精神的な不安」の3つのポイントにフォーカスして、解決策を探っていきましょう。
平成27年のシングルマザーの就労による収入は、平均200万円(※2)。手当や養育費などを足し合わせても、平均243万円です。同年の子どもがいる世帯全体の世帯収入の平均は、707.8万円で、その差は464万円にもなります。シングルマザー家庭の収入が少ない理由の一つには、半数以上がパートタイムなど非正規労働者であることが影響しています。一人で子どもを見ながら仕事もこなすことは、経済的に不安定な状況に陥りがちです。
そこで、国や地方自治体では、ひとり親を経済面で支える支援を行っています。どのような支援があるのか、一つずつ見ていきましょう。
「児童手当」は、0歳から15歳(中学校卒業の年度末)までの全ての子どもに支給されるお金です。親がシングルかどうかに関わらず、どの家庭でも受け取れます。(所得制限あり)
これに加えてひとり親家庭へは「児童扶養手当」が支給されます。「児童扶養手当」は子どもの数と所得によって受け取れる額が異なるので、詳細は自治体の窓口で確認してみてください。
医療費に関しては、国が一律で助成を行っているわけでなく、金額や年齢、所得制限の有無など、運営は各地方自治体に委ねられています。そのため、居住地によって助成を受けられるかどうかが変わってきます。東京都の医療費助成は以下の通りです。東京都以外にお住まいの方は、直接市区町村に問い合わせてみてください。
0歳〜義務教育卒業までの全ての子どもを対象に医療費を助成する制度です。6歳までは全額補助、15歳までは200円を支払えばそれ以上の医療費がかかりません。
ひとり親家庭に限っては、中学卒業(義務教育修了)後〜18歳までの子どもに対しても医療費の助成が行われています。子どもの医療費は間口で1割負担となります。通院や入院は月の医療費に自己負担上限額が設けられており、上限額以上にかかった医療費が免除になります。
手当や医療費助成以外にも、行政ではさまざまな「ひとり親支援」を行っています。その一例をご紹介します。
シングル家庭は収入面で厳しい状況になりがちです。そのため地方自治体では、さまざまなひとり親家庭の自立支援制度を設けています。例えば東京都では、「母子家庭及び父子家庭自立支援給付金事業」を設けており、スキルアップして収入を増やしたいというママパパを応援しています。
東京都や横浜市などでは、シングル家庭が無料でバスを利用できる「公共交通無料乗車券」を配布しています。また、シングル家庭に対して水道・下水道料金の減免を行っている地方自治体も多くあります。
他にも、公営住宅への入居の際、シングル家庭であれば抽選確率があがる制度を整えている自治体もあります。他にも様々な、ひとり親家庭への免除がありますので、自治体に確認してみましょう。
金銭面の心配がなくても、シングル家庭で困るのが「育児の手が足りない」ことです。自分一人ではどうにもならない場合に頼れるサポートを紹介します。
シングル家庭の場合、保育園に入るための点数が加算される自治体も多いので、仕事をしていれば、保育園に入園できる確率は比較的高いです。ただ、親が一人だと、仕事などでお迎えの時間を過ぎた場合に対応できません。お迎えに行けない場合を想定して保育園の延長保育に申し込んでおくことがオススメです。
自治体に申し込んで利用できる、地域の支えあい子育て支援制度です。地域の協力支援員の人が、子育てのサポートを行ってくれます。リーズナブルなことがメリットですが、病児保育や夜間保育など、利用できない場合もあります。
また予約が取りづらいことも多く、希望の日時に必ず利用できるわけではないのがデメリットです。
民間のベビーシッターはファミリーサポート制度に比べると費用は掛かりますが、確実に頼めるのが大きなメリットです。ファミリーサポートではお願いできない以下のサービスもお願いできます。
「ベビーシッターは高いのでは?」と思っている方もいますが、マッチング型のベビーシッターサービスの場合、初期費用は無料で、希望の予算に見合うシッターを自分で選ぶことができます。保育園の送迎や子供の急な発熱時など、いつでも頼れる人を見つけておくのがベターです。
