キッズラインで活き活きとお仕事をされているサポーターの方々に、働き方の工夫ややりがいについてお伺いする連載企画。第9回目は、家事サポーターの西智恵美さんにインタビューしました。医療事務で正社員として働いてきた西さんは、2023年春にキッズラインデビュー。掃除に特化した丁寧な仕事ぶりが評判を呼び、多くの依頼が寄せられています。西さんのお仕事に対しての思いを伺いました。

家事をサポートしたら、娘が笑顔を取り戻した




ーはじめに、西さんが家事サポーターになったきっかけを教えてください。

以前、娘が夫婦でアメリカに住んでいたのですが、家事をめぐってしばしば夫婦げんかをしていました。私は日本にいて、時々渡米して娘の家の家事を手伝うと、それまで争っていた家族が穏やかになるんですね。その経験から、娘と同じように家事で困っている人たちのサポートができればと思うようになりました。資格も学歴もなくても、主婦としての経験を活かせるのではないかと考えたんです。

ー家事を仕事にすることに当初から不安はありませんでしたか?

自宅で家族のためにやってきた家事が、果たして仕事として通用するのかは、正直とても不安でした。そんなモヤモヤを晴らしてくれたのは、友人の一言です。すでに家事代行を始めて活躍していた友人から、「あなたには十分な主婦経験があるから大丈夫」と後押しの言葉をもらって、やってみることにしました。

ーキッズラインに登録する前にはどのようなお仕事をしていたのでしょうか?

かつては医療事務の仕事を10年ほどやっていましたが、昇給もなく、やりがいや楽しさを感じられなくなっていました。仕事が嫌だったわけではありませんが、もっと自分に合った仕事を探したいという気持ちが強くなり、辞めることにしました。
その後はまず別の会社で家事代行の仕事を始めたんですが、時給が固定されていてお客様をこちらから選べないなど働きづらさがあり、1年ほどでキッズラインへ転向しました。
私自身は「キッズライン」を知らなくて、またもや先にキッズラインを始めた友人から「自分で時給を決めて働けるんだよ」と強く勧められ、選考を受けることにしたんです。選考中はスタッフが細かいところまでサポートしてくれたので、安心して仕事をスタートできました。

家事代行として働く

掃除なら、自分にもできるかもしれない!


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ー西さんが掃除と整理整頓に特化した理由を教えてください。

実は料理はあまり自信がなくて…。家族のために作るのは好きなのですが、お客様のご要望に完璧に応えられるか不安でした。また、限られた時間で複数の料理を作るのは自分には難しいと感じました。掃除や整理整頓も時間内に終えなければいけない点は同じですが、好きなことなので「私でもできるかもしれない」と思えたのが大きいですね。自宅では毎日隅々まで丁寧に掃除していたので、元々自信があったというのが理由です。キッズラインは「掃除だけ」「料理だけ」など、自分の得意のみを選んで提供できる点もありがたいですね。

ーキッズラインでデビュー後、どれくらいでお仕事が来るようになりましたか?

最初のお仕事を受けるまでに2〜3週間かかったと思います。その後は1週間に1回ぐらいのペースで仕事が入りました。すぐにたくさんの依頼が来たわけではなかったので、「サポーター募集」に応募して、電車で一時間半くらいのエリアまで積極的にサポートに行くようにしました。そのうちに定期が決まって安定してきましたね。

ーキッズラインで初めてお仕事を受けた日はどうでしたか?

なんと初めての方が日にちを間違えていて不在で、その時はどうしようかと焦りましたね。以前働いていた会社では、30分待ったら連絡せずに帰るルールだったのですが、キッズラインがどんなルールなのか頭に入っていなかったので、サポートデスクに確認しました。
「連絡がつかなければメッセージを送ってお帰りいただいてよい」と的確な指示をいただいたので、そのようにしてその日は終わりました。一人で行く心細さはありましたが、サポートデスクに連絡できたので、初日のトラブルも乗り越えられました。

ー普段はどのような方が依頼されますか?

