「ファミリーサポートってどう?」利用経験者284人に聞いたメリット・デメリット


子どもを預かってほしいときに使えるのが、行政が運営している「ファミリーサポート」制度。子育て家庭にとっては、大変助かる行政サービスですが、メリットがある反面デメリットも耳にします。そこで今回はファミリーサポートを利用したことがある保護者284人に、利用してよかったこと・気になったことを教えてもらいました。利用者の声から明らかになったファミサポの利便性は?
ファミリーサポートは、子育てをサポートしてもらいたい人(依頼会員)の状況を行政のコーディネーターが聞き取り、条件に見合った地域の会員(提供会員)を紹介するという制度です。保育園や幼稚園の送迎の他、保育施設の時間外や学校の放課後に子どもを預かったり、保護者の急用時に子どもを預かってもらうことができます。
ファミリーサポートについて、子どもを持つ親御様1060人にアンケートをとったところ、「知っていて使ったことがある」のは26.8%、「知っているが使ったことはない」が57.4%、「知らないし使ったことはない」が14.3%、「住んでいる自治体にはない」が1.5%でした。
ファミリーサポートについては、85.7%の親御様が知っているものの、利用者は26.8%と限られています。そこで利用している人は、どんな場面で使っているのかを聞いてみました。
ファミリーサポート制度は子どもを預かってくれる制度ですが、具体的にはどのような理由で使っている方が多いのでしょうか?実際に利用している方に、その利用した理由を聞いてみました。
「出産直後~3ヶ月程度、双子の沐浴サポートや家事支援に利用しました」(東京都/30代ママ)
「産後、上の子たちの相手をしてもらいました」(沖縄県/30代ママ)
「自分の親が病気で里帰り出産ができなかったので、出産直後に助けてもらいました」(東京都/30代ママ)
「うちの自治体では生後半年まで、家事育児をしてくれるサポーターさんが来てくれた。週1で頼み、母の睡眠確保、気分転換、家事を手伝ってもらった」(沖縄県/30代ママ)
②保育園・幼稚園、習い事の送迎
「毎週一度保育園の迎えから夜8時までの預かりを依頼しています」(大阪府/40代ママ)
「幼稚園のバス停から習い事までの送迎をしてもらっている」(東京都/30代ママ)
「時短勤務から通常勤務になったときに、習い事の送迎をお願いするようになりました」(兵庫県/40代ママ)
③残業や休日出勤時の託児
「残業が確定している日と休日出勤の際に利用しました」(東京都/30代ママ)
「子どもがまだ小さく、休日保育を使えない年齢の時に、日曜日の預け先として利用しました」(長野県/40代ママ)
「年末年始など保育園が休みの日に預かっていただきました」(北海道/40代ママ)
「保育園に落ちたが仕事復帰をしたため、入園までの約6ヶ月間たくさん利用した」(神奈川県/30代ママ)
④子どもの急病
「前もって登録していたので、急な発熱時にもお願いできた」(徳島県/50代ママ)
「子どもが入院したときに下の子3人を預かってもらったときは大変助かりました」(北海道/40代ママ)
※病児保育については自治体によって利用可の場合と利用不可の場合があります。
⑤親の通院・急病
「人間ドックなど、自分の通院の際に利用しました」(東京都/30代ママ)
「体調を崩して、子どものお世話ができないときに来てもらいとても助かった」(広島県/30代ママ)
「2人目妊娠時に突然の入院になってしまい、保育園のお迎えからパパの仕事が終わるまで預かって頂きました!」(千葉県/40代ママ)
⑥ママパパの休息
「ワンオペ育児で不安になったときに、預かってもらいました」(大阪府/30代ママ)
「資格取得の為、勉強時間を確保したく依頼しました」(東京都/30代ママ)
「疲れたときに子どもを預かってもらいました」(鹿児島県/40代ママ)
ファミリーサポートを利用した方々のコメントを見ると、生活のさまざまなシーンで活用できることがわかります。では実際に利用した感想は、どうだったのでしょうか。
子育て中の家庭を支えるファミリーサポート制度。利用者からは以下のようなメリットが上がりました。
「有償ボランティアで近所の方が多いので短時間でも頼みやすいです」(神奈川県/30代ママ)
「幼稚園送り迎えのお願いをしています。短時間でもお願いできる点が助かっています」(東京都/40代ママ)
【メリット2】料金がリーズナブル!
「金額が安いこと、住んでるところから数ヶ所あるところは良い」(東京都/30代ママ)
「子どもの年齢による制限がないし、安い金額で預かってもらって助かった」(愛知県/30代ママ)
「夫が不在の土日のどちらかで利用しています。メリットは金額が安いことです」(東京都/30代ママ)
【メリット3】祖父母宅のような安心感がある!
「近所のおばさんが優しく見てくれて、安心でした。お互いの家を知っているので、祖父母が近所にいるような安心感がありました」(宮城県/40代ママ)
「ご高齢の方でしたが、元保育士の方で安心して預けられました」(東京都/30代ママ)
【メリット4】提供会員の自宅で子どもをみてもらえる!