小学3年生までの子どもを持つ親がベビーシッターサービスを利用すると、利用料金の一部が助成される内閣府の取り組みがあります。自分が勤務している会社に「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」を導入しているか確認しましょう。
ひとり親にとって、子どもの病気は一大事です。仕事で出なければいけないときに子どもが体調を崩したら、地域にある病児・病後児を預かる施設を利用しましょう。小児科クリニックに併設している民間の施設や、公立病院が運営している施設などさまざまあるので、ひとり親で子どもを育てるなら、見学に行って申し込みをしておくことがオススメです。
シングルというと、「子どもがかわいそう」というイメージで接してくる人が中にはいますよね。しかし、ひとり親であること=子どもが不幸、では決してありません。
シングルマザー・シングルファザーは自分で何もかも決めなければいけませんが、言い換えれば「自由」な状態です。義理の親の介護や遺産相続などのパートナーの実家の問題に向き合う必要もありません。置かれた状況をポジティブに変換することで、シングルの良さに気づくこともできます。
自分から進んでシングルになった人も、やむを得ずシングルになった人も、これからの人生が「自由」であることは確かです。そこであえて「シングルになってよかったこと」を探してみましょう!
人生は、常に選択の連続です。様々な選択肢の中から、自分と子どもにとって、もっとも良いと思える道を、自分の意志で決めることができます。やりたい仕事、住んでみたい場所、行ってみたいところなど、叶えたい夢を書き出してみてはどうでしょうか。
シングルであれば、子どもの教育方針についてパートナーと意見がぶつかることはありません。どんな学校で学びたいか、どんな職業に就きたいかなど子どもの希望を尊重しながら、自分の信じる子育てを進めることができます。
パートナーがいないということは、今後新たなパートナーと自由に恋愛できる可能性を秘めています。子どもが巣立つまでは、子どもの意思を尊重しながらではありますが、出会いがあった際に交際する自由も交際しない自由もあり、自身で選ぶことができます。
そうはいっても、シングルが辛いときも多々あります。そんなときのストレス解消法をまとめました。
「子育てが辛い・・・」と感じたとき、必要なのは、その辛さに共感してくれる人。そして、子育てを一緒にサポートしてくれる人です。仕事や育児、家事にいたるまで、たくさんのタスクをひとりで背負い込まず、自分を応援してくれる人に助けを求めましょう。
支えてくれる人は、親族や友人とは限りません。時には事情を知らない他人の方が気楽なこともあります。そのような場合、民間のベビーシッターはとても依頼しやすい存在です。
「ひとり親だから〜できない」と周囲に言われないようにと、シングルマザー・シングルファザーはついつい頑張りすぎる人もいるのではないでしょうか?その苦しさの原因は、他人の家と自分の家を比較して見ていることにあります。我が家は我が家、と割り切り、自分の子育てのやり方に自信を持ちましょう。
子育て中の親は、自分のことを後回しになりがちです。やりたいことを我慢して、「いつか子どもが大きくなったら……」と思っていませんか。いずれ子どもは離れていくもの。そんな日を想像しながら、子どもの自立をサポートしましょう。
子どもの人生と自分の人生は、リンクしていても別物です。ときにはベビーシッターに預けて、自分のための時間を作ることは、子どもに執着しない人生を生きるために必要なことです。シングルマザー・シングルファザーであっても、自分の人生を楽しむことを忘れずにいましょう。
苦しい時や辛い時は、誰かにSOSを出すことが大切です。キッズラインのベビーシッターサービスは、シッターの他にも家事代行サービスや家庭教師など、幅広いサービスを提供しています。辛い胸の内はシッターさんに相談するだけでも、心が軽くなります。自分一人で頑張ろうと無理をせず、周囲の力を信じてみませんか?
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