お客様は忙しくて家事に手が回らない共働きの方が多く、掃除や整理整頓の他に、引っ越しのお手伝いを依頼されることもありますね。特に整理整頓は私の得意分野なので、頼まれると一層やりがいを感じます。
お問い合わせを受けたのみでサポートの経験はないのですが、英語を話すご家庭のサポートも可能です。正直なところ私は英語をあまり話せないものの、掃除に関する簡単な会話であれば問題ありません。また、事前の英語の内容については娘に手伝ってもらえるので、サポート内容を事前に理解した上でお伺いすることができます。

家事代行として働く

自分の特技が誰かの役に立っていることがうれしい


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ー家事サポーターとして働く上で、特にやりがいを感じる瞬間はどのようなときですか?

お客様から「手が回らない掃除をしてくれて助かりました」と言われると、本当に嬉しいです。自分の掃除や整理整頓でお客様が快適に過ごせていることがわかると、この仕事をやっていて本当に良かったなと思います。また、若い頃の自分を思い出し、同じように忙しい方々の役に立っていると実感しています。
医療事務をしていたときも地域貢献を意識していましたが、家事サポーターとして直接お客様にサービスを提供することで、より強く役立っていると実感できています。この仕事を通じて、これまでの自分の経験や努力が無駄ではなかったとあらためて感じる機会を得ています。

ー反対に、現場で戸惑ったことや困ったことはありましたか?

家事サポーターがお引き受けできないことを、お客様から依頼されたときですね。たとえば、サポート先に行ってから機器を分解して洗うよう頼まれたこともあります。その時は事前に自分ができることとできないことをしっかり伝える必要があると学びましたね。それ以来、お客様とのコミュニケーションをさらに丁寧にしようと心がけるようになりました。

収入を自分で決められる。それが自信につながった


ー時給について伺います。最初から2300円で設定されたのですか?

はい。同じくキッズラインで働いている友人に相談したところ、「西さんがお住まいの場所なら2300円くらいがいい」とアドバイスを受けて設定しました。定期のご依頼が増えてきたことを機に、2024年10月から2800円に値上げさせていただくことにしました。お客様にそのことを伝えるのはとても緊張したのですが、お客様に「西さんになら喜んでお支払いします」と言っていただけた際は、本当にうれしかったです。

ー得意な掃除をして収入を得ることで、心境に変化はありますか?

自分が好きなことをしながら、収入を上げられる点にキッズラインで働く楽しさを感じました。私は10年間、正社員を務めましたが一度も昇給をしたことがありませんでした。そんな私が自分の判断で500円も時給を上げられるんです。50代を迎えてからこんなにも時給を上げられたことで、自分に自信を持てるようになりました。
私の内面の変化は態度に出るようで、娘から「新しい仕事を始めて時給が上がって、最近は活き活きとしているね」と言われました。以前の私は、暗い顔をすることが多かったみたいです。好きな仕事をして、自分が思っていた以上の収入を得るって大事だなと感じましたね。

ー家事代行の仕事を始めて、生活はどう変わりましたか?

キッズラインを始めて、自分のペースで働けるようになり、家族との時間が増えました。以前は時間に縛られた仕事だったのですが、今は同居する孫の学校や帰宅時間に合わせて働くことができ本当に助かっています。自分の都合に合わせてスケジュールが組めるので、この仕事を選んでよかったと実感しています。

家事代行として働く

これからも「一歩を踏み出す」体験を続けたい


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ー将来的にどのような目標を持っていますか?

大きな目標はありませんが、常にこれからも新しいことに挑戦していきたいと思っています。年齢に関係なく、自分の可能性を広げていきたいです。このインタビューも最初はお断りしようかと迷いましたが、「新しい体験ができる」と思いお受けすることにしました。

ー最後に、以前の西さんのように家事サポーターに興味がある方に向けてメッセージをお願いします。

自分ができると思わなかったことでも思い切って挑戦してみると、新しい世界が広がります。不安を感じるのは自然なことです。でも一歩を踏み出してみると、意外と簡単なことかもしれません。
私もかつて、友人の後押しのおかげで挑戦することができました。あのとき、思い切って家事サポーターを始めてよかったと思っています。

――インタビューを終えて――
新しいことに直面すると、多くの人が「やらない」選択をしてしまいがちです。しかし、西さんは友人の後押しをきっかけに、一歩を踏み出しました。そのきっかけをしっかりと掴み、挑戦したことで得られた経験が、今のやりがいや生活の変化につながっています。掃除をすること、お客様から喜ばれることの嬉しさを楽しそうにお話しされる姿が素敵でした。


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