「資格取得の為、勉強時間を確保したく依頼しました。保育者の自宅で子どもを見てもらえて助かりました」(東京都/30代ママ)
「幼稚園の降園が時間差があるので、お迎えをお願いして、ファミサポさんの自宅で少し預かってもらっています」(東京都/30代ママ)
「相手の自宅でご飯を食べて、お迎えを待っているので、助かった」(埼玉県/40代ママ)
実家が遠方だったり、祖父母に頼れない状況の家庭も多い中、近所に祖父母宅のような安心感のある場所があると、とても助かりますね。子育てにはお金がかかるため、リーズナブルに利用できるというのも大きなメリットと言えそうです。
ファミサポは多くのメリットがありますが、利用者からはデメリットも聞かれました。どのようなデメリットがあるのか、見ていきましょう。
「需要に供給が追い付いておらず、引き受けてくれる方はなかなか見つからない」(東京都/50代ママ)
「思うように見つからない、突発的な予定には対応できない」(神奈川県/40代ママ)
「依頼したいが、引き受けてくれる人が見つからない」(北海道/40代ママ)
【デメリット2】予約がとりにくい
「平日日中に役所に電話しないといけないのがネック」(東京都/40代ママ)
「なかなか定期でお願いできる方を見つけられない」(神奈川県/40代ママ)
「平日17時までに、電話のやりとりなので非効率」(茨城県/30代ママ)
「遅くても1週間前には申込みをしないと頼める人が見つからない」(愛知県/30代ママ)
【デメリット3】親の都合に合わせてもらえないことがある
「もっと利用頻度を高くしたいが予定があわない」(東京都/50代ママ)
「依頼主ではなくファミサポさんの都合が優先されてしまう」(京都府/30代ママ)
「預ける側の空いているところに合わせて日程を調整しなければならない」(愛知県/30代ママ)
【デメリット4】サポーターの家まで迎えに行かなければいけない
「預かってくれる方のお家まで迎えにいかなくてはならない」(神奈川県/30代ママ)
「基本的にサポーター宅での預かりなので、寝かしつけまではお願いできない」(埼玉県/30代ママ)
「連れて行くのが大変なことと、毎回自宅を片づけてもらうのが申し訳なく思う」(千葉県/30代ママ)
利用者から上がったデメリットとしては、預かってくれる会員が少なく、頼みたいときに必ずしも依頼できるとは限らなかったり、預かってくれる会員の都合に左右されるなど、フレキシブルに利用できないという意見が多くありました。
子育ては、急な残業や体調不良など、急きょ子どもを見てもらいたいという状況に陥ることもあります。ファミリーサポート制度ではカバーしきれない部分もあるようです。
今回のアンケートでは、57.4%の人が「知っているけれど使ったことがない」と回答しました。利用する必要がなかった人も多いですが、中には登録までしたものの利用に至らなかった人もいるようです。「ファミサポを使わない」理由を聞いてみました。
「制度の手続きが煩雑であること」(埼玉県/30代ママ)
「お願いする前に対面の面接があるなど、使うまでが面倒」(北海道/40代ママ)
「登録のために少し離れた施設まで行く必要があり、妊娠中や赤子連れでは負担が大きい」(東京都/30代ママ)
【使わない理由2】条件に合う人が見つからない
「登録したが、サポートしてくれる人が見つからなかった」(大阪府/40代ママ)
「保育園が休みの日に長時間預けようとしたが、長時間預かってくれる方はあまりいないらしく諦めた」(京都府/30代ママ)
「登録後、利用の申し込みをしたが、一ヶ月前に申し込んだとしても預かってくれる人が見つからない、と言われ諦めた」(千葉県/30代ママ)
「登録に時間がかかり、急遽お願いしなくてはいけなくなった依頼に間に合わなかったため」(神奈川県/30代ママ)
【使わない理由3】保育の専門家ではないので不安
「資格のない方に預けるのは不安」(北海道/30代ママ)
「人を選ぶことができないと聞いたから」(東京都/40代ママ)
「サポーターさんが、講習を受けただけで保育士の資格を持っていないというのが怖かった」(宮城県/30代ママ)
「ベビーシッターやサポートをお仕事にしている人に依頼したかったので」(福岡県/30代ママ)
「知っているが使ったことはない」理由としては、利用者が感じたデメリットと同様に、登録や予約がしづらく、フレキシブルに利用できないという声が聞かれました。また、未利用者の中には「保育の質」に不安を感じて利用をためらっている人もいるようです。
ファミリーサポートは短時間の依頼ができてリーズナブルだというメリットがある反面、「すぐに依頼できない」「サポートしてくれる人が見つからないことがある」など、デメリットがあることが明らかになりました。
また未利用者からは、登録方法や人選、スキルの面などから不安の声が上がっています。
ファミリーサポートは子どもを預けたい人と預かる人のマッチングがうまくできる便利な仕組みですが、子育て家庭の多様なニーズには応えきれていない現状があるようです。
ファミリーサポート制度がご家庭にマッチしない場合には、民間のベビーシッターに依頼することを検討してみてはいかがでしょうか?ベビーシッターサービスには、ファミリーサポート制度と同じようにコーディネーターが間に入ってベビーシッターを紹介する「派遣型」と、アプリなどを利用して自分でベビーシッターを選ぶ「マッチング型」があります。
ベビーシッターのマッチングプラットフォームの「キッズライン」は、スマホから無料で新規登録ができ、全国2300人のサポーターの中からベビーシッターを選ぶことが出来るサービスです。
ベビーシッターはファミリーサポートに比べると費用がかかりますが、勤め先の福利厚生制度や内閣府ベビーシッター割引券制度、東京都ベビーシッター利用補助事業などさまざまな補助を受けることも可能です。
ファミリーサポートもベビーシッターも、子育て中のママパパを支える強い味方です。ご家庭のニーズに合わせて上手に組み合わせれば、育児の負担を軽くすることができます。ファミリーサポートに登録する際は、ぜひベビーシッターへの依頼も併せて検討してみるのがオススメです。
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